九州地方の水害対応について(9月4日)

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。
RSYは、8月の前線に伴う大雨で被災した佐賀県武雄市に常務理事・浦野を派遣しています。

以前からつながりのある地元のお寺「東禅寺」さんを窓口に、被災地NGO恊働センター、ピースボート災害ボランティアセンターなど、震つなメンバーと共に活動にあたっています。また栗田は、本日現地入りし、JVOADと共に佐賀県や県内災害VCを巡回。午後から震つなメンバーと共に、武雄市長を訪問し、今後の支援に関する意見交換をした後、佐賀市内で開催される情報共有会議に出席します。

以下、9月1日(日)~3日(火)の浦野からの活動報告です。
尚、浦野は昨日夜名古屋に戻り、再度現地入りを検討中です。
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武雄市の概要と被害
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佐賀県の西部に位置し、平成18年に、旧武雄市、山内町、北方町が合併して誕生。9つの町(武雄町、橘町、朝日町、若木町、武内町、東川登町、西川登町、山内町、北方町)から成っています。町の中心には開湯以来1300年経つ武雄温泉や焼き物が有名で、観光地として知られています。博多駅から特急で70分、車でも70分程度で到着します。市の人口は、17,853世帯・49,197人。 高齢化率は約30%。
特に朝日町、北方町地区に被害が集中しています。
市へのヒアリングでは、床下・床上合わせて800件以上になる見込みで、9月2日より「罹災証明書」の発行がスタートしました。市の協力を得て、生活再建までの手順をまとめた「水害にあったときに(※)」を申請窓口で手渡し頂いています。※「水害にあったときに」震つなブログより
http://blog.canpan.info/shintsuna/archive/1420

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避難所について
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【武雄市】
★朝日町 朝日小学校体育館
★北方町 北方保健センター
・トイレ・寝床・食事・入浴・衛生等の最低限の環境は整っている。
・避難者は30名~40名
・朝日小は、9月2日より学校再開。全校児童455人のうち、約20世帯が浸水を経験。教科書や文具が使えなくなった児童もおり、市はスクールカウンセラーの派遣も含めて対応している。
・日中は家の片付け等でほとんど人がいない。
【大町町】
★総合福祉保健センター美郷
★大町公民館
・大量の雨で斜面の強度が低下し、崩落したぼた山わんぱく公園周辺の住民や鉄工所からの油流出が原因で避難している方が多い。専門家は「今後の雨で範囲が広がる場合や、見つかっていない斜面の亀裂があるかもしれない」との見解。安全が確認されるまでは、避難継続が必要だとしている。
・トイレ・寝床・食事・入浴・衛生等の最低限の環境は整っている。
・100名前後が避難している。
・HuM災害人道医療支援会やA-PADジャパンなどが運営や物的支援に協力してい

る。

(被災者の声)
着の身着のままここにきました。最初は畳の上に直接寝ていたから大変だった。でも1週間で段ボールベッドももらったし、マットも敷いてもらえてありがたいです。食事は地域の女性の方々が作ってくれているのを食べています。今日から洗濯機もついたみたい。家は壊れたわけじゃないし、ライフラインも普通に使えるだけに、戻れないのがつらい。着替えなども取りに行きたいので、たまに戻っていますが、もし何かあったら迷惑をかけると思って、出かける時は必ず受付に伝えるようにしています。疲れました。先の予定が立たないのがつらいです。(60代・女性)

避難生活が今後どの程度続くのか見通しが立っていないこともあり、全体としては、生活の場ではなく「一時的な待避所」として利用されているというイメージ。水害から1週間を過ぎ、住民の疲れはピークに達しつつあるため、今後は足湯ボランティアやサロン、ハンドマッサージなどの癒し&場づくりプログラムが求められる。
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在宅にいる被災者の声
(主に武雄市朝日町・北方町)
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(町の様子)
・電気、ガス、水道等のライフラインは多くのエリアで使用可能。
・トイレが一部汲み取りであり、浸水の影響でタンクが満水でトイレを使えない方がいる。
・風呂釜のボイラーや洗濯機が破損し、入浴や洗濯に支障のある方がいる。
・台所は使えるため調理は可能。車がある方は近くのコンビニやスーパーに買い物に行っている。(被災者の声)
・母が以前住んでいた家の片付けにきたの。床上浸水でした。知り合いから「水害にあったときに」を紹介してもらってすぐに申し込みました。これから自分が何をしなければいけないのかが書いてあるから、これを読んで、早めに行動を取っています。こんないいもの、近所の人にも配れるといいと思って。一人暮らしのお年寄りも多いから。うちは、土日に男手を確保して一気に片付けました。でもここはしばらく水が引かなかったからその間に臭いがすごくなって。川のヘドロが一緒に流れてきたみたいで、ヌルヌルしてるの。ガタついて扉も空きにくくなってるし。ただ、シャワーやトイレ、台所は何とか使えるので、まだ助かってます。雨が降ったりやんだりで、なかなか乾かないのよね。母の帯もとてもいいものだから捨てるのが惜しくて。とりあえず洗って干しているの。床下とか柱などの消毒はどうしたらいいかしら?(50代・女性)

・身内に不幸があった直後の被災でした。とにかく水が来るのが早かったんです。1階で寝てたら、玄関から水が入ってきて、あっという間に床上まできて。すぐに停電になりました。午前4時半頃はまだ真っ暗で。2階に逃げるのが精いっぱい。本当に怖かった。水が引いた後は、家の中がぐちゃぐちゃで。畳だけは出して、今床板の一部をようやくめくれたところです。だんだん壁に貼ってある板がそってきたり、フローリングの床がベコベコになってきた。買ったばかりの冷蔵庫も浸かってしまって。エアコンの室外機も。ここは自分が生まれた家だから、何かと思い出もあって。身内の不幸の直後だったこともあって、3日間食事もろくにたべられなかった。まだ全然心の整理がつかないですね。。。罹災証明書?何ですか?それ。今日から申請が始まった?全然知らなかった。(20代・男性)

・まぁほんとうに、あっという間に水がきたよ。うちのトイレは汲み取り式だから、タンクに水が入って一杯になっちゃってね。トイレ使えないの。だからバケツに袋かぶせて、とりあえずそこで用を足してる。とにかくお風呂に入りたくてね。学校で自衛隊の風呂があるって聞いたけど、ちょっと遠いんでなかなか行けないの。2階があるから寝起きはそこでしてるけど。タンスや棚は泥につかったらもう使えなきから、ほとんどすてちゃった。でも、細々としたものを収める場所がなくなちゃってね。母が嫁入り道具で持ってきたタンスだけは捨てられなくて。水に浸かった部分はダメだったけど、上の方は使えるから何とか残したの。床下はまだ見れてない。床板全部あげちゃったら物を置いとく場所がないじゃない。床は拭き上げたからそのまま乾かせばいいんじゃないかと思って。1週間仕事休ませてもらったからそろそろ出ないといけない。でも家はこんな状態でつらい。(60代・女性)

・父が俳句が好きで。それと本ね。どれも大事なものだから捨てられないの。こうやって並べて乾かしてるんだけどね。土日に大きなものを出して、今ようやく一息ってところ。床が乾けば何とかなるかしらね(60代・女性)

・まずは家の中のものを外に出さなきゃって、土日に家族親せき、ボランティアさんの力で一気に作業した。今は目の前ことを片付けるので精いっぱいで、まだ家の修繕とか、床下のこととか先のことは考えられない人が多いんじゃないかなぁ。30年前の水害よりひどい被害です。こんなことは初めての経験だ。(60代・男性)

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RSYの今後の活動予定
9月8日(日)
武雄市朝日町高橋地区「家の相談会」
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高橋地区は約150世帯中、約95世帯が床上浸水(30㎝~45㎝)、約25世帯が床下浸水の被害を受けています。今回は、地元東禅寺さんを中心に、震つなメンバーや、武雄市内のNPO・ボランティア団体、県内の弁護士や建築士会にも協力を得て、床下処理の重要性や消毒の方法、今後受けられる可能性のある支援制度などについての説明と個別相談会を行います。この相談会は、昨年の西日本水害の被災地、広島県坂町や岐阜県関市でも実施し、大変好評を得ています。

会場には、炊き出しや休憩スペースも設けて、ホッと一息つける環境づくりも準備します。RSYは企画運営のサポート役としてお手伝いしています。
今回の結果を鑑み、市とも連携しながら、他地区でも実施できるよう、引き続き調整を進めていきます。

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▼RSY活動支援募金について(随時受付中)
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この支援金は、スタッフの現地派遣や情報発信、被災者への生活支援プログ
ラムのために活用致します。

<銀行振込>
三菱UFJ銀行 本山支店 普通3505681
特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※「カツドウキフ 寄付者のお名前(カタカナ)」とご入力ください。
<郵便振替>
00800-3-126026
特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※通信欄に「活動寄付」とご記入ください。

宮城県七ヶ浜ののり養殖再開!

2019年2月14日(木)から3月31日(日)まで、皆様に募金の呼びかけをさせていただき、4月24日(水)に当法人代表理事栗田がお届けさせていただきました「のり養殖応援募金」に関し、七ヶ浜での今季ののり養殖が再開されましたので、お知らせいたします。
(関連記事1:「『宮城県七ヶ浜ののり養殖を応援しよう!』募金のお願い」の記事はこちら
(関連記事2:「【ご報告】宮城県七ヶ浜の『のり養殖応援募金』をお届けしてきました」の記事はこちら


今年1月に起きた、仙台港でのコンテナ貨物船からの重油流出事故により、宮城県七ヶ浜町での養殖のり生産が中止となりましたが、この度、県の調査により、海上での油膜や海底に沈んだ油分は確認されず、「安全宣言」が出されました。

これを受け、七ヶ浜町ののり生産者は今期の養殖を再開し、のりの種付けが始まりました。

生産者の方にお話を伺ったところ、その方のところでは、養殖いかだの約4割が、油の付着などにより廃棄せざるを得なかったそうです。生産者それぞれ、養殖いかだにはこだわりがあり、再開に向けて、春先からコツコツと新たにお手製のいかだをつくり、重油付着以前の規模に戻すまで、あともう少しの状態まできたそうです。

「台風の季節ですが、お気を付けくださいね」とお話ししたところ、
「台風は大変だけれども、そのおかげで海の水がかき回されて、のりの成長にはいいの」
「心配だった油も、きれいに無くなって、あらためて自然の力はすごいと思った」
とおっしゃってました。

11月の中旬には収穫が始まる見通しとなっており、販売が開始されましたら、
「買って応援!食べて応援!!」できるよう、お知らせしたいと思います!

 

のり漁の様子

のり漁の様子

九州地方の水害対応について(9月1日)

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。
RSYは九州地方で発生した水害について、引き続き多方面から情報収取を行って
います。

各地では、既に災害VCが設置され、順次ボランティア活動が開始されています。
★全国社会福祉協議会HPより
https://www.saigaivc.com/20190901/

また、これに伴い、 佐賀県内の災害ボランティア活動に参加する場合、高速道路
の無料措置が実施されています。
★詳しくはこちら
https://www.saigaivc.com/freeway/

佐賀県は武雄市で床上・床下浸水合わせて900棟近い被害が出ています。
震つな加盟団体である、被災地NGO恊働センターの繋がりから、武雄市在住の方
と連絡が取れたため、現状のニーズ把握と今後の支援の可能性について検討する
べく、常務理事・浦野を本日から3日まで、現地に派遣致します。

また、佐賀県では本日19:00から、佐賀市内で「佐賀災害支援プラットフォーム(SPF)」
による情報共有会議が実施されるため、浦野もこれに参加し、タイムリーな情報収
集に努める予定です。

以下、震つなの先遣隊として佐賀県に派遣されていた、レスキューアシスト・中
島さんの報告を掲載します。

★被災者の声(抜粋)
「うちは浸かったけど家族で昨日のうちに全部片づけた。つかれたけど昔からこ
の地域はよく浸かるからなれてる人が多いばい。片付けが終わった人達がこうや
って集まってゴミを持ってくる人の受付をして助け合ってるんです。(水害にあ
った時にを手渡すと)これは みんなほしがるばい!(石灰は)役所からもらっ
て帰ってもうまいてる人もいます。」

「(用水路に油が浮いてるのを見つけて写真をとっていた所声をかけられる)」
これは有明海に流れるとよ。いつもならもっと綺麗な水ばい。うちは大丈夫だっ
たけど雨がこわくて2日間避難所に避難してたとよ。近所の人もいっぱいきてて
不便はないけど家が心配だったとよ。(水害にあった時にを手渡すと)ただでも
らっていいんかい?ありがとう、ありがとう」

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▼RSY活動支援募金について(随時受付中)
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この支援金は、スタッフの現地派遣や情報発信、被災者への生活支援プログ
ラムのために活用致します。
<銀行振込>
三菱UFJ銀行 本山支店 普通3505681
特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※「カツドウキフ 寄付者のお名前(カタカナ)」とご入力ください。
<郵便振替>
00800-3-126026
特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※通信欄に「活動寄付」とご記入ください。

七ヶ浜みんなの家『きずなハウス通信』VOL.27

みなさま
RSYが東日本大震災の復興支援として宮城県七ヶ浜町にて運営しております、
「七ヶ浜みんなの家きずなハウス」にて『きずなハウス通信』VOL.27を、
発行いたしましたので、ご案内させていただきます。


七ヶ浜みんなの家『きずなハウス通信』VOL.27(PDF版はこちら

 

○『きずなネット参加団体『おりおり』による「藍の生葉染め」ワークショップが開催されました!

8月3日(土)はきずなハウス、8月9日(金)は松ヶ浜の住民さんのお宅で、「藍の生葉染め」を行いました。昨年は、震災で被害を受けた菖蒲田浜の農地をボランティアさんがガレキ撤去等をして再生された『なならぼ農園』で育てた藍を使いましたが、今年は松ヶ浜の住民の方の畑を間借りして育てた藍も加わり、たくさんの手ぬぐいや風呂敷、Tシャツなどを染めることができました。

藍には殺菌性や消臭効果など、様々な効能があると言われており、住民の方からは「もっとたくさん作れるようにして、今度は(震災の被害に遭った)七ヶ浜から、被災地に贈ることができたらいいね」などの言葉も聞かれました。

藍の葉をたたいて、「たたき染め」にも挑戦!

藍の葉をたたいて、「たたき染め」にも挑戦!

 

みんなでたくさん染めました!

みんなでたくさん染めました!


○震災の経験を語りつなぐ場所『んだっちゃ塾』を開催します。

七ヶ浜町内の方を語り部に迎え、震災当時の話を聞く『んだっちゃ塾』を開催します。事前に備えておけばよかったことや、当時、役に立った行動など、今後の防災・減災について、みんなで話し合い、「んだっちゃ(そうだね)」と頷きあえるお話をしませんか?全4回開催を予定しており、第1回は9月15日(日)10:00~12:00、きずなハウスで開催します。その後11月、1月、2月に開催予定。どなたでも参加できます!(先着20名様、事前申し込み優先。きずなハウスにご連絡ください。)

今できること、これからできることを一緒に考えてみませんか?

※この取り組みは、宮城県NPO等の絆力を活かした震災復興支援事業補助金の交付を受けて実施します。


○まだまだ収穫時!緑のカーテン「ゴーヤ」はいかがですか?

今年の5月、暑さを和らげるため、きずなハウスの前面に緑のカーテンになる「ゴーヤ」を、住民の皆様と植栽しました。夏休み中の子ども達による水やりのお手伝いもあり、日々、たくさんのゴーヤが実っています。

ご希望の方に差し上げていますので、きずなハウススタッフまでお声がけください。

いっぱい実りました!

いっぱい実りました!


RSY七ヶ浜の主な取組

8月

8月3日(土)10:00~16:30
8月9日(金)10:00~14:00
・おりおり「藍の生葉染め」ワークショップ

8月17日(土)16:30~18:00
・松ヶ浜地区夏祭りに「きずなハウス」出店!

ブランド七ヶ浜認定「ぼっけのボーちゃん焼き」と駄菓子の販売、当日限定くじ引きも行い、きずなFプロも販売のお手伝いをしてくれました!

夏祭りの様子

夏祭りの様子

 

9月の予定

9月15日(日) 10:00~12:00
・第1回『んだっちゃ塾』開催

 

9月21日(土)
・七ヶ浜ファームガーデンにハンモックを作ろう!

きずなハウスのお庭「七ヶ浜ファームガーデン」にハンモックを設置します!緑に囲まれた、癒しの空間をお楽しみに!

 


9月の「出張きずなハウス」

(毎週金曜日、14時から15時まで開催)
6日 吉田浜地区避難所
13日 菖蒲田浜災害公営住宅
20日 花渕浜災害公営住宅
27日 代ヶ崎浜地区避難所
※お茶出しなど、お手伝いいただける方、募集中!


七ヶ浜みんなの家きずなハウス
〒985-0802 宮城県宮城郡七ヶ浜町吉田浜字野山5-9 生涯学習センター敷地内
TEL:090-9020-5887/Mail:info@rsy-nagoya.com
運営:認定NPO法人レスキューストックヤード

【ご案内】ぼうさいこくたい2019@NAGOYA

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。
10月19日(土)~20日(日)にかけて、防災啓発ビッグイベント「ぼうさいこく

たい2019」が開催されます。RSYは、なごや防災ボラネットをはじめ、様々な企
業・団体と連携し、ステージ企画やワークショップを運営します。ご当地名古屋
での開催のため、RSYスタッフもフル稼働。
防災に関わる200以上の団体が参加する大規模企画です。
みなさん振るってご参加下さい!【ぼうさいこくたい2019】
・日時:10月19日(土)10:00~18:00
10月20日(日)10:00~16:00
・場所:名古屋市ささしまライブエリア
※交通アクセス:あおなみ線「ささしまライブ駅」2階エントランス直結
・参加費無料、どなたでも参加可能

★詳しくは専用HPをご覧ください

http://bosai-kokutai.jp/

 

【RSYが関わる企画一覧】
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ワークショップ
「私にもできる!命と健康を守る避難所運営」
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・日時:10月19日(土)14:30~16:00
・場所:名古屋コンベンションホール2階・201
・事前申し込み・問い合わせ
申し込み必要/定員60名(申し込み期限:10月15日)
★申し込みフォームはこちら

・内容:災害現場で相次ぐ「災害関連死」。過去の災害ではその3割近くが、
『避難所生活における精神的・肉体的疲労』が原因でした。避難所はあくまでも
本格的な生活再建への一歩を踏み出すまでの『中継地点』。誰もが元気に避難所
生活を終えるためには、普段から、地域に「困りごとを見つける眼』「困りごと
を解決するための方法」「支援のつなぎ先」を知っている人を増やしておくこと
が有効です。2018年に当法人が制作し、過去の被災地での知恵が一杯詰まった冊
子「避難所運営の知恵袋・改訂版」(A4/フルカラー/52P)をテキスト(参加者
全員に無料配布)に、知っていれば誰でもできる「ちょっとした配慮」の考え方

や技術を学びます。

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防災人材交流シンポジウム
「つなぎ舎」inぼうさいこくたい2019
=====================

・日時:10月19日(土)14:30~18:00
場所:名古屋コンベンションホール406・407
・事前申し込み:不要 当日直接会場にお越しください。
・テーマ:「つなぐ(来たるべき南トラに向けて)」

・内容:下記のテーマに応じた被災地ゲストからの実践報告と課題提起&参加者

同士の意見交換のためのワークショップ
①若者による復旧・復興まちづくり
②地域資源の連携による支援
③多様なセクターの連携による支援
④要援護者を視点にした支援
⑤地震が襲った被災地の実態=====================
ワークショップ
3者連携の多様なカタチ
~モレのない災害支援に向けたコーディネーション~
(担当:全国災害ボランティア支援団体
ネットワーク(JVOAD))
=====================・開催日:10月20日(日)12:30~14:00
・会場:コンベンションホール301号室
・事前申し込み・問い合わせ:下記団体HPで要確認
http://jvoad.jp/・内容:被災地の生活再建には、多様なセクターとの連携が不可欠。ここでは、

これまでの被災地で展開された具体的な連携事例を紹介します。1部は3者連携
(内閣府・全国社会福祉協議会・JVOAD)が必要となっている経緯と共に、平常
時からの連携体制づくり3つの自治体の取り組み報告(宮崎県・岐阜県・名古屋
市)をご紹介します。
2部は、復興の途上である岡山・熊本とオンラインでつなぎ、現在の課題を共有
します。また、実際に被災地で実施されている『全国情報共有会議』をデモ的
に行います。
=====================
パネルディスカッション&演芸で学ぶ
「南海トラフ地震」への対策と備え
(担当:損害保険ジャパン日本興亜株式会社)
=====================・開催日:2019年10月20日(日)12:30~14:00(受付開始予定12:00)
・会場:名古屋コンベンションホール3F メインホールB
・事前申し込み:必要(下記の参加応募ページからお申込み下さい)
★9月2日10時~募集開始
https://s.mxtv.jp/nantora_sonae/
・問い合わせ
「パネルディスカッション&演芸で学ぶ『南海トラフ地震』への対策と備え」事務局

TEL. 03-3511-2087(平日10:00~17:00)

・内容:パネルディスカッション
テーマ1
「避難情報や災害に強いまちづくり(仮)」

パネリスト 廣井 悠
テーマ2
「地域防災力向上のために必要な地域の課題(仮)」
パネリスト 浦野 愛
テーマ3
「自治体の防災取組みと課題(仮)」
パネリスト 田中宏和
テーマ4
「地震保険などの経済的備えの重要性について」

パネリスト 高橋浩一

=====================
ステージ
コント!防災ファッションショー
(担当:なごや防災ボラネット)
=====================

・日時:10月20日(日)13:10~13:50
・場所:パークエリア ステージ
・事前申し込み:不要
・内容:大規模地震に対する危機意識を高めていただくために、寸劇という目に

見える形での一般市民向け啓発活動を紹介します。この「コント!防災ファッシ
ョンショー」は、出演者が子供であったり、障害を持つ人、外国人でも可能であり、
全国各地での幅広い活用を願い頑張ってご紹介します。

九州地方の水害対応について(8月29日)

皆様

RSY事務局です。
8月28日からの大雨について、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。

RSYは現在、全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)、震災が

つなぐ全国ネットワーク(震つな)、全国社会福祉協議会(全社協)などの連携
団体を通じ、情報収集に努めています。

被災社協によっては、災害ボランティアセンター(以下、災害VC)設置に向けた

準備や検討が進んでいることから、名古屋でストックしている災害ボランティア
の活動資器材の貸し出し依頼があった場合に、すぐ応えられるよう、後方支援体
制を整えています。
以下、現在までに寄せられた各地の情報です。
・福岡県筑後市では災害VCの開設が決まりました。
・久留米市では、通常のVCで対応されることになりました。
★筑後市災害ボランティアセンター
(筑後市社会福祉協議会Facebook) https://www.facebook.com/筑後市社会福祉協議会-444634735578570/
★久留米市災害ボランティアセンター
(久留米市社会福祉協議会ホームページ) http://www.heartful-volunteer.net/

・佐賀県では、武雄市、多久市、小城市が災害VCを31日(土)の午前の開設が

決まりました(小城市のボランティア募集は市内を対象)。大町は油流出の件が
あるので検討中。

・震つなメンバーが、つながりのある佐賀県武雄市在住の方へ聞き取りをしたと

ころ、「市内は浸水多数で全容は全くつかめない。初めての被災で何から手をつ
けてよいかわからない人もいる」などの声が聞かれています。

・長崎県内では避難指示が継続中。災害ボランティアセンター設置までは至って

いませんが、引き続き被害に関わる情報収集に努めています。

・JVOADは、先遣隊として災害NGO結から2名、JVOADスタッフ2名を佐賀県に

派遣し、佐賀災害支援プラットフォーム会議(SPF東日本大震災の支援を契機
に、佐賀県・佐賀県社協・県内のNPOら構成)の呼びかけにより、29日に開催さ
れた「情報共有会議」に参加。未だ明らかになっていない被害の全容や今後の支
援策等について協議しています。
・また、内閣府・全社協・支援P(中央共募)・JVOADによる全国情報共有会
議・コア会議も29日夕方に開催され(栗田参加)。特に、佐賀県大町町の油流出
に関連して、「家の中まで入り込んで、畳も床もベトベト」「やむを得ず、油交
じりの浸水地域を歩いている」などの被災者の声もあるとのこと。人体への影響
等、油の取り扱い等の留意事項について、環境省からの注意喚起が徹底できるよ
う対応していくことなどが協議されました。
・震つなにおいても、先遣隊派遣中のため、次第に被害の詳細や現地ニーズに関
する報告もあげられる予定です。今後は、これらの情報をもとに、支援方針を検
討していきます。

【本日放映18:30~】RSY監修「避難所生活支援グッズHUG+KUM(ハグクム)」紹介

みなさま
お世話になります。RSY事務局です。
本日、RSYが監修をお手伝いした避難所支援グッズが、NHKラジオ&テレビで
紹介されます。
このグッズは、長期化する避難所生活での負担を少しでも軽くし、関連死や心
身の健康被害を軽減するために役立つ道具として、『株式会社スズキモダン』
さんが制作し、RSYはそのお手伝いをしました。
「HUG×KUM」は、ビジネスかばんサイズに収まる2つの道具を組み合わせる
ことで、50通りもの使い方ができる、いわゆる十徳ナイフ的な多機能アイテム
です。
デザインもシンプルで、これまでの「防災グッズ」の概念で作られてものとは
一味違うものになっています。皆さんぜひご覧ください!
===========================
RSY監修番組紹介
「避難所生活支援グッズHUG+KUM(ハグクム)」
===========================
●放映日時:8/26(月)
・NHKラジオ第一「夕刊ゴジらじ」(17:00~17:55 中継内  17:45頃~)
・NHK総合「まるっと!」生放送内 18:30〜10分程度
※HUG+KUM(ハグクム)は、2019年3月11日に発売となりました。
企業の社会貢献、CSR活動の一環として購入をご検討いただける企業様や、
グッズの周知に協力頂ける方がいらっしゃいましたら、下記までご連絡下さい。
【グッズに関するご意見・お問合せ】
広告 / 宣伝 / デザイン事務所 株式会社スズキモダン
〒461-0011 名古屋市東区白壁2-1-28 4F
tel+fax:052-253-5534
tomoaki@s-modern.com
http://s-modern.com
★HUG×KUM紹介ページはこちら!

【第24報】北海道地震におけるRSYの支援活動(8/12)

皆様

お世話になります。RSY事務局です。
連日猛暑が続いていますが、お元気にお過ごしでしょうか?

さて、RSYは昨年9月の北海道胆振東部地震で被災した、むかわ町を中心に支援活動を継続しています。
月2回のペースで吉林を派遣。『北海道足湯隊』と共に、仮設住宅や在宅避難者への足湯ボランティアに関わっています。

『北海道足湯隊』は、6月16日に実施した「全国足湯フォーラムin北海道」を経て、現在、月5~6か所の拠点を回り、被災された方々の『声』に耳を傾け続けています。

仮設住宅で初めて迎える夏、経済的な理由で、応急修理もままならない中生活する在宅避難者。時折蘇る震災の記憶と向き合いながらも、再建への一歩を踏み出す方がいる一方で、あの時の恐怖感や環境の変化に心が追い付かず、いまだ本来の生活のペースがつかめずに苦しむ方もいらっしゃいます。

北海道NPOサポートセンターを中心とする地元NPOらは、このような『声なき声』が、かき消されてしまわないよう、行政や社会福祉協議会と連携しながら丁寧な個別訪問にも取り組んでいます。

以下、吉林より届いた6月下旬~8月上旬までの活動報告です。

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北海道足湯隊の活動サポート
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●北海道足湯隊ミーティングへの参加
北海道足湯隊は毎月1回ミーティングを開催。毎回5~6団体が出席し、活動中の工夫や悩み、活動予定などを共有しています。中でも「足湯のつぶやき」の読み合わせは、被災者一人ひとりの心情に改めて丁寧に触れる機会となり、活動の意義や継続の必要性について、活発な意見交換が成されています。目下の目標は、『足湯隊隊員を増やす』こと!各団体の熱意と地道な働きかけで、ジワジワと足湯の輪が広がりつつあります。

●各地での足湯ボランティア
『北海道足湯隊』の特徴は、なんと言っても活動場所と足湯以外のプログラムとのコラボ。各地にあるお寺が会場になることが多く、仮設住宅住民と在宅避難者双方が、気兼ねなく足を運びやすい環境が作られています。また、開催場所まで来ることができない人のために『訪問足湯』にもチャレンジ。まだ件数は少ないものの、とても好評を得ています。その他、マッサージやリフレクソロジー、パステルアートなどとのコラボ企画も人気で、子ども連れの若いママたちの顔もチラホラ。参加者からは、「私も足湯ボランティアやってみたい!」という声が上がり、早速実践講習をしたという報告もありました。また、『北海道足湯隊』には、介護福祉士会等の職能団体も加わっているため、より専門性の高い支援に繋がっています。
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被災者のつぶやき
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・前はね、孫が走りまわれるような大きな家に住んでたんだよ。今は仮設だから運動もできないし、歩いて(ウォーキングして)いるんだ。昔からスポーツは好きで、野球やバレーボールをしたり。好きなんだよね、そういうのが。(70代男性・仮設住宅)

・妊娠中で腰がつらくて。前回5月に同じ方にマッサージしてもらってすごく楽になりました。午後からパステルアートあるんですね。子どももできるなら来ようかな?(30代女性・在宅避難者)

・子どもだっこしたままでも足湯できますか?ママ友のグループラインで情報知りました。5月の時も来ました。肩こりで、そこから頭痛になるんです。手足も冷えやすくて、冷えに良いきき湯入れて下さい。(30代女性・在宅避難者)

・息子が漁師なのよ。東日本大震災のとき、ここも津波がきたんだよ。両氏はみんな船を出して女性は全員避難所に避難したの。(昨年)9月の(地震)時はね、ベッドから落ちたの。揺れたと思ったら、気づいたらベッドの下にいたの。でも痛くもなんともなかったんだから。同級生のいとこが亡くなってね、うちは被害が少なかったけど…本棚やら何やら全部倒れてね、でもうちはマシな方だから。地震に慣れてきちゃって。だめだよねぇ。でも地震増えたもんねぇ(60代女性・在宅避難者)

・北海道は大きな地震は来ないと思っていた。自宅内部はぐちゃぐちゃだったけれど、つぶれなかったので夫は職場へ行った。私は一人で唖然としていた。最近新潟地震で恐怖が再燃した。(50代女性・在宅避難者)

・早来の仮設の談話室は、使う人が決まっているみたい。使う人は週3回とか使わない人は全く使わない。(30代女性・仮設住宅)

・昨年9月に何回も来てもらっていて、ここに来ると笑えて体も心もほぐして貰えた。毎回楽しみで、頑張れた。本当に感謝している忘れたころに新潟の地震でしょう。他人事じゃないよね。また恐ろしくてパジャマで寝られないかったわ。(50代女性・在宅避難者)

・地震当時のことを思い出すと今でも涙が出てくる。本当に来てくれて嬉しい。私にも何か出来ることはないかなと思ったりして、前回足湯(する側)に参加させてもらった。体調を崩してしまい今回は足湯してもらいに。足湯が効くと聞きました。(30代女性・在宅避難者)

・4月以降、ボランティアの企画が急に少なくなったから寂しいよ。家の片付けがようやく終わりそう。でも同じ仮設のAさんは、まだ取り壊すか決めてないみたいだよ。今でも、こんな目にあったなんて信じられないよ。店を取り壊して、仮設に住むようになるなんてさ。この間も娘や孫が泊まりに来てくれて、ぎゅうぎゅう詰めになりながら、みんなで寝たんだ。孫は秘密基地みたいで楽しかったみたい。いろいろあるけど、やっぱり、俺はこの町にいたいね。(70代男性/仮設住宅)

・私もこの人(主人)も年だけど、ほかのお姉様たち(80代以上)に比べたら、若手なの。当時みんな地震にあったショックで、ふさぎ込んでいたの。このままだとどこまでも沈んでいってしまうと思って、主人が食材を調達して、みんなで晩御飯作るようにして、一緒にご飯食べて、『今日も一日よく頑張った、お疲れ様でした』って乾杯するようにしたの。これ以上、みんなが落ち込まないように10日間くらい背中を押し続けたの。支援する行政の人だってみんな同じように被災してたから、私自身、落ち込むことはあんまりなかったわ。被災者だけど、病人じゃないし、体は元気なんだから、自分たちでできることはやらなきゃ。(70代女性/自主避難所の運営に関わっていた地域住民)

・地震から1~2週間して、みんなの片付けが落ち着いてきた頃に、ばあちゃん達に『化粧すれっ』って言ったんだ。もともと田舎だから、普段化粧することもないんだけど、こんな時だからこそ自分の身に気を遣ってほしかったんだ。役場の保健師やらいろんな人が出入りしてたしね。いつまでも沈んだままじゃ良くないって思ってさ。(70代女性・上記記載の方の夫)

・6月中旬に自宅を解体した。40年住み続けた家。心残りはないけど、取り壊したことで、次の生活再建に関する課題や悩みが次々と出てきて戸惑っているよ。家は解体した土地に立て直す予定だ。周囲にはとくに相談はしてないよ。こんな身体になってから(麻痺あり)は特に、気を使われるのが嫌で。家族にも言わないようにしてる。でも最近は畑の世話で月に4回くらいタクシーで通ってるよ。趣味と体力づくりを兼ねて。今度一緒に飲むのもいいね。特製のおつまみ作ってあげるよ。(70代男性/仮設住宅)

・数年前に脳卒中になって、そのマヒが右側に残ってるの。でも重度ではないから、見た目ではわからないくらいよ。足湯、なんだか緊張しちゃうわね。最近は仕事(農家)が忙しくて、でもマヒが残ってからは、できることは少なくなったのよ。マヒが残る前はとにかく忙しくて、煩わしいくらいだった仕事も今となっては寂しいものね。(70代女性/在宅避難者)

・うわーあなたの手、ぷにぷにね!気持ちいわ。足湯はできないからあきらめてたけど、手もみだけでもいいのね。肩揉んでくれるの~(プロによるマッサージも実施)ありがとう。なんだかんだ言って最近も忙しいのよね。でもみんなで集まれる場があるっていいわよね。(40代女性/在宅避難者)

・避難してた頃ね、お父さんは『早く片付けねばならん』って、いつもイライラしてて、でも私疲れてて体が動かなくってね。毎晩のように変な夢を見たんだ。『そんなに辛いんなら、そろそろこっち来るかい?』って。亡くなった家族が私に言うんだ。なんで私は生き残ったんだろう、なんでみんな家に帰れるのに、家だけ帰れなくなるくらい被害が酷かったんだろうって考えてたよ。そしたら、仲良しのご近所さんが、すごい勢いでバンって扉を開けて『あんた、なに落ち込んでんだい。あんたにはよくできた娘も息子も、かわいい孫もいるんだから、いつまでも落ち込んでるんじゃないよ』って。その言葉で目が覚めたんだ。私から何か話したわけじゃなかったんだけど、気づいてたんだねぇ。次の日くらいに息子が来てくれて、うれしかったのよ。(80代女性/在宅避難者)

・1度目の引っ越しをして、新しい暮らしに少し慣れたと思ったら、また引っ越しで体が疲れた。自律神経もおかしくなって、少し良くなったと思ったら、この暑さ。私はいいけど、お父さんがお腹の調子が悪くして疲れているみたい。足がむくむとパンパンに張って、攣るから、あまり伸ばせない。今月末にパッチワークの作品を出品しないといけないけど、気分が乗らない。手が痛くても、(パッチワークを)やったら気分は晴れるけど、そこまで気持ちがいかないの。幼いころから体が弱く、運動会や行事も休みがちだった。食べ物は好き嫌いが多くて、栄養が足りてないのよね。救心を飲んだり、水分を多めにとったり、冷たいタオルを首に巻いたり、いろいろやってみているのだけど。毎年、夏バテ防止で飲んでいるマムシ酒も地震でなくなってしまったから、何を食べたらいいのか分からない。足のむくみも立ち眩みも、何とか出来たらね。(80代女性/在宅避難者/上記記載者と同じ方)

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▼RSY活動支援募金について(随時受付中)
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この支援金は、スタッフの現地派遣や情報発信、被災者への生活支援プログ
ラムのために活用致します。

<銀行振込>
三菱UFJ銀行 本山支店 普通3505681
特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※「カツドウキフ 寄付者のお名前(カタカナ)」とご入力ください。
<郵便振替>
00800-3-126026
特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※通信欄に「活動寄付」とご記入ください。

【夏期休業のお知らせ】

レスキューストックヤード事務局です。

地震と水害が立て続けだった昨夏の記憶もまだ新しいですが
今年も台風の襲来や火山の噴火、水不足など、不安な要素が多数あります。
未だ大きな被害には至っていないのが、せめてもです。
みなさま、どうぞご自愛ください。
さて、下記の日程で夏期休業させていただきます。
ご不便をおかけいたしますが、ご了承ください。

名古屋事務所(ふくしま支援室共):8月10日(土) ~ 15日(木) 

★8月16日(金)より、通常通りです。

七ヶ浜みんなの家きずなハウス :8月13日(火) ~15日(木) 

★そのほかにも、臨時休業あり。くわしくはみんなの家きずなハウスのFacebookで確認してください。

 


【第23報】北海道地震におけるRSYの支援活動(8/2)

みなさま

 

お世話になります。RSY事務局です。

平成30年7月豪雨から1年が過ぎ、水害が心配される季節に入りました。

RSYでは、水害が心配される地域への情報収集をはじめ、震災がつなぐ全国ネットワ

ーク発行の冊子「水害にあったときに」の発送対応や資機材の搬出など災害発生時の

対応を事務局内で再確認し、備えています。

北海道胆振東部地震の支援では、地元の支援団体を中心に足湯やマッサージケアなど

を通じた場づくり支援を継続中です。
遅くなりましたが、以下、6月に実施いたしました北海道での活動報告です。

 

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「広げよう!足湯で繋がる支援の輪 全国足湯ボランティアフォーラム in 北海道

~北海道胆振東部地震の今とこれからを考える~」を開催!

 

6月16日(日)10:00~16:00、真宗大谷派(東本願寺)札幌別院にて、 足湯ボラン

ティアフォーラム in 北海道を開催いたしました。 昨年9月の北海道胆振東部地震の発

生を機に、道内の支援団体・個人で結成 された「北海道足湯隊」。そのメンバーが

「今後も息長く被災者に寄り添う 活動を続けたい。そのために、より多くの方に足湯

ボランティアを知っても らいたい。」という願いから生まれた企画です。本企画で

は、足湯ボランテ ィアの始まりと本質、昨年発生した災害の被災地で展開された足湯

ボランテ ィア活動を振り返りました。さらに足湯体験を盛り込み、足湯づくしの1日と

なりました。

 

  • 日時:2019年6月16日(日)10:00~16:00
  • 場所:真宗大谷派(東本願寺)札幌別院 3階研修室
  • 参加者数:約30名

 

  • 目的

・北海道足湯隊の活動を中心に、2018年度発生した災害の被災地で行われた

足湯ボランティアの取り組みを紹介し、被災者の「つぶやき」から見えてきた被災地

の現状と課題を整理する。

・「足湯ボランティア」の文化と活動の本質に触れ、現状の活動内容の方向性を確認

する。

・「足湯ボランティア」同士が率直に、悩みやアイデアを共有し、今後の活動への

モチベーションアップと、新たな仲間づくりの場を提供する。

 

  • 取り組み内容

〇挨拶

・加藤真樹氏(真宗大谷派東本願寺北海道教務所 次長)

北海道内には真宗大谷派(東本願寺)の寺院・教会が470カ寺あり、北海道胆振東部

地震が発生した際には現地災害救援本部を設置し、被害状況の把握に努め、特に被害

が甚大である寺院から順次、救援物資の配布とお見舞いを行った。また真宗大谷派災

害支援ネットワーク「じゃがネット」を通じ、北海道足湯隊と協働できていることを

嬉しく思う。自身も先日、足湯を体験し、身体だけでなく心もほぐれていくのを感じ

た。本企画を機に、足湯の活動が広がっていくことを願う。

 

・篠原辰二氏(一般社団法人Wellbe Design 理事長/北海道足湯隊事務局)

北海道胆振東部地震から1か月後に発足した北海道足湯隊。避難所から始まった活動

は徐々に仮設住宅やお寺、地域の集会施設などへと広がり、活動依頼も増えてきた。

当法人では北海道足湯隊の事務局を担っており、月に1度の定期ミーティングや各足湯

ボランティアの活動サポートを行っている。現在は隊員不足により、現地からの要望

に応えにくくなっている。本企画をきっかけに道内での足湯ボランティアの育成にも

力を入れつつ、今後も可能な限り北海道足湯隊のサポートを継続していきたい。

 

 

〇報告「北海道胆振東部地震の現状と課題」/定森光氏(NPO法人北海道NPOサポートセンター理事)

今回の地震で特に被害の大きかった3町(厚真町・むかわ町・安平町)の人口は約2万

人、北海道全体の人口に対し、0.3%の人口が被災しているのに対し、一部損壊以上の

世帯は8割以上、住民の大半が被害を受けた状況にあることが分かる。昨年11月に避難

所はすべて閉所し、350世帯以上が応急仮設住宅などへ移転したことにより、ボランテ

ィアによる談話室を活用した交流の場づくりや、居住環境のサポートが行政や災害ボ

ランティアセンターとの連携し行われてきた。

最近、課題となっているのは、半壊以上の被害に遭いながらも在宅で生活している、

在宅被災者の存在だ。該当する世帯は全体の半数以上いることが分かり、在宅被災者

を対象としたニーズ調査が進んでいる。現状の課題として、ニーズ調査から取りこぼ

されている被災者の存在が浮き彫りとなり、多様な形での被災者支援が必要となって

いる中、時間の経過とともに支援団体が減少しつつある。そんな中でも、発災当初か

ら継続して被災地域との関係性を築いている道内の支援団体の存在は心強い。このよ

うな団体を引き続き応援しつつ、増やしていきたいと考えている。

 

〇パネルディスカッション「2018年・足湯ボランティア活動~愛媛・広島・岐阜から

北海道へリレー~」/コーディネーター:松田曜子氏(震災がつなぐ全国ネットワー

ク)、コメンテーター:村井雅清氏(被災地NGO協働センター)

 

・本田綾子氏(北海道足湯隊)/活動:北海道勇払郡むかわ町・厚真町・安平町

発災当初から個人で災害ボランティア活動を開始。昨年10月、WellbeDesignを通じ

足湯に出会い、現在は足湯や訪問調査などでボランティアとして活動している。足湯

ボランティアでは、活動先との調整や足湯の担い手の育成等、活動の幅を広げてい

る。活動中の悩みとして、被災者に寄り添い続けるために団体として出来ることは何

か、仕事で多忙なメンバーのモチベーション維持などが課題である。

 

・飯嶋麻里氏(公益社団法人シャンティ国際ボランティア会)/活動:愛媛県西予市

シャンティ国際ボランティア会では、平成30年7月豪雨で被災した愛媛県西予市を中

心に活動を展開。「被災者の声を聴く」ことをメインに据え、その手法の一つとして

足湯が取り入れた。避難所での傾聴カフェをきっかけに、被災者の状況に合わせた活

動内容や場所を調整し、被災者が参加しやすい環境となるよう心掛けた。

また足湯ボランティアを継続することで、住民の小さな変化に気づくことができる。

自分の変化は本人でも気づきにくいもの。他者から見た変化をボランティアが伝える

ことで、足湯に参加してくださったことへのお返し(感謝の気持ち)にもなるので

は。それが結果的に住民を後押しすることにもつながっている。

 

・吉林奏(NPO法人レスキューストックヤード)/活動:岐阜県関市

平成30年7月豪雨で被災した岐阜県関市では、「生活再建を考える相談会&ミニ喫茶」

で足湯を取り入れ、リラックスした雰囲気の中でお話を聴くことができた。足湯を取

り入れたことで、地元社協との話し合いの中では、足湯のつぶやきを通し「拾い切れ

ていない声がある」「足湯の活動を地元にも残したい」という要望から、「地元住民

向け足湯講習会」の実施につながった。足湯講習受講後の地元ボランティアは、復興

イベントや地域サロンで足湯デビュー果たしたが、参加者もボランティアも同じ地元

住民だからこそ、相手の気持ちに耳を傾けることへの不安を抱えていることが分かっ

た。活動の際に身近な存在である社協職員や先輩ボランティアによる継続したサポー

トが必要であるため、今後も名古屋からできるサポートを続けたい。

 

・玉木優吾氏(しずおか茶の国会議)/活動:広島県呉市

平成30年7月豪雨で被災した呉市では、酷暑の中、避難生活が長期化。少しでもほっと

できる時間を提供しようと静岡県より足湯ボランティアを送り出したのが活動の始ま

りだ。地元社協や民生委員との連携を密にすることで、活動場所のコーディネートや

つぶやきの伝達をスムーズに行うことができた。また足湯で拾ったニーズの中から社

会サービスを活用する必要がある被災者に関しては、行政と共有する仕組みづくりを

徹底することで、なるべく早く対応できるような形を作り、支援の漏れを少なくする

ことができた。「つぶやき」の分析はじめ、活動で情報収集したものは、様々な年

代・職種のメンバーが集結する茶の国会議でも情報共有・連携で協議し、現場で活躍

するボランティアをサポートし、現地への負担を軽減するという機能を果たした。

 

・大竹修氏(被災支援団体おたがいさまプロジェクト)/活動:岡山県真備町

平成30年7月豪雨を機に「おたがいさまプロジェクト」を立ち上げ、月に1回ボランテ

ィアバスを出している。がれき撤去から始まった活動は、より被災者に寄り添う活動

を考え、仮設住宅への慰問活動に変化した。足湯などで定期的に伺い、「一人でも多

くの方との関わりを大切にし、心穏やかな時間を過ごしてもらいたい」の気持ちを忘

れず、活動を継続している。また子どもイベントと連携することにより、世代間の交

流と笑顔が生まれ、子どもが足湯ボランティアに参加するなど、活動の輪が広がりつ

つある。

また夏場の足湯希望者の減少が課題である。おたがいさまプロジェクトでは、ミント

等使った夏用入浴剤の活用を検討している。

 

〇基調講演「足湯ボランティアの本質を考える」/村井雅清氏(被災地NGO協働センター顧問)

足湯ボランティアの始まりである1995年阪神・淡路大震災当時も、今回の北海道胆振

東部地震でも、市民の自主的な動きが活発だった。自主的な一人ひとりの発想によっ

て行動を、普段から積み重ねていけば時代に社会は変わっていく。足湯ボランティア

は、震災当時、東洋医学を勉強していたボランティアによって始まった。

 

阪神・淡路大震災から2年を前に被災者の厳しい生活の一端を「つぶやき」から垣間見

え、約1,000人分の「つぶやき」の分析をもとに「市民がつくる復興計画―私たちにで

きること」(1999年)を発行した。そもそも「つぶやき」とは、阪神・淡路大震災か

ら1年後の1996年~1997年にかけ、当時仮設住宅で暮らしていた被災者からお聞きし

た「生の声」のことを、「ふだん着のつぶやき」と表現したことに始まる。より注目

し始めたのは新潟中越地震からだ。

 

過去の災害で聴かれた「つぶやき」をきっかけに被災者へもたらされた支援の事例を

紹介。足湯はお湯で足が温まるだけでなく、「言葉を吐き出す」ことが何よりも大き

な効果だ。被災者が言葉を吐き出すことで自分の気持ちの整理ができ、自分の考えを

肯定することに繋がっていくことが「心の自立の始まりのサイン」かもしれない。

「硬直した社会の仕組み」にはまっている人たちのそばに寄り添い、自分たちにでき

ることを探すのが、ボランティアの強み。ここで聴かれた声を抽出し、行動に移して

いくのが足湯ボランティアだと思う。ただひたすらに被災者に寄り添い、「枠を外し

て」制限をもたず、それぞれに出来ることを自由にやっていくことで、活動は広がっ

ていく。ボランティアはなんでもありや。

被災者一人ひとりへの寄り添い、それを積み重ねていくことが、社会の隙間に取りこ

ぼされてしまいがちな最後の1人までも救うことに繋がっている。その苗床を北海道は

じめ全国各地でつくっているのは、まさにあなたたちだ。

 

〇足湯ボランティア体験・活動紹介コーナー/北海道足湯隊&登壇者

 

〇交流会

・今回の地震でお寺関係の支援を中心に活動する中で、北海道足湯隊と出会った。お

寺、宗門を超えて様々な団体と協働できることは有難く、新たな視点を取り入れるこ

とが出来ている。今後も自分たちの目で耳で得た新鮮な情報を届けながら活動を続け

ていきたい。(本企画を実施するにあたり、会場手配等でご協力いただいた、災害支

援ネットワーク「じゃがネット」岸田氏より、ご挨拶いただきました。)

 

・北海道足湯隊って、大人のサークルのような集まりだと感じた。年齢も職種も異な

る道内のボランティアが、「被災者のために何かしたい」という思いで集まった。発

足当初から変わらず活動を続けているメンバーや、時々参加するメンバーなど、それ

ぞれのペースで活動に関わっている。(登壇者)

 

・活動場所が田舎になればなるほど、活動の周知は「住民同士の口コミ」と「定期的

に活動すること」だと感じた。(道内ボランティア)

 

・活動の中で住民から「うちよりも被害の大きいお宅があるから・・・」と言われる

ことが多いが、そう話すことで、「自分はまだ大丈夫、頑張れる」と言い聞かせてい

るのかもしれない。(道内ボランティア)

 

〇閉会挨拶

栗田暢之(NPO法人レスキューストックヤード代表理事/震災がつなぐ全国ネットワ

ーク共同代表)

自身の原点でもある阪神・淡路大震災での活動を振り返りながら、当時、共に奮闘し

た仲間を思い浮かべた。あれから24年が経ち、足湯のネットワークも広がりつつある

が、さらに広げていきたいと考えている。ボランティアはお忙しくされている方が多

いが、ボランティアそれぞれの意思を尊重しつつ、被災者に寄り添い続けてほしい。

北海道関係の支援はこれからが踏ん張りどころ。そのためには、自分も含め、モチベ

ーションの維持が重要となってくる。RSYとしても、震つなとしても、引き続き応援

していきたい。

  • 主催:認定NPO法人レスキューストックヤード

 

  • 共催:震災がつなぐ全国ネットワーク

 

  • ご協力いただいた皆様:

 

  • 北海道足湯隊(災害支援ネットワークじゃがネット/札幌市立大学学生・教員有志/ヘルピングハンズ足湯隊/北海道NPOサポセン足湯チーム/一般社団法人北海道介護福祉士会/一般財団法人北海道難病連/WellbeDesign足湯チーム/一般社団法人いっぽん/札幌発!東北大好き隊/東北大学足湯隊/認定NPO法人とちぎボランティアネットワーク/認定NPO法人レスキューストックヤード)

 

  • 一般社団法人Wellbe Design

 

  • NPO法人北海道NPOサポートセンター

 

  • 真宗大谷派(東本願寺)北海道教務所

 

  • 真宗大谷派(東本願寺)札幌別院

 

※本企画は赤い羽根「ボラサポ・北海道」助成金を受けて実施いたしました。