「河川伝統工法」の実験、ついにクライマックス

 皆さまhorikawa1.jpg
 お世話になっております。スタッフの関口です。
 この1年の「防災の森づくり 川づくり」事業、いよいよクライマックスとなりました。
 岐阜の里山でボランティアの方々にも手伝ってもらった「粗朶(そだ)」づくり。それらの粗朶や間伐材でつくった河川伝統工法の一種「お魚のゆりかご」を、国交省管理の矢田川下流から愛知県管理の矢田川中流に移し、1週間ほど状況を見てきました。
 この17日、「ゆりかご」を引き揚げてみると、なんとその粗朶の間に20匹ほどの魚がすみついていました。中には大きなウナギまで!
horikawa2.jpg 冬場なのでほとんど魚はいないとも思われたのですが、予想以上の”大漁”に一同、「おおー」と歓声。ウナギはかなり”活き”もよく、ツルツルとつかまえるのが大変でした。
 河川の専門家によれば、コンクリート護岸の河川は魚にとって「高速道路を走り続けているようなもの」。この粗朶がサービスエリアのような休憩所の役割を果たしたと言えそうです。
 その後、「ゆりかご」は名古屋の中心部を流れる「堀川」へ。名古屋城築城のために造られた堀川は完全な人工河川。戦後は工場や家庭からの排水が流れ込みドブ川となっていましたが、最近はさまざまな浄化活動が試みられています。その一つにこの「ゆりかご」も活用したいと市が寄付を受け入れ、恒久的に設置していただけることになりました。
 新聞、テレビ計3社の取材も入り、職人さんも大張り切り。これで3度目の作業になるので、息もぴったり、「ゆりかご」もぴったりと川に収まりました。
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 私もテレビのインタビューを受け、この試みが「山を守ることが川を守ることにもなること」「環境を守ることが暮らしを守る防災にもつながること」を強調しました。
 とはいえ、まだまだ一言で伝えるには工夫が必要なこの事業。とりあえずこの1年の成果を発表する報告会を開き、皆さんのご意見をお聞きしたうえで、来年度にもつなげたいと思っています。
 報告会は27日(日)午後1時半から。昨年、大きな水害に見舞われた山口県山陽小野田市から、山歩きが趣味だという同市社会福祉協議会の金光康資事務局長を招くなどして、「山と川の関係」を考えます。ぜひ気軽にお越しください。
 チラシ→ 防災の森づくり報告会.pdf