【第8報】九州豪雨水害に関わるRSYの支​援活動について(7月13日)

みなさま
お世話になっております。RSY事務局です。
大分県日田市に派遣している松永に加え、12日より浦野が福岡県朝倉入りし、JVOADおよび連携団体、市と共に市内8箇所の避難所環境改善等を進めています。
一方で松永は、特に被害のひどかった大鶴地区を中心にニーズ調査や個別訪問を行っています。また、次の3連休に向けて、大勢のボランティアを受け入れるべく、災害ボラセンサテライト設置の準備に奔走しています。とにかく家屋に入った大量の泥の撤去は人海戦術しかありません。しかし、まだまだ人手が足りません。
細い道で小回りの効く軽トラや重機を持っている方、体力に自信のある方、大人数でボランティアに行ける大学生、企業関係者の皆さんは、ぜひとも日田市災害ボラセンにおいで下さい。連日かなりの暑さで被災者、支援者共に疲れのピークが近づいてきていますが、多くのボランティアを受け入れるべく、気力を振り絞って頑張っておられます。
以下、朝倉市入りした浦野からの報告です。
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▼朝倉市の被害状況
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○朝倉市の概要
・総人口:54,412人(高齢化率32%)
・大きく松末・杷木(はき)・久喜宮(くぐみや)・志波(しわ)・朝倉地区の5つのエリアに分かれる
○被害概要
・人的被害:死者24名、行方不明者18名
・住家被害:全壊72件(甘木地区15件、杷木地区57件)、半壊1件、一部損壊2件、床上浸水15件、床下浸水28件
・全面通行止:7 件
・片側通行止:4 件
・避難所開設:8 件
・避難者数:420世帯872名
○避難所詳細(8箇所)
ピーポート甘木(49世帯92名)
フレアス甘木(14世帯18名)
朝倉地域生涯学習センター(53世帯152名)
らくゆう館(65世帯135名)
三奈木コミュニティセンター(19世帯41名)
杷木中学校(97世帯173名)
久喜宮小学校(31世帯68名)
サンライズ杷木(92世帯193名)
★地域の様子
・特に被害がひどかったのは杷木・甘木地区。杷木地区では断水家屋多数。流木や重く水分を含んだ泥が一面に広がり体積。土砂崩れがあり、ヘリで救助された孤立集落は、迂回道路の建設を待つしかなく、家の様子も見に行くこともできない。
・被害集中地域は、ひとり暮らし高齢者や高齢者世帯が多く、今後の家の再建は非常に厳しい。
・田んぼ、果樹園(ぶどう・なしなど)農家の被害甚大。田植えをしたばかりの田んぼに一面泥が入り、乾いてヒビが入っている状況。高齢者の農業従事者も多く今後の営農を危ぶむ声も聞かれている。
・主要道路の通行止めは日に日に解消されつつあるも、泥が乾き粉塵が舞い、においもきつくなってきている。
・家屋等から出された泥や流木、家財道具は路肩等に出されるも、回収車が間に合わず積み上げられた状態。半端ではない量であり、市が徐々に撤去しているも、車両のやマンパワーの確保が厳しく追いつかない。
・朝倉市災害VCは被害集中地域にサテライトを設置。市の大型バスを借りてサテライトへの送迎体制も整えつつある。
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▼避難所環境改善への取組み
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○実態把握
・市の集落支援員と共に避難所を巡回。既に支援に入っているNPOらと情報を共有し、下記の点に絞り、健康と尊厳を守れる最低限の生活環境が整っているかを確認。すぐに改善できるケースはその場で対応していく。暑さ対策として、全ての避難所に冷房設備が導入された。
(確認ポイント)
①居住スペースが土禁か
②洋式トイレがあるか、男女分かれているか、手洗い場が整っているか、スリッパが設置されているか
③通路スペースが確保されているか
④寝具にマット、布団、ダンボールベッドが入っているか
⑤福祉避難スペースはあるか
⑥侵食分離できているか
⑦女性用着替え・洗濯物干しスペース、授乳室、子どもスペースが整っているか
⑧住民による自主運営ができているか
⑨ボランティアによる日中活動プログラムが実施されているか
○環境改善
★ダンボールベッド
(課題)
・ダンボールベッド導入者が少ない。理由はこれまでの被災地と同様に、「配布対象者の基準が分からず判断できない(行政)」「立体的なため幅をとり邪魔になるのではないか」「はずかしい(気兼ね)」「落ちるのが怖い」「ベッドなんて贅沢だ(遠慮)」など。
・ダンボールベッド導入時に数回しか説明・声かけをしていないため、効果等が浸透していない。・1つの避難所の中でもベッドが余っている部屋と全くない部屋があり調整機能がない。
・避難所でやることがないため動かない、平らな床に座り続け膝と腰の痛みが増すなど、既に生活不活発な状態が見られている。
(対応)
・ベッドの効果を丁寧に伝えながら、不安や懸念要素を一つずつ取り除くような働きかけ。
・一緒に組み立て、直接触ってもらい、座ったり寝たりすることで効果が実感できるよう工夫。
・欲しいと言ったその時に提供できるよう在庫や移動手段を調整。
★住民による自主運営
(課題)
・コミュニティがしっかりしているところは、地区のリーダーが動いているものの、施設が小部屋に分かれている、複数の地区から避難者が集っている避難所は、全体の情報共有や合意形成の場が作れていない。
・布団を干したい、自分たちで寝床を掃除したいと思っても掃除用具が不足しているので取り組めていない。
(対応)
・この先避難所の統合が考えられるため、そのタイミングに合わせて、班分けや掃除当番などの役割分担ができるよう調整。
・市と連携し、掃除用具等の道具類はすぐに調達してもらうよう打診。
★福祉避難スペース
(課題)
・どの避難所も明確な福祉避難スペースが設けられていない。
・避難所内には「邪魔になる」「エアコンの風をさえぎる」「みずくさい」などの理由で寝床を区切るパーティションがほとんどない。
・長い時間横になっている方が少しずつ見られ始めている。
(対応)
・本日地元保健師と共に、サンライズにて福祉避難スペースを設置。これをモデルに必要に応じて他の避難所への対応も検討。
・JMAT医療チームが巡回しており、気になる方の健康チェックをしているため情報共有が必要。
・市から県にJRAT(リハビリチーム)の要請をかけてもらえるよう打診。
○今後
・ある程度避難所ごとに改善ポイントが絞り込めたため、一つずつ解消できるよう、明日から市、避難所担当者、避難所支援に関わる意思のあるNPOらと共有会議を開催予定。
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▼住民の声
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○60代男性
・志波地区で梨や田んぼの農家をやっていた。水害の時、近所の人を助けようとしたら濁流に飲み込まれた。辺りは真っ暗で本当にもうダメかと思った。必死で「おーい、ここにいるぞー」と声を出し、懐中電灯を持った人に見つけてもらえた。妻も一緒に飲み込まれたが助かった。みんなから命があってよかった、頑張れといわれるが、買ったばかりの農機具も全て壊れた。田んぼや果樹園も壊滅状態。やっとローンを払い終わった家も全壊。この歳でどうこれからどう頑張ればいいのか(涙ぐむ)。命は助かったけれど・・・・
○80代男性
・88歳の姉と二人で避難。5回も避難所を転々としてようやく昨日ここに落ち着いた。家はあるけど水が来ていないので生活できない。姉も高齢のため介護保険の申請をした方がいいだろうか。携帯電話は持っていない。どうすればよいか・・(RSYより地域包括支援センターと繋ぐ)。平べったいところで長い時間いるから、姉が腰と膝を痛がっている。
○80代女性
・今朝はハムのパン、昨日のお昼は稲荷弁当、夜は炊き出しだった。炊き出しは何度か来ている。カレーやラーメン、のっぺじるなど。野菜類は親族や近所の人が何かと持ってきてくれる。食べるものには全然不自由していない。多すぎるぐらい。私は高木の黒松というところに住んでいたけど、5世帯中4世帯が高齢者の一人暮らし。私も。避難所にいれば知っている人たちが沢山いるから安心。近所の人がいなければ寂しくてしょうがない。みんなと一緒にいたい。
○80代女性
・家では田んぼの仕事をしてた。毎日忙しかったけど、ここにきたらやることがない。お医者さんたちも来て、動かなくてはダメだよと言われたので、部屋の前の廊下を行ったり来たりするけど、目的が無ければ動きようがない。昨日は体操してくれるボランティアさんが来てみんなで体を動かした。楽しかった。生活のリズムがいつもと違うから体がなまってしまって仕方が無い
○70代女性
・避難してから1週間、布団をあげて掃除をしていない。髪の毛や食べこぼしもあるし、じめじめしてるからダニやカビが心配。掃除業者は来てくれるが、寝床までは触れないので、自分たちでやりたい。掃除機をかけて、布団を外で払えば衛生も保たれると思う。掃除道具さえかしれくれれば自分たちでやる。
○50代女性
・大学生の子どもが、昨日イヤホンで音楽を聴きながら涙を流していた。話を聞くと自分が生まれ育った場所の風景が無残な姿に変わってショックを受けたのだという。慰めの言葉をかけると「他からお嫁に来たお母さんと、ここで生まれ育った私とでは感覚が違うんだよ」と言われた。きれいだった風景が泥と流木で埋め尽くされて、子どもの心も大きく傷ついたんだと感じた。
○60代男性
・久喜宮地区から来た。志波地区から来た人たちと一緒の避難所。あそこの地区の人たちはとてもまとまりがいい。地域のリーダーがいて、それぞれ係も決めている。自分たちはそこに乗っかってる形になっているのでもっとちゃんと協力しなければならないと思っている。
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朝倉市への器材搬出ボランティア
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●日時:7月14日(金)15:00集合
16:30~17:00頃の間にトラック出発予定
●場所:名東倉庫(名東区香南2丁目1301-1)
 アクセス:https://goo.gl/maps/yGIfj
●作業内容:4トントラック1台分の機材搬出(一輪車・スコップ・バケツなど)
●当日連絡先:090-5000-8386(担当・RSY林)
▼ご協力頂ける皆さまへ
お手数ですが、info@rsy-nagoya.comまで
①お名前、②携帯電話の番号 をお知らせください。
当日連絡先まで、直接お電話いただいても構いません。
・怪我などに備え長袖・長ズボン着用にご協力ください。
・各自で飲み物を用意するなど、体調管理をお願いします。
・駐車場がありませんのでなるべくお誘いあわせの上お越しください。
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▼その他、インフォメーション
 これから被災地に行かれる方へ
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○「災害ボランティア活動目からウロコの安全衛生プチガイド」
災害ボランティア活動を安全に行うためのガイドブックです。
事前に読んでから被災地に向かいましょう。
★発行:日本ファーストエイドソサェティ
○RSYホームページに「災害ボランティアの予備知識」を掲載しています。
服装や心構え、配慮する点などが紹介されています。
★RSYHP
○震つな冊子「水害にあったときに」~浸水被害からの生活再建の手引き~
水害にあってから再建までにやるべきことの手順が分かりやすく丁寧に書かれています。被災された方々も、支援者も必見。できるだけ早く避難所、在宅避難者の方々の手にお届けで居るよう、社協や支援団体らと協力して配布します。
★震つなブログに掲載
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▼寄付金ご協力のお願い(随時)
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※皆様からお預かりした大切な寄付金は、RSYスタッフの現地での情報収集や、被災地の方々の生活支援のために活用致します。
<クレジットカード決済>
URLよりお願いいたします。
「都度寄付」よりお申し込み下さい。
※団体へのメッセージ欄に「活動寄付」とご記入ください。
<銀行振込>
三菱東京UFJ銀行 本山支店 普通3505681
特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※「カツドウキフ 寄付者のお名前(カタカナ)」とご入力ください。
<郵便振替>
00800-3-126026
特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※通信欄に「活動寄付」とご記入ください。