【第6報】平成28年熊本地震に関わるRSYの支​援活動について(4月23日-24日)

みなさま
お世話になります。熊本県に現地入りした、浦野・松永からの報告です。
現在、RSYからの呼びかけで、23日より、過去の被災地で、特に要配慮者などの支援経験のある浅野幸子さん(減災と男女共同参画研修推進センター共同代表)、中西朝子さん(RSYボラ)、北村育美さん(福島大学ふくしま未来学推進室(COC)地域コーディネーター )に同行して頂いています。
▼松永の動き
————————–
全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)が開催する「平成28年度熊本地震支援団体火の国会議」の事務局調整スタッフとして活動。被災地で活動する70以上団体の活動状況を把握し、支援が届かない地域を作らないための調整を行っている。炊き出し、避難所支援、障がい者・高齢者支援など13のテーマに分け、互いの課題や過不足を補うための情報交換を行っている。
▼松山の動き
—————————
震災がつなぐ全国ネットワークとして、「日本財団災害ボランティアコーディネーター」の派遣や、震つな加盟団体の活動状況の聞き取りと集約、情報発信を行っている。
▼浦野の動き
—————————–
23日より御船町にて、浅野・中野・北村さんと共に避難所環境の改善を中心とした支援に当たっている
【御船町の概要】
熊本県中央部に位置し、熊本市内から車で40分くらいの場所。昔ながらの旧住民と、新興住宅地に住む新住民が混在している地域で、10箇所の小学校区に分かれている。人口は6,358世帯、17,680名。65歳以上の高齢化率は30.9%。中には、高齢化率60~70%を越す自治会もある。特に家屋被害がひどいのは、町の西側に被害が集中しており、下高野(約400世帯)、小坂(約400世帯)、今城(約100世帯)では倒壊被害が多く、断水も続いている。一部の地域では水道が復旧し、自宅に戻る方も少しずつ出てきている。おとといから応急危険度判定が入り、順次判定を進めている。水越地区などの山間部では、土砂災害の危険性のある地域もあり高齢者世帯などには避難を促している。
(活動内容)
1)障がい者への対応
A避難所に、重症心身障害者(20代・女性)のご家族が避難しており、ご本人は、体育館の床に体育用マット、少し厚みのある敷物のみで生活していた。
【ご家族の話】
脳性まひと知的障害の重複。これまで熱も出さずによく頑張ってくれている。この子の顔を見ているだけで私たちも頑張れている。でも、オムツを替えたり、体を拭いたりできるスペースがない。女の子なので、人目にされされた場所ではかわいそうで。室内のライトが明るいため、娘の顔にタオルをかけていたところ、避難している子ども達から心無い言葉を投げかけられた。悪気がないと思うが、心が折れるほど傷つく言葉だった。最近、けいれん発作も出てきている。とにかく家族みんなで長く生活できる場所に移れれば。
⇒多目的室を設置。授乳、着替え、オムツ替え、女性の洗濯物などができるよう環境整備を実施。「NPO法人み・らいず」の仲介のもと、「熊本県福祉介護用品協会」のHさんを紹介頂き、介護用ベッド、マット、血栓予防のためのマッサージ機を無償貸し出し頂いた。
⇒町の福祉課と、福祉避難所に入居できるよう調整。明日から入居予定(一時満室だったが、本日よりショートステイに移行する高齢者が増えたため、受け入れに余裕ができた)
2)高齢者への対応
被害がひどかったエリアは、一人暮らし高齢者や高齢者世帯が多く、横になったりやることも無く座りっぱなしの方が多く見られる。日中活動が少ないと思われるお年寄りに声かけをし、トイレの回数や水分補給、入浴の状況、今後の見通しなどを確認した。近所の年配女性がボランティアとして避難所に来ており、「ここに座りっぱなしじゃ体が動かなくなっちゃう。立って一緒に散歩に行こう!」と声をかける姿も見られたため、私たちも一緒に活動させて頂いた。
【ご本人の様子】
(89歳・男性)普段杖をついているので日中は椅子に座ったまま。難聴があるため大きな声で話しかけないと会話できない。ゆっくりとであれば一人での歩行は可能。入浴ができないないため、ついたても無い中で家族がおしぼりで体を拭いていた。少し話しかけると「太平洋戦争で潜水艦に乗っていた時、爆撃を受けたがボートで逃げて助かった。昔は、大工をしていて4人を雇っていたんだよ。」と、若い頃の話をよくお話して下さった。
(88歳と81歳の高齢者世帯)学校再開の関係もあり、避難所を3回も移動。家の倒壊は免れ、水も出るが、家の上に大きな岩が迫っているので避難するよう地域の方に言われた。いつ帰れるのか、先の見通しが立っていない。
(82歳男性)8人家族で避難。家の片付けは妻と息子が行っている。応急危険度判定がまだ出ていないので、家に住み続けられるか分からないが傾きかけている。自分は1日避難所で過ごしている。
(80代女性)一人暮らし。電気・水・ガスは使えるので、洗濯やお風呂は友達に家まで送迎してもらっている。でも、家の中はグチャグチャなのでまだ帰れない。避難所で隣になった人が同じ集落の人だったが、昨晩調子を悪くして病院に運ばれたみたいだ。ここにいても一人で寂しい。
3)女性・子どもへの対応
日中の避難所には、幼児と母親、小中学生の姿が多い。先日の大雨で子どもの遊び場となっていたテントが壊れ、拠点がなくなり避難所で、ゲームをしたりボランティアとして活動しているケースが多い。幼児たちの母親は表情が暗く疲れきっており、異世代の世帯との共同生活への気兼ねやストレスが溜まっている様子。「夫からは生活できる状況になっているんだから、家に戻れ」と言われるが、子どももいて、余震が続き物が散乱した中では帰れないと泣きながら訴えることもあった。今回、RSYの支援に同行して頂いている浅野氏(減災と男女共同参画研修推進センター共同代表)より、町の子育て未来課の関係者に繋いで頂き、下着や生活用品などの女性物資の提供や、母親へのヒアリング等を行って頂くこととなった。
4)町、社会福祉協議会、外部支援者との調整
御船町の福祉課、社会福祉協議会、災害ボランティア支援プロジェクト会議(支援P)、日本財団支援チームなど、今後深く連携していく予定の関係機関との顔合わせ、役割分担などを行った。明日8:00からの福祉課・Tマットの情報共有会議、9:30からの社会福祉協議会関係者会議に参加し、避難所で気になる方の個別報告と、今後の課題、改善方法などについて話し合う予定。
▼今後の動き
松永)引き続き、JVOAD事務局として、避難所を中心に抜け・落ち・漏れ・ムラの無いようなNPOの全体調整を行っていく。
松山)引き続き、震つな事務局として、震つな加盟団体および、日本財団災害ボランティアコーディネーターからの現地情報の集約、JVOADへの情報提供等に努める。
浦野)御船町にて、七ヶ浜町行政職員による表敬訪問に同行。避難所でのニーズ集約、支援プログラムの企画・実施、町外からのNPOの支援窓口として対応を行う。
▼寄付募集のお知らせ
————————————————————
活動支援金をお寄せいただくことは、
被災地でのボランティア活動と同様にとてもありがたいです。
大切に使わせて頂きますので、どうぞよろしくお願い致します。
<クレジットカード決済>
URLよりお願いいたします。
「都度寄付」よりお申し込み下さい。
<銀行振込>
三菱東京UFJ銀行 本山支店 普通3505681
特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※「カツドウキフ」とお名前をご入力ください。
例:「カツドウキフ〇〇タロウ」
<郵便振替>
00800-3-126026
特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※通信欄に「カツドウキフ」とご記入ください。
※お名前も忘れずにご記入ください。