浦野です。お疲れ様です。穴水町災害対策ボランティア現地本部より現地報告をいた
します。(2007.5.3現在)
○本日の活動
■引越し作業
・本日の引越しボランティアのニーズ件数は4件。昨日に引き続き、特にトラブルも
なく終了した。
■仮設住宅での御用聞きボランティア
・本日は北陸電力より8名のボランティアが仮設住宅で活動した。ちょうど冷蔵庫・
テレビ・洗濯機などを運び入れる方がおり、4件程で配線の手伝いをした。また、
「玄関の電気がつかない」などの依頼にもすぐに対応することができ、専門職を生か
した活動となった。
・センターにボランティアの依頼をしていない方でも、家族で荷物を運びいれること
が大変そうな方もおり、その都度声をかけて手伝った。
・訪問者やボランティアなど人の出入りが多く、入居者のスペースに駐車してしま
い、入居者からちょっとしたクレームがでた。入居者の駐車場には部屋番号や名前な
どの札も目印も何もたっていないため、訪問者には区別ができない。入居している方
の駐車場には当座テープを貼り目印をつけるなどの配慮が必要。
■IH調理器具について
昨日課題となっていたIHの調理器の分かりやすい使い方説明について北陸電力のボラ
ンティアさんに相談したところ、「鉄製なべ用」「全ての鍋用」「魚焼き用」「電
源」などの文字の入ったシールをテプラで作成し、ボタンの近くに貼って下さった。
最初にいくつかのアイデアが出されたが、一人の入居者の方にモデルになって頂き、
使いやすいかを確認。改善点を修正し、一人暮らしの高齢者や高齢者世帯で希望する
方に配布・設置して下さった。
■金沢市伏見高校生による表札とメッセージ、足湯&お茶会案内用チラシの配布
本日18名の学生が活動し、冒頭で滋賀県高島市社協の井岡氏による仮設住宅のレク
チャーや婦人会会長による体験談があった。その後は既に入居作業が終了している21
世帯に配布することができた。
【井岡氏のレクチャー概要】
・ボランティアは突然外からやって来て、地域の被災した方に対してどんな思いで活
動していくのか?今回は引越し作業のつもりで来てる学生も多いようだが、「引越
し」という作業的なことばかりに捉われるのではなく、その人達の思いに寄り添うと
はことはどんなことなのかということを考えてみて欲しい。
・今回は表札の配布という活動をお願いしたい。しかし、表札の必要性をきちんと理
解しなければやらされているだけの活動になってしまう。あなたたちの意思を尊重
し、被災した方々の気持ちも尊重できるような活動をして欲しいと思っている。今回
の活動は表札を配ることだが、これをきっかけにして、被災された方と皆さんとの交
流の場(気持ちに寄り添い合えるような機会)をつくるということがボランティアセ
ンターの役割だと思っている。
・阪神で亡くなった人がストレス・過労・孤独・・・震災後になくなった震災関連死
が多かった。これは、私たちの手で止められること。しかしこれは、震災に限らず日
常の暮らしの中でも発生している問題であり、自分の町も持っている課題である。自
分たちが町に帰って日常から何ができるのかをこの機会に考えて欲しい。
【学生の反応】
・ボランティアはされる側とする側の一方通行の思いだけではいけないことがよくわ
かった。
・自分たちは体を動かす作業を想像してきたが、それだけがボランティアの役割では
なく、話をしたりして、心に寄り添ったりすることもとても大切なことだと感じた。
・自分たちの住む町でも、何ができるのか考えてみたい。
■被災された方の様子
・入居されている方の中でも、高齢の親と60代の娘(息子)が同居というケースが数
件あった。ほとんどの世話を娘(息子)が行っている様子で、引越しなどもあり大変
疲れている表情が見られた。足湯の案内をしたところ、「知っている人も少ないしい
い機会。ぜひ行かせていただいますね」と返答して下さった。
・仮設住宅で友人を訪ねてこられた地域の方の話「うちは一部損壊で仮設には入れな
かったが、かろうじて寝るところだけが確保できる程度の状況。壁には亀裂が入って
柱も曲がっている。お金もかかりそうなので修繕の目処も立っていない。仮設に入れ
た人がうらやましい。」
■明日の予定
・行政からの提供品と仮設住宅新生活応援パックの配布
・仮設住宅の巡回など。
■今後の課題
・プレハブに設置されていたセンター機能が5月6日を最後に社会福祉協議会の建物の
中に移動する。その横に設置されていたボランティア活動拠点はそのまま継続して使
われるが、常駐者がいなくなることでボランティアの集まりが途絶える可能性もあ
る。現在の拠点は仮設から距離があるため、今後は談話室や心のケアハウスの一部を
間借りするなども考えつつ、総合的な支援の体制づくりについて4日に井岡氏と地元
社協と共に相談する。