【第9報】平成28年熊本地震に関わるRSYの支​援活動について(4月28~30日)

みなさま
お世話になります。RSY事務局です。
熊本県に現地入りした、浦野・松永からの報告です。尚、栗田は4月30日~5月1日、松山は5月1日より合流。活動を共にしました。

RSYからの派遣ボランティア・スタッフは以下の通りです。
・4月26日~/岡田雅美さん、加藤都さん(看護師・なごや防災ボラネット)
・4月27日~29日/佐々木裕子さん(愛知医科大学准教授)・堀田麻耶眞弥さん(柊訪問看護ステーション・言語聴覚士)
・4月29日~/中西朝子さん(RSYスタッフ)
・5月3日~5日/坂本真理さん(愛知医科大教授)
・5月3日~6日/佐々木裕子さん(愛知医科大学准教授)

 

▼松永の動き
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全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)が開催する「熊本地震・支援団体火の国会議(略:火の国会議)」の事務局として活動。毎日19時より県青年会館にて火の国会議を実施し、毎日20~30団体50名の県内外のNPO・NGOが集まり情報共有・調整を行っている。現在の状況は以下の通り。

(熊本県内の状況)
・支援団体(NPO等)の活動は、主に避難所の環境改善、炊き出し、医療・看護、物資調整となっている。また4月下旬より各市町村で災害ボランティアセンター(略:災害VC)が開所され、災害VCの運営支援を行う団体が増えている。
・避難所運営に行政が手いっぱいになっていて、避難者による自主運営やNPO等による運営支援を求める声が多くなっている。
・応急危険度判定は断層に沿って、被害の大きな市町村から進めているが被害が広範囲で間に合っていない。災害VCでは応急危険度判定が完了した家屋の中で、ボランティア活動が可能なのは青紙のみで、ニーズはあっても応急危険度判定が完了しないと活動できず、多くのボランティアが駆け付けても活動できていない現状がある。
・現地でのボランティア活動は、落ちた瓦の撤去、ブロック塀の片づけ、室内の清掃、避難所の清掃等が行われている。
・市町村、避難所毎で避難所環境はまちまちで、未だに朝はパン、昼食無し、夜おにぎり1個の避難所もあった。避難者は「ご飯がでるだけで有り難い」と話していたが「やっぱり野菜が食べたいし、温かい味噌汁も飲みたい」との声も多くあった。それも火の国会議を通して支援が届いていない地域を可視化することができ、現地を訪問した際に確認できた事例だった。支援の届いていない地域もまだあり、支援調整も行っていきたい。
・家が片付いたとしても、子どもが戻りたくない、余震が不安で帰れないなどの理由から、避難生活や車中泊生活を続ける方も多い。
・応急危険度判定、被害認定調査、応急修理など制度が十分に理解されていない。

 

▼浦野の動き(御船町)
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御船町災害ボランティアセンター
・4月29日(金)より開設。
・受付時間:午前9時~11時
・集合場所:御船町町民グラウンド南側駐車場(案内看板あります)
・活動時間:午前9時~午後4時

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活動状況
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・主に見落とされやすい中山間地域の避難所を巡回し、個別ニーズの掘り起こしと環境改善、生活支援プログラムを実施。
・緊急性の高いものは、福祉課に繋ぎ、介護保険や障がい者支援サービスで対応頂く。

★環境改善
主に、足腰・膝の痛みを訴え、床からの立ち上がりに支障を感じる高齢者へ、ダンボールベッドや立ち上がり時の支え台を設置。設置については、ご本人からの訴えはなく、ほとんどがスタッフからの働きかけによってニーズが明るみになるので、粘り強く丁寧な声かけや説明が大切。特に山間部で10名未満の小規模避難所は情報や物資が届きにくい傾向もある。現在までに、山間地を中心に10個(御船中・三間伏公民館・七滝中央公民館など)のダンボールベッドを設置。

★個別ニーズの掘り起こし
(被災された方の声)
【高齢者・障がいのある方】
・入院中で高齢の母親の退院後の居住場所をどうすればいいか。家は半壊で避難所にもつれてこられない。
・発達障害の支援を行っているが、5人のスタッフのうち4人が被災。一人で切り盛りするのに疲れた。休みたい。

【生活環境】
・断水中でトイレが困る。夜中でもトイレに行きたくなると、水が通っている近くの公民館までわざわざ行かなければならない。家の周辺に仮設トイレをおいてもらえないか?
・半壊した自宅から大切なものを取り出したが、物が増えておき場所がない。家族の車3台が物でパンパンの状態。困った。
・布団やダンボールベッドは幅を取って迷惑をかけるのでいらない。毛布とマットだけで何とかやってるからいい。でも腰は痛いし、立つ時は大変。

【健康・食事・生活のリズム】
・2週間も車中泊。妻の足が浮腫んでパンパン。エコノミークラス症候群が心配。役場職員が避難所で休むといいと進めるも、本人は人が沢山いるところは苦手で「嫌だ」といって拒否している。
・行政からの弁当はあるも、朝はパン、夕方はおにぎり、時々弁当という内容。合間にカップラーメンを食べているせいか、おなかがゆるく調子が悪い。自衛隊の風呂やシャワーなど2回はいったが、今は気力がわかないので行っていない。
・もともと自分は趣味や地域の活動に参加したりと活発だった。何もやることがない。
・仮設トイレは外にあるので、間に合わないと困ると思ってオムツを履く様になってしまった。この歳でオムツになるなんて思ってなかった。

【子ども】
・子ども達が揺れる度にヘルメットをかぶるようになった。3歳と6歳の子どもがいて、迷惑になりそうだから他に預けられず、避難所で自力で面倒をみているが疲れた。(外国人・母親)
・子どもがラーメンやお菓子、パンなどを手当たり次第食べている。二口しか食べていないラーメンを捨てて別のものを食べていた。食事や物に対する感覚がおかしくなっている。

【情報】
・応急危険度判定・罹災証明・仮設住宅の申し込みを全て別々のタイミングで行っており、とても手間がかかって困る。
・罹災証明は被災者みんなが申請しなきゃいけないものだと思わなかった。アパートの大家だけが申請すればよいのかと思っていた。
・「広報みふね」に大切な情報が書いてあるも、情報量が多すぎ、文字が細かすぎて読み込めない。
・平地の避難所にはイベントや物資、炊き出しなどがよくあるみたいだけど、山奥までは届かない。

★ミニ昼食会の開催(5月1日)
・活動場所:田代東部公民館(避難者3名)
・昼食会&足湯ボランティアを実施。事前のニーズ調査で、住民や役員の「情報が届かない、支援者は今までほとんど入っていない、体も動かさずカップラーメンばかりで体調を崩した」との声から、昼食会&足湯ボランティアを実施。断水している周辺住民含め24名が参加(子ども12名、大人12名)。自宅にお届け6件。ニーズ調査時は表情も暗く生活不活発な状況であったが、RSYと繋がりのある「SVCみやざき」のみなさん、「神戸足湯隊」の皆さんらと調理を一緒に手伝うなどの意欲と明るい笑顔が見られた。あまりボランティアが入っていない地域のようなので、継続支援を検討したい。周辺の断水集落に仮設トイレが欲しいとの要望あり。足湯参加者人数は3名。

(メニュー)
昼食)ごはん・味噌汁(わかめ、玉ねぎ)、ゴーやチャンプル、ポテトサラダ、筑前煮、千切り大根の炒め煮
夕方)散らし寿司、わかめきゅうりの酢の物、あさりモズクのウシオ汁

★足湯ボランティア
・小坂小学校体育館(避難者30名程度)
・事前のニーズ調査で、避難者の方から「足湯で気分転換できたら・・・」という要望が上がったため、足湯&サロン活動を実施。足湯参加者は10名(大人5名・子ども5名)

★子どもの遊び場
・御船町中学校
・塗り絵、折り紙、お絵かきを実施。中学生3名、小学生5名、幼児5名の計13人が参加。その他スキンシップの多い活動を実施。
・終始楽しく参加。甘えてくる子どもも多く、「また来てね」と声をかける姿もあった。家屋被害に遭った子どもも多く、親の忙しさや避難所生活での我慢からストレスを感じている子どもも多いと感じた。

★ニーズ調査
・間所(まどころ)(避難者6名)/御舟町と益城町の境に位置。
・半壊家屋、一部損壊家屋あり。仮設住宅入居希望は3世帯。
・山からの地すべりが原因で避難勧告発令中。
・「草地造成堆肥舎」を避難所として使用。断水中。風呂洗濯は身内の家で出来ている。
・行政より別の場所への避難を促されるも「家から離れたくない。知っている人と一緒にいたい」との声多く、誰も移動したがらない。
・ほとんどが80代。足腰に痛みの訴えあり。(ダンボールベッドは拒否)
・県から医師会や看護師による健康チェックあり。
・近所の人が、マッサージ、アロマテラピー、お話サロンなどのボランティアを連れてきてくれる。ここ1週間でほぼ毎日。
・食事は時々行政から弁当が届く。特に不自由していない(川から魚を釣り天ぷらにして食べたり、車に引かれた猪をしし鍋にして食べるなどたくましい)
・区長の話ではいつまでここにいればよいのか、期限が全く見えないのが辛いとの声。ユンボがあれば自分達で土砂撤去などの作業ができる。

 

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RSYの協力者
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RSYを通じて多くの方々が御船町を応援して下さっています。
ご協力、ありがとうございます!

・SVCみやざき⇒昼食会担当
・神戸足湯隊⇒足湯
・大分大学OB・OGチーム⇒足湯・子どもの遊び場

 

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募金のお願い
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