【第10報】九州豪雨水害に関わるRSYの支​援活動について(7月17日)

みなさま
お世話になっております。RSY事務局です。
3連休の猛暑の中、のべ3,500人を超えるボランティアが現地に入り、全身汗や泥だらけになりながら、沢山の泥やガレキを片付けました。被災された方からは、感謝の気持ちを伝える声が数多く聞かれています。地域性もあってか、「自分の家よりもっとひどい被害を受けた方に気兼ねして今まで頼めなかった」と、ようやくボランティアの依頼を出して下さった方もいました。
一方、発災から2週間を迎えた避難所は、野菜不足による便器の増加、ハエの発生、スペシャルニーズのある方(障がいのある方など)への対応、トイレ環境(洋式トイレ導入)の改善などが課題になっています。
朝倉市では、JVOADを通じて難民支援の会(AAR)やピースウィンズジャパン(PWJ)、九州キリスト災害支援センター(九キ協)らが中心となり、避難所環境の改善や関係機関との連携会議などを進めています。
また、次の住まいとして仮設住宅の建設も始まります。
7月19日から朝倉市杷木小学校で40戸、東峰村で17戸が建設されることになりました。被災地内の避難指示は全て解除されていますが、土砂崩れや土地の崩落などの危険性が高いために、避難勧告が解かれず、ボランティアが活動できないエリアは未だ手付かずです。朝倉市、東峰村、日田市では土砂崩れが300箇所を超えており、今後の雨による2次災害の警戒も続いています。
浦野は、7月16日(日)夜に一時名古屋に戻り、24日(月)から再び朝倉市入りします。入れ替わりで栗田が本日より現地入りしました。
松永は、大分県日田市大鶴サテライトにて活動を継続中です。
以下、報告です。
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▼日田市での活動の様子(報告:松永)
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○日田市災害ボランティアセンター
★7月17日(月・祝)
・V529名(本部188名 大鶴サテライト341名)
・主な活動内容は、居宅内の泥出し、畳移動、家具移動。
・お墓まわりを綺麗にして欲しいとの依頼が1件あり、お盆に向けて同様に依頼が増えるだろう。
★7月18日(火)
・V746名(本部428名 大鶴サテライト318名)
・大鶴サテライトでは、「冷タオル隊」を愛知人の看護師である中村氏とボランティア等で結成し、活動中のボランティアを巡回。しかし、地域が広すぎ、かつボランティア人数も多く全てをカバーできなかった。
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〇住民の声
80代女性@大鶴地区大肥町
私んちよりも、被害の大きなところがあるやろ。だからボランティアにお願いしづらくってね。近くの人がボランティアにお願いしたって聞いてお願いしたんよ。
80代女性@大鶴地区上宮町
一週間電気が通らんやって、避難所から家に帰ると、冷蔵庫やら炊飯器やらカビだらけ。ようやく昨日炊飯器買って、ご飯炊けるようになったけど、疲れもあって2~3日ご飯たべれとらん。
80代男性@大鶴地区上宮町
裏山からの水路が埋まってしまってな。また雨が降ると山から水や泥が入ってくるんやないかと思ってる。ボランティアさんに頼めるかね。
80代女性@大鶴地区大肥本町
川沿いの倉庫に土砂がいっぱい。ここで亡くなった夫と竹細工やっとって。倉庫につけた庇の足が無くなってしまって、風邪であおられるんよ。柱つけてもろたら助かるんやけど。
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▼朝倉市での活動の様子(報告:浦野)
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○福祉避難スペースの設置
サンライズ杷木の体育館スペースに福祉避難スペースを設置しました。
市の介護サービス課、難民支援の会(AAR)、ピースウィンズジャパン(PWJ)、兵庫県立大学の先生方と共に、ダンボールベッド、パーティション、布団、ポータブルトイレ等を配置。住民の方々への理解を深めると共に、他避難所への増設や、利用者に合わせてより活用しやすくなるよう随時支援者同士で情報共有を図りながら改善に努めます。
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○住民の声
80代女性
黒川地区に住んでます。杷木とか甘木とか被害がひどかったところがよく言われるけど、黒川や佐田地区もひどかった。集落は前は50戸ぐらいあったけど、最近は12~13戸まで減った。みんな年寄り。でも地域の神社はみんなで大切にしていて、月1回必ず掃除をして、年に1回はお祭りもやってたんだよ。もう何百年と続いている神社。不思議なことに神社は水に流されなかった。そのすぐ下には濁流が通っていたのに。お祭りはみんなでお宮に集ってお弁当を食べて。以前はお煮しめとか作っていたけど、最近は少し簡単にして。でも長くみんなで続けられるようにしてたの。花火も上がってね。楽しみだった。7月7日の七夕様の日も、お祝いのために食材とか全部用意していたんだけどね。結局その前に水害にあってしまったから。全部ダメになちゃった。
80代男性
うちは1階の半分まで土砂に埋もれました。うちの写真見る?築100年ぐらいは経ってたと思う。位牌だけは何とか取り出せた。あの日、みんな声を掛け合ったわけじゃないんだけど、暗黙の了解というやつかな。高い場所にあった○○さんの家に自然に集って。みんな家から食べられそうなものを持ち寄って。そこが避難所になったの。ヘリコプターで助け出されるまでみんな一緒にいたから安心できた
80代女性
私は、位牌も何にも持ってこれなかったです。このリュック一つで逃げてきたの。あの時はまだ家があったけど傾いてた。翌日見たらもうなくなってた。あっという間だったですよ。みんなで川の真ん中まで流された車を見てたけど、木に引っかかって最後は動かなくなった。私はヘリコプターで助けられて以来、一回も家に戻ってないですよ。着の身着のまま。この避難所に来て、履物とか着るものをもらったんです。男の人たちが、歩道も無い山の中を何時間も歩いて集落まで行って、写真を撮ってきてくれたの。もう、何もかも無いですわ。でも、写真だけじゃやっぱり実感が沸かないです。体を動かさないと調子が悪くなるから、散歩します。
自然と地域、人の繋がりを大切にし、慎ましく懸命に生きてきた方々の暮らしが、災害によって一瞬にして奪われました。皆さんが、普段の暮らし振りを楽しげに話す姿と、被害を受けた自宅の写真を見ながら「実感が沸かない・・・」とつぶやいた表情のギャップが心に染み付いて離れません。一瞬のうちにして大切に積み上げてきた歴史が奪われていく災害は、本当に無情です。それでも笑顔とユーモアを忘れず、お互いに懸命に支えあう姿に、山で生きる人間の強さを学ばせて頂いています。今、必要なのは、こんな風に、胸の内を心置きなく語れる場なのかも知れません。
 黒川地区の皆さん(ご本人たちの了解を頂き掲載しています)
直後にみんなで身を寄せ合って避難した方の家の前で撮影。
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▼その他、インフォメーション
 これから被災地に行かれる方へ
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○「災害ボランティア活動目からウロコの安全衛生プチガイド」
災害ボランティア活動を安全に行うためのガイドブックです。
事前に読んでから被災地に向かいましょう。
★発行:日本ファーストエイドソサェティ
○RSYホームページに「災害ボランティアの予備知識」を掲載しています。
服装や心構え、配慮する点などが紹介されています。
★RSYHP
○震つな冊子「水害にあったときに」~浸水被害からの生活再建の手引き~
水害にあってから再建までにやるべきことの手順が分かりやすく丁寧に書かれています。被災された方々も、支援者も必見。できるだけ早く避難所、在宅避難者の方々の手にお届けで居るよう、社協や支援団体らと協力して配布します。
★震つなブログに掲載
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▼寄付金ご協力のお願い(随時)
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特定非営利活動法人レスキューストックヤード
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