RSY・8月3日からの大雨への対応について(第6報)

みなさま
台風14号の襲来で犠牲なられた方々、ならびに、現在も停電・断水等の中不便な生活を強いられている皆様に心からお見舞い申し上げます。
RSYは8月3日からの大雨で被災した石川県小松市を中心に、住民ニーズとして優先順位の高かった、食生活の向上を切り口とし、生活再建のお手伝いを継続しています。
(※現地派遣は、小松市社会福祉協議会ならびに、被災した地区の自治会長さんからの支援依頼を頂き実施しております。)
第3陣(9月12日~14日)として、名古屋からRSY浦野と10名のボランティアさんを派遣しました。第4陣(9月20日~22日)の派遣は、台風14号の影響によりやむなく中止となりました。台風襲来中もカウンターパートの中海町住民の方々や小松市社協、現地で活動する仲間と適宜連絡を取り合っていましたが、幸い大きな被害には繋がらなかったそうでひとまず安堵しております。
RSYは下記の活動を通じて、被災者の現状・生の声を集約し、気になる案件は、自治会や小松市社協、連携団体らと共有しながら、ニーズの取りこぼしの無いよう注意深く見守っています。以下、第3陣の報告です。
私たちの活動は、日本財団「令和4年8月大雨被害に関わる支援活動」助成金により実施しています。
1.あったかごはん食堂
毎週2日間の「あったかごはん食堂」も随分定着してきました。住民の皆さんは、RSYボランティアさんが考えたバラエティ豊富なメニューを、いつも楽しみにしてくださっています。食堂カレンダーもボランティアさん作。家の玄関などに貼り、「次は麺類だね」「おでんが食べられるの?」と訪問時の会話のきっかけにもなっています。
そしてなんと、今回は、2019年の台風19号で被災した長野市・赤沼地区で、復興支援活動を継続している「炭火焼肉ジンギスカンもんも」さんが、応援に駆けつけて下さいました。この水害でRSYがお世話になった「長野市災害ボランティア委員会」の皆さんが、今回もRSYの活動に賛同し、市内ネットワーク団体に働きかけて下さったのです。もんも店長のHさんは、阪神・淡路大震災の支援経験から、災害時の食生活、食事環境向上を重要視され、以降、全国各地の被災地で「炊き出し支援」を展開されています。
9月13日の10時、総勢5名のスタッフの方々が長野から颯爽と現れ、瞬く間に「チキン弁当、焼きそば、あったか味噌汁」を150食提供して下さいました。また、地元小学生の温かいメッセージが添えられたお米や、甘酒、新鮮な野菜やフルーツなども一緒に届けて下さいました。住民の方からは、「千曲川の水害はよく覚えてる」「私たちにも、他の被災地の方々に同じことができるかしら?」など、様々なコメントが寄せられました。もんもさん、本当にありがとうございました!
9月14日は、住民の方からかねてからリクエストを頂いていた「おでん」。大根、こんにゃく、ちくわ、玉子を前日から白だしで煮込み、にんじんおにぎりを添えてお届けしました。料理長Kさんの「おいしいものを食べてもらうためには手を抜かない!」という徹底ぶりで、面取りや影包丁もぬかりなく。こちらも大好評。
拠点まで取りに来られない方や、少し離れた中ノ峠町にお住まいの方々などには、デリバリーでお届けしています。
2.被災家屋のお掃除サポート
「被災地NGO恊働センター」Mさんからコーディネート頂き、床下を乾燥させながら、サッシやガラス、床など細かい部分の掃除作業が残る世帯へお手伝いに入りました。作業にあたったRSYボラさんたちも、時間の経過と共に変化する家屋保全の作業過程を目の当たりにし、その大変さを身をもって実感されたようです。
3.看護師による健康相談
「あったかごはん食堂」の配布で気になった方や、自治会の方から相談のあった方については、看護師ボランティアが健康チェックを行っています。急を要する案件は、市社会福祉協議会を通じて、市介護課や地域包括支援センターに繋いで頂いています。
4.足湯ボランティア
地元の北陸学院大学のT先生と2名の学生さんが、食堂に合わせて足湯ボランティアに来て下さいました。学生さんは初めてということで、足湯講習会もセットで行いました。これをきっかけに、今後はサロンや食事会の開催も視野に入れながら、長期的な支援活動を検討されるそうです。
5.番外編!~長野から支援再び~
9月18日、中海町公民館へ、長野市豊野区の皆さんから、真心いっぱいの支援が届けられました。RSYが台風19号の支援をきっかけに繋がりを持ち、豊野区の復興支援・福祉のまちづくりの拠点になっている「まちの縁側ぬくぬく亭」「豊野区住民自治協議会女性部会」「ベジ地場ファームボランティア」「集楽元快」の皆さんが協力して下さいました。
リーダーのSさんから、公民館のMさんへ、お見舞金の他、お米やりんごやぶどうなどの秋のフルーツ、かぼちゃやじゃがいも、なす、とうがらしなどのフレッシュな野菜、手作り品の数々が手渡されました。Sさんからは、「新鮮なフルーツや野菜類はとても喜んで頂けて嬉しかった。ぬくぬく亭の活動報告書と、みんなの応援する想いをお届けしました。普段はこんなに穏やかな川なのに一月に2回も氾濫するとは。近づく台風を心配しながら、短時間の交流を終えました」という報告を頂きました。本当は第4陣で合流して、さらに交流を深めることを予定していただけに残念ですが、これをご縁に、ぜひまた機会を作りましょう!
6.被災者の声(カッコ内はボランティアが加筆)

・今日は病院に行ってきて、帰ってきた時にボランティアさんに会えるかな、と思って思い切って公民館まで来てみたの。前回頂いた長野のおりんご、とってもおいしかった!ここに来ると、近所の仲良しの方が様子を見に来てくれたりするのでありがたい。おでんもさっぱりして本当においしかった。食欲があまりないけれど、あれはおいしく食べられました。(2000年愛知県で発生した東海豪雨被災者から譲り受けた水仙の花の球根をお渡しすると)わぁ。私はお花が大好きで、見てるだけで元気がもらえるからとても嬉しい。すぐに植えて大切に育てます。(80代・女性)

・あまり体調はよくない。腰がとても痛いし、頭がちょっとふわっとする。心臓が辛くてしんどいから横になっていたの。夜もあまり眠れてないです。でもお友達が誘ってくれるから、金沢の方まで出かけたりしているのよ。床下は、大工さんに徹底してみてもらって、ボランティアさんに泥かきしてもらった後にしっかり乾燥させて、消毒もしてもらったの。でも最近壁の汚れが気になって。カビかな?断熱材も入っているから心配なのよ。大工さんに相談する予定。罹災証明書は中規模半壊。生活必需品の申請は「まぁいいか。。」と思ってしていない。水道や電気も免除されるのかしら?(2000年愛知県で発生した東海豪雨被災者から譲り受けた水仙の花の球根をお渡しすると)草花が大好きだから、近所の目を気にしてこんな時にと控えてたけど、やっぱり元気もらえるから植えてみるわ。(80代・女性)

・(足湯に参加)はぁぁ、疲れた。あせまるけ。ちょこちょこ動いてはいるけど、ちゃんと理にかなった動きになっているのか分からないのよね。足湯はきもちいい。少しほっとする。高校の孫がいて、あと1年学校があるの。こんな状況になっちゃったけど、何とか卒業してもらいたい。優しくていい子なのよ。(70代・女性)

・なんだか調子がわるいんだ。疲れちゃって。昨日大工さんに一部屋だけ畳を入れてもらえたから、玄関横の部屋から奥の部屋まで、ベッドを解体して一人で運んで組み立てたんだ。ちゃんとしたベッドだったから結構重かったよ。自分でできることは自分でやんなくちゃって思ってさ。でも今日は疲れて公民館までお弁当取りに行けないから、悪いけど持ってきてくれるかい?(80代・男性)

・俺のところは床下にも水は入っていない。水は玄関の前の庭先で止まったから。市からも調査が来たが、被害はゼロだった。玄関前の泥は自分で畑に持って行って捨てた。だから俺は飯も物資も一切いらない。もう持ってこなくていい。風呂は庭にある水道の水をシャワー代わりにしているから大丈夫。夜は度々起きることはあるが、昼寝をするからかな。(看護師が同行し、健康チェックがてら会話。お話は浴して下さる。住居の物理的な被災をしていないことで支援を受けることを遠慮されている様子)(80代・男性)

・(足湯に参加)我が家は無事だったけど、皆さんが大変なので、今自分たちのできることをと思って公民館でお手伝いをさせて頂いてます。60年前も浸水した地域なので、「また浸かった」という方もいる。足湯は初めてだったけど、とってもきもちよかった~。ありがとうね。(70代・男性)

・自分は中海で生まれ育ったけど、60年前の浸水の恐怖が忘れられなくて、40年前に高台へ引っ越しました。先祖から受け継いだ土地は大切にしたいと、シロツメ草や、よつばのクローバーを植えたり、バドミントンのネットを張って、地域の子どもたちが自由に遊べるような広場にしています。今回の水害で広場に泥が入ったので、ボランティアセンターに助けてもらいました。この出来事を後世に伝えることが大切と感じ、浸水した高さにプレートを掲げました。(2000年愛知県で発生した東海豪雨被災者から譲り受けた水仙の花の球根をお渡しすると)これは記念になるし、被災地同士がつながることで、励みにもなると思うから早速植えて、解説のプレートも作りたいと思います。ここで音楽会なんかもできればいいなぁと思っています。(70代・男性)

・ここから車で5分ぐらいのところに家があるんだけど、うちと周辺4世帯ぐらいだけが浸水被害を受けてて。災害ボランティアセンターにもお願いして泥かきはしてもらったけど、事業所の方は頼めないし、細かい作業もどこまで相談したらいいか分からないの。だから何とか自分たちで頑張って。私は中海ではないけど、公民館の前を通りかかったらなんだか楽しそうな雰囲気だなって。思わず中にはいっちゃいました(笑)ここに来れば物資や食料の支援がもらえるのはとても助かります。他の方にもこのこと伝えていいですか?明日もお弁当取りに来させてもらいます。(当日のうちに現地に行き、ご本人案内のもと浸水世帯を回るも不在。明日のお弁当は自分から届けて下さると申し出て頂いた)(60代・女性)

・玄関横の部屋は水がかぶったので、泥かきなどの作業をやってもらった。他の部屋は何もしていない。高齢なので、家の補修を積極的に考えられずにいる。(70代・女性)

・妻と息子(2歳)の3人ぐらし。毎回お弁当が楽しみで。おかげ様で家族みんな健康状態に問題ありません。(30代・男性)

・毎週こんなに山奥の年寄のところへ配達してくれて申し訳ない。でも毎回違うメニューだから、最近は楽しみの一つになっているよ。(80代・男性)

・今床下を乾かしています。消毒は業者に頼もうとしたけど時間がかかると言われたので自分たちでやっています。家の保全に詳しい支援団体の方が、作業手順として、次に何をしなければならないかをその時々で適切に教えてくれたから、無駄な時間を過ごすことなくとても助かっています。(30代・女性)

7.ボランティアの声
第2陣参加:川路和洋さん(デンソーGハートフルクラブ)
RSY様の活動には初めての参加です。初日は炊き出しチラシを持って近隣住民の方の
(特に炊き出しサービスの情報が届いていないと思われる)お宅を訪問し、現在の様子や復旧状況を確認。被災から1ヶ月経っても日々の生活に不安や不便さを抱えながら復旧作業を続ける住民の方の心身の疲労感を感じ取れました。
翌日からは炊き出しのお手伝いや公民館での受取が困難なお宅へ食事をお届けし、顔を合わせ言葉を交わす事でお話も出来るようになりました。復旧作業にあたっている支援団体の皆さんは元の形に戻すためにスキルを活かし仲間と協業しながら懸命に日々活動されています。
その姿を見て住民の方も元気や希望を取り戻して行く…支援活動を通して人との繋がりの大切さと優しさを改めて学ばせてもらいました。今回の経験を会社に報告すると共に、「あったかごはん食堂」の運営サポートが継続的にできる方策を相談しようと思います。貴重な機会を与えていただきありがとうございました。
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