RSY令和6年能登半島地震への対応(第3報)

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。
RSYは、1月3日より震度6強の被害を受けた石川県穴水町で支援活動を開始しています。

1月3日に第1陣、翌日に第2陣を派遣し、現在はスタッフ浦野・稲垣他、ボランティア4名の計6名で300人程の避難所となっている「さわやか交流館プルート」の運営支援を行っています。

震災からまもなく1週間。これまでの災害では10日~2週間で著しい体調悪化が増加する傾向がありますが、この避難所でも既に便秘や低血糖、嘔吐などが徐々に増えている印象です。外部から応援が入る間、特に心配な方については、RSY看護・福祉チームが必要に応じて24時間体制で見守りを行い急場をしのいでいます。昨日は穴水を震源とする震度5強の地震が発生し、「おそろしい」「通電したからせっかく家に帰ろうと思ったけどこれで避難所に逆戻りだ」など落胆の声が多く聞かれています。

ネット環境が非常に不安定であったこと、体調不良者や福祉ニーズへの対応を優先しているため情報の発信がままならない状態でした。ご心配頂いていた皆様に情報をお届けするのが遅くなり大変申し訳ありません。

名古屋では多くの皆様に街頭募金のボランティアや寄付のご協力を頂いています。食材・物品提供なども含め、私たちの活動への応援を頂きありがとうございます。引き続き、何卒よろしくお願い致します。

1.穴水町の被害概要
・人口は7000人強で高齢化率50%以上、10人前後から300人以上まで、40カ所以上の避難所が開設されている。
・町内山間部の道路は複数個所で地割れや陥没、隆起などによる被害を受けており、かなり危険な状態の中での移動を強いられている。相次ぐ余震や雨雪などの悪天候による状況の悪化に不安を感じている。
・町の半分が半壊以上の家屋被害という印象。
・電気は避難所を優先に、おとといから一部の地域で通電が始まっている。
・地域はLPガスが多く使用できている地域もある。
・水道は全面不通。ゴミ袋を簡易トイレや便器にかぶせ、新聞紙や凝固剤で処理し袋が一杯になったら縛って捨てるという手順。生活用水はペットボトルの水か給水車で賄っている。
・福祉避難所は断水や施設被害、悪路、マンパワーの確保が難しいなどの状況。通常の在宅福祉サービスも停止中が多い。90代や認知症高齢者、車椅子利用者、知的・精神障がい、小さなお子さん連れ世帯などが避難所・在宅に散見される。
・本日からNTT非常電話(無料)3台が設置(使用時間は10:00~15:00ごろまで、その他ドコモは携帯電話の充電ステーション、softbankはWi-Fi、充電ステーションの設置を順次行っています。

2.RSYの活動
(1)炊き出しの提供
3日より、温かい汁ものやごはん食を中心に、毎日昼・夕食の提供をしています。当日から地元の食生活改善委員さんや避難された方がお手伝いを申し出て下さっています。夕食は車中泊や周辺地域在宅避難をされている方々も含め昼食200食、夕食350食を提供。4日頃より町から菓子パン類が届くようになりましたが、ドーナツやジャムパン、メロンパンなど甘いものが多く、高齢者の食があまり進んでいません。

そんな中、昨日より地元住民やRSYと繋がりのある団体の皆さんから野等菜や豆腐、肉などの提供を頂いています。最初に名古屋から持ってきた食材が底をつきそうだったのでありがたいタイミングのお届けにとても助かりました!
(これまでに食材等を提供頂いた皆様/敬称略)
・つなぐこども未来
・カネハツ食品
・チーム中越
・真如苑救援ボランティアSaRV中京

・天白でぃぷり

(2)避難所の環境整備
現在も断水が継続しているため、トイレが通常通り使えません。最初は便器からし尿が溢れ非常に不衛生な状態に。それを施設管理者や社協職員が手でかきだし、ゴミ袋を便座にかぶせ新聞に吸わせたのち袋を縛って捨てるという流れで対処されていました。(実際のトイレ状況を掲載するため閲覧注意)

箱詰めして積みあがるし尿

しかし高齢者が多いこともありトイレの失敗や、閉じた袋からの漏れなどで環境悪化は継続。RSYスタッフで昼夜清掃を行い、昨日の朝ようやく、各部屋の代表者に向けて「トイレの使い方講習」を実施。15名程集まり皆さん真剣な面持ちで処理方法を学んでおられました。徹底とまではいかずとも現在は下記のような状態にまで回復しました。とにかく1日も早い水道の復旧を願わずにはいられません。

仮設トイレは4日から6台設置されていましたが、車中泊や在宅で避難されている方も利用されるため定期的な給水や清掃、バキュームによるし尿処理が必要となっています。
★避難所お助けボランティア活動開始!
おとといより、避難所内でお掃除やゴミの回収、水汲みなどをお手伝い頂けるボランティアさんを募集しています。一昨日は5~6人だったのが、今日は15名も集まって下さいました。「何かしていた方が気がまぎれる」「できることがあればいつでも声をかけて」などの声多数。疲れや不安が溜まっている時期にも関わらず「やり方さえ分かれば動くよ!」と意思表示下さり、「こんな時だけど頑張りましょうね」と互いに声をかけながら作業にあたりました。人の強さと頼もしさを強く感じた瞬間でした。

・新聞折りたたみチーム(トイレの汚物処理用)

一人ひとりができることをできる範囲で。みんなで雑談しながら作業もわきあいあい。

・ゴミ回収チーム

子どもたちもお手伝い。ペットボトルを足でおもいっきりつぶしてストレス発散!

・共用スペース清掃チーム

共用スペースの掃き掃除とモップがけ。床はみるみるピカピカに。石油の補充もかって出てくれています。

(3)要配慮者への対応
この避難所には「福祉避難スペース」が設置されており、現在9世帯・17名が生活しています。当初は資材もなく土足で雑魚寝の状態でしたが、部屋を清掃し、名古屋から持ち込んだ段ボールベッドや福祉用具を配置することができ、随分衛生的にすっきりした空間になりました。避難所全体として、トイレ介助が必要な高齢者も少なくなく高齢の家族による介助にはまもなく限界がきそうです。そのため、トイレ介助やおむつ交換などの対応ができる福祉専門職の投入が切に求められています。

また、徘徊のある認知症の妻や要介護5の夫を預かってもらえないかなどの問い合わせも相次いでいますが、すでに満床のため、同施設内にある町社協がかろうじて運営できている福祉施設につなぐなど対応に追われています。

各部屋でベッドや福祉用具使用の必要性がある方についても順次対応し、今ある資源で少しでも体の負担が少なくなるよう対応をしています。

(4)今後の派遣予定(被災地の状況により変更になることもあります)
※ドライバー募集:ハイエース、雪道、多少の悪路でも運転ができる方

・第1陣:1月3日(水)~12日(金)RSY浦野・稲垣、ボランティア2名
・第2陣:1月4日(木)~10日(水)ボランティア2名が1陣と合流)
・第3陣:1月11日(木)~15日(月)RSY浜田・松井、ボランティア2名
・第4陣:1月15日(月)~19日(金)RSY浦野・稲垣、ボランティア調整中
・第5陣:1月18日(木)~23日(月)RSY森本、ボランティア調整中
・第6陣:1月22日(月)~27日(土)RSY浦野・稲垣、ボランティア調整中
・第7陣:1月27日(金)~31日(水)RSY浦野(継続)、ボランティア調整中
3.被災者の声
●70代・女性
自宅は壁や瓦が落ちて雨漏りもしているかも知れないんだけど、見に行くのがいやでねぇ。5月の珠洲の地震を見て、もう一回大きいのがくるかなと思っていたけど、まさかこんなに早く来るとは思いもしませんでした。震度6強の揺れがまた来たら間違いなく全壊すると思います。家の壁を塗り直したばかりだったのに全部がダメになっちゃった。町に若い人がいて活性化すればもう少しここに住んで頑張ろうと思えるけど、こんな高齢者ばかりの町でそれが本当にできるのか相当気合がいるなと思っています。

●30代・男性(ベトナム人)
電気がつかないので携帯を充電にきています。私は穴水で働いていますが、地震のあと課長と連絡が取れて一緒に会社に行ったら中はぐちゃぐちゃ。でも困ったら課長に相談できるので大丈夫です。地震直後はこの避難所に来ましたが、2日目からアパートに戻りました。家が壊れたベトナム人の友人たちのうち数人で一緒に住んでいます。それぞれ会社が違うので中には連絡が取れてない人もいます。インターネットが使えないので情報が取れない。でも本国の家族とは電話で喋れて安心しました。今は食料と水にお金がかかることが困っています。近くのスーパーで何とか買っているけど、少しずつお金がかかるのでこの先心配です。→避難所では無料で食料水の提供があるので毎日取りに来てよいこと、石川県による多言語の相談窓口、NTTの緊急電話等を紹介。

●30代・女性
生まれて数か月の子どもが一人います。プルートの2階に子ども専用スペースを作ってもらえてたのでありがたかったんだけど、下が絨毯だけで身体が痛くて眠れませんでした。でも、マットをもらって敷いたら久しぶりにとてもゆっくり寝られてすごくよかった!

●70代・男性
今日トイレの使い方を教えてもらったんだけど、他の人にちゃんと教えられるか心配だよ(ということで、スタッフから個別レクチャー)。皆さんがこんなにきれいにしてくれたんだから、みんなルールを守ってきれいにつかって行かなきゃ申し訳ねぇからな。(と何度も手順を確認される)

●80代・女性
夫が腎臓を悪くして何度もトイレに行きたがるから介護が大変で。寝床から車椅子に移動する時に段差もあるしトイレの度に起こされてほとんど寝られていません。トイレの近くの部屋に移動できればもう少し楽になるのだけれど…→妻のトイレ介護の負担が大きく心身の疲労が心配されたため福祉避難スペースに移動。

●60代・女性(精神障がい)
(3日から3回嘔吐、受診するも避難所にもどされ、感染症の疑いも心配されたためRSYスタッフが24時間体制で対応。昨日から少しずつ安定)普段はひとりぐらしをしています。こともが東京と金沢にいますが疎遠です。食事は朝夕パン、昼はお弁当を食べていました。施設ではトイレ掃除をしたり、モノづくりをしたり色々しています。迷惑かけてすいません、すいません…→隔離部屋に一人でいることで日常動作の低下が見られ始めたため、感染症の疑いのないことを確認し今日から福祉避難スペースへ移動。

●70代・男性
これまでRSYさんと一緒に何度か被災地に活かせてもらったけど、自分がまたこんな目に会うなんて思わなかった。とにかく気が滅入るね。今は椅子を3つ繋げて寝ている。(簡易ベッド等を進めるも)大丈夫、みんなこんな環境の中で暮らしているんだから俺もこのままでいい。

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