新燃岳噴火災害について[第7報]

皆様
RSY事務局加藤です。
2月9日はRSY栗田、被災地NGO恊働センターの吉椿氏と、避難所内や高原町のお寺さんに紹介していただいたお宅で灰の除去作業や足湯などの活動をしましたので、報告させていただきます。
■午前/高原町避難所「ほほえみ館」避難所(避難者の方に足湯をさせていただく)・昼間は自宅に帰って家や農地の灰の清掃作業を行ったり、自宅のお風呂に入りに行ったりしている人がおり、避難所で休まれている方は夜間に比べ少ない。
・「噴火した時は、地震がきたのかと思うほど衝撃があった、恐かった。また噴火するかもしれないし、今度は火砕流も心配。先のことがわからない。」
・「避難してくる前に、一か所隙間を開けたままきてしまった。一時帰宅したら家の中が真っ白。一人暮らしだから自分で掃除できない。今ボランティアをお願いしている。」などの声を聞き、みなさんが恐怖や不安の中にいることが感じ取れた。また、50年前の噴火の時の話をされる方も多く、「あの時は大きかったし10cmくらい灰が積もったけど、一回きりだったから。今回はいつまで続くかわからない。」などの声もきいた。
■午後/高原町内の3軒のお宅で灰の除去作業と足湯をさせていただいた。
・ひとり暮らしでお隣同士のお宅では、普段から仲のいいお付き合いをされている。
今回、屋根の上の灰の除去作業を行うと言って、山登りの仲間が宮崎や鹿児島から駆け付けた時も「お隣さんも一緒に」と2軒続けての作業が進められていた。


当初「自分でできるから」と断ったが、「こんな時は絆だねえ」と来てもらうことになった。
「避難所生活をしていた時には、血圧も高くなって、今思えば、気分も落ち着かんかったんだろうか。」とこぼされた。ご自身が大変な時も、避難所では都城までのバスに乗り遅れたという方を車に乗せて、送り届けた。「自分にできるボランティアはこれくらいだから」と。近所で避難勧告が出ても避難していない人がいて、何度も言ったがなかなか出てこない人もいた、とのこと。
お隣に住む一人暮らしの女性は、もともと病院で働いていたこともあり、ガーゼを使って洋服や小物を作っている。今回こんな噴火がおこり、「避難所の方にお配りしたいと思っている」というガーゼを色々な色で染めた花のブローチを見せていただいた。ひとつひとつが手作りで、とてもあたたかい気持ちが伝わった。この方に足湯をさせていただくと、「あ~、気持ちいい。こんなにほっこりした気持ちになったのは、本当に久しぶり。(1月)26日からずっと大変だったから」と涙を流され、ぐっとこらえていた気持ちがあふれだしていたように感じた。
・ここでの灰の除去作業を見られていた他のご近所の方が、様子を見に立ち寄られた。「うちは2階だから、恐くて屋根には登れんし」とおっしゃった。他の方からボランティアセンターが立ちあがり、高齢者・女性が優先だということを知らされ、「じゃあ、明日行ってみようかなあ」と言いつつも、「高齢者は何歳からなんだろうか、自分もいいのか」と心配されていた。この方は、沖縄から親戚が支援に行こうかと連絡があったというが、それを「迷惑がかかるから断った」と言っていた。ボランティアセンターにも頼みにくい、近所もみんな大変だから頼みにくい、という、なかなか人に頼めないでいる状況が多くみられた。
・灰の除去作業は10人がかりでやっても、なかなか進まない。屋根の上を落としても灰が舞って下が真っ白になり、下の作業もまた大変になる。昨日降った雨も影響して、固くなってしまっている箇所も多かった。
■夜/避難所(午前中と同じ場所)で就寝前に足湯をさせていただいた。
・避難されている方々のお休みの場所から、足湯の場まで、食事の直後ということもあってか、なかなか出てこられない。お寺さんの紹介で、みなさんのお休みの場所まで出張して足湯を何度かおこなった。でも口コミで広がったのか、次々と出てこられ、用意したお湯がなくなった21:00過ぎまで続いた。
・昼間は家で灰の除去作業をしてきたという男性は、何日も続く作業で、手の一か所に痛みを感じ、足も長靴と靴下ですれて傷ができていた。
・なしやブドウを作っている農家の方は、やっとビニールハウスの灰の除去作業が終わり、今ようやく本業の方をやり始めた。「作業が遅れてしまった。でも仕方ないね、山に負けちゃだめ、始まりがあれば終わりがあるから」ととっても強い言葉で話されていた。
・牛を隣町にあずけているという男性は、「3週間で別の場所に移動させないといけないが、まだ行き先が決まっていない。先が見えなくて不安だ。他にもやらないといけないことが山のようにある。でも明日は用事があって県外に出かけないといけない。明後日の朝にはとんぼ返りだ。」とおっしゃっていた。
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