【第12報】8月28日からの大雨洪水について(岡崎市)

皆様
お疲れ様です。浦野です。
岡崎市での支援の状況について、以下の通りご報告します。
[サテライトの様子]
○全体の様子
被害集中地域に設置されたサテライトでは、朝の時点で昨日から持ち越された継続ニーズが4件だったのに対し、活動が終了する頃には、51件のニーズ件数となりました。
傾向としては、その場で「明日はこれお願いね」と依頼を出せるケースは少なく、おそらく夜一晩考えて、ある程度段取りをつけてから再度ボランティアに依頼するという流れがあるように感じます。それがすなわち、「被災者のペース」というものだと思います。
しかも、「何か用事があったら連絡してね、この電話番号にかけてね」と言い残しても、実際に連絡がくるケースはあまり多くありません。理由としては、疲れによるわずらわしさ(「電話なんてかける暇がない」とおっしゃっている方もいました)、遠慮、浸水で電話が壊れて使えない、などです。
ニーズ把握の効果として圧倒的に高いのは直接訪問です。
当日も、朝、炊き出しの周知チラシを配る際に、「これを手伝って欲しい」という声を拾ってくるというパターンが多く見られました。同時に、前日から気になるところに関しては、こちらから訪問して声をかけるパターン、とにかくランダムにまちを歩いて「お手伝いしますよ!」と声をかけ歩くパターン、また、サテライトの存在を知って住民の方が直接依頼にこられるパターンも見られました。
小規模のエリアを対象としたサテライトであれば、ここまでの細かい動きを作ることが可能なんですね。
現在サテライトでは、JC、天理教・ひのきしん隊・イビューサ(学生の災害ボランティアチーム)・三菱関係のボランティアチームが定期的に入り、常時100~150人ぐらいのマンパワーがあります。リーダーの方が継続的に来てくださるので、傾向をよく把握しており、センターから活動指示を出さなくても、自ら必要な動きを作り上げて、活動を展開される姿が印象的でした。
○炊き出しミニ喫茶の様子
本日は12時~15時まで、あんみつ・トン汁・おにぎりの炊き出しでした。
「災害ボランティアネットワーク鈴鹿」から6名、神戸市の「すたあと長田」から1名、「天理教・ひのきしん隊(地元の方)」から2名が、食材の提供とお手伝いをして下さいました。
午前中に被災世帯にチラシを配り、150名分用意していた食材が、1時間半の間にあっという間に無くなりました。
また、会場まで取りにこれない方には、「お運び隊」を作り、自宅まで届けました。また、不十分ではありましたが、椅子と机を置いて、食事が取れるスペースも作ったので、これにより、ずいぶん皆さんとお話をするきっかけを持つことができました。
住民の皆さんの様子としては、「とにかく相当疲れてまいっている」という印象です。修繕費がどれぐらいかかるのか?家族中がピリピリしている感じなので、少し家を離れたい、当日の水害の様子、今までどれだけ大変な思いで片付けてきたのか、復興支援として行政は何をしてくれるのか、、など、少し話しかけると、沢山の言葉が返ってきました。たまたま椅子に腰掛けた方に何気なく肩もみのマッサージをすると、「もう背中や腰、足が痛くてたまらんな。きもちええわ」とおっしゃっていました。
新潟・田麦山の皆さんが提供して下さった野菜は今日届くので、土曜日の炊き出しメニューで使わせていただこうと相談しております。
鈴鹿から、神戸から、新潟から、全国から沢山の人が応援しているということも皆さんにお伝えしながら活動することで、「まぁ、そんな遠くから、、、ありがとうね」と、驚かれると共に、笑顔を見せて下さる方もいました。
そこで、今日の活動でお聞きした「生の声」より、土日付近で、住民相談会を開催したいと考えております。
悪徳商法もはびこりつつあるので、司法書士の方を招いて注意事項を聞いたり、行政職員から復興支援に関するサービスの説明や質疑ができる機会をと考えております。
また、2000年東海豪雨水害で同じような被害にあった旧西枇杷島町の住民の方々が、「自分たちもできることがあれば駆けつけたい」と言ってくださっております。被災された方の中には、「先の見通し」がもてない方もいらっしゃいますので、被災者交流会のような形で時間が取れれば、どんな心持で復興までを乗り切ればいいのか、同じ被災者として共感し合えることで落ち着けることもあるのではないかと考えています。これは、能登・中越沖・岩手・宮城内陸地震からの学びが引き継がれた形です。
「中越・KOBE足湯隊」の皆さんも、土日でおいでくださるそうなので、炊き出し・相談会等で一緒に活動できれば、被災された方も喜ばれるのではないかと思います。いずれにせよ、総代さんの意向を本日お聞きした上で、実施の有無が決定します。
災害ボランティアの全ての活動は、「被災された方の声」からはじまるということを、改めて肝に銘じたいと思います。
ご協力いただいている皆さん、本当にありがとうございます。
今後とも、何卒よろしくお願いいたします。
RSY浦野

【第11報】8月28日からの大雨洪水について(名古屋市)

みなさま
 いつもお世話になっております。RSY事務局藤田です。
 今日は西区のボランティアセンターに集合した、20名のボランティアさんが4班に分かれて西区内の学区を回りました。
 今日の目的は、困っている方が本当にいらっしゃらないのか今一度確かめるためです。
 発災から日にちが経っていることもあって、特にその場で必要な作業はありませんでしたが、時々濡れた畳や家具が外に出されているところも見受けられました。
 向かいに濡れた畳が積み上げられていたところにお話を伺うと、役所に問い合わせたところ廃棄などの処理は自分達で担うが、補助などについては検討すると言われたとのことでした。
 アパートの一階部分全戸(5戸)が床上浸水になったところでは業者による作業により床板が外されていました。
 お店を経営されている方にお話を伺うと、道路の向かい側は被害がないけど、ご自身のお店は床上浸水になり、前に置いてあった自販機3台が故障してしまったそうです。そこから一区画離れた自販機も故障していました。
今日行った活動のように、地道に足で回りながら状況を聞き、困っている方が本当にいらっしゃらないかどうかを確認することが、自ら声を出せない方を探し出せる最終的な手立てであり、本当に大切なことだと痛感しました。
 報道も下火になり、目に見える被害が聞こえてこなくなっても、最後の一人の方の生活が元に戻るまで支援を続けなければいけないのだと思いました。
そのためには引き続きみなさまの目と支援が必要となります。
 今後ともご協力をお願いいたします。

【第10報】8月28日からの大雨洪水について(岡崎市)

皆様
お疲れ様です。浦野です。
岡崎市での支援の状況について、以下の通りご報告します。
名古屋市同様、床上・床下浸水1000世帯以上を超えた岡崎市では、個別のニーズ
対応・お手伝い隊の派遣・被害集中地区でのサテライト設置などを中心に行って
おります。泥出しなどの大がかりな作業は大分落ち着いておりますが、お手伝い
隊として丁寧にまちを歩いてみると、水害発生から1週間経って初めて床板を上
げて、床下の泥だしをしたというお宅もありました。件数的にはそれほど多くは
ありませんが、数の問題ではなく、いまだ取り残されている方々の存在があるこ
とを認識し、引き続き個別訪問等の必要性を感じております。
また、住民の皆さんの中には相当な疲れが見られ始めています。これからは、畳
を入れたり、一旦外に出した家具や生活用品を家の中に納めたりと、細かい作業
が残っています。「自分たちのペースでぼちぼちやっていきます」とのことです
が、今まで家族やご近所で頑張られていた方々も、蓄積された疲れで、自助・共
助が一時的に機能しなくなる可能性もあります。
一部では「ボランティアに依存しすぎる傾向にあるのではないか?ボランティア
が自立の妨げになっているのではないか?」との声もあるようですが、この時期
にその様な判断をすることは、被災された方にとっては酷なのではないかと感じ
ます。むしろこのような時期こそ、そばで寄り添い、ゆっくりとしたペースで対
応できるボランティアの存在が重要になるのではないかと思います。
また、一人暮らしの方の中には、「みんなが大変な時に頼めない」「誰に相談し
たらよいか分からない」と、自分で何とかしようとするがあまり、畳もなく消毒
もしていないぬれた床の上という、劣悪な環境で寝食されていた方もいらっしゃ
いました。食事についてもおにぎりや菓子パンで簡単にすませており、不眠が続
き、このまま発見されなければ、生命の危機に直結する問題になっていたであろ
うと恐怖感を抱きました。
この方については、天理教・ひのきしん隊さんのご協力により、畳を入れ、湿気
防止のシートを引き、当座をしのぐ環境が整いました。また市の福祉課・保健師
につなぎました。
しかし、このような実態は、30分~1時間程度、落ち着いた雰囲気の中で、何気
ない会話を重ねていくうちにようやく見えてくることです。
数分の声かけだけでは、この状況までを汲み取ることはなかなか難しいのではな
いかと感じます。
「自分たちのペースでやります」という言葉の中には、疲れや遠慮の背景がある
ことを理解し、この時期は、「何かあった時にはいつでもお声がけくださいね」
という距離感で見守っていく必要性を感じます。現に、そのような言葉かけに対
して、住民の方々はホッとした表情を見せることが多々ありました。
前述の通り、被害が集中した地域についてはサテライトを設置し、その場でニー
ズを掘り起こして対応していくというスタンスをとっています。もともとは総代
さんが「この場所にボランティアの拠点を作って欲しい」という要望を出された
ことがきっかけでした。そこは、困った時にすぐに相談しにいける場所として
も、住民の方の安心できる場所になりつつあります。
また、本日より「炊き出しミニ喫茶」を開設し、被災された方がホッと一息つき
ながら、休憩がてらお話ができるスペースも用意する予定です。鈴鹿市から「災
害ボランティアネットワーク鈴鹿」、神戸市から「すたあと長田」の皆さんが、
おにぎりやトン汁、あんみつを作りに来てくださいます。また、これらの材料の
一部を、2004年新潟県中越地震で被災した、川口町田麦山地区の皆さんから提供
して頂けることになりました。
遠くからも応援したいという気持ち、被災者という同じ経験を持つ立場に立って
接することができる方々がの存在が、皆さんの安心や元気につながれば、そして
何よりも炊き出しを通じて会話を交わす中で、被災された方の「生の声」を聞
き、片付けの進行具合や健康状態、不安などについても状況が把握できればと思
います。
現在サテライトを設置している地域以外でも、被害が集中している箇所がいくつ
かあります。その地域からも、このような拠点づくりの依頼があるようです。
このように、大掛かりな作業ボランティアは終息にむかいつつあります。
しかし、それに代わり、今後は被災された方のペースにあわせながら、困った時
にはすぐに相談できる、ちょっと休憩にこれる、見守ってもらえていると安心で
きるようなミニサロン的な機能が求められるのではないかと思っています。

【第9報】8月28日からの大雨洪水について(名古屋市)

皆様
栗田です。お世話になります。
今回の水害は合計1万戸以上の浸水被害となり、特に深刻な床上浸水が名古屋市は
1000世帯を数えました。これまでご報告させていただいておりますとおり、早速災害
ボランティアの支援体制を整え、声かけと作業をセットにした「おせっかい部隊」と
も言うべき活動を継続しております。あれから約1週間を経て、片付けなどの大きな
峠は越したように思われます。
ただし、難しい局面を迎えています。それは、未だ濡れた畳でそのまま生活されてい
る方がどこかにいるだろうという現実です。人口220万の大都市に埋もれ、見えない
のです。8月30日に1件、31日3件、1日1件、2日も1件と、ボランティアの練り歩きな
どからこうした世帯が現に出てきます。「古い家屋」「長屋」「高齢者」「一人暮ら
し(中年男性含む)」にその傾向があると実感しています。
このようなボランティアによる練り歩きのほか、もちろん、市のラインからは各地域
の自治会からの情報、民生さんに対する対象世帯の一斉調査や税務課による家屋被害
調査、また社協ラインからはヘルパーさんらからの情報等、こうした事態には災害ボ
ラセンがお手伝いできる旨は可能な限りお知らせいただいております。その他、本
日、再度のマスコミからの呼びかけのほか、福祉系NPO、生協、新聞販売店、防災士
会(特定郵便局長ら)に協力要請して、「この家が片付いていない」「様子がおかし
い」などの身近な情報提供をお願いしたところです。
しかし、事態は人のいのちと暮らしの深刻な問題ですから、0/220万人でなくてはな
りません。最悪は「水害から数日経ても、濡れた畳の上でそのまま生活していた」と
いうようなことがないように、全力で探し出さなければなりません。でも、完全に大
丈夫と誰が判断できるか。とても難しい課題との闘いでもあります。
今日も名古屋は残暑で蒸し暑かったです。行き交う人の大多数は水害の記憶すらない
かのような日常に完全に戻っていますが、とにかく名古屋はいろいろな意味で「でか
すぎる」と実感しています。

【第8報】8月28日からの大雨洪水について(名古屋市)

皆様
栗田です。お世話になります。
9月1日付でRSYスタッフとして勤務していただくことになった関口威人さん(元中日新聞記者)に早速現場に入ってもらいましたので、報告させていただきます。
今回の水害被害を受け、名古屋市ボランティアセンターが正式に立ち上がり、中村区での活動に参加しました。中村区社協には14人のボランティアが朝から集合。約160戸の床上浸水被害があった区内で、被害が集中した米野、柳、本陣、日比津の4学区はこの土日に地域やボランティアの協力でかなり片付けが進んだため、それ以外で被害のあった区中西部の千成、稲葉地学区を2班ほどの体勢で回り、ニーズを掘り起こしました。
発生4日目の週明けというタイミングもあり、片付けなどのニーズはほとんどありませんでしたが、「(喫茶店に)20センチは水が入ってきて、なかなかひかなかった」「自分のところのゴミが50メートル先の交差点まで流されていた」などと、被害の大きさを表す生々しい話が聞けました。ボランティアに関しては「そんなのあるの?」「うちはたいしたことないでいい」という声が多く、明らかに床上の被害があり、後片付けの最中であっても、遠慮される家もありました。声かけとともにボラセンのチラシを配って、理解していただくよう努めました。
一方、今回の特徴として区内で少なくとも4件、1階が「半地下」のアパート・マンションが被害を受けていました。1件は借り上げの社宅扱いにしている会社の社員らが片付けをしていましたが、その他はアパートの管理会社が住人をホテルなどに避難させているらしく不在、あるいは業者が片付けに入っており、実態がつかめませんでした。こうした「半地下」の造りが流行るのは、建築の高さ制限などを最大限クリアするためと思われますが、防災面から見れば非常に危険、にもかかわらず被害の実態が見えにくい、都市型災害の課題のように思われます。
反省会では
・もっと立ち上げが早くてもよかった。
・自治会長や民生委員さんらも、人、地域によって温度差がある。
・ニーズをあがってくるのを待っていてはだめ。
・行政が自治会長らとの調整をする間に動かないといけない。
・「やってあげる」ではなく「させていただく」というつもりやらないと受け入れられない。などの意見が出されました。

【第7報】8月28日からの大雨洪水について(岡崎市)

皆様
お疲れ様です。浦野です。
岡崎のボランティアセンターでは本日、ローラー作戦でチラシ配りを行った結
果、特に被害がひどかった川沿いの地域以外は、昨日・今日で復旧が大幅に進ん
でいることが分かりました。
そこで、明日より復旧の遅れている地域の中にサテライトを設置し、丁寧に声を
かけながら、集中的にニーズに対応していくための体制を整えました。
今日の様子では、ニーズとボランティアの調整は、地元で対応できる範囲である
ということです。ボランティアのお申し出を頂いた県外の皆様、まことにありが
とうございました。
本日の訪問先では、ペースメーカーをいれ、足の不自由な70代・男性が、水害か
ら3日間ぬれた畳に、ビニールシートを敷いて寝ていた。2時間おきに休みなが
ら、一晩中家の片づけをしていた。家の中は全く住める状態じゃないので、今日
から弟の家で寝させてもらう。しかし、これからどうすればよいか。今も夜はあ
まり眠れない、、などという状況がありました。被害のひどかった地域は、電話
も壊れてしまったので、連絡のしようがなかったという声も多くありました。
テレビやマスコミだけの周知ではこのようなケースには対応できません。
積極的に現場に行き、被災された方の声に直接耳を傾けることでこそ、被災され
た方の本来の姿が見えてくるのだと改めて学ばせて頂きました。
参考までに、昨日現場での活動の際にお聞きした被災者の方の声を以下の通りお
知らせします。
[8月31日被災された方の声]
○チラシ配布にて(特に被害がひどかった地域を中心に配布した)
・災害ボランティアセンターがあることすら知らなかった。業者を通じてでなけ
ればやってもらえなかった。ただでやってもらえるなんてびっくりした。テレビ
は水に浸かってしまったので見ていない。(50代・女性)
・いつもヘルパーさんが来てくれていたのに、水に浸かった後は一度も顔を見せ
てくれない。私は見捨てられたのか・・・とさびしく、私なんかもう死んだ方が
よかったんじゃないかと考えてしまう。(80代・女性)
※息子さんの話より)ヘルパーさんには家族から連絡済み。サービスの利用日で
はないので、ヘルパーはこれない。息子夫婦は掃除に追われて、おばあさんのそ
ばにいてあげられず、話を十分に聞けない状況。女性のベッドの下はまだ片付い
ておらず、泥がたまったままだった。
→センターにニーズを上げ、対応した。
・畳が浸かった。持ち上げて床下を消毒したいのだが、一人でできないので困っ
ていた。親戚に頼もうと思っていたが、明日から仕事のある人たちばかりだった
ので、頼めずに悩んでいた。視から消毒薬をもらってはいるが、まだ消毒を撒け
る作業の段階まできていない。とにかく家の中のぬれたものを出すのが精一杯。
(40代・男性)
→センターにニーズを上げ、対応した。
・家の片付けは家族でできるので、一時的に日用品や食器類をいれるためのダン
ボール、水を吸わせるための新聞紙が欲しい。できればごみを入れるための土嚢
袋かゴミ袋も欲しい。(40代・夫婦)
→センターにニーズを上げ、対応した。
・前の水害でも水に浸かってしまった。車が3台も駄目になってしまった。雷が
ひどく、遠くの高台の駐車場までは運べなかった。仕方がない。車両保険も安い
ものしか入っていないので、保険も期待できない。前回の浸水時は、油化したの
泥を主人が掃除したが、今は年齢が高くなってきたので大変。あきらめようかと
話していたところだった。ボランティアさんが来てとても助かる。(50代・女性)
→センターにニーズを上げ、対応した。
・新築で家を建て20年になるが、その間6回も水に浸かった。水害にはいい加減
慣れたが、反面、「またか!」という怒りで夜も寝られない。風呂も壊れ、近く
の銭湯に行っている。外出時も家を乾かすために戸を開けっ放しになるので防犯
対策が心配。洗濯機も壊れ、近所の方の好意で使わせてもらったが、毎日という
わけにはいかないだろう。電化製品を早くそろえなければ生活できない。とにか
く床下の水をかきだすのに、バケツがひとつしかなかったので、一人で12時間も
出し続けた。体や足が動かなくなってしまった。これから床下を乾燥させて、家
具を元の位置にもどして・・・完全に以前の生活に戻るまでには、半年はかかる
だろう。以前の水害でもそうだった。本当にやりきれない。この辺は以前は田畑
だったが、宅地開拓により遊水スペースがなくなってしまったから、余計に水に
浸かるようになったんだと思う。みんなが大変だから、自分だけ「つらい・大変
だ」とは言いにくい。反面、自分の家だけではないと思えば、がんばれる気もす
る。(60代・女性)
○その他(全体的に多かったもの)
・作業に費用がかかるのか?
・家財道具を全部出してもらいたいが、そんな仕事をボランティアに依頼できる
のか?
・消毒薬を撒きたい。誰が配っているのか?どこに問い合わせればいいのか?消
毒散布の注意点を知りたい。
・「家よりも、他の人の方が大変だからそっちに行ってあげて」とよく言われた。
・道路や駐車場、側溝にヘドロやごみがたまっている。自分の家のことで精一杯
なので、地域まで手がまわらない。できれは掃除をしてもらえると助かる。

【第6報】8月28日からの大雨洪水について(名古屋市)

皆様
栗田です。お世話になります。
第4報でお知らせしましたとおり、8月30日(土)縲鰀31日(日)にかけて市内2箇所に
「プチボラセン」を設置しました。両日とも30名以上の参加を得て、市内でも被害の
甚大だった北区・中川区・港区内の地域でチラシを配布しながら練り歩き、必要に応
じて即座に作業に応じてまいりました。
30日は雨でしたので「晴れたらすぐにでも外へ出したい気分」とか、逆に「昨日で片
付いた」といわれる方、そして浸水当時の様子、「一気に水が来た」「前の道路が瞬
く間に川のようになった」「夜中だったので動きようがなかった」「8年前の水害で
は浸からなかったのに…」など、そしてひたすら愚痴をこぼされたりなどなど、本当
に様々な方と出会ってきました。
そして、すぐにでも手伝ってほしいといわれた世帯は2日間でおよそ45世帯。室内の
清掃やごみの搬出などに対応しました。特記すべきは、浸水当初そのまま、濡れた畳
で生活をされていた方も、僕が関わっただけでも4世帯ありました。早速10人がかり
で畳だしまでを担いました。
多くの被災者は「災害ボランティア」を理解しているはずもなく、これら深刻な方を
含めて「ニーズ」があがることはありえません。待っていてはだめですね。ですか
ら、ボランティアは「おせっかい」でも積極的に声をおかけしていく姿勢が大切だと
痛感しました。また地元自治会や民生さんらとの協力は不可欠です。名古屋では区や
区社協がこのあたりをつないでくれています。
しかし、名古屋市はでかい。16区ありますが、一つの区に10縲鰀20万人住んでいます。
だからなおさら丁寧に被災した地域を動くしかありません。そこで、この2日間の活
動を踏まえ、市・市社協・ボランティアの三者で協議し、「名古屋市災害ボランティ
アセンター」を設置することになりました。ただし手法はこれまでと同じです。明日
からも「声ひろい&即作業」のスタイルで活動を続けてまいります。
今のところ、なごや災害ボランティア連絡会を中心に、市内のボランティアさんに呼
びかけて実施いたしますが、明日から新学期の節目でもあり、先刻お願いしました岡
崎市同様、平日の対応が手薄になることが予測されます。皆様方にも具体的にご依頼
をさせていただくことになるかもしれませんので、引き続きお見守りいただきたく、
よろしくお願いいたします。

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