事務局です。
能登半島地震被災地での「中越・KOBE足湯隊」のレポート14をご紹介します。
「中越・KOBE足湯隊」は地震発生直後から二陣が門前町、また一部穴水町に派遣されておりました。
足湯隊のこれまでの活動レポートはRSYのブログでも紹介していますのでごらんください。
http://www.rsy-nagoya.com/rsy/blog/archives.html
——————-
「中越・KOBE足湯隊」レポート14
能登半島地震救援学生ネットワーク事務局
今回は、第2次足湯隊の神戸学院大学・山本さんの感想文をお届けします。
なお、4月11日の報告会の議事録(http://www.pure.ne.jp/~ngo/houkokukai070411.doc)
と当日配布資料の「現地活動報告書」
(http://qqqqlove.net/noto/repo_070411.pdf)がそれぞれダウンロードできますの
で、是非ご一読下さい。
————-
「中越・KOBE足湯隊」第2陣参加の報告・感想
神戸学院大学法学部国際関係法学科
ボランティア活動基金VAF3回生 山本佳世子
私は今まで災害が起こったときは緊急支援活動として募金活動に参加していました。今回、初めて災害ボランティアとして現地を訪れようと思ったのは、私が阪神大震災の被災者であること、そのために自分には何か能登の方たちと通じるものがあるのではないかと思ったからです。
地震発生から2週間たっていることもあり、私が訪れた穴水町では避難所が2ヶ所、約50名の方が生活しておられました。7日・8日とも避難所で足湯をさせていただき、一見するとみなさんの表情は明るく、私たちが話しかけると楽しそうに答えてくださいました。しかし避難所におられる方のほとんどが昼間は家の片付けにむかっているそうで、私が足湯をさせていただいたおじいちゃんも、ほぼ毎日、家の片付けに向かっているとおっしゃっていました。
また、8日の午前は穴水町で被害の大きかった穴水駅付近を視察しに行きました。そこではちょうど家を壊している最中で、家の柱や木材を重機でトラックに積んでいるところでした。たまたま通りかかった地元の方にお話を聞くと、毎日1から2件の家が壊されていくそうです。私はその中のある1軒に目がとまりました。その家の隣には地震で壊された後と思われる何もない土地があり、それに面したその家の壁は一面、青いビニールシートで覆われていました。ビニールシートから少しだけのぞく壁は塗装がはがれ、ガラス戸は閉められない状態のようでした。そしてそのガラス戸から、1人の女性が行き来していました。この方も、どうやら家の片づけをしているようです。被災地ではよくある光景ですが、この光景は私にとってとても切ない印象を与えました。住み慣れた家が壊れたり、使えなくなってしまった家具などを捨てるとき、それまですごしてきた日常や思い出も一緒になくなってしまう気がするのです。被災者の方の中に家を離れたくないとおっしゃる方がいるのは、その家で過ごしたたくさんの思い出が懐かしく、それらの思い出をなくしたくないと思うからではないでしょうか。なくなってしまうとわかって初めて、その家ですごした何気ない日常の大切さやありがたみに気づくのかもしれません。
今後、道路や家が再建され、目に見える形の復興は進んでいくでしょう。しかしこの時期にこそ、被災者の方のこころのケアや休息が必要になってくると思います。ゆっくりでも良いので、被災者の方が安心して新しい日常を築けるように環境を整えていってほしいと思いました。