中越・ KOBE 足湯隊 レポート 16

事務局・清野です。
被災地NGO協働センターから、 「中越・KOBE足湯隊」レポートが入りましたので、ご紹介します。
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       能登半島地震救援学生ネットワーク事務局
第2次足湯隊に参加した大阪大学の是常さんの感想をお届けします。
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足湯感想文
大阪大学人間科学部ボランティア人間科学科3回生
是常 安紀子
【全体的なこと】
7日は穴水にて、キャッスル真名井と聖頌会グループホームの2箇所で足湯をさせていただいた。キャッスル真名井は、綺麗な景色の見えるリゾートホテルを避難所にした、という感じの場所だ。避難所といえばどうしても体育館のような、寒くて、プライバシーのない、生活しにくい場所というイメージがあったので意外だった。また、お昼に行かせていただいた聖頌会グループホームで、入所されている方々の足湯をさせていただいた。認知症の方々や、耳が遠い、体の一部がしびれる、うまく声が出せないなど、体の不自由な方々が多い。初めての経験に戸惑った。コミュニケーションをとることが本当に難しかった。だからこそ、笑顔が大事だということに気づかされる。
8日は門前のサンセットビューにて、足湯をさせていただく。ここも、もともとはリゾートホテルだ。ボラセンとのやりとりがうまくいかない。なぜか、「雨が降っているので、今日は一日ボランティアを受け付けない」と言われ、宮本さん斉藤さんがボラセンを通さず直接現地の方に掛け合っていただいて足湯をさせていただくに至った。現場のボラセンは混乱しているのかもしれないと思った。雨が降っていることは足湯には関係ないし、誰かが言っていたが雨が降ったときだからこそ必要な仕事もあるらしいし、それにこの日はボランティアがいちばん来やすい日曜日なのだ。もったいないと思う。


【個人的なこと】
 キャッスル真名井でのこと。足湯を始めてみると、「こんないいところに住まわせてもらってありがたい、申し訳ない」という声があがる。ここでの会話はとてもよくはずんだ。能登の方言、おまつりなど文化のことを多く聞かせてもらう。だが世間話に終始してしまい、本当に今、目の前にいる方に寄り添うことができているのかどうか、反省点が残った。
 反省会で、宮本さん斉藤さんの話を聞いていて、自分が足湯から引き出せたものの浅さにショックを受ける。私は実は、キャッスル真名井などで話を聞いていて、割と楽観的なイメージを持ってしまっていた。「いいところに住まわせてもらってありがたい」などの声が多かったし、避難されている方同士で会話もあったし、足湯をさせていただいたロビーの雰囲気は明るかったように感じたからだ。だがそれが表面的なものだったことに気づかされる。よくよく話を聞いていると、とにかく避難所を出て家に帰りたいと思っている方、一歩も外にでない日が続いている方、体調を崩されている方がかなりいらっしゃるという。避難所での生活が限界に来ているのではないかという声まで挙がった。私は今回の足湯で、そこまで被災者の方々の思いを垣間見ることができなかった。そこが私個人の失敗でありこれからの課題だと感じる。足湯は少なくとも被災者の方々の気分転換にはなりえると思う。だが、単なる気分転換の域からさらに踏み込んで、被災者の方々の本心を引き出すことが今私の目指すべき目標だと思う。
避難所に住まれている方が、今の状況の中で、心身の健康を保つためにはどうすればいいか、アプローチをしていけたらいいなと感じた。