事務局です。
被災地NGO協働センターから、 「中越・KOBE足湯隊」レポートが入りましたので、ご紹介します。
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「中越・KOBE足湯隊」レポート6
能登半島地震救援学生ネットワーク事務局
足湯が大好評で、いろいろなところにいい影響を与えています。足湯をしながら、被災者のつぶやきを聞いてきましたが、次なる災害のためにも、また何よりも本格復興に入る新潟県中越地震のため
にも、そしてもちろん能登のみなさまの今後のためにも生かせるように一言一言の「生の声」に向き合って行きたいと思います。
今後とも温かいご支援のほどをお願いします。
この「レポート」のコーナーで、今日から第一次足湯隊に参加された大阪大学大学院 宮本匠さんの「つぶやき レポート」を紹介していきます。宮本さんは、新潟県中越でも足湯活動を体験し、またその後山古志の集落にも入り続けてきた若者です。
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中越・KOBE足湯隊 つぶやきレポート1
宮本匠
門前町阿岸公民館には、船で避難された深見地区の方々と、地元阿岸地区の方が避難されている。この避難所を見守るのが、公民館の館長さん。中に入るなり、廊下の写真が目に入る。子どもたちが
なにやら畑をしたり、そばを打つ写真。
館長さんは、地震前、阿岸の子どもたちの体験学習を行っていた。月に2回、子どもたちは館長さんのもとに集まり、サツマイモ掘りをしたり、凧の作り方を教えてもらったり。「わたし、船のコックだったんですよ。だからなんでもつくれるんです。」
船乗りの多いこの町、館長さんもそのひとりだった。扉の前で煙草を吸いながら、私たちが足湯の準備をしているのを見つめている。「館長さん、おしゃれな煙草吸ってはりますね」「ん?わるい?」愛嬌のある顔で応じてくださる。
ストーブに当たっていると、私のとなりに館長さんがやってきた。「あのね、わたし、地震のとき、ちょうど子どもたちの体験学習してたんですわ。阿岸の子どもが20人くらいここに集まりましてね。ぞうきんぬいと巻き寿司作ってたんですわ。
そしたら地震がきて。子どもたちは、やっぱり訓練してるんですな。こうやって、みんなして集まって、頭を寄せて、まるゥなってました。そしたら、後になってお母さんが尋ねてこられてね。そのお母さんは、いまどき珍しい4人のお子さんおるんですわ。それで、館長さんのおかげで子どもが命拾いしたて。
もし子どもが家にいたら、4人の面倒とても見られん。だれか死んでたかも知らん。館長さんのおかげで、命拾いしたてね、涙ながすんですわ。いま、ゆとり学習へらすへらす言うとるでしょ。わたし思いましたわ、こんなんでも人の命すくえるんやなて。」