能登半島地震【第18報】

皆様
事務局の松田です。おつかれさまです。穴水町で活動を行っている吉田護さん(京都大学防災研究所社会防災研究部門)より昨日の活動状況について報告が届きましたのでお知らせいたします。(2007.4.11現在)
■民生委員による「うるうるパック」配布とその報告会の概要
(民生委員による穴水地区の一人暮らし高齢者の被害状況調査について)
1.日時 平成19年4月10日 13:30縲怩P6:30
2.活動内容
 民生委員(41名)が穴水地区の一人暮らし高齢者(222名)の被害状況調査を行い、訪問時に災害ボランティア活動支援プロジェクト会議から寄贈のあった「うるうるパック」(ウエットティッシュ、ハンカチ、飴、石鹸)を届けた。
3.報告会
 訪問活動終了後、健康センターの検診ホールで活動報告会を行い、以下のとおり報告がった。
(1) お墓の修復作業について
 Q お墓が倒れているが、業者もいつ工事をしてくれるか分からない。
 A 危険が伴うので、一般のボランティアでは対応が難しい。
 Q お墓を直す道具を役場で援助してもらえないか。
 A 民生委員の所有のものを貸すことが出来るが、役場にも伝えておく。
(2) ゴミの問題について
 Q 町内に山積みになったままになっている。
 A 山積みになっていてもゴミや所有物か分からないので、災害ボランティアセンターに連絡してもらえれば対応出来る。
(3) 心身の問題について
 Q 前から耳が不自由な方が災害で益々ひどくなった。筆談で会話をして来たが、話相手が欲しいようだった。
 Q 心臓の病気の方で日常生活の支援が必要な方がいる。
 A 民生委員とボランティアが協同で活動する必要がある。
(4) 日常生活について
 Q 水まわり、風呂、台所の補修が必要な方がいた。
 Q 古い家屋の方から調査の依頼があった。
 A 木耐協の調査をしてもらってはどうか。
 Q 配管が破裂して修理の必要な方がいる。
 A 専門技術を持ったボランティアが要るとは限らない。基本的には、誰でも出来ることをボランティアにしてもらっている。
(5) その他
 Q 民生委員とボランティアの連携を図るにはどうすれば良いのか。
 A これからの課題を共有化することが大切である。また、地元のボランティアや外部の方でも穴水のファンを作る必要がある。
 A 民生委員から連絡をもらえればボランティアは活動できる。民生委員の声をボランティアセンターに伝えて欲しい。
 Q ボランティアという言葉は知っていたが、何をボランティアに頼んで良いのか分からない人がいる。
 Q いずれは誰もいなくなるので、ボランティアに頼りっぱなしは怖い。町内のボランティアへの声掛けや登録制を検討してはどうか。
 A 現在も声掛けは行っているが、大切な事である。
 A 今月末には仮設住宅が建設されるが、次の住家をどうするか心配な人がいるので、不安を取り除くための茶話会等を企画する必要がある。


■家屋の診断ボランティアに関して
竏猪ウ料の耐震診断ボランティアに関する記事が北国新聞等に掲載され、診断ボランティアに対する問い合わせ、診断依頼に関する電話が多数寄せられた。既に30件を超える依頼を受けており非常に反響、要望が大きかったことがわかる。ただし、輪島や門前の方からの問い合わせもあり、各地域の行政間、被災者間で揉める可能性を生んでしまった点は否めない。被災した規模は各地域で異なるものの、被災者は地域で区別されるものではない。被災者支援、支援制度の点ではある程度地域間で足並みを揃えなければ、被災者間で不公平感を生んでしまい、余計な問題を発生させてしまう点は解決されるべき今後の課題のように思われる。
竏酎マ震診断ボランティアに対する反応がこれだけ大きかった点は、穴水町だけでなく他の地域においても、診断に対するニーズが高いということを示す良い証拠かと思われる。
竏窒ワた穴水町では耐震診断に関して、地震発生以前の依頼に関しては診断費用の半額補助をおこなう制度が存在するが、地震発生後、被災後の家屋の診断に対して補助を実施するか否かに関して行政側も困惑している様子であった。診断ボランティアに対する反響が大きかった点をふまえつつ、今後の対応については行政と慎重に調整を図っていきたい。
竏窒ネお、診断ボランティアの受付に関しては明日4月12日を期日とする予定だが、それ以降の問い合わせ、診断依頼が多い場合はさらなる検討をおこなうことが決定された。
■避難所廻り(避難所の方々の声)
竏註カきる気力をなくされているような様子を示す方がいた。社協の方が親類に対応を問い合わせたところ、地震発生前からそのような様子を示しており、また仮設住宅の登録もしていることがわかった。生きる意志はあるとのことだが、気になるところではある。
竏柱ゥ廻り組と地元ボランティア連絡協議会の方々とで、地元ボランティアについて話し合いの機会を設けることができた(本日の最も大きな進展)。穴水町には37の団体がボランティア連絡協議会に登録しており、今後の穴水町を支える地元ボランティアを募集する上でのキーマンである担当者の方と話し合いが持てた点は非常によかった。担当者の方は非常にやる気があり、地元のボランティアがなんとか今このときこそ頑張らなならん、とあつく語っておられた。これまでは被害が大きい人がいたのでなかなか動きにくかったともおっしゃっていた。
■今後の展開
竏鈀4月17日(火)13:30よりボランティア連絡協議会に登録している37団体の代表者を集め、これまでの穴水のボランティア活動の経過(足湯隊、避難所廻り、在宅の方への声かけ活動、うるうるパック配布、ごみ回収・分別作業など他多数)を説明すると共に、今後地元ボランティアとしてどのようなことができるのかを話しあう予定。
竏宙ネ下の2点を議題にあげてほしいということを伝えた。
1.避難所でのお楽しみ企画
2.VCへの地元ボランティアの常駐
1.に関して地元の子供たちの合唱団がいるのでそちらの方へは働きかけをおこなってみるとのこと。4月17日に開かれる集会においていかに地元のボランティアをVCに巻き込むかが大きな課題。基本的には、地元ボランティアが智恵を出し合い、自発的な活動の実施を促す方向だが、何をボランティアとしてできるのか?何をすればいいのかという声があがってくると思われる。そのため、これまでの被災地ではこんなボランティアを行っていたということを外部者が伝えてもいいと思う。また、ボランティアという言葉にとらわれず、今後の穴水町を活性化させる上で、各団体に何ができるかという点を考えてもらってもよい。外部ボランティアから地元ボランティアへ、ボランティア活動から町の活性化へ、大きな転換点を迎えるだろう。