【報告】第4回あったかごはん食堂を開催しました!

みなさま

RSY事務局です。

12月24日クリスマスのこの日、第4回あったかごはん食堂を開催しました。このプロジェクトは食の提供を通じて、日常の中でも災害時でも、心身の健康を守りながら、困りごとや孤立・孤独感を抱える方々のニーズキャッチや居場所を整えるために動ける人づくりを目的としています。

当日は、RSY会員や大学生、コープあいちの職員の方々など10名がボランティアにお申し出下さり、スタッフ合わせて総勢12名で取り組みました。

メインメニューは白菜と大根をメインとした冬野菜のカレー、副菜にはポテトサラダ。これまでの食堂では50~60食程度が常でしたが、今回は170食を作ります。

お届け先は「NPO法人名古屋市里親会こどもピース」さんが主催するクリスマス会。この団体は、様々な事情を抱え親元で暮らすことが困難な子どもたちを、里親登録しているご家庭につなぐことをメインに、里親ファミリーの絆を深められる場づくりなどにも取り組んでいます。拠点は私たちの事務所がある東区。ご近所のおせっかいおばさんのような気持ちでお手伝いさせて頂きました。

被災地での炊き出し本番さながらの臨場感の中で、予定時間までに安全においしい食を届けるには、知識や技術、下準備が重要です。ガス窯や炊き出し窯の使い方、水加減、調理スペースの効率的な動線や衛生面での安全対策などを、コアメンバーと改めて再確。「こんな確認票や手順書があるといいんじゃない?」「器はできるだけプラを使いたくないけど高いよね。。。」など、様々な意見が出ました。最後は「とにかくやってみなくちゃ分からない、チームワークが何より大事。練習あるのみだね!」という意見で全員一致しました。

反省点は多々ありながらもなんとか会場にお届けすることができました。

会場には里親ファミリーの笑顔が溢れ、終始楽しそうな雰囲気。最後のプレゼントにお食事を手渡しさせて頂きました。

ささやかながら、里親ファミリーの楽しい思い出づくりのお手伝いができたことを嬉しく思います。また同じ地域で活動するNPOさんとの新しい繋がりを、今後も大切にしていきたいと思います。

最後に、こどもピースの奥田代表からメッセージを頂きましたのでご紹介します。

年の瀬押し迫る中、たくさんのスタッフさんがカレーを届けてくださいました。クリスマス会に参加した里親家庭総勢150食分!カレーはみんなが好きなメニューなので大喜びです。それぞれ家庭ごとに持ち帰り「美味しかったよー!」「家族みんなで一緒に食べられてうれしい」と感想が寄せられました。これは非常時でも食べられるメニューなんですよね。こんなに美味しいものが災害時に食べれるのは大変ありがたいことです。

里親会では毎年、いざというときの備えのために防災キャンプを行ってきました。カレー作りや飯盒炊飯等、防災を通じて子どもたちが一緒に作ったものを一緒に食べるのは楽しいもの。今後、レスキューストックヤードのみなさんにいろいろなアイデアや知恵を教えていただけると嬉しいです。このたびは本当にありがとうございました。

★NPO法人名古屋市里親会こどもピース
https://nagoya-satooya.com/
※随時寄付金や会員、ボランティアも募集中!ぜひご協力をお願い致します。

 

【年末年始休業のお知らせ】認定NPO法人レスキューストックヤード

レスキューストックヤード事務局です。
本年も、多方面にわたり本当にお世話になりました。
みなさまにとって、来る年が佳き年となりますよう、祈念しております。
来年も、どうぞよろしくお願いいたします。
さて、下記の日程で年末年始休業させていただきます。
ご不便をおかけいたしますが、ご了承ください。

名古屋事務所(ふくしま支援室共):

12月28日(木) ~ 1月4日(木) 

★1月5日(金)より、通常通りです。

【報告】石川県小松市「中海お茶っこサロン」(2022年8月水害・第10報)

みなさま

RSY事務局です。

RSYは昨年度より、2022年8月3日からの大雨で被災した石川県小松市中海町・中ノ峠町の皆様と交流を続けてまいりました。

水害当初、地元の女性たちと共に始めた「あったかごはん食堂」が、北陸学院大学や被災地NGO恊働センターとの協働を経て地域サロンに発展。女性たちから「被災している、していないに関わらず集える場を地域の人たちが求めていることがわかったから、これからは自分たちで運営できるようになりたい!」という声が聞かれました。そこで、11月15日~16日にかけてRSY第10陣としてRSYスタッフ・ボランティアを派遣し、サロン中のカフェや足湯、健康相談のお手伝いをしました。

また他にも、活動を通じて訪問を重ねていた3世帯へのお宅への個別訪問や、山間部の中ノ峠地区の復興状況の視察、住民の方からお話を伺いました。

以下、RSYスタッフ・稲垣、ボランティアの椿さん、RSY看護チームの藤井さんからの報告です。

1 中海お茶っこサロン
サロンは中海公民館で11月16日の午前10時30分から午後1時まで開催し、24名の方がおみえになり賑わいました。

あたたかい飲み物を提供するカフェ、ほっと一息つける足湯、血圧を測ったり健康不安についての相談コーナー、そしてフリースペースを設置しました。

カフェでは、事前に準備していた手作りのホールケーキを食べやすい大きさにカットしてカップケーキがいっぱいできました。これを淹れたてのコーヒーと一緒に提供です。

足湯コーナーは
ほっと一息、あたたかーい~ きもちいい~

健康相談では
あれっ?血圧高いー! どうしましょう…サロンの会話の中で、血圧の話題となり血圧計で測定、誰が高いとか低いとかで盛り上がっていました。

自分で測定ができる様に自動血圧計を設置して、冬季となっても水分摂取が大事であることをピーアールする目的でポスターを提示しました。

そしてフリースペースで井戸端会議
息子がねぇ…うちの旦那が…卵が高くてねぇ・・
など話題もいろいろ。
和やかでまったりした時間を過ごしました。

★住民の声
〇70歳代:女性
74 歳になっても 仕事に行っとう、2時から8時 週1回だったのが2回になった、体にこたえる。鹿児島の 息子が招待してくれて、孫と二人で遊びに行って贅沢させてもらった。 孫が小学校に上がるのでお祝いにパッチワークをプレゼントしたから肩が凝ってる。 おっちゃんのお食事は準備して持って行ったり世話はしとうよ。
こうなん(サロン)するなら午前にやって、午後は仕事に行かなんからなぁ。

〇70歳代 女性
両足に静脈瘤の手術をしたから、時々自分で足湯をするの。ここまで(ふくらはぎ)湯を入れとるよ。腰も痛い、圧迫骨折したから…。
2 個別訪問

以前から何度か訪問を重ねていた3世帯のお宅を訪問しました。
最初のお宅は、出かける直前であったため、挨拶程度の声かけになってしまいましたが顔色も良く、動作も軽やかで安心しました。

次のお宅は「おー、あの時の。元気にしとる、運動に週1回通っている」と受け入れてくださり、スッキリと片付けされた玄関に大輪の菊の鉢が複数置かれ、お顔も動作も以前お会いした時と変わりがなく元気でした。

最後のお宅は、浸水後片づけた離れで暮らし、小屋には農具が置かれ、畑仕事をされていて「ボランティアさんにお世話になって、きれいにしたけど、息子夫婦がここまで浸かる所は住めんと言って、隣町に住んどる。建てて間がないのにね。」と水害によって暮らしが大きく変わったことが伝わってきました。

<ボランティアの感想:中海地区>
梯川の中海小学校の辺りは重機が入り、河川工事が進んでいました。中海町を歩いても新しくなっている部分・水害のままの部分が混在していて、被災した方の中でも環境も気持ちも落ち着いた方、環境の変化が大きく気持ちの整理がつかない方と、それぞれの復興の道のりに違いがあることを感じました。

サロンでは水害に関する話はほとんど出ません。しかし個別にお話を聞いていくとそれぞれの想いや暮らしの様相は様々。今回皆さんとの関わりを通じて「いつまでも昨年の水害を意識したままではいられない」という想いは感じつつも、まだ水害の話題を気兼ねなく吐露できる機会は今後も大事ではないかと感じました。

健康相談では、血圧測定や相談だけでなく健康上で気を付けて欲しい事を即席の小さなポスターで提示をしてみました。今後も災害の経過時期や状況を考慮しながら健康に興味を持って頂けるようアピールしていければと思います。

3 中ノ峠地区
中ノ峠地区の中を川沿いに走る一本しかない道は、通行止めとなっていました。
徒歩で地区に入ると、大規模な工事が進められ、何軒か訪問しましたが不在でお会いできませんでした。

あとでわかりましたが、工事の騒音があるので工事が始まると皆さんどこかへ出かけるそうです。氾濫した川沿いに奥へ進むと最初は電気工事、

その奥は護岸工事が行われていました。

崩れた山の斜面も復旧工事が進みました。

※奥の法面が土砂が崩れていた。

いつもお世話になっている地区の入口にある物産店を訪ねました。
被災直後は水源がこわれ名物の岩魚の提供できず困っていましたが、今は被災前と同じように店が開けられるようになったと喜んでいました。

冬の対策を進めているけど工事の通行規制で不自由している。工事が終われば安心に暮らせることを信じてると笑顔で話してくれました。

<ボランティアの感想:中ノ峠地区>
ほぼ半年ぶりに訪れた中ノ峠地区は復興工事が進んでいることを肌で感じました。物産展を切り盛りしている地元の方お二人にしかお会いできませんでしたが、二人とも明るく前を向いて生活する姿を見て安心しました。中海地区と同じように中ノ峠地区も今後、携わりたいと思いました。

【一面掲載】ウクライナ避難民支援大交流会&相談会

お世話になっております。
レスキューストックヤード事務局です。
先日、愛知県、岐阜県、三重県に避難しているウクライナ避難者の方たちをお誘いして
実現した交流会と相談会のことを、中日新聞の一面で取り上げていただきました。

「避難2度目の冬見えぬ春」という見出しには、グッとくるものがありますね。
世の中の関心が薄れつつある中、しっかりと取り上げていただき、感謝です。
WEB版は、こちらをご覧ください。
現在、名古屋市のふるさと納税で寄付できます。
グッと来たら、応援してください。

RSY石川県珠洲市への支援について(第9-2報)

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。
今回は、第9-1報の続編として、被災された方々の声と現在の課題感についてRSY浦野・稲垣がご報告します。

★RSY今を伝えるブログ(第9-1報はこちら)

RSY石川県珠洲市への支援について(第9-1報)

尚、7月・9月の活動では、RSY会員で震災がつなぐ全国ネットワークの仲間でもある「被災地NGO恊働センター」のMさんYさんと現地で合流、10月の活動では、地元出身で現在立命館大学に勤務されている臨床心理士のMさんにご同行頂きました。

 ※私たちの活動は、
日本財団「令和5年能登地方地震および6・7月の大雨被害に関わる支援活動」助成からのご協力を頂き実施しています。

 


【被災された方々の声】※写真は必ずしもご本人を映したものではありません

●「もうしばらく仮設住宅を離れたくない」
(80代女性・ひとり暮らし/大規模半壊/応急仮設住宅)
応急仮設住宅に入って数か月経つけど、できるだけご近所の方に声をかけるようにしているの。この間は家の前の草取りをやったりしてね。お隣さんも一人暮らしの女性なので、仲良くさせてもらっています。もう大きな家はいらないわね。仮設へ来て一層それを感じました。手の届くところに全て必要なものが揃っているから。だから新しい家も小さな平屋にした。年内には完成すると思う。ただね、親族に大工がいるから他の方より早くお家が建てられた。それに引け目を感じるの。だから地鎮祭もせずお酒もなしで、とにかく目立たないようにひっそり進めてます。本来ならばお祝いすべきところだけど、とてもそんな気になれない。

でも今の仮設での生活も結構気に入ってるの。時折隣から足音やテレビの音が聞こえて、「あ~今日も頑張って生活してみえるんだな」って励まされたり安心できるの。人の気配が感じれらることが生きる力になっている気がします。だからもうしばらくここに居られたらなぁ、なんて贅沢なことを思ってしまいます。

●「狭い部屋で要介護の親との2世帯同居はもう限界!」
(50代女性/応急仮設住宅)
震災後、両親は親族の家に預けていました。家の修繕が終わるまでは落ち着く場所にいてもらった方がいいと思って。私も仕事があるし、何より仮設住宅が狭いから、介護用ベッドを置いたら移動もままならない状況なんです。でも、どうしても珠洲に帰りたいということで先日仮設に迎い入れました。結果は予測していた通り、生活時間の違いからお互い気を使いすぎて精神的に参ってしまいつつあります。物が多いし躓いたりしたら危ない。このままだと、どんどん体調が悪化しそうで限界です。

⇒深刻な健康被害のリスクが高いと判断し、市は退去予定者の空き室を2世帯でシェアできるようを検討中。

●「この家を息子に残すために1円でも無駄に使いたくない」
(足の悪い80代女性・一人暮らし/一部損壊)
うちは明治時代からの旧家で、もう築100年以上経ちます。今回の地震でも、増築したところばかり壊れて、伝統工法で木と木を組んで建てた部分はほとんど無傷。私は嫁に来てこの家で苦労しながら子どもを育てたの。姑さんが本当に厳しい人で、毎日畳を上げて床板を磨けって。妊娠してても休めなかった。だから今でもピカピカでしょ?(とても広いお部屋ですねというと)そうでしょ?でも私は足が悪くて今はつかまるものがないと立ち上がれないから、畳の部屋ではお尻でいざって移動しているの。

給湯器が壊れて台所とお風呂が水漏れしてる。お水がもったいない。無駄にしたくないから使うたびに玄関にある止水栓を開け閉めしてる。(玄関までの距離や段差による転倒、冬場の雪の心配などをお伝えすると)私は大丈夫。何とか我慢できる。だって業者に聞いたら10万円もかかるっていうの。それならこの家を息子に残すための修理代に充てたい。そのために1円だって無駄にしたくない。

⇒市「生活サポート部会」にて、ご家族に冬場の転倒の危険性をお伝えしたところ理解を得られ、水漏れの修繕・給湯器の設置につながった。

●「早く奥さんの元に行きたい」
(70代男性・ひとり暮らし/一部損壊)
地震の前に奥さん亡くして、それから毎日酒を飲んでる。今日も朝からずっと。俺達には子どもがいなかったから出かけるにもいつも奥さんと一緒だったんだよ。今度1周忌やるんだけど、親戚20人ぐらいよんで盛大にやろうと思ってね。その後この家も甥に託そうって考えてる。そこいら中ひび割れとか壁が落ちている場所もあるけど、もうどうでもいい。今はさびしくてさびしくて仕方ないんだよ(泣きながら)。早く奥さんのところに行きたい。毎日そればっかり考えてる。

●「風呂が壊れて入れない」
(70代男性・一人暮らし/準半壊)
※吃音による言葉の不鮮明さで周囲とのコミュニケーションに苦労されている様子。

この間市役所に行ったけど、「風呂まで直せない」と言われた。無料入浴券をもらったけどあまり使ってない。だから風呂にも入ってない(おそらく準半壊に適用される応急修理制度の金額内では難しいからではないかと推測)。母屋の被害がひどいから解体して欲しいって言ったけどやっぱり「あなたは適用外だ」の一点ばり(公費解体は半壊以上が対象のため)。だんだん腹が立ってきた。(被災者生活再建支援金の手続きは済みましたか?と尋ねると)「そんなの全然分からん」。(市に連絡し既に申請済みであったことを確認。ご本に伝えると)「何が何だか全くわからん」。家の床が傷んでたから自力で板を張り直してる。(キッチンから腐敗臭、地震当時のままと思われる部屋あり)

●「裏の畑の雑草が気になって近所に迷惑かけないか不安」
(70代男性・母親と二人暮らし/罹災証明書未申請)
※若いころに精神疾患があると診断。言語障害あり。障害者手帳申請なし、母親の介護保険利用なし、近所との交流はほとんどなし。

地震の後から母親の具合が悪い。買い物や食事の世話は自分がやってる。若いころに精神の病気と言われて、今も病院に通ってる。風呂と廊下は業者に頼んで直した。でも裏の畑の雑草が気になる。あれが伸びてきてから運が悪くなった。(何度もつぶやく)土蔵も壊れてるので解体したい。でもきっと大工さんも忙しくてできないだろう。シルバーさんに頼みたいけどみんな忙しいだろうから無理だと思う。(罹災証明書の申請について訊ねると)知らん、そんなのやっとらん。(支援内容を説明すると)申請したい。

⇒市「生活サポート部会」で、シルバー人材派遣センターに問い合わせ草刈りの段取り・作業実施。母親の対応は後日地域包括支援センターが訪問。罹災証明書の申請の伴走支援を行い手続きが完了した。(現在母親は入院中、障害者手帳申請はご本人拒否)

 


★9月の派遣を終えて(RSYスタッフ・稲垣感想)


一ヶ月ぶりの珠洲市は稲穂がたわわに実り、震災を忘れさせそうなのどかな空気だった。黒瓦に似合わない青いビニールシートは探さないと見つからず前回まで多くの職人さんが屋根に登ったり足場を組んだりしていた街は静かで落ち着きを取り戻していた。

被災したお宅を訪問すると震災直後の悲壮感は薄れ今の状態を受け入れ不自由ながら、「これが普段の生活」と自分に言い聞かせ納得しながら懸命に暮らす姿が印象的だった。

風呂ができた、新しい家の建設が始まった、親戚を一同呼んで法事をすることになった、といった明るい話題もあれば救急搬送され入院した、水道が漏れる、ボイラーが壊れっぱなし、敷地の草が刈れない、足が悪くなり移動ができないなど今も続く不自由な生活も見えた。

その中で他人に感謝しながら迷惑をかけまいと懸命に暮らしている姿を見て力強さを感じたが、蓄積された疲労も感じとれた。

迷惑をかけたくないとの思いから埋もれている生活の不自由を厳しい冬が来る前に炙り出し一つでも多く改善することが急ぎの課題だと感じた。多くの方とお話しして、あっという間に終わった派遣だった。

★震災から半年を迎えて(RSY常務理事・浦野感想)

震災から半年が経ち、生活再建の見通しに早くも格差が生じつつあります。

8050ならぬ9070世帯、高齢者または精神・知的障がい者世帯等は、生活課題の中でもご本人の考える優先順位と、心身の健康を守るために早期対応しなければならない事柄が必ずしも一致しておらず、状況の進展がなかなか見られないケースもありました。

その背景には、
・「家族に迷惑はかけられない」という遠慮や気兼ね
・必要な情報がご本人が理解できる形で届いていない(もらえるお金、必要な手続き、申請期限などがあることすら知らない)
・決断しなければならないことが多すぎて頭も身体もついていかない
・震災後の心身の健康状態の悪化
・公的支援制度の適用以上にかかる費用の捻出ができない
・決断に至るまでの複数の選択肢を、自らうまく見いだせていない

など様々あるように思いました。
もともと抱えていた生活課題や孤独感が、再建の歩みを一層鈍らせ、深刻化しているにも関わらず、周囲やご本人が気づききれていないという状況もあるのかも知れません。

これらは、珠洲だけの話でなく、どこの被災地でも共通して起こっている課題であると感じました。珠洲市はもともとNPOが少なく、限られた地域資源の中で一つひとつの深刻な課題に誰がどう向き合えばよいのか、私達も含めそれぞれの立場から思考錯誤が続いています。

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RSY石川県珠洲市への支援について(第9-1報)

みなさま

RSY事務局です。
5月5日に能登半島地方で発生した石川県珠洲市の地震から半年が経ちました。
市は災害発生当初から「生活サポートチーム」を立ち上げ、個別ケースへの対応や罹災証明書の伴走支援、仮設住宅の入居サポートなどにあたっています。また、災害ボランティアセンターは7月15日で閉所となりましたが、以降は珠洲市社会福祉協議会の通常のボランティアセンターに業務を移行しながら、引き続き被災された方の相談に応じており、10月より市から委託を受け、「地域ささえ愛センター(仮称)」の立ち上げ準備に入りました。
RSYは7月~10月にかけても、市健康増進センターや市社会福祉協議会と連携しスタッフ・ボランティア派遣を継続しています。
以下、RSY浦野・稲垣からの報告です。
尚、今回の9-1報の続編9-2報は下記よりご覧下さい。
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1.現在の珠洲市の状況

★家屋被害(8月31日現在)

全壊39、大規模半壊18、中規模半壊79、半壊169、準半壊580、一部損壊1,939

計2,851(5,848世帯中48.7%)

★仮設住宅

応急仮設住宅16世帯(3か所)、借上げ型仮設住宅8世帯、合計51名が入居

2.各種支援制度について

国が定める従来の支援制度では、半壊以下世帯への「被災者生活再建支援給付金」の配布は適用外とされていますが、珠洲市の独自政策によって、被災した全ての世帯へ基礎支援金が支給されています。全壊世帯の場合、最大で600万円が支給されることになります。これに県と市から分配される義援金が加わる見込みです。

しかし一方で、超高齢化地域の被災による弊害も散見されています。珠洲市の高齢化率は約52%。各種申請手続きの煩雑さや身近に頼れる家族や知り合いがいないなどの理由で、申請に遅れが見られています。現在給付金の申請率は70%程度にとどまり、応急修理制度の申請率も対象世帯(解体世帯含む)に対し約50%程度となっています。制度ごとに申請期限も定められていることから、申請までの連続性のある丁寧な伴走支援が求められています。

公費解体「半壊」家屋等は国の支援対象外のため、珠洲市が独自に支援

応急修理制度:【費用の限度額】(日常生活に最低限必要な部分に対して)
・ 全壊、大規模半壊、中規模半壊、半壊の場合 : 706,000円以内
準半壊の場合 : 343,000円以内(準半壊以下は国の支援対象外のため、珠洲市が独自に支援)
※費用は市から修理業者に直接支払います。
※限度額を超える部分は、自己負担となります。

3.RSYの活動

(1)今後の生活再建を考える無料ミニ相談会の運営サポート

被害が最も集中した正院区長会が主催で、7月17日(月・祝)に『珠洲市復興応援企画いっぷくせん会(かい)ね!』が開催されました。企画では、地区の食生活改善委員による食事の提供や、地元企業・ライオンズクラブなどによるお楽しみ縁日、災害看護研究所によるカフェ(RSYもサポート)、足湯ボランティアや親子向けの手作りワークショップも併設され、100名を超す方々が久しぶりに集い、情報交換や近況報告に花を咲かせていました。

RSYは同企画に併設された相談会の企画・運営をサポート。地域住民約50名が参加され、徳島県弁護士会の堀井先生による公的支援制度の分かりやすい解説に加え、建物修復支援ネットワークの長谷川さんより家屋保全の方法に関する情報提供を頂きました。その後、引き続き行われた行政の各種申請手続きや自宅の修繕、ボランティア依頼、公的支援制度や被災者向け有志などの個別相談ブースでは、約20名の方が利用され、行政や専門家に日ごろの悩みをゆっくりと相談されていました。

家屋保全に関する相談ブースには、RSY会員の(株)FPコーポレーション様からWさんを派遣頂き、被災家屋の修繕に関する個別対応に当たって頂きました。

(2)応急仮設住宅の個別訪問と生活環境改善

珠洲市には16戸の応急仮設住宅が建設されました。仮設住宅は3か所に分散し、1か所が小規模のため、集会場や談話室の設置はありません。初めての仮設暮らしを迎え、家電や家具の調達、収納スペースの確保、福祉ニーズ世帯の段差解消・手すり設置などの住宅改修、仮設住宅が建設された地域と入居された方、入居された方々同士の新たなつながり作りも課題となっています。

RSYはこれまでの被災地でも好評だった収納棚の無料取り付けを通じて、入居された方の生活課題の把握や、ご近所同士の顔合わせのきっかけづくりをお手伝いしました。棚の設置や材料提供は、地元の三崎地区にある新出製材所さんにご協力頂きました。これを機につながった方々との個別訪問を今も継続しています。

(3)地域ささえ愛センター(仮称)の立ち上げ・運営サポート

珠洲市社会福祉協議会は、10月1日より市から「地域ささえ愛センター(仮称)」を受託し、石川県精神保健福祉協会と相談支援専門員協会らと共に、仮設住宅や在宅避難者の見守りや個別支援、サロン活動等の地域支援を行うことが決まりました。RSY浦野は、以前から気になる世帯を対象にした「個別ケース会議」の運営サポートにも関わっていたことから、市社協からご依頼頂き、今後はアドバイザーとして継続的にセンター立ち上げや運営サポートに関わらせて頂くことになりました。

現在は、「生活サポート部会」や災害ボランティアセンター、技術系NPOから寄せられたのべ1,638件の個別訪問記録をもとに、継続的な支援が必要となる方々の絞り込みを行っており、11月より支援員による対象者への再訪問をスタートさせるべく準備を進めています。

(4)個別困難事例へのアプローチ

「地域ささえ愛センター(仮称)」立ち上げまでのフォローとして、市の「生活サポート部会」で把握する要継続見守り世帯および、対応の判断が難しいケースへの個別訪問、伴走支援をお手伝いしています。主には、行政や社協も普段からコンタクトが取りずらく福祉サービスも利用していない精神障がい者世帯、水漏れや給湯器の破損等の修繕が進まない、気持ちの落ち込みや心身の機能の低下、寂しさからアルコール依存が心配される、生活再建支援金や義援金の手続きがスムーズに進んでいないと思われるひとり暮らし高齢者または高齢者世帯など。その時々の困りごとを自ら判断・発信しにくく、こちらから訪ねて行かなければ対応が滞りがちな世帯に対し、きめ細かくサポートできるよう市の関係部局や市社協らと協議を重ねています。

4.これまでの派遣実績

・第1陣:5月7日(日)~5月11日(木)/浦野・松井(RSY)

・第2陣:5月15日(月)~5月19日(金)/浦野・栗田(16日のみ)・稲垣(RSY)

・第3陣:5月23日(月)~26日(金)/浦野・林・松井・稲垣(RSY)、椿・山口(なごや防災ボラネット)

・第4陣:5月29日(月)~6月1日(木)/浦野・稲垣(RSY)、椿・岡田(なごや防災ボラネット)

・第5陣:6月5日(月)~8日(木)/浦野・稲垣(RSY)、椿・伊東(なごや防災ボラネット)

・第6陣:6月18日(日)~20日(火)/浦野・稲垣(RSY)、種村(震つな)

・第7陣:6月27日(火)~29日(木)/浦野・松井(RSY)

・第8陣:7月10日(月)~12日(水)/浦野・稲垣(RSY)

・第9陣:7月16日(日)~18日(水)/栗田・浦野・稲垣(RSY)、椿・伊藤(なごや防災ボラネット)

・第10陣:7月25日(火)~27日(木)/浦野・稲垣(RSY)、椿(なごや防災ボラネット)

・第11陣:9月19日(火)~22日(金)/浦野・稲垣(RSY)

・第12陣:10月23日(月)~25日(水)/浦野・稲垣(RSY)

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【報告】NPO法人みつわ「地域共生カフェ笑美屋」防災企画をお手伝いしました!

みなさま

RSY事務局です。

4月、6月に続き、10月15日(日)NPO法人みつわ「地域共生カフェ笑美屋」の防災企画をお手伝いしてきました。この団体は、令和元年・3年に佐賀県武雄市で発生した豪雨水害で、住民の9割が被災した久津具地区に拠点を構え、被災された方々への個別訪問や食事提供を行っていました。

今回も同地域で活動されている一般社団法人「おもやい」さんとのコラボ企画として、今年度の被災地の様子や、まだ気の抜けない秋雨前線・台風対策に役立つワークショップを行いました。

最初におもやい代表の鈴木さんから、唐津市の水害の様子を報告頂きました。土砂災害の対応の難しさや、家の保全・修繕の目途が立っていない方もおられるという話を聞き、「県内で起こった災害でもここまでひどい状況だとは思わなかった」と胸を痛める声も聞かれました。

次にRSY浦野より、5月5日に震度6強の被害にあった石川県珠洲市の様子を報告しました。地震被害の状況や、地域の助け合いの様子、生活課題などをお話しました。武雄市でも最大震度6強~7が予測されています。「今まで水害ばかりに目を向けていたけれど、地震の対策もしないといけないと思った」という声が聞かれました。

そこでRSYボランティアの椿さんからは、地震防災対策のポイントを詳しくお話頂きました。居住環境の安全対策、備蓄品、避難所の準備など名古屋での取り組みも織り交ぜながら楽しく学ぶことができました。

最後のワークショップでは、みつわ代表の荒川さんより、ペットボトルで手作りの雨水計の作り方を教えて頂き、「1時間に30㎜以上の雨が降ったら警戒し、避難等の準備の目安にすること」を確認しました。

同時に、みつわで推奨している災害時の備蓄品を詰めた「個人BOX」の中身について再度意見交換しました。久津具地区では、避難行動を早めるための工夫として、手ぶらで避難した時に困らないよう、あらかじめ地区の避難所となっている公民館に「個人BOX」を置ける仕組みを作っています。荒川さんは、来年度の水害シーズン前に、必要な方はこれを上手に活用できるよう、引き続きお手伝いさせて頂ければとお話されました。

RSYは今後もこれらの交流を通じて、災害時に役立つ地域づくりに向けた学び合いの場を継続していきたいと思います。

【報告】地域生協とNPOとの協働による災害時の食の支援(炊き出し)講習会

みなさま
RSY事務局です。
10月21日(土)RSY主催企画として、愛知県内5生協と共に「地域生協とNPOとの協働による災害時の食の支援(炊き出し)講習会」を開催しました。RSYはそれぞれの生協さんとは様々な場面で連携・協働させて頂いてきましたが、生協同士が横のつながりをもって一つのことに取り組むのはこれまでになく、とても画期的なことだそうです。
地域生協さんとRSYの間には、災害時も平常時も、必要な方々に安全な食を届けると共に、地域の中で誰もが安心して居られる拠点を整え、困りごとを抱える方々のため助け合い、支え合えるひとづくりを目指していきたいという共通の願いがありました。今回はこれを実現するための最初の一歩になったように思います。
講習に参加して下さったのは、
・生活協同組合連合会アイチョイス
・あいち生活協同組合
・一宮生活協同組合
・生活クラブ生活協同組合(愛知)
・生活協同組合コープあいち
の職員の皆さん。
講習会では、最初に、常務理事・浦野より、災害時の食の実態と食事の場がもたらす副次的効果、これらが被災された方々の生活再建や活力の回復に深く関係してきたことなどについてお伝えました。
また、どんな環境下でも安全な食事を提供するための知識として、名古屋文理食と栄養研究所客員研究員の日比野久美子先生をお迎えし、「炊き出し衛生の基礎・基本」についてお話頂きました。専門的な話は敷居が高いように感じますが、必要な知識を携え、とにかく練習を重ねることで誰でもできるようになるという先生の言葉がとても印象に残りました。
今回の講習の実践編として、1月28日(日)に生活クラブ生活協同組合(愛知)の野並配送センターにて、『生協&RSY「あったかごはん食堂」(仮)』を開催することが決まり、午後からはこれに向けた企画検討を行いました。
各生協の組合員さんにも一緒に運営できるよう声かけしようとか、来場者に防災知識を得て帰ってもらおうなど、活発な意見が出ました。アイデアが具体的な形になる過程を経て、「なんだかワクワクしてきた~」という声も。
私達も、これまで取り組んできた「あったかごはん食堂」の横展開として新たな可能性が広がりつつあることをとても嬉しく思います。このような取り組みを丁寧に積み重ねることで、生協の職員や組合員さんが、RSYと一緒に被災地に行こう!と、声を上げて下さったらどんなに心強いかと思います。
1月の取り組みが楽しみです!

臨時休業のお知らせ

みなさま
お世話になります。レスキューストックヤード事務局です。
スタッフ研修のため、下記のとおり臨時休業いたします。
ご不便おかけいたしますが、何卒よろしくお願い申し上げます。
           記
【事務局休業日】
10月2日(月) ~ 10月3日(火)終日
【通常稼働】
10月3日(水) 10:00~

風水害対策お役立ち情報

みなさま

RSY事務局です。台風の襲来や秋雨前線による風水害のリスクが高まっております。下記の情報をご覧頂き、ぜひお家での備えにお役立て下さい。

★2000年・東海豪雨水害体験談(内閣府「中部(地域)一日前プロジェクト」)

https://www.bousai.go.jp/kyoiku/keigen/ichinitimae/chk/cb.html?fbclid=IwAR1FzG3XW5iZKgXf7z7lPzcnryOFpoxX8jqzTQytqkVjaUNgwCXHNuFvDs4#H12-09

★RSY機関紙「あるある」105号:台風対策

https://drive.google.com/file/d/1WLvtkCuLdXJOQ6e2KazwU7zYkzgkgZPA/view?usp=drive_link

★RSY機関紙「あるある」114号:マイタイムライン(避難計画づくり)

https://drive.google.com/file/d/1dMconyLdX890S_mmUBxtIu0yBgHO1_f0/view?usp=drive_link

★防災アクションガイド:大雨&台風への備え

https://drive.google.com/file/d/1bL7xfdIldG-9Zp_iC0MEy0M9okMybmeg/view?usp=drive_link

★防災アクションガイド:被災後に受けられる生活支援

https://drive.google.com/file/d/1w8ZLWGDsf_62GGmmT7tH8NYL4U0_AyuV/view?usp=drive_link

★震災がつなぐ全国ネットワーク:水害にあったときに

https://drive.google.com/file/d/1TtR7SSFDrBEXypp7WZWVXPenEvfXT_B8/view?usp=drive_link