能登半島地震【第29報】

皆様
栗田です。お疲れ様です。穴水町災害対策ボランティア現地本部で活動している浦野より現地の報告が入りましたのでお知らせいたします。(2007.5.1現在)
■引越し作業
・本日の引越しボランティアのニーズ件数は8件。あいにくの雨であったが、53名のボランティアが活動し、作業自体は特にトラブルもなく終了した。
・引越しで使用した軽トラやワンボックスカーは、地元ライオンズクラブやロータリークラブ、ボラ連(4団体)などから提供。
■被災者への提供品の仕分け・配布
・隣町である能登町より、民生児童委員18名が参加。
・行政から仮設へ入居する住民へ提供された水と米を、45世帯分に仕分けし、応援メッセージカードを添えた。
・5月1日15時までに入居された方13世帯を訪問し、物品を配布すると共に、「室内の使い勝手など不便なことや困ったことはないか」などについて、声かけを行った。
[声かけの際に出てきた声]
・本日は入居された方に対し、電力会社よりIHクッキングヒーターの使用方法について戸別での説明が行われていた。しかし、すでに説明を終えた一人暮らし(83歳・男性)へ声をかけた際、ご自分で引越しの際に用意されたと見られるIHでは使えないアルミ製のなべをコンロにかけていた。


IHで使えるなべは、鉄・鉄鋳物、鉄ホーロー、ステンレスなど、使えないなべは耐熱ガラス、陶磁器(土なべなど)、銅、アルミなどであるため、その旨を何度か説明するも、十分に理解するのが難しい様子だった。また、業者からも高齢者でも分かりやすく加工されている説明書も配布されていたが、あまり読みこなせていない様子。口頭での根気強い説明が必要であると感じた。また、アルミ製のなべは一人分の調理をする際には大きさも重さも手軽であり、普段使い慣れているもののようだったので、心情としては今後も使っていきたいという意向が大きい様子。今後も何度か訪問し、見守りの必要性を感じた。
・玄関の日さしからしたたる雨のしずくが、アスファルトにはねて家の中に入ってくることを気にして、自分で持参した波板を電動ドリルで固定・設置されていた方がいた。バリアフリーを意識してか、入り口に段差がないため、その分雪や雨の際には玄関の上がり口がぬれ、汚れる可能性がある。このような軽度の日曜大工については、中越地震の際と同様に、大工ボランティアなどのサポートが必要になると考えられる。
■談話室の環境整備
・障害者用トイレと調理場が完備されている14畳ほどのスペースが談話室として住民に開放されている。なるべく早めに休憩室やお茶のみ場として使用できるよう、地元ボランティア2名が掃除等を行った。
・本日中京女子大学の学生6名がボランティアとして活動し、殺風景だった部屋の壁に花やつるなどの折り紙を飾り、明るい雰囲気づくりを行ってくれた。
・現在は社協と相談し、談話室に足りない備品を購入する予定。
■学童「おひさまクラブ」でのお楽しみ会の開催
・穴水町の学童にて、20名ほどの小学生に対し、中京女子大学の学生が人形劇やダンスを披露した。人形劇では真剣に話を聞く様子や人形に声をかけたり、爆笑の場面も多々あった。また、ダンスではポケモンのテーマに乗って、ジャンプをしたりと体を思いっきり動かし、子どもたちが心から楽しんでいた様子が見られた。最後には、学生の用意したメッセージつきのおやつが配られ、名残惜しくお別れの時を迎えた。
・学童に通っている子どもの中でも、3名が仮設入所が決まっている。そのほかの子どもでも、激しい揺れを体験し、倒壊は間逃れたとしても、ほとんどの子どもの家で、室内の被害を受け、大変怖い思いもしていることだろう。特に地震を意識した声かけや話題提供はしなかったが、突然「地震が・・・」と口走る子もいた。しかし、子どもたちの心からの笑顔を見ることができ、この学童の存在の重要さと、このような企画を今後も継続していく必要性を感じた。