新潟県中越沖地震[第15報]

皆様
浦野です。お疲れ様です。
現地入りしているRSY・松田より報告が届きましたのでお知らせ致します。
[2007.7.31現在]
また、NPO法人阪神障害者・高齢者支援ネットワークの黒田裕子氏が、8月3日縲鰀5日ま
で再び現地入りされます。
■概要
[避難所の様子]
・福祉避難所のきららは避難所としての機能を8月1日で止め、今後は一時預かりの施
設となる。
・避難所での自衛隊の炊き出しは8月1日で停止。8月2日からは村内の民間会社が炊き
出しを請け負う。
・水道の開通により公共施設前の仮設トイレ、および給水車が停止される。仮設トイ
レは下水の調子がよくないA避難所については継続。一般家庭で水道が使えない家庭
については区長を通じ役場に届出て対応。


■避難所内の活動
・移動茶の間は月・木の週2回の実施となる。次回2日(木)に実施し、その様子を見
てそれ以降の方針を決定する。
・昼間避難所にいる人が少なく、話をする人がいない。散歩に誘おうとしたが、暑い
からねえと言われる。外に出ていない方も多く、どう対処したらよいか分からない。
・活動後のミーティングで、散歩するならば、早朝が本当は良いのではないか、お花
を育ててもらったらよいのではという意見がでた。プランタの準備が整いそうなの
で、とりあえず、明日の見守りで「もうすぐできる仮設住宅のために花を育てたいん
だが、今の季節なら○○さんはどんな花を植えられますか?」というように聞いてみ
ることにする。
・暑くなってきたので入浴の際に十分水分を取るように伝える事にする。
■その他
・ボランティアについて、たくさんきているのは知っているが、何をどこまで頼んで
よいのかわからない、自分が違う仕事をするためにボランティアを頼むわけにはいか
ない、お金はいくらかかるのか、といった声が聞かれる。私はこんなことをお願いし
ましたよ、という具体的事例や、ボランティアですのでお金は頂きませんよ、という
ような説明をもう一度配ったほうがよい。
・黄紙住宅のボランティア活動調査に参加している全国住宅火災防止協会の方が来ら
れ「制服だと嫌がれるそうなので今日から私服で活動しているが、制服に戻していい
か」と訊かれました。よくよく話を伺うと、私が前回の報告で書いた軍服のような格
好でボランティアに来る人がいるという内容を曲解していらっしゃると分かりまし
た。そんなつもりはありませんでしたが、自分のコメントが意図しないように受け取
られるんだと勉強になりました。
○柏崎市の障害者施設「NPO法人トライネット」での活動報告
第7報でご報告させて頂きました「トライネット」での障害者支援活動について、報
告を読んで下さった名古屋市内障害者福祉施設のSさんが、専門スタッフとして現地
入りして下さいました。以下の報告が届きましたのでお知らせ致します。
※現在トライネットでは、施設職員がコーディネーターとなり、独自のネットワーク
や県内の専門スタッフの協力を得つつ、人員調整等を行っています。現状では、需要
と供給のバランスを見極めながら、人員確保を行っている状況であることをご了解く
ださい。
[Sさんの報告]
7月23日の浦野さんのMLで障害者通所施設「NPO法人トライネット」についての報告を
見て、7月25日から28日まで3名(男性2名、女性1名)のヘルパーでボランティアをさ
せていただきました。
<トライネットの概略>
2階建ての建物で1階部分は主に重度障害者を対象とする「生活介護」、2階部分は自
閉・知的児童などの「一時預かり」と「居宅介護」です。現在の施設利用者は1階、
2階とも1日あたり10名前後でした。利用者の中には、普段は他の施設を利用され
ている方もいました。
<被災(16日)から25日まで>
被災時は祝日で施設は閉所。被災直後早い段階で日本財団、NPO法人全国地域生活支
援ネットワークの応援とコーディネイトの方が入って頂き、17日には2階の一時預
かりが、23日には生活介護が再開できたとの事です。
<26日未明に到着>
26日深夜1時ころ柏崎に到着。深夜なのでよく分からない状況でしたが、道に大き
く張り出して倒壊している家屋があり、被害の大きさ眼の辺りにしました。トライ
ネット到着後、周辺では多くの家が倒壊し、トライネット両隣の家も倒壊、うち1軒
は1階部分が潰れ、2階部分がトライネット側に大きく傾いている状態でした。
<27日より29日>
朝、施設の事務局長の高橋さんの説明では、昨日26日に施設では水道が復旧したとの
ことです。それまでは非常用トイレもあったのですが、障害を持った利用者にとって
は物理的・精神的に利用できず、毎日トイレ用の水を運ぶのが大変であったという
事。また多くの利用者が入浴できていなかったため、日本財団からお借りした、灯油
を使った給湯装置を使い、普段は行わない入浴(シャワー)を27日より行い、また入
浴車で利用者宅に行き、入浴を行うとの事でした。その後、私たちは1階2階に分か
れ、お手伝いに入りました。
1階は「生活介護」で比較的重度の障害を持った方が朝9時から夕方4時頃までを過
ごします。利用者の方は10名位に対し、通常は職員7縲鰀8名の方が介護されているわ
けですが、2日とも地元の職員の方は2名でした。うち1名の方は看護士で医療的ケ
アーの必要な方を主に見られているため、全体を見て指示を出せる方は1名です。そ
れに対しボランティアはコロニーの職員の方、取引先の方、合わせて我々のようなヘ
ルパーが3縲鰀5名くらい。ボランティアは介護には経験があっても、初めて出会う利用
者の方の障害の内容、トイレ・食事など分からない事ばかりです。その中で職員の方
はボランティアに的確に指示を出し、利用者の方と会話し、トイレを手伝い、記録を
記入し、本当に目の回る忙しさです。
私たちも入浴に、お茶・食事介助、トイレ介助、陶芸の取り組みなどいろいろお手伝
いさせていただきました。2階のお手伝いでは、児童の方を入れ替わり立ち代りお預
かりしました。ただここでは養護学校の先生が交代で来ていただいたため、一人一人
の障害や、性格・介助について教えていただくことができたようです。一人の男の子
は施設をダッシュで飛び出し、柏崎市内を2縲怩R時間も走り回りボランティアはたく
さん汗をかいたそうです。
最初は硬かった利用者の方も3日間を一緒に過ごし笑顔がいっぱい出てきました。
いろんな話が出来、いろんな遊びを共にし、一緒に食べました。
最後に私たちが帰るときには、その時施設にいた利用者・職員の方が全員で見送って
いただけました。本当にたくさんの「心のプレゼント」をいただく事ができました。
<今後に向けて>
利用者の方も被災されており、自宅は倒壊し知り合いの家に泊まっている方、車庫で
暮らしている方もいました。でもやはり避難所に入っているという方とは会うことが
出来ませんでした。やはり障害を持っての避難所生活は困難なものがあるのでしょ
う。
気になったのは養護学校やコロニーです。
確かに職員の方は応援に入っていました。しかし一番大切なことは、そのような施設
こそ本来障害を持った方の避難所になるべきではないでしょうか。また復興に向かっ
ては、障害者をお預かりし、家の方に片付けなどをしていただくのが、本来ではない
でしょうか。しかし残念ながら、公的施設ではなかなか難しいものがある事は否めま
せん。
でも柏崎の「トライネット」は被災の翌日には一部の施設をオープンしました。
もちろん職員の方のほとんど被災者です。幸いにして、遠方と近隣のコーディネイ
ターの方がいち早く駆けつけて後ろ押しされたでしょう。しかし最後は「トライネッ
ト」の皆さんが、施設を開け、ボランティアを受け入れる事を決断してくれました。
その事で障害を持った方々が安心して通う事ができる所が出来ました。
コーディネイターとボランティア、そして決断の出来る施設。そしてネットワークが
大切である事。そしてそれは普段から大切に育てていく事が大切ではないでしょう
か。