【第9報】九州豪雨水害に関わるRSYの支​援活動について(7月15日)

みなさま
お世話になっております。RSY事務局です。
3連休に入り、被災地には1日1,500人を越すボランティアが駆けつけています。
また、NPOらによる重機部隊・テクニカルチームも、一般ボランティアでは対応できない、大量の土砂や流木の撤去に格闘しています。
しかし、いまだ避難勧告が出されている地域や、通行止めになっている集落には、ボランティアも入ることができず、家主でさえ全く手を付けられていない家屋もあります。中には住民が協力して迂回路を作り、日中家の様子を見にいく方もいますが、変わり果てた我が家を目の前に悲しみが深まると共に、一向に先の見えない状況に苛立ちと不安を募らせています。
また、猛暑と長期化する避難生活で、住民・ボランティア共に体調を崩す方も増えてきました。災害関連死をなんとしてでも防ごうと、行政とNPOが協力し、避難所環境の改善や生活支援に取り組んでいます。
福岡県は、朝倉市と東峰村などの被災者に「みなし仮設」の提供を決め、12日から募集を始めました。一方、仮設住宅の建設に向けた準備も始まり、地元で入居を希望する住民の声を受付けています。朝倉市は、被害のひどかった杷木地区の小学校のグラウンド等に建設を検討しています。
以下、大分県日田市入りした松永と、福岡県朝倉市入りした浦野からの告です。
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▼日田市での活動の様子(告:松永)
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○避難所
【指定避難所】
・アオーゼ(26世帯60名)
・桂林公民館(28世帯57名)
・大鶴公民館(13世帯25名)
・大明小中学校(6世帯16名)
・夜明新興センター(5世帯10名)
【自主避難所】
・迫公民館(1世帯1名)
※被災が比較的軽かった住民が食事を提供していて、被災者が集まり食事を取るなど、サポート拠点となっている。自治会長からここをボランティアの宿泊してはどうかとの声がけを頂いた。
・古屋敷公民館 1世帯5名
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○日田市災害ボランティアセンター
松永は主に、ニーズ・現場調査と大鶴地区のサテライト開設準備を担当しています。
・ボランティア数:601名
・ニーズ対応件数62件
※16日(日)より大鶴サテライト始動のため、本日はサテライト設営準備が進められた。
鶴の恩返し、ロハス南阿蘇たすけあい、熊本災害ボランティア支援団体ネットワーク(KVOAD)、日本文理大学人間力育成センター、曹洞宗大分、ひょうごボランタリープラザ、愛知ボランティアセンターなど、地元団体や熊本地震の被災地を含め、多くの地域から物資提供やボランティアの派遣の申し出がある。
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○ニーズ・現場調査
・瀬部集落(5戸?)は、豪雨で道路が陥没し車で行くことができず、途中から徒歩。全壊と思われる戸宅が多いが、「ここにずっと住みたい」と話す住民が多い。
・大鶴地区上宮町は被害が大きく、全壊と判定と考えられる居宅が多い。
(小野地区の様子)
・15日12時に市街地から小野地区までの仮設道路が開通。豪雨被害後に始めて帰宅した方も多く、被災した自宅を写真に収める方、泥だらけの中から大事なものを取り出す方がいた。
・日田市の観光資源の小鹿焼の窯元、小野川自然プールの被災も確認。
・土砂くずれによる全壊家屋の被害が多いが、大鶴地区に比べてボランティアレベルで対応できるニーズは少ない(既に住民で解決しているお宅もあった)。県知事の意向もあり、チラシ配布とニーズがあがった居宅の対応を急いでいる。
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〇住民の声
60代男性(小野地区)
自宅に戻って大事なものの整理をしている。ボランティアにお願いしたいけど、その整理がついてから。
20代男性(地域おこし協力隊)
天ヶ瀬の温泉とともに、小野地区の小鹿田焼と自然プールは大事な日田市の観光資源で、それが被災したショックは大きい。被災者支援はもちろんだが、町の復興を考えたい。
70代男性
抽選で市営住宅に入れることになったが、エアコンが備え付けられておらず困っている。冷蔵と電子レンジはもう買ったよ。姉のところに避難していて、夜あんまり眠れず、朝方3時頃に目が覚める。自宅の片づけやらなんやら考えてると、日が昇り、最近は眠れてないね。暑さからか食欲もない。
30代男性
避難所の物資担当になって毎日忙しく、避難所から一歩もできることができない。避難所の環境は問題ないとの声で、今は泥出しなどの片付けに頭がいっぱい。避難者の疲労はピークに来ている。
70代女性
豪雨の日、自宅の2階に避難した。自治会長が「救助に行くから待っとけ」と言ってくれたけど危険やったき断った。最近お花の球根を鉢に植えたんよ。自分の好きな花だったんやけど、それも流されてしまってね。けど、自宅の周りを歩いていたらその球根があって、拾おうとしたら、息子に「いまはそんなときやないんで」と言われた。自分では、命の次に大事なものやったんにね。あ、二番目は息子にしちょかな怒られるね。
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▼朝倉市での活動の様子(告:浦野)
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浦野は主に、市内指定避難所8箇所で環境改善や支援体制づくり、日中生活支援プログラムの受け入れがスムーズに進むよう、関係機関との情共有と調整を進めています。
○避難所の状況
避難者数:394世帯・853人
・ピーポート甘木(48世帯96名)
・フレアス甘木(13世帯18名)
・朝倉地域生涯学習センター(51世帯151名)
・らくふう館(65世帯135名)
・三奈木コミュニティセンター(20世帯40名)
・杷木中学校(75世帯153名)
・久喜宮小学校(31世帯68名)
・サンライズ杷木(91世帯・192名)
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○避難所に関わる市・NPO情共有会議の開催
15日、現状の課題と今後の取組みに対する関係団体同士のベクトル合わせをしました。
(参加者)
・市:ふるさと課、介護サービス課、財政課
・NPO:避難所支援に関わるNPO(難民を助ける会(AAR)、プロジェクト九州、プランジャパン、ピースウィンズジャパン、九州キリスト教災害支援センター(九キ災)、アドラジャパン、レスキューストックヤード(RSY)、全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)
(課題と提案)
1)運営体制の改善
・今後統合の可能性があり、環境改善が急がれる避難所を優先に担当NPOを決め、集中的に対応することとなった。
・サンライズ杷木(難民を助ける会)、杷木中学校(ピースウィンズジャパン・九州キリスト教災害支援センター)、朝倉地域生涯学習センター(プロジェクト九州)
・今後、施設管理者、担当行政職員、自治会代表、外部ボランティア団体、担当NPO等で、各避難所の情共有会議を開催し、相談や合意形成をはかりやすい関係性が作れるよう担当NPOがサポートできるとよい。
2)寝床環境の改善(布団・ダンボールベッド導入)、居室の衛生管理(換気ルール・寝具メンテナンス(カビ&ダニ対策)、掃除用具の整備)
・水害から2週間近くが経ち、避難所の居住環境も不衛生な状況に。自分たちで換気や掃除が自由にできるよう、道具の整備と取組みへのきっかけを作る。
・避難所一斉清掃「みんなでお掃除DAY」の実施を検討中。プログラム内容は、①寝具を外に干す、ほこりを払う②寝床の掃除、消毒③布団とダンボールベッドの導入④掃除終了後のお楽しみ(カフェ、リラクゼーション、各種相談会など)を一つのプログラムとして開催。
・同じ避難所で暮らしていながら、他地区住民同士の間に遠慮や距離感があるため、交流を深める機会にもなれば。
3)福祉避難スペースの整備
・7月16日(日)サンライズ杷木にて、介護サービス課とNPOらで作業
・ダンボールベッド、パーティション、棚、畳、衛生用品、案内看板等を設置
・対象者は、日常生活(トイレ移動等)に手伝いが必要な方、体調の悪い方など
・介護サービス課が医療・福祉の職能団体が常駐できるよう調整中
・今後は、朝倉地域生涯学習センターにも設置を検討する
4)生活不活発病防止、自立支援に向けた「日中活動プログラム」のコーディネート
・市へ洗髪、マッサージ、運動等のボランティア活動を希望する問合せが入っているため、避難所にてマッチングを行う。
・いつでも人が集える共有スペース等を設置していく
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○住民の声
40代・女性
避難所の調理場を使わせて欲しい。配給される食事は豊富だが、野菜が足りないと感じる。炒め物や味噌汁など、1週間に1回でもいいから自分達で作って食べたい。行政に相談するも、「ここは他の地区の人もいるので、1つの地区の人にだけ貸すことはできない」と言われてしまった。希望を取って、順番制にするなど色々やりようがあると思うが・・・。いつもやっていた料理は気分転換にもなるので何とかできないか。⇒NPOらが間に入って調整できるか策を練ることとなった。
60代・男性
あの日、風呂に入ろうと思ってパンツ1枚で家の2階にいた。外を見ると、木の塊が水に流れて家に迫ってくる。呆然としているうちに、流木が家に激突、自分は放り出された。しばらく気を失って気付くと、外に放り出されていた。手も足も傷だらけになっていたが、犬がおぼれかけていたので助けるために駆け寄ると、後ろの山が崩れ始めた。慌てて移動すると、また別の山が崩れ、泥と一緒に流された。何とか犬を抱えて、近くのゲートボール場までたどり着き、一晩過ごした。妻は1日半後、下流で発見された。激しい流れで服も何も見につけていなかった。医者から「顔は見ないほうがいい」と言われたので、見ないまま火葬した。息子と葬式をあげた。自分足の傷はぐじゅぐじゅして直らない。風呂にも入れないので毎日体を拭いている。ゆっくり風呂につかりてぇなぁ。去年ガンで入院、そのあとすぐに盲腸が破裂しそうになりまた入院、そして今回。俺は3回死に損なったよ。
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朝倉市への資器材・無事到着
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7月14日(金)、朝倉市に向けて4トントラック1台分の資機材搬出(一輪車・スコップ・バケツなど)しました。この3連休中、1,500人のボランティアの活動を現地で支えるべく大活躍しております。
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▼その他、インフォメーション
 これから被災地に行かれる方へ
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○「災害ボランティア活動目からウロコの安全衛生プチガイド」
災害ボランティア活動を安全に行うためのガイドブックです。
事前に読んでから被災地に向かいましょう。
★発行:日本ファーストエイドソサェティ
○RSYホームページに「災害ボランティアの予備知識」を掲載しています。
服装や心構え、配慮する点などが紹介されています。
★RSYHP
○震つな冊子「水害にあったときに」~浸水被害からの生活再建の手引き~
水害にあってから再建までにやるべきことの手順が分かりやすく丁寧に書かれています。被災された方々も、支援者も必見。できるだけ早く避難所、在宅避難者の方々の手にお届けで居るよう、社協や支援団体らと協力して配布します。
★震つなブログに掲載
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▼寄付金ご協力のお願い(随時)
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00800-3-126026
特定非営利活動法人レスキューストックヤード
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