【第8報】関東・東北豪雨に関わるRSY​の支​援活動について(10月12日)

みなさま

RSY事務局です。茨城・栃木・宮城3県で発生した水害に対し、RSY兼震つな事務局からは、茨城県常総市・栃木県鹿沼市へスタッフを派遣しています。

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茨城県常総市での活動報告

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▼茨城NPOセンターコモンズ運営サポート(報告:松山)
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・NPO連絡会議の実施
常総市内で活動しているNPO関係者らの情報交換のための会議。ピースボート、OPEN Japan、JUNTOS、風組、元気村Phoenix、被災地NGO恊働センターなどが参加。コモンズを中心に、日本NPOセンターと震つなが運営をサポート。炊き出しの調整、在宅避難者へのニーズ対応、外国人支援等を中心に行っている。

1日1回の合同ミーティングでは、「炊き出し・イベント・リラクゼーション」「移動支援」「行政・法律・制度」「片付け、清掃、ボラセン」「避難所」とカテゴリーを分け、それぞれの動きを報告。課題や相談を共有し、翌日の活動方針を検討。
(被災者の様子)
・在宅避難者へ食事支給が終了したため、炊き出しメニューにご飯物の希望がでている。
・発災後一ヶ月近く経っているが、ダンボールを敷いて寝ている高齢夫婦がいた。
・ゴミ回収も柔軟な対応がされない。産業廃棄物は回収されなかったが市が対応に着手することに。冷蔵庫、タンスなども回収可。石膏ボード、断熱材などは産廃(有料)扱い。
・石膏ボードなどは黒カビが生えてきているのに、大工さん待ちで11月以降まで予約待ちの状態。健康面が心配される。

 

▼避難所チームの活動
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10月7日(水)に浦野が現地入りし、震つな加盟団体である「被災地恊働NGOセンター」や「災害ボランティア支援プロジェクト会議(支援P)」らと協力し、避難所チームとして避難所統合に向けた受入準備、環境改善のための対策を検討。

10月10日(土)夕方~16日(金)まで、名古屋より以下の専門ボランティアと共に現地入りし、支援活動を行うこととなった。
・加藤(RSYボラ・看護師)
・岡田(名古屋みどり災害ボランティアネットワーク代表・看護師)
・椿(RSYボラ・冊子「避難所の知恵袋」検討委員)
・浦野(RSY・社会福祉士)
※事務局サポートとして、震つなスタッフ・徳田も同行

■避難所の概要:10月10日現在
・避難所数:市内7箇所、市外4箇所
・避難者数:日本人383名、外国人25名、合計408名
※10日より、市内2箇所(石毛総合体育館、あすなろの里)への統合に向けて、市外4箇所から住民の移動が始まっている。近いうちに市内の避難所も上記2箇所に集約される見込み。
■避難所の様子
(あすなろの里)
・普段は合宿や保養のための宿泊施設として機能。広い敷地に宿泊棟、作業棟、研修等、体育館などがあり、バリアフリーのトイレや浴室も設置されている。宿泊棟は8畳の個室が複数あるため、初期の避難者が優先的に利用。後から来た避難者は相部屋の調整不足で満室となったため、畳や空調設備のない板張りの研修棟、体育館で生活している。11日現在では、約200名が生活。

・日中は保健師が1人~2名で巡回。夜間は県外からの派遣看護師2名が日替わりで常駐。看護師派遣は16日までとされており、継続できないか市が県へ要請中。

・食事は施設調理師が3食を提供。
※他の避難所では、1ヶ月以上も経つにも係らず、いまだ弁当や地域への食材提供はなく、おにぎりと菓子パンが主流。栄養不足や便秘や持病の悪化などの健康被害が深刻な問題となっている。しかし、側からは「避難所での食の質を上げることは自立の妨げになる」という見解もあり、改善の兆しがない。現状の緊急性を訴えると共に、外部支援者で結成された「NPO連絡会議」にて、炊き出しボランティアの派遣調整を行っている。

■避難所チームの活動
・居住環境の悪い研修棟・体育館に、障がい者や高齢者が多く見られる。また、喘息、肝炎、糖尿病などの持病がある方もいるが、寒さ対策や衛生、布団の導入、段差解消など行政側ではほとんど手が打てておらず、住民一人ひとりの詳細名簿すら整っていない。

・避難所チームとして、スロープや間仕切り、女性・男性用洗濯物干し場、ダンボールベッドやマット、衛生改善(マスク・手指消毒の整備)を実施。巡回保健師・看護師らと情報共有し、避難所内の住宅マップづくり、リスクの高い方への見守りや和室への移動が必要な方々の絞り込み作業を行っている。また、市長の呼びかけにより、施設管理者、社会福祉課、外部支援者らが集められ、早急な福祉避難スペース設置、一般避難スペースの環境改善の必要性を改めて確認。行政と市民セクターとの協力体制づくりに向けた意思確認の場が設けられた。

・この話し合いを経て、48畳の和室にようやく福祉避難スペースを設置することが決定。開設準備を行い、12日より住民を受け入れ、外部支援者も泊まりでサポートすることとなった。

■住民の声
(80代・男性)
・はい。名刺あげるよ。でも、ここに書いている住所にはもう帰ることがないけどね。へへへ、大丈夫。もう過ぎたことだからさ。水を飲まないと痰が溜まって大変だし、水を飲んだらすぐにトイレに行きたくなっちゃう。俺が仕切りを高くしないのは、まわりの顔を見たいからさ。だって、ここの生活寂しいんだよ。避難所生活は、共同生活だから揉め事は起こさず、だんまりきめておくのが利口なんだ。

(50代・男性)
・自分たちの部屋も仕切りがほしいな。年頃の女の子が2人いるんだ。

(60代・男性)
・以前は運送業してたから、常に体を動かしてた。でもここにきたらやることもねぇしな。生活のリズムがくるっちゃって、食欲もわかないよ。でも薬だと思って食べなきゃ健康でいられないし、仕方ねぇなぁ。

(70代・男性・脳梗塞マヒ)
・とにかく自分で意識して体を動かさないと、どんどん動けなくなっていくのが分かる。お花ないのかな?前に物資でもらった花を部屋に飾ったら、少し気分が晴れた。アロママッサージもよかったね。ちょっと変わったことがないと、気持ちも晴れない。一日ここにいても時間をもてあますよ。

(80代・男性)
・昨日は夜騒がしくて、全く寝ることができなかったよ。一気に話をしたら落ち着いたけど、疲れちゃった。ありがとうって言葉はいいな。一番気持ちを素直に伝えられる。ありがとう。

(70代・男性)
・前の避難所にいた頃は、天国だったよ。ご飯食べ放題・飲み物飲み放題だし、空調も効いていく分かよかったし。天国から地獄にきちゃったな。地獄から天国にいくのだったら良かったのに。
他にも、寒さを訴える声多数。また、ストレスや不満のはけ口もないので、住民同士のけんかも発生。12日午後より足湯とお茶のみ場を設置し、日中活動の場作りを積極的に行っていく。
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栃木県鹿沼市での活動報告(報告:松永)

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▼鹿沼市災害ボランティアセンターでの活動状況
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・町別床上床下浸水家屋件数(9月30日現在のデータ)
(町全体)床上392件 床下390件

・鹿沼市災害ボランティアセンターは10月9日(金)をもって現体制を一区切りし、12日(月・祝)より生活相談窓口を設置。今週から週末ボランティアセンターとして運営していくこととなった。

・10月4日(日)に、鹿沼市社協、一般ボランティアと共に個別訪問を行い、取りこぼし世帯がないか確認。自治会長からのヒアリングで河川氾濫からの浸水が主だった西鹿沼で、浸水エリアから遠く離れた場所で貯水池が溢れ床上浸水したお宅(高齢ひとり暮らし世帯)を発見するも、家族で片づけが終わり、畳も入れたと。その他、取りこぼし世帯は見つからなかった。

・以上のことから、松永は4日の活動終了後に一旦七ヶ浜に戻り、以降は、現地の要望に応じて断続的にボラセンサポートを行う。月末は被災者お見舞いパック「うるうるパック」の配布が予定されているため、現地入りする予定。
▼南会津町での活動
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被害小規模のため、災害救助法の適応ならず、支援から取りこぼされていた地域を発見。10月7日(水)、に地元NPOの依頼で土砂崩れの被害を受けた事業所・製材所の清掃・泥だし作業を行った。RSYより七ヶ浜事務局スタッフ(松永・郷古・槙島)を派遣。東北学院大学の学生含め6名で対応した。

■住民の声(きこりの店の職員より)

・1日でも終わらないと思ったが、こんなに早く作業が終わるとは・・・。自分たちだけではどうにもならなかった。本当にありがとう。
・こうやって若い人達が来てくれると心強いし嬉しい。

■今後の対応
震つな加盟団体である、特定NPO法人とちぎボランティアネットワークが、10月11日(日)~12日(月・祝)に各10名程度でボランティア派遣することが決定。
地元NPO・社協・自治会らと連携し、事業所周辺の高齢者宅の2件も作業に入り、活動を行う。
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募金活動

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▼被災地支援活動募金にご協力ください!!
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RSYでは、長期化/多様化する支援のため、「被災地支援活動募金」を行
っております。皆さまからお預かりした大切な寄付金は、被災地へのボランティア活動資器材の提供や、ボランティアコーディネーターの派遣、被災された方々のニーズに応じて炊き出し、生活用品の提供など、生活支援プログラム等を実施するために使わせて頂きます。

<銀行振込>
三菱東京UFJ銀行 本山支店 普通3505681
特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※お名前の前に「カツドウキフ」とご入力ください。
<郵便振替>
00800-3-126026
特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※通信欄に「カツドウキフ」とご記入ください。

<クレジットカード決済>
URLよりお願いいたします。http://kessai.canpan.info/org/rsy/
ページ下方の「都度寄付」よりお申し込み下さい。
また、事務局へのメッセージ欄には「活動寄付」とご記入下さい。

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今後のスタッフの動き

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(松山)常総市・茨城NPOセンターコモンズのサポートを継続。
(浦野・徳田)10日~16日まで避難所チームとして常総市入り。
(栗田)10月13日~14日まで県・市・外部支援者らと今後の支援方針について確認・検討するため常総市入り。
(森本・浜田)10月11日~13日まで、炊き出し支援(RSYボラ、名古屋各区防災ボラと連携)のため常総市入り。
(林)エコバッグなど、被災地で必要となった物資の移送手配
(松永・郷古・槙島)七ヶ浜での募金活動の実施