新潟県中越沖地震[第4報]

皆様
栗田です。お疲れ様です。
現地入りしております浦野より活動状況について報告が届きましたのでお知らせいたします。(2007.7.18現在)
[本日の浦野の動き]
・区長への災害ボランティアセンター設置に関する周知(村内の巡回)
・避難所への高齢者用ウレタンマットの配布と巡回
・福祉施設の実態調査
■第2回ミーティング
・日時:2007年7月18日(木)18:15縲鰀21:00
・場所:農業環境改善センター
・参加者:新潟県社協、刈羽村社協、長岡市社協、ブロック派遣社協、中越復興市民会議、RSYなど
[刈羽村災害ボランティアセンターの概要]
・住所:〒945竏鈀0397新潟県刈羽郡刈羽村大字割町新田185番地
・電話:0257竏鈀45竏鈀2316
[被害の概要]
・人口:約5000人
・避難所数:6箇所(うち要援護者対応施設2箇所)
・家屋被害:全壊33棟、半壊95棟、一部損壊5棟
[区長への周知について]
・20の集落へ区長への挨拶周りと周辺地域の被害状況調査を実施。
・14:00縲恂黷ノて区長会議があり、各地区の状況報告と、災害ボランティアセンター設置の住民への周知の呼びかけを行う。
<地区の対応と今後の不安>
・区長・消防団を先頭に、地域で屋根のブルーシート張りや、家屋の片付けが始まっている。物資は消防団が各集落センターに運ばれ、在宅の世帯に漏れなく配給される仕組みができている。
・一連の作業の中で、区長にかかる負担が大きくなってきている様子。しかし、「自分の家も被害が出ているが、区長だから今は自分のことは後回しにしても地域の対応をせざるを得ない」と疲れた表情を見せる方もいらっしゃった。
・ボランティア受け入れの不安については、ボランティアが家屋の片付けにどんどん入ってしまうと、「あそこの家はおやじも、次男もしっかりしているのに、ボランティアにまかせっきりで楽してんじゃないか」という声が出るかもしれないということ。なるべく地域の自主性を損なわない関わり方が大切と思うが、本当に困っていて手を上げたいのにこのような関係性があり、上げずらいという面も一方では考えられるため、このような世帯の把握や声かけについては、区長さんにフォローしてもらう。
・区長さんも含めて、困っていることを声に出していってもらいやすい環境をボランティアセンターで作っていかなければならない。


■避難所対応
[避難所環境について]
・現在の避難所数は5箇所。うち1箇所はデイサービスセンターで、要援護者専用。18日(木)より、さらに1箇所要援護者の専用避難所として福祉センターを開所し、利用者以外の方はこちらに移動。デイサービスセンターの通常業務を再開できるように準備を進めている。
・現在は県職員2名、保健師・看護師(1名縲鰀2名)が常駐しており、一部の避難所では保健師の指導により、高齢者のADL低下予防のため、軽い運動などを始めているところもみられている。しかし、「困ったことがあったら言ってください」というスタンスが主流。それぞれが思いつく対応をその場でやっている部分が多く、現在の避難所の課題の全体像の把握や、今後の具体的な対応策などのイメージが持てていないため、支援に関わる人達の間での共有の場が必要。
・畳1畳分のウレタンマットが114枚届く。高齢者優先的に配布して頂くよう各避難所に搬入。後日500枚程度追加搬入できるよう手配する。
・ポータブルトイレが17日時点で5台届く。追加で45台搬入予定。
・トイレ付近に消毒薬は設置されるも、掃除や衛生面での対応等、まだ改善が必要な点が多々あるため、18日に整備できるよう災害対策室に相談する予定。
・小学生縲恍・w生の子どもがとても多い。中学生の女の子が小さな子どもを面倒見る姿も見られた。とにかくやることがなく、暇をもてあましているという様子。
[避難所の人々の様子]
・「だんだん疲れが出てきた。いつ家に帰れるのか目処が立たない。」と疲れた表情で話すお年寄りが増えてきた。喘息の発作などで倒れ、救急車で運ばれる方が2名ほどいた。日中ほとんど寝床を動かず、座りっぱなしの方が目立つ。
・子どものストレスがたまっている。奇声を発して避難所内を全速力で走り回る子どもの姿も多い。小さな子どもの面倒を見ている中学生などは、「とにかくやることがないから・・・。他の避難所に避難している友達の様子も気になるが、遠くて一人ではいけない」との声もあった。
・地震当時食器棚で足を切り、14針縫ったという中学生の女の子は、「とても怖かった。近くにいた工事現場のお兄さんに病院に連れていってもらった。今でも家に入るのが怖い」と言っている。学校が休校になっており、「学校がどんな様子になっているのか見たい、外に出たい」と言っていた。また、カップラーメンやおにぎりばかりなので、野菜不足とのこと。
・4歳の子どもを抱える母親は、「自分自身も精神の病院に通っているので、子どもを抱えての避難生活は不安が大きい。自分がどこまでもつかも不安。」ともらしていた。また、家はもう寝泊りできる状況まで復旧しているが、子どもが家に入ることに異常な恐怖心を抱いているので、母親と子どもだけ避難所で寝ているというケースもあり、「こんな状態がいつまで続くのか・・」と涙ぐんでいた。
・こちらからの働きかけに、「3年前にも被害を受けて、今回の地震でもまた被害を受けてしまった。どうしたらいいのか・・」などと泣きながら、話す姿が増えてきたように思われる。
・昨日から避難所に仮設風呂が設置され、利用したが、数ヶ月前に骨折をして、杖をついて歩いている自分は、浴槽が深すぎてお湯に浸かれずシャワーのみだった。床が固くて体が痛く、疲れがだいぶたまってきた。
・子ども用の仮設トイレ(おまるのようなもの)が必要(通常の和式仮設トイレではまたげない)
[福祉施設の状況]
○特別養護老人ホームA
・職員がギリギリのローテーションを組んで対応しているため、特に夜間の対応に不安がある。
・食事は、レトルトのおかゆなどの調達が課題。
・衛生管理のために、消毒薬なども不足している。
○高齢者デイサービスセンターB
・定員15名のところを最大で40名受け入れた。現在は25名程度の入居状況。
・デイサービスの通常業務復旧のため、夜から福祉センターを要援護者用の避難所とし、一部の入所者を移動。
・おにぎりなどの配給はあるも、おかゆ対応や刻み食対応が十分にできず、十分に食事がとれていない方もいる。カセットコンロなどが調達できれば、高齢者の状況に合わせて食事が加工できると思う。
→災害対策本部に報告し、自衛隊による食料提供状況などを確認の上対応する。
[避難所の今後の対応]
以下の部門に分けて体制をつくる
○子ども対応部門
・子どもの状況把握
・遊び企画づくり
○高齢者対応部門
・高齢者の状況把握
・声かけ、ニーズ拾い対応
・ADL低下防止対応
・介護・看護などの専門支援対応
○環境整備部門
・トイレ整備
・衛生管理  など
○福祉避難所対応部門
・不足品の調達
・専門支援員配置の調整 など
※高齢者等の声かけ・見守りなどについては、地元ボランティア「友の会」を中心に実施できるよう、18日(木)午後、ミーティングを行う予定。
※子どもの遊びについては、午前中ボランティアを派遣し、子どもの状況把握に応じて、遊びに必要な道具、活動メニューを検討するうえで必要な材料集めをして頂く。
※避難所に災害ボランティアセンターの連絡先ポスターはり、周知を行う。
※旧山古志村から7トンの水が提供され、福祉施設の洗濯や入浴に使っている。
■災害ボランティアセンター
・9時よりボランティア受付し、随時ボランティアに出て行って活動。家屋内の片付け、倒れた塀をよけて欲しいなど。
・ニーズ件数18。内10件対応。ボランティア数58。
・物資の仕分け、水の配布などが役場より依頼があり随時動いた。
・ボランティアや内部スタッフとコミュニケーションを取れるように。手続きは簡略化する。
■ボランティア募集について
・HPでは、本日までは準備中。
・金・土・日でボランティアバスを出したいと県より要請あり。金曜日は60名。土・日で被災地域へ総勢300名予定。数はセンターのニーズに合わせた形で人数調整する。→受け入れる方向で検討。
・地域の雰囲気としては、3年前の中越地震の記憶があるので、ボランティアに対する警戒心のようなものは薄くなっているのではないかと思う。
・刈羽村災害ボランティアセンターでの募集内容については、県内、子どもの相手ができる人、介護が必要な人に限定する。
■ライフラインについて
・水道:使用できるのは1週間後の見通し。
・下水は、各集落ごとに段階的に使用。全面復旧は1ヶ月程度かかるだろう。
・道路:応急処置が1週間以内で全て終わる。その時点で全ての道路が通れるようになる。
・電気:本日中に開通
・物資:消防団が物資の運搬役になっているが、消防団をそのような役割で使いたくないということなので、集落ごとに物資を取りに来るという仕組みにしたい。みんなに対して配るのではなく、基本的には避難所に自分でとりにいく、また「この人は必要だ」という人をピックアップして配る。
・集落によっては、仮設トイレが1台しか設置されていないところがある。自宅にポータブルトイレを配布する必要あり。
■災害対策本部での今後の対応
・仮設住宅:100戸設置検討予定。条件は全壊か大規模半壊
・集落への伝達は広報が主。場所によっては聞こえないところもあるとクレームあり。今後、災害対策本部で、電光掲示板を使ったり、FMラジオ、ケーブルテレビなどを通じて情報発信することを検討。
■明日からのセンター体制
・本部長
・副本部長
・調整チーム(渉外・調整)
・避難所チーム(避難所対応/コミュニティ対応/区長対応)
・ボランティアチーム(ボランティア受付/ニーズ受付/マッチング/報告/要請対応/資器材対応)