村井 雑感レポート No.10

RSY事務局・清野です。震災がつなぐ全国ネットワークの顧問・村井氏からの雑感レポートをご紹介します。
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能登半島地震以来、いろいろな視点で能登地域を見ているのですが、七尾にいる知人から貴重な情報を頂きましたので、みなさんもお時間があれば是非覗いて見て下さい(石川情報書府編「青の回廊」http://shofu.pref.ishikawa.jp/shofu/kairou/index.html)。
 地震後、阪大のA先生とのやりとりから、以前読んだ網野善彦さんの『日本社会の歴史』(上・中・下)のことを思いだし、もう一度日本地図で日本と中国・朝鮮半島・ロシアとの位置関係を眺めて見ますと、見事に日本海側は東アジアとの交流の玄関口だっんだなぁということが想像できます。紹介した「青の回廊 環日本海交流と加賀・能登のルーツ」には見事にその歴史的な背景が記載されています。
 またこの能登・加賀の地域は、仏教との関係も深くすでに話題によくでる「総持寺祖院」や、浄土宗を開祖した法然上人の弟子親鸞上人に続いた蓮如上人が歩いた地域だそうです。この地域にはいろいろな伝統的な祭りがあり、それぞれに寺との関係の中で脈々と現在までつなげられてきたようです。1300年縲鰀1400年も、この地で人類の営みを守り続けてきたこの地の方々に敬意を表さざるを得ない。また、大陸から文化を届けて下さった大陸の先祖様にもお礼を言わなければならないでしょう。


こうした視点で能登地方を見ると、よく言われるところの「原風景」と3文字で片づけると、あまりにも”悠久の刻”が体感できずに過ぎ去ってしまいそうな気がします。今、現地で活動されているボランティアさん達が、少しでもこの歴史を感じながら能登のひとときを過ごされたら、これほどゆたかな時はないだろうと、羨ましく思います。
 丁度A新聞に「列島 360°」という記事が出ていましたが、結構日本列島各地の中山間地域で、大学生が地域おこしに頑張っています。是非、長期的な視点を持ちつつ、全国の大学が能登支援のアイデアを打ち出して欲しいなぁと期待します。
 今晩「中越・KOBE足湯隊」第2陣が帰神します。また、若い人達の生の声を聞いて下さい。神戸の会場ですが、11日は、午後6時から報告会を開きます。