RSY・愛知県の大雨への対応(第5報)

みなさま

RSY事務局です。RSYは台風2号の影響で床上浸水の被害を受けた豊橋市在住Mさん宅への個別対応を継続しています。以下、RSY事務局長・浜田より6月21日の活動報告です。

※私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成のご協力を頂いています。

Mさん宅訪問

着いてみたら、先週手つかずだった部屋の窓が開放されて、片づけが進んでいました。今回はタンス3棹と机1台が置かれたその部屋の片付けが中心でした。

下2段が水に浸かってしまったタンスや畳はとても重く、これを出す作業は、女性だけでは無理かと思っていたところへ、RSYと繋がりがあり、豊橋市在住の男性ボランティアさん2人が到着し、お昼前までに、すっかり運び出せました。

 

Mさんもカビや臭いが気になってきたせいでしょうか。これまで片づけることに躊躇されていた姿とはうって変わって、「畳と布団は、通りに近いところまで運んで」「これもほかって(=捨てて)」といった言葉が出てきました。片付けのスイッチが入った感じでした。

「今俺が見たからこの写真は、もういらん」「(亡くなった奥さんの服を見つけて)こんな所にあったのか」とひとつひとつ確かめ、思い出話をしながら、「何を捨てたか、知っておかんとなぁ」というMさんペースを尊重しながらの作業が続きます。

Mさんは翌日の雨を心配して、「外に出したものを室内へ戻して欲しい」と言われました。しかし、水害から既に2週間が経っていることもあり、畳をはがした床板がまだ濡れていて、カビや臭いも気になりました。本当は、一日も早く乾燥・消毒が必要な状況だったので、「ものはまだ戻さない方がいいですよ」と喉まで出かかったのですが、タンス下段の引き出しを自ら壊して、少しでも軽くして、運び易くしてくれた気持ちを想い、今回は何も言わずに運びました。

床下の対応については、随時お伝えはしているものの、ご自分の手順やペースがあり、一気には進みません。こちらも焦らず、しかし家の保全のためにできるだけ前に進めるよう一緒に思考錯誤しながら取り組んでいます。

 

息子さんのお部屋は随分片づけが進んでいました。夜勤明けの休みの日に片付けをしているとのことで、お二人の身体への負担が気がかりです。

帰りぎわに、「皆が帰ると寂しくなるな」とポツリと漏らされました。何よりの労いの言葉でした。

なお、岡崎市災害ボランティアセンターは、6月9日より、市社会福祉協議会の通常のボランティアセンターでの対応に切り替わったため、貸し出していた資機材もその役目を終え回収しました。

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RSY・愛知県の大雨への対応(第4報)

みなさま
RSY事務局です。RSYは台風2号の影響で床上浸水の被害を受けた豊橋市在住Mさん、Sさん(喫茶店店主)宅への個別対応を継続しています。以下、RSYに出向中のコープあいち・宇野さんからの報告です。

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■Mさん宅訪問
6月8日の第3報であげた床上浸水の被害を受けたMさん宅へ3度目の訪問をしました。ボランティア3名(加藤さん、山口さん、藤井さん)、RSYスタッフ宇野(コープあいちより出向中)の計4名の体制で伺いました。

この日は、久しぶりの晴天で、到着して先ず目に入ったのは、庭に干された沢山の洗濯物でした。最初に「また、来ました!」とMさんに明るく声を掛けたのは、前回も訪問し、すでに顔馴染みのボランティア、加藤さんです。

今回は、RSY大口倉庫から、持ってきた、冷蔵庫を先ず見ていただき、お役に立てるのなら使って欲しいと最初に申し出ました。
冷蔵庫を見たMさんは、「仮住まいの市営住宅で使いたいが、ちょっと大きいなぁ」とおっしゃっていましたが、話をお聞きする中で、ご自分で運ぶのが、大変だという気持ちから躊躇されていることが解り、搬入も撤去もRSYでやりますとお伝えしたところ、使っていただけることになりました。
その後、Mさんも同行し、藤井さんと宇野で、車で30分ほどの仮住まいへ、冷蔵庫を運びました。冷蔵庫を搬送中の車内では話が弾み、その中で、息子さんと水に浸かってしまった自宅の冷蔵庫を移動させている際に壁に挟まれたこと、「ここ(左胸)、肋骨にひびが入っている、大きな息をすると痛い」、「足がむくんでるやろう、ひどくなっている、なんでかな」と気になっていることも口にされました。
仮住まいに到着後、改めて藤井さんと宇野で丁寧に、冷蔵庫を清掃し、無事設置できました。


「あ~よっかた。弁当が作れる」「卵も腐らせてしまったんだ。」「2リットルのペットボトルが入るように棚は自分で調整するよ」とニッコリされました。
一方、Mさん宅に残った二人は、家の前の側溝内のゴミすくいです。本当は、家の中が気になりますが、最初は、あくまで、Mさんの要望に添った形で清掃作業に入りました。
お昼には、前回同様、豊川稲荷で購入した「いなり寿司」を一緒に食べてから、午後の作業を始めました。二度目の訪問で、Mさんの気持ちを一番理解している加藤さんが、家の中に入り、先回訪問時に干した写真の整理をした後、「どうしても廊下の土埃を雑巾がけしたい」、「歩くたびに土埃が舞い、身体にもよくないから拭きたいと」提案すると、「仕方がないな。やってもいいよと」と言ってくれました。

また、片付けが済んでいない部屋が3か所あるので、「カビが生えたり、このままにして置くと床がぬけてしまう」と伝え、特にカビは、身体に良くないし、臭いも酷くなると伝えると、Mさんも臭いが気になっている様子で、何とか早く畳を出せるようにしたいと言いました。遠方に嫁いだ娘からは電話で「掃除をする時は、マスクをしなさい」と言われている。した方がいいかな~とも尋ねられることもあり「した方がいいです!」と答えるとマスクを探してきて、一緒に片付けをしてくれました。


加藤さん以外の3人は、引き続き家の周りの清掃を行いました。庭に流れてきた木くずの除去を依頼され、松井さんも「すっきりしたなぁ、いいわ」と笑顔。その後、物置の散乱した材木を整理して、その日の作業を終了しました。

清掃作業以外では、午前中の冷蔵庫の搬送中、Mさんの足のむくみについて話を聞いた藤井さん(看護師)の勧めで、睡眠時に下肢挙上できるようにと、RSYから持ち込んだ「ゴロリンマット」を何枚かお渡ししました。また、お風呂マットの代わりに貸して欲しいとの要望もいただき、追加でお渡ししました。
その他にも、「水につかってしまった流し台とガス台を何とかしたい。」「干した服を整理するための段ボールが欲しい」など、少しずつMさんから要望を言ってもらえるようになりました。すかさず加藤さんが「今後はどんなペースで来たらいい?」と尋ねると、「週1ぐらいかな」と、何と予約の了解も取り付けました。


別れ際、いつまでも話は尽きませんでしたが「そろそろ疲れが出る頃なので、無理をしないようにね」とお声がけして帰路につきました。
■Sさん宅(喫茶店・珈美風船)訪問
前回の訪問で、床板に敷いたブルーシートの上で寝ているため、身体が痛くてよく眠ることができないとお聞きしていたので、段ボールベッドのキットを積んで、午後、加藤さんと宇野が再訪問しましたが、お留守でした。帰りにもう一度、訪問した際には、ご主人とお会いすることができ、家の片付けも何とか終わり、現在は、夜、息子さんの所で寝ていると話してくれました。「気にかけて頂きありがとう」と言ってくださいました。

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RSY石川県珠洲市への支援について(第7報)

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。

台風2号の影響により、愛知県も含め各地で被害が多発しています。被災された皆様には心からお見舞い申し上げます。

RSYはスタッフで手分けをしながら、豊橋市・岡崎市等への支援を開始すると共に、なごや防災ボラネットと連携し、5月5日に震度6強の揺れを観測した石川県珠洲市への支援も継続しています。以下、常務理事・浦野から第4陣・5陣の派遣活動報告です。

※私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成のご協力を頂いています。

 

 

<RSYの活動>

1.これまでの派遣実績

・第1陣:5月7日(日)~5月11日(木)/浦野・松井(RSY)

・第2陣:5月15日(月)~5月19日(金)/浦野・栗田(16日のみ)・稲垣(RSY)

・第3陣:5月23日(月)~26日(金)/浦野・林・松井・稲垣(RSY)、椿・山口(なごや防災ボラネット)

・第4陣:5月29日(月)~6月1日(木)/浦野・稲垣(RSY)、椿・岡田(なごや防災ボラネット)

・第5陣:6月5日(月)~8日(木)/浦野・稲垣(RSY)、椿・伊東(なごや防災ボラネット)

2.活動内容

①珠洲市災害VCへの協力

第3陣に引き続き、ニーズの上がりが少ない「直(ただ)町」の個別訪問を担当しました。全220世帯(在宅108件、不在83件、空き家29件)を順次回り、その後範囲を広げて、正院町川尻地区28世帯(在宅14件、不在10件、空き家4件)も訪問。生活状況の把握と共に、ボラセンの案内や公的支援制度、災害廃棄物等の情報提供などを行いました。

<住民の声>

●罹災証明が送られてきたんだけど、母屋は半壊、土蔵と納屋は全壊でした。罹災証明の調査員がきたとき、応急危険度判定が緑だったからか、家の中は見て行きませんでした。でも壁に無数のひび割れと崩れ、柱は裂けて2階の階段もずれていて、半壊という判定には納得がいっていないんです。この家はもう解体して、跡地に小さな家を建て直そうと思います。(スタッフが罹災証明書の再申請や適用されそうな支援制度、弁護士への相談窓口を紹介)。まだはっきりは分からないけど、何らかの支援や融資が受けられるということですね!よかった~。判定についてはどうしても納得がいかないので、再申請する方向で考えます。(88歳・女性・一人暮らし/市外に住む娘が同席)

●しばらく空き家になっていたので、親戚と一緒に見に来ました。家の中はどこも家財が散乱していて、片づける気にもならない。かといって、家を解体しようと思っても家財は外に出さなければいけない。どうしたらいいか途方に暮れる。応急危険度判定は黄。罹災証明はこれから出しに行こうと思います。ついでに災害ボランティアセンターにも頼んできますね。(70代・女性)

●最初に建てたのは100年以上前。この棟はしっかりしていたけど、建て増ししたところが破損している。何度も地震にあう中で壊れるところは同じ。階段は床が抜け、2階にあったタンスは倒れてバラバラになった。夜は寝つきが悪いので眠剤を飲んでいる。(RSY看護チーム同行。健康チェック等を行った)(80代・女性)

●私は元消防士で防災士の資格も取った。普段自分が良く過ごす場所の電化製品や家具は留めてある。津波が来てもいいようにライフジャケットも用意してある。でも家具留めしていなかったタンスはやっぱり倒れてたよ。罹災証明書は出したほうがいいんだね。これから行きます。(80代・男性)

●ここは、本家で近隣に親戚が多くいる。水が出ないので困っている(5月28日現在)。元々台所、お風呂、洗面所、トイレすべて井戸水を使っている。どこが悪いのか、台所の床をはがしてみようかと思うが、食器棚など大型のものを動かさないといけないのでどうしたものかと。今日は罹災証明の調査があるというので来た。家財は一人で片づけている。2階が一部おちている。ボランティアセンターに頼めるのなら頼みたいが出張も多く時間を合わせるのが難しい。(50代男性・市外在住)

●自分の生家が、空き家になってもきれいにしてあった。地震で家財が倒れたり、中のものが飛び出したりで見るも無残。息子たちは、空き家なんてほっとけと言うけどな…そこまでの山道500mくらいが崩れていたけど、自分で補修をし通っている。(80代・男性)

●地震にめげずに畑で働き、仲の良い友だちと話をして、空いた時間に本を読み、楽しく暮らしている。今から畑にエンドウを取りに行く。今日はボランティアの人に割れたガラス3枚を直してもらった。とても気分がいい。ボランティアの人って本当にありがたい。(86歳・女性)

●家は、緑判定。ほとんど被害はないが、正院のほうの方は大変よね。壁に少しひびが入っているけど、これを直すとなると塗りなおしの面積が大きく、お金がかかるので気にしないでおこうと思う。年金生活なのでお金をかけられない。(70代・女性)

●夜寝る時は、パジャマはきていない。すぐに逃げられるように。まだまだ地震もあるし、怖いね。(応急危険度判定・赤)(70代・女性)

●納屋が応急危険度判定赤で傾いている。罹災証明は出していないが出したほうが良いのなら、息子に頼もうと思う。友だちが民宿をしているが、そこで泊まっているボランティアさんは宿代も払って食べることも自分たちでしているので、申し訳ない。うちは、私一人なので、空いているからボランティアで来るのなら使ってもらってもいいわ。(70代・女性)

●家は、ところどころひびが入っていたりゆがんでいる。罹災証明をとっても結局お金がないので全部直せない。判定がついて制度が使えるって言ってもどんな制度があるのか、HPも見れないのでわからない。(制度についてはスタッフから補足説明した)(50代・男性)

②罹災証明書未申請者への支援

高齢化率が50%を超す珠洲市では、罹災証明書の申請手続きがいまだ済んでいない要配慮者世帯が少なくありません。罹災証明書は生活再建への歩みを進めるための最初の一歩。この大切な手続きも、これまでの活動で住民の声を聴くと、情報がなく必要性が分からない、市役所までの移動手段がない、申請書類を自力で整えられないなどが原因で進んでいない状況が分かってきました。そこで、RSYは市や石川県内の福祉系職能団体と共に協議を重ね、下記3つの取り組みがスタートしました。

★取り組み1:RSY主催「珠洲市公的支援制度支援者勉強会」

6月1日(木)20:00より、オンライン勉強会を開催し、市や市社協、県内福祉系職能団体、技術系NPOなど33名が参加しました。講師には、堀井秀知先生(徳島弁護士会/日本弁護士連合会災害復興支援委員会副委員長)をお迎えし、『直接支援にあたる支援者に知っておいて欲しい公的支援制度の基本』について教えて頂きました。

・罹災証明書の申請は生活再建のためのパスポート

・申請には2段階ある(罹災証明書発行後の被災者生活再建支援金や応急修理制度など)ので継続的な伴走支援が必要

・借金のある方向けの「被災ローン減免制度」や高齢者向けの「リバースモーゲージ融資」などを有効活用して、自分の家を持ちながら住み慣れた土地で暮らしを維持継続できる方法を考えよう!

・みなし全壊(半壊判定で解体した場合は全壊とみなされるため、もらえるお金や受けられる支援の枠が広がる)の考え方

など、専門家に聞かなければ分からない様々な情報を共有する機会となりました。特に静岡県弁護士会の永野海先生が作成された被災者カード(裏)が現地で有効活用されています。支援の全体像が一目で分かるので、ローラーや個別訪問の際にもスタッフが必ず携帯しています。

市は、録画動画を日ごろから福祉サービスに関わるスタッフと共有し、利用者への説明や各種手続きのサポートに時に役立てるとのことです。

★取り組み2:罹災証明書未申請・要配慮者世帯への申請サポート

市は「生活サポート部会」の取り組みの一環として、一人暮らし75歳以上高齢者で、罹災証明書の申請がまだの人を抽出。このリストを地区の区長、民生、婦人会、老人会、公民館長などに見てもらい、被害がないor軽微な人、家族や地元対応可能な人を取捨選択し、最終的に残った人(おそらく地域でも把握・介入が難しい人)を部会メンバーで巡回、生活課題の把握と申請までの手続き支援を行っています。
サポート部会は、健康増進センターが音頭を取り、福祉課(障害、包括)同席のもと、石川県の精神保健福祉士会(PSW)・相談支援専門員協会がマンパワーの協力、RSYは全体の体制構築のサポートと現場でのOJTに関わっています。
6月6日(火)から2人1組、1日2~3チーム体制・12~13世帯を訪問開始。被害が集中する正院町では28世帯の未申請者を個別訪問し、16件の申請につながりました。市は、以降も他地区にも範囲を広げ、障害者、高齢者二人暮らし、シングルマザー世帯なども対象に入れたいと考えています。
6月8日(木)市、PSW会、相談支援専門員協会、RSYでオンラインミーティングを行った結果、対象想定数200世帯を6月末までに終了することを目指し、1日10名・5チーム体制で継続的に取り組むことが確認されました。マンパワーが不足した場合は、PSW会より、県のケアマネ協会や社会福祉士会にも協力要請を行っていくことで合意。最終的に残る長期支援ニーズについては、通常の福祉サービス・相談業務の中で、伴走支援を継続してくこととなりました。
訪問では、未申請者の他、認知症の進行や生活困窮者世帯、震災由来の生活環境の悪化で、深刻な福祉課題を抱えるケースも明るみになっています。活動にあたっている福祉専門職からは、「この活動は、震災がなければ気づけなかった従来からの福祉課題の発見にも役立っている」という声も聞かれており、聴く力・見る力・分析する力のある福祉専門職の関わりの頼もしさを改めて感じました。
※関連記事

6月7日(水)北国新聞朝刊

「罹災証明や支援制度 高齢者宅出向き説明 珠洲市、申請漏れ防ぐ」

★取り組み3:今後の生活再建を考える無料相談会(仮称)の企画サポート
正院町では、自治会が主催となり、弁護士による公的支援制度、家の専門家による修繕の考え方の解説に加え、市の各種手続き申請ブースや、足湯・カフェブース、健康相談ブースなどを併設したワンストップ型の出張相談会の開催に向けて準備を進めています。会場では食生活改善委員による軽食の提供もあり、できるだけ敷居の低い相談会の場となるよう、7月開催向け、RSYも運営のお手伝いをしていきます。

震災から3週間~1か月が経過する中で、一通りの片づけは進めたものの、心身共に疲れ果て途方に暮れている方も少なくありません。またボイラーや浴室の破損により、いまだ自宅のお風呂に入れない方もいます。この際小さな家に住み替えるため解体するか否か、修繕して住むにしてもその申請や業者との段取り、お金の問題など、決して簡単には解決できない現実に直面しています。

「もう何から手を付けてよいか分からない」「自分は歳やし、どうせもうすぐ死ぬんだから何もせんでこのままでええわ」などの戸惑いや諦めの言葉も多くなってきました。その一方で、ひとしきりボランティアと話終わった後、「胸につかえていたものが取れてすっきりした。聞いてくれてありがとう」という言葉もありました。

一人ひとりのつぶやきの中から、それぞれの暮らしの歴史や生活背景が垣間見えます。そこに丁寧に目を向けながら、痛みを分かちあい、一緒に悩み考えようとする「人の関わり」が、地域、外部共に必要であると切に思います。

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RSY・愛知県の大雨への対応(第3報)

みなさま
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6月7日、第2報であげた床上浸水の被害を受けたSさん・Mさん宅を再度訪問しました。以下、代表理事・栗田からの報告です。

Sさん宅は、おおよその片づけは終えられましたが、保険会社や修繕業者とも相次いで相談され、本格的なお店の再開にむけて、動き出されていました。「お金もかかるけど、何とか頑張ります」と気丈に話されていました。お店再開時には、おいしいパンを求めに、また出向きたいと思っています。

Mさん宅は、前回も「他人では残したいものがわからないからボランティアはいらない」と言われていたので、家電や床下などの家屋の修繕が得意な技術系NPOの「チームふじさん」藤野代表と、当方の看護師ボランティアの加藤さんの布陣で臨みました。

栗田の顔を見て開口一番、「あー、覚えとるよ」といいつつ、また来たかと顔に書いてありました。それでも、加藤さんが「何かお手伝いはありませんか」と尋ねたら、「今日はある」とのこと。浸水被害を逃れた家財や衣類、思い出の品々を何とか納屋の屋根部分に出した、しかし、明日からまた大雨の予想なので、単管パイプで棚を作って、その上にそれらの品々を乗せ、ブルーシートでくるんだら、雨がかからないので、そうしたいとのこと。

また、藤野さんが「電化製品はどうか」と尋ねたら、洗濯機と風呂の給湯器がダメになったとのこと。それでは見てみましょうと、早速車から小道具を取り出し、さながら分解マニアのごとく作業開始。

 

豊川稲荷で購入した名物の「いなり」で昼食も一緒に食べ、その際の会話で、Mさんの並々ならぬこれまでの苦労の連続をお聞きしました。長年のその努力があったから、逆に自分で何とかするという強い気持ちがあったのだと理解しました。

作業再開からすぐ、「洗濯機が動いた」と喜びの声。コインランドリーで時間もお金もかかっていたとのこと。その数時間後、「給湯器が直った」と再度の歓喜。この間、タオルで身体を拭くことしかできなかった、これで風呂に入れると。
件の棚も無事完成し、ブルーシートで「大切な品々」を覆うことができました。


満足そうな藤野さん、加藤さんとともに、笑顔があふれました。「この惨状に自分でもどうしようもない気持ちで怪訝な態度しかとれず、すまんかった。心から感謝している」。「明日の晩、夜勤の息子が帰ってきたら、喜ぶぞ」とも。

「またおせっかいに参ります」とMさん宅を後にし、豊橋市・豊橋市社協にその旨報告をして帰路につきました。

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RSY・愛知県の大雨への対応(第2報)

みなさま

RSY事務局です。

RSYは2日からの線状降水帯による大雨で被害のあった愛知県内の被災地へ栗田・浦野を派遣し、情報収集を行いました。以下、報告です。

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1.豊橋市

今回、市内在住のRSY会員・Oさんのご協力のもと市内を巡回した結果、下条西町や牛川町の豊川流域で床上40~50㎝の浸水被害を確認しました。このエリアは霞堤(かすみてい)のため、昔から浸水リスクが高く、それを知る旧住民や、親から町の歴史を受け継いで家を建てた方々は、盛り土でかさ上げするなどの水防対策を講じていました。しかし今回はそれを上回る程の水の深さで、道路からの浸水深は1mを超えています。

市の公式発表では「南松山町124(床下浸水)、他17件」となっていますが、RSYが上記地域を回った感触では、この地域以外にも浸水世帯はあり、いまだ被災世帯の全体数は明確になっていません。

<住民の声>

●ベーカリーを営むSさん(女性・30代)

「1年程前にオープンしたばかりだったから本当にショック。義父から新築するならかさ上げした方がよいと言われ、道路から1m以上かさ上げしたのに、店の入り口から40㎝も水が上がってきました。母屋はギリギリ床下浸水。トータルで140㎝ぐらいの深さになってるかな。店舗の中にも水が入って、オーブンや室外機、家財道具も被災しました。オーブンは今のところ何とか動くようなのでよかった。でも飲食店だから、どの程度の消毒をすればよいか分からなくて、とりあえず次亜塩素酸ナトリウムで作った消毒液を床に流して乾かしています。前の道に水没した車が何台か放置されていてとても困っています。ここでは人も亡くなっているし、これが渋滞の原因になっていて危険なんです。でも持ち主の確認がないと勝手に動かせないみたいで、市に連絡しても「手順がある」と。1日も早く営業を再開させたくてどうしたらよいか市にも相談したいのだけど、こちらから連絡しなければ何も動いてもらえない。うちの近くの人の方がもっとひどく浸水しているようなので、見に行ってあげて欲しいです。」

●息子と車中泊をするMさん(60代・男性)

「うちはこの辺りでも一番低い。地面から1mぐらいは水に浸かってて、床上は40~50㎝程ぐらい。2階は物置になっているから、生活は1階で全て賄ってきたけど、電化製品はほとんどダメになった。トイレやふろも使えない。仕方ないからトイレはコンビニで済ませて、夜は息子と各自の車で車中泊しているんだよ。眠れないし風呂にも入れてない。ボランティアに来てもらいたい気持ちがあるけど、大切なものとそうでないものとの仕分けもできていない状態で頼めない。土砂の片づけとは違うんだ。周囲から色々助言をもらうけど、そんなに簡単に早く決断したり頼んだりできないよ。片づけしなくちゃと分かっているけど、家の中を見るとどうしようもない状態でうんざり。とにかく作業が全然はかどらないんだ。遠方に住む娘が写真だけは撮れというので自分なりにとったけど、正しく撮れているのかも分からない。市役所に問い合わせたら、電化製品はリサイクル券を買わないと引き取ってくれないらしい…(途中涙が溢れる。スタッフが背中をさすると)…….もういいから、大丈夫だから、そっとしておいてほしい。(沈黙の後)これだけ沢山のゴミを捨てるのに金がかかるなんて。倉庫のものもほとんど水に浸かってるのに。」(その後市に確認したところ、公営住宅入居に向けて調整を図っていることが確認された)

他にも、会員からの情報では、泥まみれになった道路を地域総出で掃除したり、道路沿いの店舗の中古車屋や喫茶店などが床上浸水しており、「冷蔵庫や資機材全てが水に浸かり、片手に持てるぐらいのものしか使えるものが残っていない」というコメントも聞かれています。

その足で市社協訪問と共に、坂本真由美兵庫県立大学教授(全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD理事))と市災害対策本部を訪問。上記2件の個別ケースを報告すると共に、今後起こり得る課題の確認と、HP等でのこまめな情報発信・更新、水没車の撤去、災害廃棄物への柔軟な対応、災害救助法4号の早期適用(災害救助法の適用が無い場合、受けられる公的支援制度の幅は各段に狭まる)等の緊急性について意見交換をしました。

市は浸水地域を巡回し、罹災証明書申請の手順に関するチラシのポスティングを開始。7日(水)までにさらに地域を特定し、以降は10チーム編成で個別訪問する予定であることがわかりました。

また、豊橋市の避難所は、最大36カ所・111世帯(235名)が避難していましたが、6月2日7:30の時点では22世帯・40名、6月3日20:00をもって閉所となりました。災害ボランティアセンターは、今週中旬立ち上げを目途に市と社協で協議が進められています。

2.豊川市

豊川と並行して流れる豊川放水路流域で被害が見られています。市からの公式発表では、「床上浸水24棟、床下浸水不明、倒壊1棟」で、被害は市内に点在しています。

RSYは、常務理事・浦野の前職同僚からの情報提供を通じて、有料老人ホーム「光楽苑」を訪問。事務室、利用者個室他、床上10~20㎝程度の浸水被害に遭うも、法人職員60名体制で懸命な復旧作業に当たられていました。

<施設長の声>

「水害発生当日2日18:00頃から浸水がはじまりました。この施設は平屋の為、ご利用者様43名を施設長含め4~5人の男性職員らがおぶって、腰まで水につかりながら、隣接する2階建ての施設へ搬送し全員無事でした。中にはパニックになるご利用者様もいましたが、信頼関係のある職員からの声かけを重ねると、気持ちが落ち着きました。年2回、防災訓練でシミュレーションしていたのが功を奏したのだと思います。その後ベッドマットや車椅子、薬も運び入れ、簡易ベッド等も系列の施設等からかき集めることができたので、全員床に寝かせるなどは防げました。直後は断水・停電し、非常灯で過ごしましたが、日ごろから備蓄食料も水に浸からない場所に保管していたことが幸いしました。一部の方は法人内の受け入れ可能施設に連絡し移送しましたが、施設の復旧が思いのほか早く進んだので早く戻ってきてもらえそうです。ありがたいことに法人内で何とか対応できたので、今のところボランティア等の支援は必要ないかと思います。」

 

一方、豊川市社協は通常のボランティアセンターの活動として、被災者からのニーズ募集、ボランティア募集(市内限定)を行っています。また、豊川災害ボランティアコーディネーターの会の河合会長とお会いし、「社協と連携してボランティアセンターのチラシを持参しながら地域を回り、ニーズキャッチに務めたい」という言葉をお聞きしました。これまで10年来、「何かあった時には近隣市町で助け合おう!」と、あたためてきた三遠南信で活動するボランティア団体同士のつながり。その輪に入っている名古屋のボランティアも必要に応じ応援可能の旨をお伝えしました。現在はなごや防災ボラネットと連絡を取り合いながら、今後の対応について相談されています。RSYからは、震つな冊子「水害にあったときに」をお届けしました。

3.岡崎市

6月3日より「岡崎市災害ボランティア支援センター」が開設され、現在までに22件のニーズ対応に当たっています。当面はボランティアは公募せず、市社協の登録ボランティア200名に声をかけ対応する予定。支援センターの広報チラシを持参し、ボランティアが被災エリアを個別訪問しながらニーズキャッチも行っています。

市の公式発表では、床上浸水6棟、床下浸水50棟(保母町・丸山町に集中)とされていますが、ボラセンスタッフによれば、床上は十数件、床下もそれ以上あると見込んでいるとのこと。

RSYは市からの要請で「水害にあったときに」等を提供すると共に、ボランティア活動資器材の要請も頂いたため、本日(6月5日)ハイエースでRSY事務局長・浜田と秀島がお届けする予定です。

4.RSY今後の活動について

RSYは、栗田を中心に、防災のための愛知県ボランティア連絡会と随時情報を共有しつつ、災害ボランティアセンターの運営サポートをはじめ、資器材貸出や個別支援への対応など、愛知のネットワークや技術系NPOの皆さんとの連携をふまえ検討していきます。

浦野は、なごや防災ボラネットメンバーらと共に、石川県珠洲市への支援継続のため本日出発しました。

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RSY活動支援募金にご協力ください!
(随時受付中)
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この支援金は、スタッフの現地派遣や情報発信、被災者への生活支援プログラ
ムのために活用致します。

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RSY・愛知県の大雨への対応

みなさま
 
お世話になります。RSY事務局です。
2日午後から、愛知県内でも線状降水帯の影響による被害が各地で発生しています。被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
 
RSYは明日、愛知県内の被害状況の確認や情報収集のため、先遣隊とし栗田・浦野を派遣することとなりました。
特に被害の集中が心配される豊橋市や岡崎市等を中心に、市や社会福祉協議会のルートを通じて訪問する予定です。
一部の地域では既に災害VCが立ち上がり、市内のボランティアを中心に支援活動が始まりつつあるようです。
今後は、現地の状況や要望に合わせて、震つな冊子「被災したときに」等のお役立ちツールや、災害ボランティア活動資器材の提供等を検討していきます。

【お知らせ】本日(6月2日)は台風の影響でRSY名古屋事務所を16時で閉所します

皆様

お世話になります。RSY事務局です。

台風2号の影響により、愛知県でも各地で大雨や洪水警報が発令されています。
スタッフの安全を考え、本日は事務所を16:00で閉所させていただきます。
ご迷惑をおかけいたしますが、ご了承ください。

皆様も、今後の台風・大雨情報に十分ご注意の上、早めの安全行動に努めて下さい。
なお、万が一、災害が発生した場合は、可能な限り早期に対応する所存です。

 

※参考:災害発生危険度を確認するお役立ちサイト
★気象庁・キキクル
https://www.jma.go.jp/bosai/risk/
★国土交通省・川の防災情報
https://www.river.go.jp/index

RSY石川県珠洲市への支援について(第6報)

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。

RSYは、5月5日に震度6強の揺れを観測した石川県珠洲市へ支援を継続しています。5月23日(火)~26日(金)にかけて第3陣として、浦野・林・松井・稲垣(RSY)、椿さん、山口さん(なごや防災ボラネット)の6名を派遣しました。第4陣は、明日、5月29日(月)~6月1日(木)までで4名の派遣予定です。

以下、常務理事・浦野から第3陣の活動報告です。

※私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成のご協力を頂いています。

<RSYの活動>

1.これまでの派遣実績

・第1陣:5月7日(日)~5月11日(木)/浦野・松井(RSY)

・第2陣:5月15日(月)~5月19日(金)/浦野・栗田(16日のみ)・稲垣(RSY)

・第3陣:5月23日(月)~26日(金)/浦野・林・松井・稲垣(RSY)、椿・山口さん(なごや防災ボラネット)

 

2.活動内容

①珠洲市災害VCへの協力

・現在までに災害VCに寄せられたニーズ件数は450件超。うち半数以上は屋根のブルーシート案件で、ピースボート災害支援センター(PBV)コーディネートのもと、複数の団体が毎日活動しています。

・RSYは市社協からの要請を受け、なごや防災ボラネットと共に、市から提供されたニーズ受付票に基いた現地調査に協力。また、ニーズの上がりが少ない「直(ただ)地区」にローラー作戦でボラセンのチラシのお届けと状況把握を行っています。

・直地区は、被害の集中する正院地区に隣接しており、約150世帯で構成。3日間活動し、訪問件数95件、在宅42件、不在42件、空き家11件でした。

<住民の声>

・一部土台が割れたり壁に隙間が空いたりしている。玄関のサッシが歪んで鍵がかからないの。大工さんに依頼はしているけど、いつ来るか分からない。夫は週3回デイサービスに通っていて、サービスはいつも通り受けられているし、今の生活は震災前とあまり変わらないでです。罹災証明書は知り合いに記入してもらったけど、写真撮影や現像、間取り図が書けないのでまだ申請できていない。(提出を促すと)すぐに市役所に連絡してみる。(82歳・男性・妻と同居)

・2階の壁が1枚割れて、壁の隙間が目立つ。私は4年前から目が見えなくなって、デイサービスを利用中。今の生活は震災前とあまり変わってない。罹災証明書はまだ出していない。(提出を促すと)私は目が不自由なので、妻(80代)に市役所へ電話させます。(88歳・男性)

・家全体が海の方に傾いているんです。壁にはひびが沢山入っているし、廊下の板がずれ、土台にひびも入ってる。罹災証明書なんて知らない。金曜日に息子が来るから相談してみます。でも、余震や雨が続いたらこの家はどうなってしまうの?何から手を付けていいのやら分かりません。(84歳・女性)

・1、2階共に壁のひびや剥がれがあって、2階は地震の後から全く手を付けずにそのままです。足が悪くて急な階段は上れないし、家族も「見るな」って。片づけの時に出たゴミが10袋ぐらいあるけど、自分たちで集積所まで持っていけないから、玄関に並べたまんま。どうしたらいい?自宅は黄紙(要注意)、土蔵は赤紙(危険)でした。風呂、トイレ、洗面所は問題ないけど、土蔵が倒れそうで。。罹災証明書は申請しました。(83歳・男性)

・家が海に向かって傾いていて、壁に無数のひびが入っているんです。玄関の壁は落ちたけど、また余震があるかも知れないから修繕は見送ってます。罹災証明書は知っているけどまだ申請していません。お金がないので、修繕ができるか不安です。(60代・男性・一人暮らし)

・息子から「知らない人は入れるな」って言われてるけど、家の様子を見て欲しいの。壁のひびや落下が目につくでしょう?トイレは使えるけどタイルがはがれて危ないのよ。無防備な状態で崩れてきたらと思うと怖い。(80代・女性)

・一人で少しずつ片づけてます。また揺れることもあるかも知れないから、ゆっくり1年ぐらいかけて片づけるつもりで。家は黄紙判定でした。罹災証明書は申し込みました。(70代・女性・一人暮らし)

②珠洲市民生委員児童委員協議会(民児協)への協力

珠洲市社協からの要請で、5月16日に開催された珠洲市民児協理事会(市社協事務局)に緊急同席。RSY代表理事・栗田より、避難生活の長期化による災害関連死や心身の深刻な健康被害に関する懸念と共に、災害ボランティア支援プロジェクト会議(支援P)の取り組みとして、被災者へのお見舞い品「うるうるパック」を活用した個別訪問や見守り事例を紹介しました。結果、10地区での活用が決定。RSYは、事業担当スタッフの林を中心に、荷物受け入れ場所の確保、各地区の民生会長への数と受け渡し方法の確認、荷物の運搬、訪問時の同行を行いました。

 

今回パック化作業にご協力を頂いたボランティアの皆様、地元民生委員さんを通じて、無事に被災された方々のお手元に届けることができました。本当にありがとうございました。

<住民の声(正院町)>

・ちょうど地震の時、離れにいたの。電気のヒューズが飛んでしまっのか3日間停電・断水しました。懐中電灯があってよかった。トイレも使えないから、夜中でも行きたくなったら車で近くのコンビニまで走ってしのぎました。でもなぜか母屋は停電していなかったみたいで、あの時から今(26日現在)もずっと2階の電気がつきっぱなしになってるの。それが気になってねぇ。でも階段も落ちちゃったから上がりようがないの。地震の揺れでずたずたに割かれた障子の隙間から漏れる明かりを見てると寂しい気持ちになってね。子どもが設備屋なので仮にトイレは直してもらったけど、壁は落ちてるしゆっくりは用も足せません。(80代・女性・一人暮らし)

・(民生委員より「一人暮らしだと分かっていたから、揺れが収まってからすぐに駆け付けたけど足の踏み場もなかった。何とか中に入ったけど不在だと分かって。あとから公民館に避難したと聞いてホッとしたのよ」)そうそう。そうだった。なんだかなんにも覚えてないのよね。今も怖いからずっとこたつで寝てるの。30年前の地震より傷み方がひどいと思う。壁が落ちて片づけるのに10袋もゴミが出た。土蔵が倒壊しそうで怖いです。(80代・女性・一人暮らし)

・玄関前や基礎に無数の亀裂が入っているの、分かるでしょ?家に上がってぜひ見て行って。私のところはなぜか応急危険度判定の紙がついてないの。両脇のお家にはついているのに。こんなにひどい被害なのになんだか置き去りにされたようでとても憤っています。とにかく雨漏りがひどかったから、漬物樽を3つぐらい置いて。一杯になる前に水を捨てるという作業を3日3晩繰り返しました。直後はじーちゃんとずっと震えてた。うちは海辺に立ってるから、海風の影響をもろに受ける。台風も直撃するし災害には散々泣かされてきました。雨漏りと建具については、大工さんが応急処置をしてくれました。天理教・ひのきしん隊の人もブルーシートをかけてくれた。こんなひどい状況なのに、夫は「どこにも行きたくない」の一点ばり。だから泣く泣く娘の「うちにおいで」という申し出も断りました。お金があれば、家をつぶして建て直すけど、そんなお金ないし、これからどうすればいいの?(こらえきれず涙が溢れる)それに、だんだん家が傾いてきているから、隣の空き家に倒れかけたら迷惑をかけることになる。それが気に病んでしかたない。罹災証明書は議員さんに協力してもらって提出しましたが、調査はまだ来てません。でもこんな風に聞いてもらえてよかった。現実を誰かに見てもらえるだけでも助けられた気持ちになる。ありがとうね。(80代・女性・夫と2人暮らし)

・基礎はズタズタ、家もぐちゃぐちゃ。雨漏りもあるし、スロープも壊れて車いすの母(93歳)はショートステイに預けています。夫は疲れが出たのか帯状疱疹になりました。直後は断水でトイレも使えなかったので、公民館に1日、その後小学校に3~4日滞在しました。小学校では体育用のマットを貸してもらっていましたが、その後ダインボールのベッドをもらえたのでありがたかった。中学生の孫は揺れのショックから、避難所でも顔色が悪く物静かになって。怖かったんだろうと思います。今は大分元気になりました。でもこんな風にお話するだけで気持ちって変わるんですね。民生委員さんにもいつも気にかけてもらって心丈夫です。(80代・女性・家族と同居)

・じーちゃんさっき、畑で転んじゃって。疲れてるのかね。不思議なんだけど地震で障子紙が全部縦に割かれちゃったの。震災前はこんな風になってなかったのよ。今お風呂のタイルがひび割れちゃって、シャワーだけで済ませてる。怖くて使えないよ。大工さんに頼んでるけどいつになるやらわからない。あちこち壁が落ちて、どこまで直せるのやら。このままの状態で住み続けるしかないのかねぇ。(80代・女性・夫と同居)

※注意)掲載写真は必ずしも住民の声と連動している訳ではありません。

<民生委員からのコメント>

●自分の家が他と比べてどの程度の被害なのか分からず、「うちだけなのだろうか….」という取り残され感が強い。
●2階の階段が落下したり、もともと急すぎて上がれない、普段使っていないから、などの理由で2階の部屋は手つかず、見にも行けないの世帯が少なくない。心の苛立ちや先の見通しのつかない不安感を、畑や田んぼの仕事で紛らわしているように見える。
●「しゃべるだけで気持ちがすっきりする」という声多数。「話を聴き、安心させてあげられる人」が必要。
●災害による家族機能の低下(高齢夫婦で妻が体調不良となり夫が家事するケースなど)や浴槽破損世帯については、食事と入浴の支援の継続が必要なのではないか。
●応急修理でどこまで直せるか、解体しなければならないのか、災害廃棄物はいつまで捨てられるのか、正確な情報や手続きの仕方もよく分からないので、説明しきれないことがもどかしい。

総じて、心の内を聞いてくれたり、大変な状況へ共感してくれる人の存在が心の支えになっている。また、手続きが自分でできないケースもあり、自分は代行支援をしているが、他の地区にも同様の困りごとがあると思う。

③市主催「今後の保健福祉活動に関する会議」への出席

5月24日(水)、健康増進センターからの呼びかけで「能登半島沖地震による珠洲市の今後の保健福祉活動について」と題した会議が開催され、市福祉課、能登北部保所、県精神保健福祉士(PSW)協会、RSYに招集がかかりました。当方への期待は、「過去の災害支援経験からこれからのフェーズで生じる課題と対応事例を教えて欲しい」というものです。その際に全体で協議された内容は以下の通りです。

課題1:罹災証明書の早期申請
災害VCの現地調査やローラー作戦、保健師、民生委員等による個別訪問が実施されていますが、未申請世帯が少なくないことが判明しています。理由は、

・罹災証明書の存在を知らない
・申請に必要な書類を取り寄せられない(役所に取りに行くかダウンロード)
・自分の家の被害が申請対象になるのか分からない
・申請後のメリットが分からないので意識が向かない
・申請書類を全て準備できない(写真撮影・現像・家の見取り図の添付必要)
・市役所への移動手段がない、疲れてそれどころじゃない
・一連のことを頼める家族や身近な人がいない
・一連のことが良く分からず既に修繕や片づけを済ませてしまった

課題2:家の修繕
・保険加入の有無(地震、共済、家財等)
・応急修理制度の申請・活用
・リバースモーゲージ型融資等の活用等
・制度内で修繕が済まない困窮世帯への対応(民間による支援がどこまでできるか)
→罹災証明書申請後の次のステップとなるが、罹災証明書の申請時に一気に説明しても理解できないと思うので、連続的な伴走支援が必要。

課題3:時差によっておこるボランティアニーズへの対応
・ボランティアの確保、災害廃棄物廃棄の期限延長等
→家族への遠慮や気兼ね、2階に上れない(階段の破損、高齢による足腰の問題、余震時の恐怖感など)で、2階部分が手つかずになっている世帯が一部あり。また、空き家が多く全く手つかず、公費解体が認められた場合など、時差でニーズが急増する可能性が高い。

課題4:仮設住宅、公営住宅入居者への生活支援
・入居サポート、地域支え合いセンターの設置(未定)
→市は16戸(3か所に分散)の建設を検討中。普段大きな家に住んでいるため、物理的環境に問題が多い仮設での生活には、環境改善や見守り等の継続支援が必須。支え合いセンターは在宅避難者も対象になるため、市は国の「被災者見守り・相談支援等事業」適応を目指して検討を始めている。仮設の完成は6月中旬の見込み。

課題5:孤立防止、心身の健康確認、居場所づくりなどの継続
→地元の保健師や社協、自治会、民生委員、ボランティア等による活動を期待。

以上の点を含め、明日からの派遣では、引き続きローラー作戦を継続すると共に、災証明書の早期申請を重点課題とし、相談会や個別訪問による伴走支援の体制づくりに向けた市への相談・運用サポートを行っていきたいと思います。

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RSY石川県珠洲市への支援について(第5報)

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。

5月15日(月)より珠洲市に派遣していたスタッフ2名は、本日名古屋に戻り、来週3度目の現地入りに向け準備を進めています。以下、常務理事・浦野からの報告です。

※私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成のご協力を頂いています。

<RSYの活動>

1.うたごえ喫茶への参加

飯田町在住の音楽講師・Tさんと、Sさんが中心となり運営されている「うたごえ喫茶サポートクラブ」は、合唱とおしゃべりを通じた健康づくりを目的に、月に1回「うたごえ喫茶」を開催しています。今回の災害で、メンバーも多く被災しましたが、「少人数の参加でもいい。歌で元気を取り戻そう」と、5月18日(木)13時半から予定通り開催されました。

合唱後のおしゃべりタイムでいつも珈琲を注文している喫茶店が、震災の影響でお休みということを聞き、ささやかながら、RSYスタッフが淹れたて珈琲と名古屋のお菓子の差し入れをしました。

参加者は、70代~90代までの高齢者・男女15名。予想を反して沢山の方々が来場し、手を取り合って再会を喜ぶ姿や、お家の被害状況や健康などについて情報交換したり、心配し合う様子が印象的でした。

Sさんの「今みんなとても大変な時期だけど、お歌を歌って楽しんで、さっぱりした気持ちで帰りましょうね!」という声かけに、皆さんは大きくうなずかれていました。その後、Tさんのエレクトーン伴奏で合唱がスタート。

親しい友人の顔を見てホッとし、大好きな歌を通じて少し自分を取り戻し、明日からまた頑張ろうという気持ちを支える場所。「うたごえ喫茶」のような場所が、これからの生活再建において、とても重要な役割を果たすことになるのだろうと肌で感じた1時間でした。

 

2.災害ボランティアセンターのサポート

現在災害ボランティアセンターには約340件のニーズが寄せられており、約70件が完了しています。現地調査が必要な世帯はあと130件程残っているため、人員確保が大きな課題となっていました。19日午前中、ボラセンからのお声がけを頂き、ボランティア派遣前の現地調査のお手伝いをしました。

<住民の声>

・飯田地区に住んでます。地震では建具が外れたり、食器棚の中がぐちゃぐちゃになったけど、正院町の方と比べればそれも大したことない。だから元気出さなくちゃどうするってね。笑っても1日、泣いても1日なんだもの。どうせなら笑って過ごさなくちゃ。(70代・女性)

・若山地区に住んでます。今は閉店してるけど、以前は事業をやってました。でも今回の震災で、瓦はずれるわ、トイレの水道管は破裂するわ、大きな被害を受けて、次に大きな地震が来たらつぶれると思って解体することに決めました。母屋の方も給湯器が壊れたりしたから、遠方の娘の家にお世話になったけど、3日ともたなかった。決して仲が悪い親子じゃないんだけど、だんだんギクシャクしてきたから、同居は無理だと思って珠洲に戻ったの。屋根は業者に、とにかく早く来て!お願いしたから、ブルーシート貼ってもらった。お店もいつかは処分しなくちゃならないと思っていたから、この際と考えて、残っていた商品も全部捨てました。半分泣きながら。でもここに来て、みんなの顔みて、好きな歌うたって心あっさり。今日来れてよかったって思います。(70代・女性)

・あの揺れは本当に怖かった。うちの被害は大したことなかったけど、主人が亡くなって今は一人だったから、ブルブル震えながら部屋の隅でじっとしていたの。思わず、「お父さん、助けて!どうしようっ」と叫んでしまった。(70代・女性)

・地盤沈下して、床が下がったことにより、ふすまなどの建具がびくとも開かなくなってしまいました。柱も斜めになってて。これはどこまで直せるんだろうね。。また地震が来て1階が崩れると危ないから2階で寝た方がいいっていうけど、すぐに出られないのが怖いから、1階の玄関の一番近い部屋で寝てるの。1階でも怖い、2階でも怖い。ちゃんと寝ているつもりでもいつも不安だから、身体が休まっていないのかもしれないですね。この間罹災証明書の書類をもらってきたけど、被害認定のところが良く分からなくて書けないんです。写真も現像して持ってきて来て下さいと言われるけど、スマホからどうやってデータを取り出せばいいか分からない。よく分からないからもういいやって思ってたところでした。(スタッフより手続きや公的支援について説明)(正院町・70代・男性)

 

RSYは、来週火曜日より再度現地入りし、うるうるパック配布のサポートと、福祉課や健康増進センターと共に、要支援者への対応や、仮設住宅の入居準備、困窮者世帯等への対応に関する検討を行う予定です。

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RSY石川県珠洲市への支援について(第4報)

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。

RSYは5月15日(月)より、珠洲市に常務理事・浦野を含むスタッフ2名を再び派遣し活動に当たっています。16日は代表理事・栗田も現地入りし、市社協や地元のキーパーソンの方々と現状や地域の復興に関する想いなどをお聞きしました。以下、浦野からの報告です。

※私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成のご協力を頂いています。


<珠洲市の被害の概要>(石川県18日発表資料)
死者1名、負傷者42名、全壊18、半壊27、一部損壊704

※罹災証明書申し込み数:約360件(5月15日現在・福祉課確認)

11日より能登北部(能登町・輪島市・穴水町)を中心に、災害ボランティアセンター一般ボランティアの受け入れ実施中。現在約340件のニーズが上がっており順次対応中。ニーズ受付の窓口は市で、その後災害VCに情報が提供される仕組み。ボランティア派遣前の実態調査要員の不足が課題。

<5月19日朝、珠洲市保健医療福祉調整本部報告より>

・避難所1か所(合計6名滞在)。福祉課の調整のもと県営住宅等の住まい提供を行いほぼ今後の住居先が確定。必要に応じて避難所で使用した段ボールベッドや寝具等は提供可能だが、家電等生活必需品は自己調達のためサポートが必要。

・正院小学校に設置された避難所は20日午前8時をもって閉所。入浴支援や、市栄養士と食生活改善委員による炊き出しも終了。19日をもって「保健医療福祉調整本部・生活サポート部会」も縮小。

・保健・看護・医療の専門チームが、75歳以上の独居高齢者・高齢者世帯、障がい者世帯(聴覚・単身者)、応急危険度判定で「赤:危険」のうち在宅避難継続中の約10件を個別訪問。17日までに1,218世帯の巡回完了(不在517世帯)。うち、継続的な支援が必要な要支援世帯は66件(メンタル面と体調不良に問題を抱える世帯は半々)。県から心のケアチームを派遣中。

県外からの専門職派遣は一旦終了し、今後は地元保健師による要支援者への訪問、電話での状況確認を継続。また、独居・高齢者世帯以外でも、体調不良に関する相談が増加。家族が緊急入院となり、96歳の高齢者が一人で生活しているケースが近所からの通報で発見されるなど、被災による家族機能の低下で、生活支援が必要なケースが増えてきている。

<RSYの活動>
1.民生委員・児童委員による個別訪問のサポート
16日に開催された、珠洲市民生委員児童委員協議会(以下、民児協)理事会(事務局・珠洲市社協)に、市社協の呼びかけのもと栗田・浦野も参加。来週から「うるうるパック」を活用した高齢者世帯への再訪問を行うことが決まりました。保健師等による市の訪問調査で不在だった方のフォローや、時間が経って状況変化がみられる方の早期発見のきっかけ、顔見知りが顔を見せることの安心感の創出などに役立てられます。

児協会長からは、「皆さん余震も多くとても不安な上、疲れ切っている。これから先も心配。実際の被害の大小はあるが、市民全員が怖い思いをしている。何度でも訪問すればいいのではないか」という言葉もあり、全地区の民生委員による高齢者宅の再訪問が決まりました。
ある民生委員からは、「奥さんが震災後の疲れで体調を崩し、ご主人が奥さんの看病に当たっているケースもあった。また、移動手段がなく避難所で炊き出しをやっていても取りに来られない方もいる。足の無い人は私が車に乗せて連れていったり、取りに来られない人には届けたりした。田んぼの時期とも重なっていて、家の片づけや日常的な家事などとの同時進行は大変。食事提供もとても喜ばれると思う」というコメントもありました。
RSYは「災害ボランティア活動支援プロジェクト会議(支援P)」の活動の一環として、来週までに900セットの「うるうるパック」をお届けし、滞りなく民児協の活動につなげられるよう準備を進めています。
2.地元企業やボランティア団体の訪問
珠洲市に家族や知り合いのあるRSYの関係者からの紹介を受け、平時から地域の文化保全や活性化に熱心に取り組まれている地元の企業やボランティア団体を訪問しました。中には被災により大きなダメージを受けながらも、必死に今後の対応策を模索しているケースもあり、今後どのように応援できるか私たちも検討を重ねています。
<みなさんの声>
・三崎町で親子2代で製材所を運営しています。2007年の能登半島地震ではとても揺れましたが、今回製材所のある周辺地域は幸いにも大きな被害はありませんでした。海岸から続く岩場を見てもわかる通り、岩盤が陸地にも続いて地盤が強いのだと思います。しかし、他の地域の方に目を向けると、皆さんの笑顔が圧倒的に少なくなっていることが気になります。心が疲れ、気持ちが落ち込む今だからこそ、自然に沸き起こる「笑い」が必要だと感じるのです。小さくとも、珠洲でもそんな場を作る企画が考えられないかと模索中です。また、家屋修繕等で木材が必要な時があれば可能な限り提供するので、お声がけ下さい。(現在、屋根のブルーシート張りを行っている技術系NPOらに繋ぎ、修繕時に使用する木材提供について快諾を頂きました)
★新出製材所
https://www.shindesawmill.com/

・日置町で炭焼きをやってます。炭は海外でも、生物多様性やCO2削減に向けた価値を認められていますが、職人の確保が難しく、原材料の木が育つまでに8年かかるので大量生産はできません。現在は、茶道で使う炭を扱うことが多くなっています。しかし今回の地震で、3基の炭焼き窯に亀裂が入り、焼くことができなくなってしまいました。また、工場には多数の地割れがあり、もともと地すべり地帯のため、さらに危険リスクが高まっています。いずれにしても、事業再開には多額の費用が必要になるため、このまま経営を続けられるか分かりません。

菊の文様のように美しい木炭。作業場被災のため、今は新規の受注・製造ができなくなってしまった。

私は生まれも育ちもこの土地で、父と共に、炭焼きの存在意義を問い続けてきました。この集落は21世帯あり、うち11世帯が一人暮らしの高齢者です。新聞配達や簡易水道の管理をする中で、高齢者の安否確認や見守りも行っています。いわば、ここが集落の中心的な存在なので、何があってもこの土地を離れるわけにはいかないと思っています。でもこういう時だからこそ「助けて」と言える社会でなければ。自分だけで生きているのではないという自覚があれば、助けてともいえるし、困っている人にも手を差し伸べられると思う。循環や持続可能という言葉の核は「命をつなぐ」こと。七尾市炭工房から300年前の炭火を譲り受け、震災後も絶やさず守り続けています。今回の震災は、人と人とのつながりや、社会と個人との関係性について改めて考えさせられるものでした。

★大野製炭工場

https://www.city.suzu.lg.jp/site/kankou/1833.html
(公式HPは一時停止中)

作業場や敷地内のあちこちで見られる地割れ。大雨や余震などで地滑りが起きれば倒壊の危険もある。

全て手作りの炭焼き窯だが、修繕費の捻出や職人不足に頭を悩ます。

七尾市から受け継いだ炭火を、震災後も朝夕と欠かさず継ぎ足し灯し続けている。

 

・飯田町在住で、毎月1回、市役所前のわくわく広場でうたごえ喫茶をしています。もう10年続いています。いつも20名ほどが参加し、クリスマス会などは40名ほどいらっしゃるときもあります。私の家も、土壁や天井が落ちたりして大変でした。これまではコロナの影響で中断していて、ようやく再開できると思ったらこの地震。みんな大変だから今月も見送ろうかという声もありましたが、小数人でもよいからやろう!ということで、5月18日の開催が決まりました。いつもは、近くの喫茶店からコーヒーを注文して、歌が終わった後30分程雑談して帰るのが皆さんの楽しみ。でも今回は地震の影響で喫茶店がお休みなのでそれができないんです。それでも震災でたまった疲れやストレスが少しでも癒されて、久しぶりの仲間と顔を合わせられる機会になればと思います。(エレクトーン奏者・Tさん)

※第5報は、昨日実施された「うたごえ喫茶」の様子や住民の方々の声を中心にお届けします。
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