【報告】御船町高木地区のお祭りに参加しました

11月12日の日曜日、御船町高木地区の高木小学校で行われた、「高木ふれあい祭り」に参加しました。RSYは一画をお借りして陶器市を出店。お祭りへは高木地区内外から300人以上の参加があったようで、小さい子供の姿もたくさんあり、みなさん穏やかな表情をされていたように思います。お祭りでは、「あの日あのときを忘れない」と題し、震災当時を振り返るパネルディスカッションも行われていました。

陶器市では、愛知県瀬戸市「陶磁器卸商業協同組合」様、岐阜県瑞浪市陶町の事業主様からご支援頂いた、茶碗やお皿、湯呑みなどを1つ10円で販売。延べ300個以上の陶器をお買い求めいただき、売上は御船町社会福祉協議会へ全額寄附いたしました。
震災から1年半が過ぎ、再建の進む中での開催ではありましたが、「セットの食器が割れちゃってたから、これで揃った~」という方や、「そういえば湯呑みがなかったね」とご家族でお話されつつ選ばれる方、「ばあばにあげるの」と気に入った柄のものを嬉しそうに買っていった小学生など、多くの方にご利用いただけました。中には、震災後に食器棚を小さいサイズに買い直したり、すでにたくさんの陶器をもらっていたりなど、陶器はもう十分という方もいらっしゃいましたが、そういう方にも、「1つ10円」ということをきっかけに、購入せずとも陶器を見たり、立ち寄ってお話をしたりとお楽しみいただけたように思います。
小学校の周りを少し歩いてみると、建設の進むお宅がある一方、依然としてブルーシートのかかるお宅もあり、陶器市に寄ってくださった方からも「応急復旧だけで直すのはまだ」という声、「部屋のキズやヒビは家具で覆って見えないように隠している、心のキズも…」といった声も聞かれました。進む人は進む一方で、取り残される人との差はどんどんと広がっていくように感じる頃ですが、お祭りや陶器市が、一時の気晴らしとなっていれば幸いです。

=陶器市での住民の声=
・久しぶりに奥にしまっておいた高いお皿を出そうとしたら、割れてしまっていた。
・セットの食器はみんな1個とか2個残して割れてしまったから、これで揃った~。
・家は応急処置しか終わっていなくて、直すのはまだなの。
・地震が怖くて、陶器はやめた。今はプラスチックの食器を使っている。
・部屋のキズやヒビは直せずそのままで、家具で隠している。心のキズもね…。
・うちのあたりは全然被害なくて。でも震災の時は水がでなかったから、毎日職場にペットボトルもって水汲んで帰ってたわ。
・家を建てたいのに、なかなか建てられない。時間がかかっている。そのうちに価格も上がっていってしまっている。はじめの予定より上がってしまった。
・仮設内での交流がなかなかできない。だから今日みたいなのは嬉しい。
・早く自分の家に帰りたい。

・自宅は一部損壊。直後の揺れは20秒ぐらいだったと思う。とにかく揺れて、物につかまってるしかできなかった。ちょうど退院したばかりだったけど、火事場のくそ力ってああいうこと言うんだね。自分でもびっくりするぐらい片付けたり、修理の業者を手配したり良く動いてたわ。でも、家が残ってよかった~って思った反面、親しい人の家は全壊してることも多くて。なんて声をかけていいか分からなかった。ひけめっていうか、申し訳なさで下を向いて歩く思いだった。やっと落ち着いたと思ったら、おじいさんがガンになって。疲れが出たんだと思う。それでも、やっとここに出て来れるようになったんだから、よかったと思うよ(80代・女性)
・当時区長をやってて、地震のあとすぐに各家々を回ったの。倒壊被害はなくても水が出なくてとても困った。給水車もなかなか自分の地区には来てもらえなくて。区長が役場の物資置き場まで食糧や生活用品を取りに行って地域まで全部運んだ。あれは本当に大変だったねぇ。区長という立場上、住民の人からはいろんな要望を言われるから役場に届けなきゃいけない。でも役場も混乱してるからすぐ回答がもらえない。それがもどかしくてね。両方の気持ちが分かるから、ただただ「ごめんなさいね」って言ってるしかなかったの。でも地域のお年寄りたちがみんな本当に良く頑張ってた。自分でできることは精一杯やってたし、協力もしてた。えらいなぁって思いましたよ。(60代・女性)

      

白いお皿やかわいい湯呑み           綿菓子は子どもたちに大人気

      

         みなさんお話しながら陶器を選んでいます          高木小学校周辺の様子

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お祭りのあと、少しだけ足を延ばし、以前から交流のある黒田製茶さんへ立寄りました。全壊だったご自宅を修繕して住み続けることに決めた黒田さんご夫婦ですが、業者間の都合がつかないなど、修繕工事はなかなか進行していないようです。一方で解体して新築にしたお宅が続々と完成する様子も目の当たりにし、うちも解体しておけばよかったのかという迷い、気持ちのゆらぎがあることもおっしゃられていました。製茶工場の営業についても、厳しい状況は変わらずのようです。しかしながら、そういった大変な状況が有りつつも、私達の突然の来訪にも笑顔で出迎えてくださり、穏やかな表情でさまざまなお話を聞かせていただきました。この笑顔に応えるべく、これからも微力ながら応援していきます。

御船町特産 吉無田高原の深蒸し茶
お求めは黒田製茶工場まで直接お電話下さい。
地方配送も承ります。少量からでもお気軽に。お歳暮ギフトにもどうぞ。
(「RSYからの紹介」と一言添えていただければ、一割引でお買い求め頂けます)

お茶の緑新園 黒田製茶工場
熊本県上益城郡御船町上野1059
TEL 096-284-2406