【第2報】平成28年熊本地震に関わるRSYの支​援活動について(4月16日)

みなさま
RSY事務局です。
本日19:30頃、常務理事・浦野、事務局次長・松永が名古屋に戻りました。
未明から午前中にかけた活動の様子を下記の通り報告します。少し長いですが、当日の様子をできるだけ克明に書かせて頂きました。被災者の方々の生活状況や心情が少しでも伝わればと思います。
RSYでは、現地の安全性や状況を冷静に判断しつつ、来週以降、最善の支援体制を整えるべく検討してまいります。既に具体的なご支援のお申し出を頂いている皆様、募金にご協力下さった皆様に心から感謝致します。
引き続き、ご支援の程をよろしくお願い致します。(報告者:浦野)
【M7.3、震度6の揺れ】
1:30頃ミーティングを終え、全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)準備会事務局の明城さんも含め 3人が各部屋に戻り休んでいた時、「キュイーン、キュイーン」という緊急地震速報の音と共に、激しい揺れが襲いました。
箱の中入れられて何度も大きく左右に揺すられるような感覚で、揺れている間は布団にくるまる程度のことしかできませんでした。揺れは30秒~40秒ぐらいの長さに感じました。大きな揺れが収まった後、周囲を見回すと、テレビは吹っ飛び、部屋中に、書類や私の荷物などあらゆるものが散らばっていました。呆然としているとすぐに次の余震が始まりました。不覚にも、怖くて足がすくみ、次にどんな行動をすればよいのか一瞬迷いました。とにかく同じ6階フロアの部屋を借りていたスタッフに声をかけ、身支度をして1階へ避難。直後から自家発電に切り替わり、断水も始まりました。
携帯電話の灯りを頼りに近くの駐車場へと移動。目の前のアパートから助けを求める声が聞こえ、住民の方々と救助に当たりました。その後も歩いていられないほどの強い余震が何度か続きました。住民の方々が続々と避難所へ移動して行きます。私たちも後に続きました。
【大津町役場/近隣公園に避難場所】
公園に着くと、グラウンドの上にブルーシートを敷いた場所に、約100名が野ざらしの状態で座っていました。生後2ヶ月の乳幼児から95歳のお年寄りまで年齢も様々です。特に、近隣の有料老人ホームの入居者9名が避難していたことや、けが人もいて、「地べたに座っているのが辛い」という声があったので、常駐していた役場職員に椅子の貸し出しを求めました。また、少しずつ風が出てきて冷え込んだため、カイロや日赤の毛布を包んでいた銀袋などを配布し、防寒対策に努めました。お年寄りは車椅子や椅子に座ったまま同じ姿勢をとっているので、エコノミークラス症候群の危険がよぎり、水分補給とトイレ介助を手伝いました。水分補給を促すも、トイレの心配をして「いらない」と言っていた方も、コップを口に運ぶとゴクゴク喉を鳴らしながら飲んでいました。
また、役場から出入り口の確保しやすい部屋をかり、ダンボールと毛布でオムツ替えマットを作りました。瓦が落ち、めちゃくちゃになった有料老人ホームの中から、薬・オムツ・ポータブルトイレ、入れ歯・入れ歯入れなどを取り出し、部屋に設置しました。この部屋は赤ちゃんのオムツ替えにも使われました。ただ、常に余震が続いていたので、揺れが大きくなったらいつでも外に出られるよう、2人以上で対応していました。
明け方、公園のすぐ近くの社会福祉協議会内に、多目的室の空きがあることが分かり、9名のお年寄りを搬送しました。そこは、福祉避難室のような位置づけになっていましたが、備品がほとんどなかったので、座布団3枚と毛布で作った簡易寝床を作り、ようやく一人の方が横になれる環境が整いました。暖かい場所に移動し、ほっとしたのか、うとうとされる方も多くいました。
しかし周囲を見渡すと、皆さん土足のまま避難しており、廊下で寝ている人の脇を靴のまま人が移動するという状況でした。また、障がい者トイレも詰まりがちで、役場の職員の方が全て対応していました。住民自治の雰囲気はまだありませんでした。
【次第に大きくなる避難所の課題/明城氏の報告より】
余震の恐れや避難所に入れるスペースがあることを知らない、一杯で入れないなどの理由で、屋外で生活している被災者も多数いらしゃいます。夜からの雨の予報に伴い、避難者の人数も次第に増えており、体調不良者を部屋分けすることもできず、DMATスタッフがその場で付き添う姿も見られました。とにかく、避難スペースの確保、公衆衛生環境を整える、物資不足が急務の課題。
【住民の声】
・90年以上生きてきてこんな風な経験をしたのは本当に初めて。
・2ヶ月の子どもの体調が心配。よく眠ってくれるのがせめてもの救い。オムツを持ち出せなかったが、同じような子どもをもつ避難者の方が分けてくれた。嬉しかった。
・屋根瓦がおちたから雨漏りするだろう。そうすれば家にはいられない。ブルーシートなどでカバーすればよいのか・・誰にたのめばいいのか?
・先日じん帯を痛めていて、ギブスのまま歩いて避難した。椅子がもらえてとても楽になった。
・何度もトイレにつれていってもらって本当に申し訳ない。本当にごめんね。