能登半島地震【第22報】

皆様
栗田です。お疲れ様です。浦野より穴水町災害対策ボランティア現地本部での活動状況について報告が届きましたのでお知らせいたします。(2007.4.18現在)
■避難所訪問活動
【被災者の声】
★日常生活のこと
・普段は明日、あさってなにしようかと段取りを持って生活しているが、「無計画」であることが苦痛だ。施設からも送迎の車を出してもらえるが、家で用事を済ませてきたいと思っても、「待たせては申し訳ない」と気兼ねしてゆっくりと時間が過ごせない。でもこれは自分のわがままだから、仕方がない。1時間ぐらいでも家の周りを歩いたりできればいいのだが。
・家の片付けは兄弟が方々から来てやってくれている。でも、体が思うように動かない自分(脳梗塞による片麻痺だと思われる)がいても邪魔だと言われ、ここにいる。役に立ちたいと思っても、実際に邪魔になるだけだと自分も思うので仕方がない。
★家のこと
・町から家の調査に入った人に、「うちは赤紙で一部損壊、2件おいて隣は黄紙で半壊とされている。どうしてこんな違いがでるんだ?」と尋ねるも「難しいことをいうおばあさんだ」と言われただけで答えてもらずにとても悔しい思いをした。まだその疑問は解決していない。
※本日より、ボランティアの待機所として使用していたプレハブを地元ボランティアの活動拠点として使用できるよう環境整備をし、早速第1回目の打ち合わせが行われた。本日の被災者の声と、昨日のボラ連会議の話し合いの結果を受けて、以下の内容の実施が決まった。
・気分転換、外出支援について
外出を希望する方については、明日送迎車を出し、ご本人と親しい訪問ボランティアが同行し、おしゃべりをしながら、ゆっくりと用事を済ませられる時間を作る。(とりあえず今回は、グループホームの数人の希望者のみ)
・避難所での元気づけイベントについて
困った時はお互い様 穴水応援企画
「ほっと一息つきましょうの会」
日時:4月21日(土)19:00縲鰀20:00
場所:キャッスル真名井 大広間
内容
子どもたちの歌を聞いて、お茶でも飲みながらホッと一息つきましょう。
?少年少女合唱団リトルプラネット(地元ボラ・小学生)による合唱
「ふるさと」「あかとんぼ」など
?育児サークルいいおかお(地元ボラ・幼児)による「こいのぼり」の歌と手作りかぶとのプレゼント
?時間があったらカラオケ
※昨日のボラ連会議に出席したリトルプラネットの担当者の方のコメント
これまでのボランティアの取り組みや全国の皆さんの様々な助けを知り、今後町民の一人ひとりができるボランティアこそが大切であると気づかされる有意義な会議でした。何かお役に立てることはないかと思っていた矢先だったので、二つ返事で参加することにしました。
→明日より避難所にチラシを配り、参加を呼びかける予定。


■仮設住宅応援企画について
※本日健康福祉課課長がボランティア活動拠点を訪れ、以下の報告と相談を受けた。
?仮設入居までのスケジュール
・4月20日(金)仮設入所募集締め切り
・4月23日(月)仮設入所者内定通知発行
・4月26日(木)入居説明会
・5月1日(火)入居開始
※検討内容1:入居説明会の内容について
・行政は、入所申し込みの時点で間取りの書いた資料を配布しているため、当日は仮設の設置場所やコンセントの位置などについての簡単な内部の説明を紙のみで行う予定でいた。
・しかし、紙だけではどのような環境なのか、広さやモノをおけるスペースなどのイメージがつかみにくいことが予測されるので、写真等を盛り込んだ説明内容にすることを依頼した。
・また、新潟県中越地震で仮設入居の経験のある方を招き、新生活にあたり用意しておくと便利なものや、冬や夏の生活環境などについて経験談をお話頂く時間を取ってもらうことを提案したところ、行政には了承して頂けた。中越関係者とは後日調整。
※検討内容2:引越しにあたってのニーズの掘り起こし
・行政では、説明会の時にボランティア依頼の申し込み窓口を設けて、登録してもらうということで、必要なボランティア数、作業内容のニーズ把握を行う予定だった。
しかし、当日聞いてすぐにそのようなことが答えられる方は少ないのではないかと考え、4月29日ぐらいまでの3日間で、手伝いが必要な人はボランティアセンターに要望を上げてもらうことを案内する予定。
・また入居人数が少ないため、行政と協議の上、入所希望者には一人ひとりに直接こちらから要望を聞きにいくことも可能かと思われる。明日以降で調整する。
※検討3:引越しボランティアの確保
・引越し時期の予測は5月1日縲鰀6日の1週間と見込んでいる。
・現在までに手伝いの申し出のある地元ボランティアは、北電12名(自動車3台)のみ。今後は、地元の高校などにも呼びかけたり、県外のまとまった数のボランティア受け入れも検討していく方向。
この他にも、引越し当日の段取り確認、運搬の車、資機材の手配・確保、ボランティアの仕事内容の明確化や活動する際の注意点などを整理したり、調整していく必要がある。明日以降、地元ボランティア、社協、行政と相談し進めていく予定。
■浦野感想
・昨日のボラ連の会議に行政が出席していたことで、ボランティアとしての得意分野や前向きな気持ちが伝わったのか、行政側の対応に変化があらわれた気がする。今までは、行政が作った制度の中に被災者を当てはめるという印象が強かったが、今日は積極的にボランティア活動拠点まで足を運び、「被災者が必要とすること」に対して町のやれること、ボランティアと一緒に協力できることを考えようとする姿勢が見られた。今後もこの関係をなるべく維持できるようにしたい。
・ボラ連の活動の活発化はとても心強いが、被災された方にとっては、何かを「されるだけ」の関係ばかりでは気持ちが辛くなってしまうことが次の懸念として浮かぶ。
少しボラ連の活動が軌道に乗りはじめたら、中越や阪神の事例のように、被災された方が主役、主体になれる活動のバックアップも大事なボランティアの役割であることを少しずつ地元の方に伝えていければと思う。