RSY・台風15号静岡市清水区への支援について(第2報)

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。

9月23日~24日にかけて発生した台風15号の影響で、静岡県でも大きな被害が出ています。RSYは、かねてから繋がりのあった清水区在住のTさんをカウンターパートとして、同地区を中心に、生活再建に向けたお手伝いを継続しています。清水区は、4,000世帯以上が床上・床下浸水に遭っており、1か月以上が経った今でも、食・住まい・移動手段の整備、要配慮者世帯への対応、家の保全・修繕等に関する課題、過労や心の落ち込み等の課題が山積しています。

そこで、10月8日(土)、9日(日)にかけて、高部地区子ども会、同地区柏尾自治会と連携し、「災害後の生活再建を考える無料ミニ相談会」の企画・運営をサポートしました。相談会は、弁護士や家の修繕・保全に詳しい、企業・NPOの皆さん、地元内外のボランティアの皆さんと一緒に取り組んだことで、住民の方々が、様々な疑問や不安をお話しやすい雰囲気づくりに繋がったように思います。

柏尾自治会では、地元の女性が中心になって事前に相談会の案内チラシをポスティングして下さり、前日も再度チラシ配布にお付き合いくださいました。支援が必要な世帯の情報をよく知っていて、行政や災害ボランティアセンターへのつなぎ役として大きな役割を果たしておられました。このような方々の存在で、私たちも外部からお手伝いをさせて頂くことが可能になりました。

※この取り組みは、日本財団「令和4年台風15号被害に関わる支援活動」助成により実施しております。

<相談会の様子>

2日間で、約60名が参加。最初に、静岡県弁護士会のN先生より、行政から受けられる支援制度についてお話頂きました。2日間で10名を超す弁護士の先生が個別相談に応じて下さいました。

次に、お家の修繕や消毒等の考え方について、(株)FPコーポレーション、風組関東さん、災害対応NPO MFPさんより詳しくアドバイスを頂きました。

全体の質問タイムでは、以下のような困りごとや不安の声が聞かれました。

・応急修理制度の費用はどのように出るのか。振り込まれるのか。
・応急修理の業者は選べるのか。
・罹災証明書は何枚取ればいいのか。
・これからいろいろお金がかかって、来年に持ち越すこともあると思うが、そうなった場合、経理上どうすればいいか。
・壊れた設備を工務店に入れ替えてもらった。まだお金は払っていないのだが。

・消毒用のエタノール缶はどこに保管すればよいか。
・カビの量は浸水後増減を繰り返し、1年3か月くらいで浸水前の量に戻るということだが、1年3か月経った後でも応急修理制度は使えるのか。
・床上30cm浸水してフローリングが波打っている場合に、壁の中の断熱材の交換も含めて壁の張替えの修理費用のイメージがわからない。
・消毒のためにアルコールを使うと具合が悪くなるが、どうすればよいか。
・床下の泥は取って乾燥させたいが、床上の柱などはぞうきんで拭くぐらいでいいか。

相談会というと少し敷居が高いイメージがありますが、会場では、お食事や温かい珈琲、足湯コーナーを設けました。食事をとりにきたついでに、相談会に参加して下さったり、珈琲を飲みながら、ホッと一息ついて、相談内容をボランティアと一緒に考えたり、頑張り続けた心の内を一気に吐き出す方もいらっしゃいました。

帰り際、「開催してくれてありがとう」「悔しくて家で一人で泣いていたけど、頑張ろうと思った、できることからやっていきます」などのコメントも聞かれました。

この取り組みがきっかけとなり、11月3日(祝・木)は庵原地区草ケ谷自治会、11月25日(金)には高部地区天王町・大内新町自治会合同の相談会の開催も予定されており、RSYは引き続き企画・運営のサポートを行います。

<相談会連携・協力団体>

高部地区こども会/高部地区柏尾自治会/静岡県弁護士会/一人ひとりが大事にされる災害復興法をつくる会・NPO法人ワンファミリー仙台・(一社)パーソナルサポートセンター/災害対応NPO MFP/ (株)FPコーポレーション/風組関東/なごや防災ボラネット/碧南防災ボランティア連絡会/被災支援ボランティア団体「おたがいさまプロジェクト 」

また、今回は、同地区や弥生町にて、地元住民の方々や、清水区災害ボランティアセンターから派遣されたボランティアの皆さんと共に、床上浸水家屋の泥かきや掃除のお手伝いもさせて頂きました。

以下、RSYボランティアさんの報告です。

<被災者の声>

・うちは車もバイクも水に浸かってダメになってしまった。道路からも嵩上げしてるし、玄関も嵩をあげてあるけどダメだった。水に浸かった以上畳はあげないといけないから、何とかあげた。臭いもすごいし、初めて経験した。ごはんは、車もバイクもダメになって乗れないから買い物にも行けない。ちょっと離れた所から妹が車に乗ってきてくれると買い物には行けるけど、基本的には家の中の缶詰をあけたりして食べ繋いでいる。いつまでこの状態か心配だけど、みんな一緒だからなんとかやっていくしかないね。

・娘は仕事。水がこんなとこまできたから何にもできん。ばあさんは片付けにも邪魔になるから老人ホームに入って貰ったわ。こんなに嵩上げしてあるのに水がくるなんて思わんかった。大工さんはまだ来れん。

・ちょうど庭の畑を片付けるところだった。家の中の荷物はあげれる物はあげたけど、浸かったものは仕方ない。エアコンの室外機もダメになったのもあるけど、何とか動いてくれるエアコンもあって助かった。庭の畑の泥も土嚢袋に入れて少しずつでも片付けているけど中々大変だから…。土嚢袋も貰えて、こうして、沢山手伝ってもらえて本当にありがとうございました。綺麗になったのを見て少しホッとしてます。

・壊滅状態だよ。どうにもならない。もう、見て。上がって見てよ。何にもできない。ごはんすら食べれない。いったいどうしたらいいのかさっぱりわからない。

・自分の家も浸水被害に遭い、家内はイライラするし、自分もどうして良いか分からず、不安でした。知り合いの災害支援のNPOの方に相談したところ、直ぐ来てくれて、早く手を打った方が良いと言われました。他にもっと大変な処が有るので、そちらを先にと言ったら、まずは貴方の家をとの事で生活できる様にしてくれた。おかげで、自分自身の気持ち・心に余裕と言うか、”ゆとり”ができたんでしょう。他の人の役に立ちたいと思い、このような相談会のお手伝いもさせて頂くことができました。

・今日の相談会には母と来ました。何をどうすれば良いのか。家の中の片付けも手が回らないし・・・。仕事にも行かないといけないので・・・。会社は山の方に有って、会社も大変な事になっていて・・・。今、母は相談に乗って貰っています。

・何をどうして良いのか、不安で、食事も喉を通らず、この3日間食べていない。食べれない。

・昨日、水がきた! 飲み水はまだだけど、水がきたから良かった。(笑顔でとても嬉しそう話してくれる)(10歳の小学生)

・台風で度々の浸水でかさ上げをしていたが今回も床上浸水、あと、もうちょっと高くしてたら良かった…

・ブロック3~4段目迄水がきたので、いつもと違うと思い(1階にいた)父を2階へ、あっという間だった。(両親)高齢だったから、物の片付けは良い機会と思うようにしている。六中の方はもっとひどい、ひどい所を先にしてあげてください。家中はボチボチ片づけます、窓の泥も、また後で洗浄機でやります。これから、どうして行こうか考え中。
・タンスの中身も全て捨てた。(息子が庭にあった物は)全て処分、土を入れて平らにならした所、景色が一変した。

・床上(畳を剝がした)、初めての経験。庭に(畳・家具)置いていたら臭いも凄かった。車もバイクもつかり、買物に行けなくて缶詰類でしのいでいる。(食事の提供)有難い。

・毎日、弁当で食費がかさむ、助成金とかでなく、今使うお金が欲しい。丼は有難い。掃除するタオルも無くなった。今欲しいのは食事とお金、助成金来るまで、どうするの!

<ボランティアのコメント>

●RSYメンバーに加え清水市及び中学生ボランティアの皆さん含め総勢15人以上で役割分担し約6時間清掃作業を実施しました。Oさんご家族がこの状態で何日も過ごしていたことを思うと、少しでも早くキレイな状態にしたいと携わった皆さんがそう感じ、それを目標に作業しました。ただ現実は自分自身が開始直後にイメージしていた6時間後の状態とは乖離があり、思った以上に進まなかったと感じました。床上浸水宅の清掃はホントに大変なんだと。。それでも被災前の状態に一歩近づいたのは確かだし、それがボランティアメンバーの力であることも事実なので、今後も無理のない範囲で被災地支援活動に参加し復旧のお手伝いをして行こうと思いました。(企業ボランティア・Kさん)

●最初に訪問したNさん宅は一人暮らし高齢女性で、床上浸水。声を掛けたら二階から降りてこられ玄関で話しました。「畳は片付けたが床板はそのまま冷蔵庫も使えない。買い物も億劫」とのこと。「床下をそのままにしておくとカビや菌が発生しますよ」と言うと「もう年だからこのままでいい」と言われました。「明日の説明会では炊き出しもあるから食べるだけでもいいから来て下さいね」と声を掛けさせて頂きました。その他2軒も床上浸水、1軒は床下浸水、1軒は嵩上げしていたので無事、2軒は留守。どの家も家族で片付け畳はまだ無いという状況でした。最後に直接チラシをお渡しし、お話をしながら相談会にお誘いしたところ、その方々が会場に来て下さり、帰りには少しホッとされた様子を見ることが出来て、嬉しくなりました。早く被災者の方々が心から笑える日がくることを祈ってます。(なごや防災ボラネット・Yさん)

●特別な坂ではないのに、少し通りを変えると浸水の酷さを痛感。道路脇の木は158cmの自分の肩程まで泥水がかかった様子も残っていました。過去の水害などから嵩上げしてある家屋をも上回る水が押し寄せており、畳上げだけでも自力で行っている家が多かったです。どのお宅も大変な状況なのは変わりない中、「うちは大丈夫だからよそを手伝ってあげて」と隣近所を思いあうことができるのは、常日頃のコミュニケーションができているからだと思いました。(なごや防災ボラネット・Iさん)

●食事が喉を通らない状況に心労がいかに大きかったのか、聞くことしか出来ない 言葉に出来ない自分に歯痒さを感じました。(なごや防災ボラネット・Mさん)

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