【第12報】九州豪雨水害に関わるRSYの支​援活動について(7月26日)

みなさま
お世話になっております。RSY事務局です。
被災地は連日猛暑が続いており、住民やボランティアの疲れは日ごとに蓄積しています。
今回の水害の犠牲者は35人。今なお6人の不明者がおり、警察や消防は400人体制で捜索を継続しています。
壊滅的な被害に遭った福岡県朝倉市の松末地区は、犠牲者が14人と集中。今も5人の安否が分かりません。そんな中、16日にようやく地区に通じる一部の県道の応急工事が完了。22日から手付かずだった家に本格的にボランティアが入り活動を始めています。
また、同地区自治組織は23日、豪雨後初の住民集会を開きました。再会の喜びや今後の生活への不安が多く聞かれましたが、「松末のためにみんなで頑張ろう!」と、地区の再建に向けて一歩を踏み出そうとする声も上がっています。
大分県日田市は、農地と農業用施設の被害が37億5千万円に上ることを明らかにしました。特に川沿いの被害が目立ち、現在松永を派遣している大鶴地区に被害件数の4割が集中しています。
7月23日時点で、日田市災害VCに寄せられたニーズ総数426件に対して完了は212件。半数が継続または新規ニーズとして残っています。同様に朝倉市ボラセンはニーズ総数1132件に対し、完了は182件。両地域とも、平日のボランティア数は土日の半分となり、連休をピークにボランティア数は減少の一途を辿っています。
自宅の再建、生業復旧、長引く避難生活や次の住まいの確保など、すぐに答えの出せない課題が山積する中で、在宅・避難所共に疲れきった表情の住民の姿を多く見かけます。なるべく人に迷惑をかけない、自分達でできることは自分たちでやる・・・山間部に住む方々の我慢強さ、踏ん張りの強さには尊敬の念を抱かずにはいられません。200%もの力で頑張り続けている被災者の皆さんの心身の負担が少しでも軽減できるよう、多くの皆さんのご協力をお願いします。
以下、松永(日田市)、浦野(朝倉市)からの報告です。
———————————————————-
▼日田市での活動の様子(報告:松永)
———————————————————-
・大鶴地区瀬部集落は1m程浸水と土砂流入被害。住民の車が被災し、レンタカーを利用する世帯があり、カーシェアリング協会の車レンタル支援に繋いだ。
・ボラセンのニーズベースで完了となっているお宅も「今週中にはフローリングを剥がすからボランティアに泥出しをやってほしい」など、追加ニーズが増えている。
・土砂被災地域の側溝が埋まっている箇所が多く、住民から「雨が降るとまた家に水が入ってきてしまう」と撤去依頼が来ている。
・個別訪問で60代女性に声をかけると、「床あげたけん、タンスの布団が取れんのよね。手伝ってもらえる?」とのことで、その場で対応。ボラセンには上がってこない細かなニーズが潜在しているため、その場でヒアリング、その場で対応できる「おせっかい隊」チームが必要。状況を見ながら、大鶴サテライトだけでも結成を進めていく。とにかく人手不足。
〇住民の声
70代女性
家の中でカビの臭いがするので住めない。ようやく新居を見つけて契約した翌日に、市役所の支援があることがわかったんよ。もうちょっと早くわかればね。引っ越しが決まったけど、お隣さんが「また戻ってきてね。まってるよ」の声に涙が出てきた。けど、戻りたい気持ちもあるけど、家の状況を考えたらね。複雑な気持ちから涙がでるんよ。
自治会の寄り合いがあり、側溝の土砂つまりを市に対応してもおうとの声が周りから出ていたけど、お父さんが「行政ばかりに頼ってばかりはだめ。自分たちでなんとかしよう」って押し切ったんよ。自分たちも頑張らんとね。
70代男性
家は基礎までえぐられてもう住めんわ。けど、解体の補助金がでらんらしい。しかも泥があると費用が高くなるらしい。解体するからボランティアはいいと思いよったけど、いまからボランティアお願いできるやろうか。
60代男性
自宅の横の畑に夏野菜を植えてたんよ。しかも、今年はいつもより力を入れて小さなビニールハウスつくったりね。それが全てだめになってしまった。
70代女性
ご飯はほとんど喉を通らんね。被災者は市内の温泉に無料で入れとるき助かるんよね。いつもは温泉に行くとお風呂に何回も入ってね。けど、被災した後は体こすってすぐ上がるようになった。もう疲れた。豪雨の前は美味しいお茶を取り寄せて飲んでたんよね。落ち着いたら美味しいお茶飲みたいね。
80代男性
ボランティアに人には本当に助けられたね。今日までに延べ100名くらいが来てくれたよ。
——————————————————-
▼朝倉市での活動の様子(報告:浦野)
——————————————————-
浦野は主に7箇所に設置された避難所の環境改善と、行政・NPOらとの支援体制づくりを継続中。また、昨日のJVOAD・NPO情報共有会議に出席した、地元ボランティア連絡協議会らと共に、29日(土)ボラ連緊急集会を開催予定。関係者からは、「被害が少なかった地区のボランティアは、自分にできることがあれば手伝いたいと思っている。でも何ができるか分からず手をこまねいている人が多い」とのコメントが寄せられました。地元ボランティアの想いや真心が、被災された方々に繋がるようお手伝いしていきます。
○避難所の状況と課題
★入居状況:7箇所・297世帯・580名
ピーポート甘木(44世帯86名)
フレアス甘木(11世帯16名)
朝倉地域生涯学習センター(31世帯62名)
らくゆう館(55世帯110名)
三奈木コミュニティセンター(18世帯38名)
杷木中学校(84世帯160名)
サンライズ杷木(54世帯108名)
★課題と対応
・寝具の改善、ダニ・カビ対策
⇒全世帯を対象に希望者へ布団の支給、シーツ・毛布の交換を実施中。
・体調不良者増加(発熱・気管支炎など)
⇒常駐NPOらが、地域包括、医療チームらと連携し早期対応していく。
・生活不活発病の防止
外部ボランティアによるリラクゼーションや子どもの遊び場は断続的に実施されているが、高齢者向け機能訓練や役割づくり、集いの場、物づくりなどのプログラムが不足。地元ボランティアの介入で改善を図る。
・生活再建に関する相談
⇒弁護士らによる避難所巡回スタート。全避難所への震つな作成「被災した時に」の配布完了。
・帰宅支援
⇒ライフラインが復旧し、自宅に帰れる方については、行政・NPOが協力し帰宅支援を実施していく。帰れない理由がある場合は、不安材料を一つずつ取り除きながら帰宅を後押しできるよう対応。各避難所共有の調査フォームを作成中。
★災害関連死防止情報
九州北部豪雨の避難生活が長期化していることを受けて、避難生活で関連死を防ぐための注意呼びかけが実施されています。震つなの取組みも紹介されています。
NHKのニュースサイト、NHK NEWS WEBに掲載
sup_contents_list-items_001
○在宅避難者への対応
・27日より、地域包括支援センターが一人暮らし、高齢者世帯らの訪問開始。
・障がい者手帳があり、被災地域に住む120名の障がい者の安否確認は、福祉事務所が継続中。現在までに約100名の安否を確認。避難所にいる障がい者については、状況を把握し個別対応中。手帳のない障がい者については不明。
・行政とNPOによる被災全世帯個別訪問開始に向けて準備中。
○住民の声
50代男性(松末地区)
まだ行方不明の方が5人いる。全て名前が言える。みんな知っている人たちばかり。捜索が続いているうちは、通行止めが解除されないので地区には入れないが、今は待つしかない。最後まで見届けなければと思う。避難所ではこれまでよくしてもらっているので泣き言は言いたくない。地区が一致団結しないと。でもみんな疲れてきているからギクシャクすることもある。それが一番つらい。薄いマットだけでは畳の上でも背中が痛い。限界とは言いたくないが、このタイミングで布団がもらえるのは本当にありがたい。とにかくみんなで前向きにこれからのことを考えなければ。
89歳女性(三奈木地区)
私は一人暮らし。激しい雨の降る中、家の2階でろうそく一本で過ごした。本当に怖かったし不安だった。夜が明けてから自衛隊が来ておんぶされて川を渡った。家は全壊。帰る場所がない。水害前は家で田んぼや畑の世話をしてたけど、ここにいての仕事は洗濯物を干すぐらい。何もしないことがくたびれる。
80代夫婦(佐田地区)
今は娘のところに世話になってるけど、何にも情報が入ってこない。避難所にくれば何か聞けると思ってきた。水害の時、目の前に流木が束になって襲ってきた。避難の途中夫と離れ離れになってしまって。地域の人が車に乗せてくれて6人で避難。川の水で流されるか、山からの流木でやられるか、生きるか死ぬかの状況だった。1本のペットボトルの水を6人で分け合いながら一晩過ごした。避難する前に娘と電話が繋がり、避難所で落ち合うことを約束した。娘は甘木に住んでいたので山間部がひどい状況になっていることには全然気付いていなかった。長靴を履いて逃げたが、膝まで泥水がきたので靴が脱げて裸足だった。5年前の水害で田んぼが壊滅的な被害に。去年やっと復旧作業を終えて田植えが出来たのに、今回さらにひどい被害を受けた。ここから再建は考えられない。もうあきらめるしかない。
——————————————————
▼中部土木株式会社様より、トイレカーを無償貸与頂きました
——————————————————
中部土木株式会社様より無償貸与を頂いているトイレカー10台は日田市と朝倉市の被害集中および断水集落に無事設置が完了しました。住民の方々に大変喜んで頂いております。
———————————————————
▼その他、インフォメーション
 これから被災地に行かれる方へ
———————————————————
○ボランティアバスの運行情報
NPO法人 KIプロジェクト
○「災害ボランティア活動目からウロコの安全衛生プチガイド」
災害ボランティア活動を安全に行うためのガイドブックです。
事前に読んでから被災地に向かいましょう。
★発行:ボランティアの安全衛生研究会
○RSYホームページに「災害ボランティアの予備知識」を掲載しています。
服装や心構え、配慮する点などが紹介されています。
★RSYHP
○震つな冊子「水害にあったときに」~浸水被害からの生活再建の手引き~
水害にあってから再建までにやるべきことの手順が分かりやすく丁寧に書かれています。被災された方々も、支援者も必見。できるだけ早く避難所、在宅避難者の方々の手にお届けで居るよう、社協や支援団体らと協力して配布します。
★震つなブログに掲載
———————————————————-
▼寄付金ご協力のお願い(随時)
———————————————————-
※皆様からお預かりした大切な寄付金は、RSYスタッフの現地での活動や、被災地の方々の生活支援のために活用致します。
<クレジットカード決済>
URLよりお願いいたします。
「九州豪雨災害支援のための寄付金」よりお申し込み下さい。
※団体へのメッセージ欄に「活動寄付」とご記入ください。
<銀行振込>
三菱東京UFJ銀行 本山支店 普通3505681
特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※「カツドウキフ 寄付者のお名前(カタカナ)」とご入力ください。
<郵便振替>
00800-3-126026
特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※通信欄に「活動寄付」とご記入ください。

RSY事務局/浦野
============================================
★2015年4月1日より当法人は「認定NPO法人」となりました。
============================================
▼認定NPO法人にご寄付いただきますと・・・
・個人の方は、確定申告することで、所得税等の控除が受けられます。
・法人様からのご寄付に際しては損金扱いが可能となります(上限あり)。
※RSYの賛助会員の場合、寄付者扱いとなります。詳しくは事務局まで!

▼会員継続のお申し込みはこちら
▼ご寄付のお申し込みはこちら
★ボランティア募集中情報はこちら
******************************************
認定特定非営利活動法人レスキューストックヤード(RSY)
(名古屋事務局)
〒461-0001 名古屋市東区泉1-13-34 名建協2F
TEL:052-253-7550   FAX:052-253-7552

(七ヶ浜町事務局)
〒985-0802
宮城郡七ヶ浜町吉田浜字野山5-9 老人福祉センター浜風内
TEL:090-9020-5887

******************************************
******************************************