能登半島地震【第9報】

浦野です。お疲れ様です。
本日名古屋にもどりました。昨日の現地(穴水町)の動きについてご報告します。(2007.3.29現在)
■本日の活動
○ボランティア受付
★電話対応
・ニーズ件数25件
・ボランティアとニーズのバランスはちょうどよかった。
・ニーズの送り出し時間の締め切りを2時までとした。(センターから派遣先まで距離があるため、帰りの時間を考慮してのこと)
・赤紙のお年寄りが「家の中の物を取りたい、中に入りたい」と3回相談にいらっしゃった。なかなか赤紙は家に入ってはいけない、ということに納得してもらえなかった。民生委員会長さんの説明により制度的な面では理解するも、「役場行っても紙を書かされ、ここでも紙を書かされ、結局何にもしてもらえず、紙どまりか・・」とこぼし、心情的には納得いかない様子であった。ボランティアとしてできることとしてとにかく罹災証明のため、写真を撮り無償で提供する、建築業者のリストに基づいた情報提供をする、という形で検討したい。
・ゴミ処分場に毎日20名程度派遣して欲しいと申し出あり。
★ボランティア受付
・一人だったのでばたついてしまった。明日からは2人体制が良い。
・白藤医員がボランティアの無料の宿泊場所として8名程度受け入れ可能。(6名部屋が1つ、2人部屋が2つ)。できれば、センターで人数を取りまとめて連絡がほしいとのこと。
・専門的な技術を持った人は目に見えるようにリストアップしておく。
・サーブ金沢本部より、土曜日以降100人派遣可能と問い合わせあり。
・コープ石川よりトラック提供の申し出有り。
★オリ・マッチング
・出発時は7名で行動していたが、帰りは2グループに分かれていた。なるべく一緒に帰ってくるように統一した方がよい。
・今後は昨日的なものは引き継ぎができるようにマニュアル化したい。
★資材
・資材入荷:バケツ70、一輪車3台、マスク100など。
・資材配置図を作成。
★高校生60名の対応について
・被災者の方へのメッセージ横断幕
高校生たちが創意工夫して、「取り戻そう!うまいもんの里」などのメッセージの入ったカラフルな明るい感じの横断幕を作成し各3つの避難所に貼った。
・避難所交流+炊き出し「めった汁づくり」手伝い
炊き出しの作業が始まる前の40分程度、林業センターに避難している高齢者6名と交流した。最初は戸惑いながらも、肩揉みをしたり、背中をさすりながら少しずつ会話も弾んできた。学生の顔を見るなり、お年寄りの顔もパァっと明るくなり、とても嬉しそうな表情をされていた。
・ほうき訪問隊
被害がひどかった地域を中心に、ほうきを持って目についたところを掃除する作業を行った。時折被災された方から、「家の片付けも手伝って」と声をかけられ作業を手伝った。下諏訪町の「おせっかい隊」のように、ゲリラ的に現地に入り、住民の方々が声の出しやすい活動をつくっていく必要性を感じた。
★避難所対応
○避難所環境の改善
[30日実施予定事項]
・30日に予定していた布団の搬入が31日に延期になる可能性あり。災害対策本部に申し出、とにかく早急に対処してもらうよう依頼。
・避難所内の清掃・換気を実施予定。
・つまづき防止として畳の隙間を布テープでうめる作業を実施予定。
・訪問活動により、被災された方から林業センターに洋式トイレがなく、便秘が5日も続いているという声あり。災害対策本部に報告したところ、30日にポータブルカバーを設置することで手続き済み。
・訪問活動より「着替えるところがほしい」という声あり。着替え用の間仕切り3セットが、名古屋の障害者団体(AJU自立の家)から寄付される。30日に到着後、なるべく早めに設置予定。
[訪問活動について]
・民生委員さんからの申し出により、民生委員3名(メンバーは固定)で、毎日午前・午後1回ずつ訪問を継続していく予定。
・しかし、民生委員にも疲れが見られるため、長期ボランティアと交代でローテーションが組めるように調整したい。
・とりあえず、今週土・日は名古屋より足湯隊が入るため、土曜日は同行していただくも、日曜日は足湯隊のみで訪問活動を兼ねられるよう調整中。


【避難所でのつぶやき】
・災害発生時から、「私は大丈夫」と気丈に振舞っていたお年よりが「困った時はお互い様。あんなに怖い思いもしたんだから、こんな時ぐらい我慢しないで甘えても大丈夫なんですよ。」という語り掛けをすると、声をつまらせ、タオルで顔を覆っていらっしゃった。いろんな思いを腹に収めながら、毎日本当に我慢されていることを感じた。
・自分は富山在住だが、この震災のため母親の家が被害を受け、現在母親と共に避難所で生活されている60代の息子さん。発災直後、家が隣の家に倒れかかった。隣人よりすごい剣幕で「早く家をつぶしてくれ!」と言われ、行政からの調査が入る前に取り壊しを決意。電気を止めなくては作業ができないということで行政にかけあうも、対応が遅く、難航し、やっとの思いで手続きをした。現在は更地になっているが、軽い認知症のある母親にはまだ十分な説明はしていない。と涙ながらに民生委員さんに語ったとのこと。民生委員さんもその話をしながら、目に涙をためていらっしゃった。
※安心して泣ける場所、一緒に傍らで泣いてくれる人が必要なのだと感じた。そのためには被災された方のペースに合わせた働きかけができる人が必要だと思われる。今後は定期的なお茶会などの開催や少し落ち着ける個室のようなスペースも必要と思われる。
[クリーニングサービス]
・訪問活動による「震災にあってから、余震で家にも入れないため数日着替えができなかった」という声から、地元業者より、無料で衣類のクリーニングをしてくれるという申し出あり。
・掲示物などで周知してく予定。
[炊き出し]
・訪問活動より、「野菜が不足し便秘が続いている」という声から、13:30より町社協のコーディネートより、町内の民生委員協議会・食生活改善グループ・婦人会・健康づくりグループ・ボランティア連絡協議会・行政・保健師にて話し合いをし、各団体でローテーションを組み、3月29日縲鰀4月6日までとりあえず毎夕食、炊き出しを実施することに合意された。
・献立は保健婦さんと栄養士さんが決める。
・1回の作業に担当団体メンバー10名ずつ参加する。
・毎日14時より林業センターで作業開始。
・配布対象者は避難所にいる方々。120食分をつくる。
・その日のメニューの案内看板は、ボラセンで作成の上、周知する。
【本日の炊き出しの様子】
・準備段階で避難所にいらっしゃる方に「一緒につくりませんか?」と声かけをしたところ、60代女性が、「そうですね!」と参加を申し出てくださった。高校生・民生委員の方々と共に一緒に作業をしてもらう。
・一方80代のお年寄りについては、「まだなかなかそういう気になれんから、せっかく誘ってもろうたけど、今日はゆっくりここにおるわ」とおっしゃっていた。
※自衛隊から配給されるご飯が硬い、もう少しやわらかいものが食べたい、という声も聞かれているので、避難所にある調理室などでちょっとした自炊ができるような環境を整えていければと思う。
※一緒に作業ができる動きのあるものと、お茶会のようなじっくり話をきけるような活動をメニュー今後のとして検討していく必要あり。