能登半島地震【第12報】

浦野です。お疲れ様です。
現在穴水町で活動している吉田さん(京都大学防災研究所社会防災研究部門所属:博士後期課程)より昨日の活動状況について報告が届きました。(2007.4.1現在)
■活動状況
○声かけ隊
・地元の婦人会の方より「在宅の人の見回りが全然できていないようなので、私たちで訪問したい」という申し出があり、3名の1チームを5組作り、町内一斉ヒヤリングを実施した。(一部は未だに対応できていない→明日行う予定)
★声かけ隊コンセプトは以下のとおり
?被災地域の住民お皆さんに声をかけることで元気になってもらう。
?その会話を通じて、不安・不満・希望を聞き取る。
?あげられたニーズから、解決するための活動メニューを考える。


【在宅にいる被災者の様子・声】
・災害ボランティアセンターの存在を知らない方が多数。特に何をしているのかを分かっていない方が多い。
・隣の家に倒れ掛かりそうになっている家屋が2件あり。
・水道の出ないお宅あり。
・安全であるという青紙が貼ってある家でも、中はぐじゃぐじゃのままで壁も落ちていた。「疲れて動けん。自分もしんどい。でもボランティアには気を使うから頼むのは気が引ける。」とのこと。
・「鍵が壊れてどこにもいけん」との声あり。
・穴水町何やってるんだ!義援金の使い道が分からん。と行政対応に苛立ちの声も聞こえる。
・近くに銭湯がなく、足もない。自宅の水道の水圧が下げられており、チョロチョロしか水が出ない。自宅の風呂を利用しづらいとの声あり。
→少し離れた場所にあるふれあいセンターに銭湯あり。そこと町中心部との送迎バスを現在検討。ミーティングで町内におけるバス巡回(お風呂送迎)の提案をしたところ、4月2日朝には、すぐに住民に広報され、実施されることとなり、非常に迅速な対応ができた。
・将来への不安を抱える方多数(修復お金かかる)、収入も不安定な今の状態で、自分にとってこの家は建て直す価値があるのかがわからなくなってきた。
・地震によるショックと日常のリズムの崩れ、体の疲れなどが原因となり、精神的に不安定となり、閉じこもりぎみの方がいた。
→保健士さんに報告。対応依頼済み。もともと引きこもりの傾向がある方だったようだが、さらにひどくなった様子。
・瓦に勝手にシートをかけて、勝手に見積書をおいていった人がいたとの訴えあり。
→センター長が業者に連絡。対応済み
・どの業者に頼んでいいかわからない。
→現在は行政が窓口で業者を紹介していることを説明。
・家の整理でお疲れの方多数。
・眠れない方多数。
・布団で寝ていない。いつ余震が来るかわからずに怖いからこたつで寝ている。
※避難所の方よりも、在宅されているお年寄りの健康状態の方が明らかに悪い。明日保健師の方と対応について相談する予定。出来れば継続的な見回りを行えるのが理想的である。
★声かけ隊の今後
・活動の中心となっている婦人会の方々の予定が未だ不確定だが、声かけ隊は4月2日も実施予定。
・いかに定期的に、または組織立ってこれを実施するかは大きな課題。
・今後の持続性を考えて、第三者がやるべきか、地元の人がやるべきかで、センター内でも大きく意見がわかれており積み残し課題となっている。
○避難所の様子
・3箇所にあった避難所を一カ所に移すため、バスによる総移動を行った。
・4月2日10時から民生委員さんらと避難所の訪問活動を再開。
○その他
・名古屋の足湯隊、昨日無事名古屋に戻られました。みなさん、本当にお疲れさまでした。
・穴水に残留予定だった椿氏(ボラコなごや)は所用のため、昨日名古屋に戻られました。
・4月2日午前より、栗田が穴水町入り。4日まで活動予定。