RSY・愛知県の大雨への対応(第10報)

みなさま
RSY事務局です。RSYは台風2号の影響で浸水被害を受けた豊橋市への個別支援を継続してきました。先の水害で、ささやかながら、生活再建に関する情報提供や物資支援を行った「ふすまに屋ベーカリー」さんより、お礼のお手紙を頂いたので皆様にご紹介します。

6月22日にお店を再開し、再建に向けて一歩ずつ歩みを進めていらっしゃるそうです。低糖質で、糖尿病など持病のある方も楽しめる、味わい深いこだわりのパン。ぜひ皆さんも一度足をお運びください。

※私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成のご協力を頂いています。

●6月4日直後の様子(第2報より)

1年程前にオープンしたばかりだったから本当にショック。義父から新築するならかさ上げした方がよいと言われ、道路から1m以上かさ上げしたのに、店の入り口から40㎝も水が上がってきました。母屋はギリギリ床下浸水。トータルで140㎝ぐらいの深さになってるかな。店舗の中にも水が入って、オーブンや室外機、家財道具も被災しました。オーブンは今のところ何とか動くようなのでよかった。でも飲食店だから、どの程度の消毒をすればよいか分からなくて、とりあえず次亜塩素酸ナトリウムで作った消毒液を床に流して乾かしています。前の道に水没した車が何台か放置されていてとても困っています。ここでは人も亡くなっているし、これが渋滞の原因になっていて危険なんです。でも持ち主の確認がないと勝手に動かせないみたいで、市に連絡しても「手順がある」と。1日も早く営業を再開させたくてどうしたらよいか市にも相談したいのだけど、こちらから連絡しなければ何も動いてもらえない。うちの近くの人の方がもっとひどく浸水しているようなので、見に行ってあげて欲しいです。

※RSYからは、店主のSさんへ災害後の対応の方法や、その他支援に関する情報提供、市や市社会福祉協議会との情報共有を行いました。その後、Sさんからご紹介頂いたMさん宅への個別支援につながりました。

●現在の様子

(お手紙より)

大雨の時はどうしようかと途方に暮れていたところに、お声がけ頂きありがとうございました。あのような経験はなく、耳にしていたくらいだったので、どのように片づけをし復旧していくのかというアドバイスはとても助かりました。そして、箱一杯の生活用品や飲み物、お弁当などすごく、すごく感謝しております。心ばかりではありますが、お店のパンを包ませて頂きました。家族もお店もいつもの生活を取り戻しつつあります。転校だけはどうしようもできませんが、強く生きて行こうと思います。

(その後の電話での聞き取りより)

あれからもうすぐ約2か月。床下はシロアリ対策の業者さん待ちでもう一歩というところです。オーブンなどの機材は、あと1㎝深く浸水していたら保険適用の対象外になっていたことが分かり、今後の水害を見据えて見直しを図るよい機会になりました。ただ、自転車やこまごまとした生活用品は全部買い替えなければならないので、やはり出費はかさみます。また、家人にも今になって疲れが見られています。物事を一気に進めてきたから無理もないかも知れません。でも営業は再開できたので、ぜひ多くの方々にご来店頂きたいです!

写真:店舗インスタグラムより

 

●おいしいパンを買って被災地を応援しよう!(店舗情報)

ふすまに屋ベーカリー(営業時間:11:00~18:00/定休日はインスタグラムで告知)

〒440-0001 豊橋市下条西町字杉本56-1

TEL.090-3534-7778

ウェブサイト https://fusumaniya.jimdofree.com/

インスタグラム https://www.instagram.com/fusumaniya/

RSY石川県珠洲市への支援について(第8報)

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。各地で災害が同時多発しています。

RSYはこれまで、台風2号水害による豊橋市への個別支援と並んで、5月5日に震度6強の揺れを観測した奥能登地震の被災地・石川県珠洲市に向けてスタッフ・ボランティアの派遣も継続しています。
今回は、仮設住宅を中心に、震災から2か月以上が経った住民の方々の心情や生活状況について、常務理事・浦野が報告します。
※私たちの活動は、
日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成、赤い羽根「災害ボランティア・NPO活動サポート募金」助成からのご協力を頂き実施しています。

 


<RSYの活動>

1.活動内容

仮設住宅入所世帯の個別訪問・環境整備

珠洲市は6月15日より建設型仮設住宅の入居を開始しました。住宅は、一番被害の大きかった正院町に16戸建設され3か所に分散しています。小規模のため集会場や談話室の設置はありません。現在は13世帯が入居しており、中にはひとり暮らし高齢者、障がい者世帯、乳幼児世帯もあります。

珠洲市の仮設住宅は建設型仮設住宅のみですが、冬場の降雪を考慮し、風除室や2重サッシ、室外機や換気口の上部設置、アスファルトによる砂利道の改善、ベランダの軒の設置、浴室の追い炊き機能など、防音対策も含めこれまでの被災地では後付けで改善されてきたものがあらかじめ装備されていました。

しかし、部屋が狭く収納が少ない、玄関前の階段の段差が大きく一部手すりがない、トイレや浴室に行くまでの動線に段差があり危険、浴槽が深くまたげないなどの課題は変わっていませんでした。

一部の住宅では、最初から手すりがついているケースもあったが全てではない。

過去の被災地の事例を思い返すと、入居して間もない頃は「安心して眠れる」「ようやくホッと一息つけた」という声をよく耳にするものの、数週間も経つと、これらの様々な不具合に直面し戸惑われる方が少なくありませんでした。

また、仮設内や周辺地域との新しい人間関係の構築がうまくいかず寂しさや心の負担が増したり、生活環境の急激な変化によって外出や社会参加の機会が減り、これが引き金となって、心身機能の低下や引きこもり等の生活不活発病、アルコール依存症等が深刻な課題となっていました。

そこでRSYは、市や市社会福祉協議会らとこれらの事例を共有すると共に、地元三崎町にある『新出製材所』さんと協働して、生活状況の把握や改善、住民同士の交流のきっかけづくりを兼ねた収納棚の取り付けをお手伝いさせて頂くことにしました。製材所さんには、木材の提供と切り出し、棚の取り付けをサポート頂いています。

ボランティアスタッフの稲垣さんは新出さんを師匠と仰ぎ、棚の作り方をご教授頂きました。

製材所の2代目である新出さんは、生まれも育ちも珠洲。「こんな時だからこそ、地域の人たちの笑顔のためにできることがあれば何でもしたい」と協力を申し出て下さいました。一緒に訪問すると知り合いも多かったようで、住民の方の表情が和らぎ、場も和みます。こうしたリラックスムードの中で、ポツリとこぼれ出る心情や困りごとを記録し、従来の福祉サービスや今後の見守りにつなげられるよう関係者で協議を重ねています。

特に要望が多かったのが洗濯機上部の棚。なるべくものを床に置かず上の空間を有効活動したい。見た目もよく、落下しないようにという新出さんの細心の配慮で設置。

トイレにはツッパリ棚を。

鴨居には物掛けフックを設置して、カバンやハンガーがかけられるように。

訪問時には市社協職員にも同行頂き、サロン等を定期的に開催して集いの機会を増やしたり、個別訪問を重ねて日々の細かい状況の変化にいち早く気づけるよう、市と共に体制づくりに取り組んでいます。RSYもこれらの動きに参画し、どんな時でも人の関わりが絶たれないコミュニティづくりに向けてできることを考えています。

<住民の声>

★家は全壊。息子が「とにかく全部捨てろ」っていうから、今にして思えばまだ使えた大切な物も捨てざるを得なかった。一つひとつ泣きながら処分したの。ここに持ってきてるのは最小限。でもここでも新しいものを増やすなとも言われてて。どうやって家電を配置したらいいのか全然わからなくて困っていたの。私の家は正院町にあったんだけど、ここのお隣さんとは1回挨拶しただけでほとんど面識がないの。今はインターネットで好きな番組を見るのが唯一の楽しみ。でもネットのつなぎ方やパソコンを置く場所がなくて困ってて。立派な棚を設置してもらって嬉しい!(70代・女性)

※棚の取り付けと共に、社協さんがネット環境の整備、新出製材所さんがパソコンテーブルの寄付を下さいました。また、棚の取り付けが、お隣の家を行き来するきっかけにもなり、収納スペースについての悩みや工夫を共有する姿が印象的でした。

お互いのお部屋を行き来してレイアウトづくりの参考に。

★週末に、一時的に親族の家に避難していた義父と義母が戻ってくるの。義父は介護が必要で、普段は義母が入浴介助をしているけど、浴室が狭いからシャワーチェアの出し入れや管理ができるか心配。入口の階段に手すりがあると助かるんだけど…。ここは狭いから、家が建つまで親族のところにいた方がいいと思ってたけど、どうしても戻りたいって。やっぱり遠慮が強かったみたい。ここで4人で生活するなんていったいどうなるのかしら。今後のことは生活しながら考えていくしかない。何とかなると思うしかない。(60代・女性)

★罹災証明書は結果に納得がいかなかったから再申請中。自宅を解体したら、小ぶりの家を建てようと思っています。少しでも安く建てられる家がないかメーカーとも相談して探したい。これからを考えると不安は尽きないけれど、毎日「今日はこれができた!」と、今はとにかく1日ずつできることを考えながら、目の前にあることに集中しようと自分に言い聞かせてます。(50代・女性)

★数十年前に脳梗塞になってマヒがあるんだ。でも、震災前はよく外出していたんだよ。震災後に体調を崩しちゃって、今はほとんど外に出ていない。でもたまに友達が訪ねてきてくれるよ。風除室についている手すりが低くて使いずらい。トイレ・浴室に続く通路にある段差は、行くときは手すりで上がれるけど、戻る時はマヒ側に手すりがないから安定が悪いね。風呂は深くて入れないからシャワーだけ使ってるよ。夏場はいいけど冬場は辛いかもな。今はあんまり調子が良くないから、リハビリとかは無理かな。(80代・男性)

右側の手足にマヒがあるり、適切な位置に手すりが無いため段差を降りる時に後ろ向きにならざるを得ない。

★震災直後は生まれて間もない子どもを連れて近隣市町にある実家にしばらくいました。仮設ができてから戻ってきたけど、早々に子どもが熱をだしちゃって。感染症とかじゃなかったから本当によかったとホッとしました。子どもも慣れない環境でストレスがたまっていたのかも。車があるから、実家の行き来や買い物など自由にうごけるので今のところ不便はない。でも、物が多いので収納は困ってる。押入れは大きくて便利なように見えるけど、どうやって物を配置していいか悩む。(20代・女性)


2.これまでの派遣実績

・第1陣:5月7日(日)~5月11日(木)/浦野・松井(RSY)

・第2陣:5月15日(月)~5月19日(金)/浦野・栗田(16日のみ)・稲垣(RSY)

・第3陣:5月23日(月)~26日(金)/浦野・林・松井・稲垣(RSY)、椿・山口(なごや防災ボラネット)

・第4陣:5月29日(月)~6月1日(木)/浦野・稲垣(RSY)、椿・岡田(なごや防災ボラネット)

・第5陣:6月5日(月)~8日(木)/浦野・稲垣(RSY)、椿・伊東(なごや防災ボラネット)

・第6陣:6月18日(日)~20日(火)/浦野・稲垣(RSY)、種村(震つな)

・第7陣:6月27日(火)~29日(木)/浦野・松井(RSY)

・第8陣:7月10日(月)~12日(水)/浦野・稲垣(RSY)

・第9陣:7月16日(日)~18日(水)/栗田・浦野・稲垣(RSY)、椿・伊藤(なごや防災ボラネット)

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RSY活動支援募金にご協力ください!
(随時受付中)
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この支援金は、スタッフの現地派遣や情報発信、被災者への生活支援プログラ
ムのために活用致します。

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特定非営利活動法人レスキューストックヤード
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RSY・愛知県の大雨への対応(第9報)

みなさま
RSY事務局です。RSYは台風2号の影響で床上浸水の被害を受けた豊橋市在住Mさん宅への個別対応を継続してきました。以下、RSY宇野(コープあいちより出向中)より7月19日の活動報告です。

※私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成のご協力を頂いています。


■Mさん宅訪問
RSYボランティアの女性3人の他に、私(宇野)を含めた4人で活動しました。
先週のところで、大きな作業は概ね終了し、今回は、Mさんの希望で仏壇の清掃作業の他、これまでやれなかった、気になる部分の清掃を行う予定でした。
Mさん宅に到着後、さっそく当日の作業の流れをご相談したところ、仏壇の清掃の他に、洋間と台所の床下の清掃と消毒を頼みたいと申し出がありました。
この2か所は、元々板の間で、傷んだ床板をはがして、コンパネ(厚めの合板)を貼り、当面の対処をしていた部屋です。

Mさんにもご協力いただき、コンパネを一旦外して、床下の清掃と消毒を行いました。
また、当初予定していた仏壇の清掃の他、Mさんがずっと気にかけていた箪笥の清掃も行いました。

午後の作業も順調にすすみ、「おせっかい隊」としての一連の支援はこの日で終了となりました。ずっとほぼ同じメンバーで訪問してきたこともあり、別れ際には少し寂しそうな顔をされながらも「ありがとう」という言葉を頂き、この日は特に心にしみます。Mさんはずっと手を振って、私たちを見送って下さいました。

Mさん宅には後日改めて、代表理事・栗田とお手伝いに関わったボランティアリーダーさんが再訪問する予定です。


■Kさん宅訪問
先週に引き続き、「おせっかい隊」の1人が、地元の支援者Nさんと一緒に別の地域で床上浸水の被害にあったKさん宅を訪問しました。看護士資格を持ち、RSY看護チームのメンバーでもある彼女は、前日に体調を崩したKさんを気遣いながら、衣服とアルバムを中心に整理しました。後で困らないようにと、収納場所ひとつひとつを丁寧に確認しながらの作業でした。衣装ケースには付箋をつけて、何が入っているか一目瞭然です。Kさんには、今後も地元支援者のNさんがお手伝いを継続する予定です。


■報告者コメント(RSYスタッフ:コープあいちより出向中)
「おせっかい隊」に同行して・・・・
「おせっかい」という言葉は一般的には、「いらぬお世話」「ありがた迷惑」という意味で使われます。「相手の気持ちに寄り添う」ということでは、最初は、突然押しかけて、ちょっとご迷惑だったのかもしれません。でも、最後に笑顔で言って下さったMさんの「ありがとう」の言葉に「寄り添うこと」の本当の意味を考えさせられました。RSYのベテランボランティアの皆さんと共に支援に携わった、この数週間は、得難い経験の連続でした。

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富山県高岡市にボランティア活動資器材を搬出しました!

みなさま

RSY事務局です。

この度の水害で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。

15日より災害ボランティアセンターを立ち上げた富山県高岡市社会福祉協議会からの要請を受け、昨日午後、ボランティア活動資器材を搬出しました。急な呼びかけにも関わらず、作業には7名のボランティアさんたちが駆け付けて下さり迅速な搬出に繋げることができました。本当にありがとうございました。資器材は本日午後現地に届く予定です。

また、代表理事・栗田と常務理事・浦野は、昨日先だって高岡市社協を訪問しました。飲料水や氷あめと共に、水害後の家屋対応の方法や、公的支援制度などを分かりやすくまとめた冊子「水害にあったときに」をお届けし、被災された方々へ活用して頂けるようお話しました。

市内では特に、成美(せいび)、福岡、守山地区で被災が見られ、災害ボランティアセンターがオープンしてから2日間で17件のニーズに対し、地元を中心に約90名のボランティアが活動されました。被害は小規模であるものの点在し局所的です。各地の事例を紹介しつつ、地縁組織や直接支援にあたるケアマネなどの福祉専門職などとも連携し、個別訪問を繰り返しながらニーズの取りこぼしの無いように取り組むことの必要性を確認しました。

尚、栗田・浦野は、5月に震度6強の地震のあった珠洲市での今後の生活再建に関する相談会運営サポートのため、その後珠洲市へ向かっています。

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RSY・愛知県の大雨への対応(第8報)

みなさま

RSY事務局です。RSYは台風2号の影響で床上浸水の被害を受けた豊橋市在住Mさん宅への個別対応を継続しています。以下、RSY宇野(コープあいちより出向中)より7月12日の活動報告です。

※私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成のご協力を頂いています。

Mさん宅訪問

RSYボランティアの女性3人(おせっかい隊)の他に、(株)デンソーの社員ボランティアさん1名と私の5人で活動しました。また、「災害復旧支援チームふじさん」の藤野さんが、私たちが到着する前から、作業を始めていました。シロアリ被害で傷んだ和室の束柱を早々に修繕してくれたおかげで、先週清掃と消毒が完了した八畳間と六畳間へ乾燥を終えた床板を敷くことができました。

 

自ら床板の管理番号を書いたMさんが、搬入する順番を私たちに指示してくれたこともあり、手際よくすすみ、あっという間に作業完了です。

 

これまで、おせっかい隊は、Mさんと相談しながら、Mさんのペース(気持ち)に合わせて作業をすすめてきました。少し時間は、かかってしまいましたが、床板、床下の清掃、消毒もいよいよあと2間(写真の三畳間[ベッドの部屋]と、四畳半間[箪笥の部屋])を残すのみとなっていました。この2間の清掃と消毒が、今回のメインの作業でした。

前回同様、床下を清掃・消毒する屋内チームと、はずした床板を清掃・消毒する屋外チームに分かれて作業をすすめました。ただし、前回との大きな違いは、この日の猛烈な暑さです。屋外に比べて、どうしても風の通りが少ない屋内の作業は過酷で、体中から汗が吹き出してきます。小まめに水分をとりながら丁寧な作業をすすめました。

屋内よりはマシですが、やはり外も暑かった。デンソーの社員ボランティアGさんは、慣れない作業でしたが、とても丁寧に床板の清掃・殺菌作業を行ってくれました。

(Gさんは、この作業以外にも重い家具の移動などで大活躍でした。)

 

お昼休憩は、用意してきたお弁当を食べながら、熱中症にならないように、水分もしっかり補給しました。サッカーの話をきっかけに、この日の話題は、学生時代にやっていたスポーツになりました。ちなみにMさんは、剣道、柔道、そして弓道もやっていたとのこと・・・。

昼食後も作業は、順調で、ついに、最後の2間の清掃・消毒が完了しました。

これで、大きな作業は、概ね終了しました。次週は、Mさんの希望で仏壇の清掃作業の他、これまで、やれなかった、細かい部分の清掃をすすめる予定です。

 

■Kさん宅訪問

この日の午後、おせっかい隊の1人が、別の地域で被災したKさん宅を訪問しました。床上浸水の被害に会い、1階にあった家具等の収納が使えなくなり、2階に上げた多くの荷物(衣類等)の整理が困難で、不便な生活を送っています。これまで、地元の支援者Nさんが、寄り添って支えており、RSYからも収納用品を支援してきました。今回は、なにかできることを模索するため、Nさんと一緒に訪ねて奥様とお話をし、荷物の整理のお手伝いをしました。次週も伺う予定です。
■報告者コメント(RSYスタッフ:コープあいちより出向中)

下の写真は、Mさんの要望で、玄関横の洋間で浸水部分の壁板を切り取っている藤野さんです。その作業を見守るMさんが、「どうしてそんなに動けるの?頑張れるの?」と藤野さんに尋ねます。

藤野さんの答えは、「そりゃあ、あんた(Mさん)の笑顔が見たいからだよ・・・」

藤野さん、本当に素敵な方です。Mさんも頼もしい相談相手ができてとてもうれしそうでした。

RSY・愛知県の大雨への対応(第7報)

みなさま

RSY事務局です。RSYは台風2号の影響で床上浸水の被害を受けた豊橋市在住Mさん宅への個別対応を継続しています。以下、RSY宇野(コープあいちより出向中)より7月5日の活動報告です。

※私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成のご協力を頂いています。

Mさん宅訪問

もはや常連となった「おせっかい隊」こと、RSY女性ボランティア3人の他に、今回初参加の男性(藤田医科大学准教授)含めた5人で活動しました。

到着早々、Mさんから「今日の作業のための準備が大変だった」とお聞きし、一同どうしたんだろうと思いましたが、その意味は、すぐに解りました。

今回作業内容を事前に連絡しておいた奥の6畳間と8畳間の床板の上の荷物が綺麗に床の間内に整理されており、床板の上はスッキリ。すぐに作業ができる状態になっていました。

また、洗浄後、元通りにもどせるようにと床板に番号も書いてあります。さらに、床板洗浄・消毒と根太(床板を支える木材)の清掃・消毒作業のためにと、たわしとブラシが2個ずつ用意されていました。

 

全員で床板を外に出してから、床板洗浄の屋外作業と根太等の清掃・消毒の屋内作業の2班に別れて早速活動開始です。

■屋外作業(床板の洗浄・消毒)

床板は、これもMさん所有の高圧洗浄機で汚れを落とした後、もう一度丁寧にたわしで擦って、仕上げ洗い。その後消毒し、外に立てかけて乾燥させました。この日は、曇天で風もあり、絶好の条件だとMさんもうれしそうです。

 

■屋内作業(根太等のブラシ擦りと消毒)

根太等の汚れや埃をブラシで擦り取り、その後、根太、土台、床の消毒をしました。作業中、Mさんからは「消毒液はどうやってつくるの?」「濃度が大事なんだね」などと、声がかかります。とても熱心に消毒作業の様子を見守っていました。

Mさんの事前準備のおかげで、この日の作業はとてもスムーズにすすみました。

作業がはかどることで、話も弾み、いつもの「お弁当タイム」では、息子さんとのやり取りや、家の修繕のことなど、今後の暮らし再建の計画についても前向きな話が聞けました。

最後は、Mさんのご要望で、草取りと垣根の刈り枝の処理をして、この日の作業は終了です。次週も支援に入ることを確認して帰路につきました。

■報告者コメント(RSYスタッフ:コープあいちより出向中)

「おせっかい隊」のメンバーとしてMさん宅に伺うのは、3回目でした。家の状態が良くなることで、被災者さんの笑顔が少しずつ増える様子を目の当たりにし、レスキューストックヤードの「寄り添う支援」を肌で感じています。洗浄・消毒作業も、あと2部屋で完了です。来週も天気に恵まれるといいな。

 

RSY・愛知県の大雨への対応(第6報)

みなさま

RSY事務局です。RSYは台風2号の影響で床上浸水の被害を受けた豊橋市在住Mさん宅への個別対応を継続しています。以下、RSY事務局長・浜田より6月28日の活動報告です。

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Mさん宅訪問

今回は、力仕事もありとのことで、RSYボランティアの女性3名の他に、株式会社デンソーの社員ボランティアさんを含めた男性3人が加わり、7人での活動となりました。

到着すると、「こんなに人が多いといろいろ考えなぁあかんじゃん」と開口一番のMさん節が聞かれましたが、笑顔で受け入れてもらえました。

Mさんが気になっていることを丁寧に聞いていくと、「草を刈ってもらおう」「冷蔵庫の中をふいて」と、一つひとつの用件について私たちへの声掛けがはじまったので、屋外と屋内にわかれて作業を開始しました。

持参したお弁当を一緒に食べている間、週末に、息子さんの仕事仲間が大勢来てくれて、ベッドの部屋の畳を出したこと、食事は被災した住宅で作って、一時的に入居できた公営住宅へ戻って食べていること、ようやくゆっくり眠れるようになったことなど、たくさん話してくださいました。たわいないおしゃべりも大切な時間です。

午後は、板間の拭き取りと塩素系漂白剤での殺菌を行いました。

板間の応接間と食堂は、水分を含んだままの板が浮いてきているのがご自身でも気になっていたようですが、「はがしましょうか」と促しても、なかなか首を縦に振りません。

そんなところへ、あとから合流したチームふじさん代表・藤野さんが、決して急かすことなく、声をかけ続けた結果、Mさんから「(頼みたい気持ちはあるけど)遠慮があるじゃんね〜」という一言が聞かれました。すかさず「今、Mさんが遠慮されて、もし何もしないまま僕たちが別の被災地ができて、行くとしますよね。その後に『来てくれ』と言われてもすぐに駆け付けられない。そうなると僕たちも辛くなるなぁ。。」という藤野さんの語りかけで、Mさんは床板剥がしに同意されました。藤野さんとチームふじさんの助っ人2人が、2部屋の床板をはがし、コンパネを借り敷きしました。

一歩一歩、作業は進んでいますが、暮らしが元に戻るまでには、消毒や乾燥、修繕などまだまだ時間も作業もお金も必要です。

おせっかい隊は、来週もうかがう予定です。

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RSY・愛知県の大雨への対応(第5報)

みなさま

RSY事務局です。RSYは台風2号の影響で床上浸水の被害を受けた豊橋市在住Mさん宅への個別対応を継続しています。以下、RSY事務局長・浜田より6月21日の活動報告です。

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Mさん宅訪問

着いてみたら、先週手つかずだった部屋の窓が開放されて、片づけが進んでいました。今回はタンス3棹と机1台が置かれたその部屋の片付けが中心でした。

下2段が水に浸かってしまったタンスや畳はとても重く、これを出す作業は、女性だけでは無理かと思っていたところへ、RSYと繋がりがあり、豊橋市在住の男性ボランティアさん2人が到着し、お昼前までに、すっかり運び出せました。

 

Mさんもカビや臭いが気になってきたせいでしょうか。これまで片づけることに躊躇されていた姿とはうって変わって、「畳と布団は、通りに近いところまで運んで」「これもほかって(=捨てて)」といった言葉が出てきました。片付けのスイッチが入った感じでした。

「今俺が見たからこの写真は、もういらん」「(亡くなった奥さんの服を見つけて)こんな所にあったのか」とひとつひとつ確かめ、思い出話をしながら、「何を捨てたか、知っておかんとなぁ」というMさんペースを尊重しながらの作業が続きます。

Mさんは翌日の雨を心配して、「外に出したものを室内へ戻して欲しい」と言われました。しかし、水害から既に2週間が経っていることもあり、畳をはがした床板がまだ濡れていて、カビや臭いも気になりました。本当は、一日も早く乾燥・消毒が必要な状況だったので、「ものはまだ戻さない方がいいですよ」と喉まで出かかったのですが、タンス下段の引き出しを自ら壊して、少しでも軽くして、運び易くしてくれた気持ちを想い、今回は何も言わずに運びました。

床下の対応については、随時お伝えはしているものの、ご自分の手順やペースがあり、一気には進みません。こちらも焦らず、しかし家の保全のためにできるだけ前に進めるよう一緒に思考錯誤しながら取り組んでいます。

 

息子さんのお部屋は随分片づけが進んでいました。夜勤明けの休みの日に片付けをしているとのことで、お二人の身体への負担が気がかりです。

帰りぎわに、「皆が帰ると寂しくなるな」とポツリと漏らされました。何よりの労いの言葉でした。

なお、岡崎市災害ボランティアセンターは、6月9日より、市社会福祉協議会の通常のボランティアセンターでの対応に切り替わったため、貸し出していた資機材もその役目を終え回収しました。

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RSY・愛知県の大雨への対応(第4報)

みなさま
RSY事務局です。RSYは台風2号の影響で床上浸水の被害を受けた豊橋市在住Mさん、Sさん(喫茶店店主)宅への個別対応を継続しています。以下、RSYに出向中のコープあいち・宇野さんからの報告です。

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■Mさん宅訪問
6月8日の第3報であげた床上浸水の被害を受けたMさん宅へ3度目の訪問をしました。ボランティア3名(加藤さん、山口さん、藤井さん)、RSYスタッフ宇野(コープあいちより出向中)の計4名の体制で伺いました。

この日は、久しぶりの晴天で、到着して先ず目に入ったのは、庭に干された沢山の洗濯物でした。最初に「また、来ました!」とMさんに明るく声を掛けたのは、前回も訪問し、すでに顔馴染みのボランティア、加藤さんです。

今回は、RSY大口倉庫から、持ってきた、冷蔵庫を先ず見ていただき、お役に立てるのなら使って欲しいと最初に申し出ました。
冷蔵庫を見たMさんは、「仮住まいの市営住宅で使いたいが、ちょっと大きいなぁ」とおっしゃっていましたが、話をお聞きする中で、ご自分で運ぶのが、大変だという気持ちから躊躇されていることが解り、搬入も撤去もRSYでやりますとお伝えしたところ、使っていただけることになりました。
その後、Mさんも同行し、藤井さんと宇野で、車で30分ほどの仮住まいへ、冷蔵庫を運びました。冷蔵庫を搬送中の車内では話が弾み、その中で、息子さんと水に浸かってしまった自宅の冷蔵庫を移動させている際に壁に挟まれたこと、「ここ(左胸)、肋骨にひびが入っている、大きな息をすると痛い」、「足がむくんでるやろう、ひどくなっている、なんでかな」と気になっていることも口にされました。
仮住まいに到着後、改めて藤井さんと宇野で丁寧に、冷蔵庫を清掃し、無事設置できました。


「あ~よっかた。弁当が作れる」「卵も腐らせてしまったんだ。」「2リットルのペットボトルが入るように棚は自分で調整するよ」とニッコリされました。
一方、Mさん宅に残った二人は、家の前の側溝内のゴミすくいです。本当は、家の中が気になりますが、最初は、あくまで、Mさんの要望に添った形で清掃作業に入りました。
お昼には、前回同様、豊川稲荷で購入した「いなり寿司」を一緒に食べてから、午後の作業を始めました。二度目の訪問で、Mさんの気持ちを一番理解している加藤さんが、家の中に入り、先回訪問時に干した写真の整理をした後、「どうしても廊下の土埃を雑巾がけしたい」、「歩くたびに土埃が舞い、身体にもよくないから拭きたいと」提案すると、「仕方がないな。やってもいいよと」と言ってくれました。

また、片付けが済んでいない部屋が3か所あるので、「カビが生えたり、このままにして置くと床がぬけてしまう」と伝え、特にカビは、身体に良くないし、臭いも酷くなると伝えると、Mさんも臭いが気になっている様子で、何とか早く畳を出せるようにしたいと言いました。遠方に嫁いだ娘からは電話で「掃除をする時は、マスクをしなさい」と言われている。した方がいいかな~とも尋ねられることもあり「した方がいいです!」と答えるとマスクを探してきて、一緒に片付けをしてくれました。


加藤さん以外の3人は、引き続き家の周りの清掃を行いました。庭に流れてきた木くずの除去を依頼され、松井さんも「すっきりしたなぁ、いいわ」と笑顔。その後、物置の散乱した材木を整理して、その日の作業を終了しました。

清掃作業以外では、午前中の冷蔵庫の搬送中、Mさんの足のむくみについて話を聞いた藤井さん(看護師)の勧めで、睡眠時に下肢挙上できるようにと、RSYから持ち込んだ「ゴロリンマット」を何枚かお渡ししました。また、お風呂マットの代わりに貸して欲しいとの要望もいただき、追加でお渡ししました。
その他にも、「水につかってしまった流し台とガス台を何とかしたい。」「干した服を整理するための段ボールが欲しい」など、少しずつMさんから要望を言ってもらえるようになりました。すかさず加藤さんが「今後はどんなペースで来たらいい?」と尋ねると、「週1ぐらいかな」と、何と予約の了解も取り付けました。


別れ際、いつまでも話は尽きませんでしたが「そろそろ疲れが出る頃なので、無理をしないようにね」とお声がけして帰路につきました。
■Sさん宅(喫茶店・珈美風船)訪問
前回の訪問で、床板に敷いたブルーシートの上で寝ているため、身体が痛くてよく眠ることができないとお聞きしていたので、段ボールベッドのキットを積んで、午後、加藤さんと宇野が再訪問しましたが、お留守でした。帰りにもう一度、訪問した際には、ご主人とお会いすることができ、家の片付けも何とか終わり、現在は、夜、息子さんの所で寝ていると話してくれました。「気にかけて頂きありがとう」と言ってくださいました。

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この支援金は、スタッフの現地派遣や情報発信、被災者への生活支援プログラ
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RSY石川県珠洲市への支援について(第7報)

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。

台風2号の影響により、愛知県も含め各地で被害が多発しています。被災された皆様には心からお見舞い申し上げます。

RSYはスタッフで手分けをしながら、豊橋市・岡崎市等への支援を開始すると共に、なごや防災ボラネットと連携し、5月5日に震度6強の揺れを観測した石川県珠洲市への支援も継続しています。以下、常務理事・浦野から第4陣・5陣の派遣活動報告です。

※私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成のご協力を頂いています。

 

 

<RSYの活動>

1.これまでの派遣実績

・第1陣:5月7日(日)~5月11日(木)/浦野・松井(RSY)

・第2陣:5月15日(月)~5月19日(金)/浦野・栗田(16日のみ)・稲垣(RSY)

・第3陣:5月23日(月)~26日(金)/浦野・林・松井・稲垣(RSY)、椿・山口(なごや防災ボラネット)

・第4陣:5月29日(月)~6月1日(木)/浦野・稲垣(RSY)、椿・岡田(なごや防災ボラネット)

・第5陣:6月5日(月)~8日(木)/浦野・稲垣(RSY)、椿・伊東(なごや防災ボラネット)

2.活動内容

①珠洲市災害VCへの協力

第3陣に引き続き、ニーズの上がりが少ない「直(ただ)町」の個別訪問を担当しました。全220世帯(在宅108件、不在83件、空き家29件)を順次回り、その後範囲を広げて、正院町川尻地区28世帯(在宅14件、不在10件、空き家4件)も訪問。生活状況の把握と共に、ボラセンの案内や公的支援制度、災害廃棄物等の情報提供などを行いました。

<住民の声>

●罹災証明が送られてきたんだけど、母屋は半壊、土蔵と納屋は全壊でした。罹災証明の調査員がきたとき、応急危険度判定が緑だったからか、家の中は見て行きませんでした。でも壁に無数のひび割れと崩れ、柱は裂けて2階の階段もずれていて、半壊という判定には納得がいっていないんです。この家はもう解体して、跡地に小さな家を建て直そうと思います。(スタッフが罹災証明書の再申請や適用されそうな支援制度、弁護士への相談窓口を紹介)。まだはっきりは分からないけど、何らかの支援や融資が受けられるということですね!よかった~。判定についてはどうしても納得がいかないので、再申請する方向で考えます。(88歳・女性・一人暮らし/市外に住む娘が同席)

●しばらく空き家になっていたので、親戚と一緒に見に来ました。家の中はどこも家財が散乱していて、片づける気にもならない。かといって、家を解体しようと思っても家財は外に出さなければいけない。どうしたらいいか途方に暮れる。応急危険度判定は黄。罹災証明はこれから出しに行こうと思います。ついでに災害ボランティアセンターにも頼んできますね。(70代・女性)

●最初に建てたのは100年以上前。この棟はしっかりしていたけど、建て増ししたところが破損している。何度も地震にあう中で壊れるところは同じ。階段は床が抜け、2階にあったタンスは倒れてバラバラになった。夜は寝つきが悪いので眠剤を飲んでいる。(RSY看護チーム同行。健康チェック等を行った)(80代・女性)

●私は元消防士で防災士の資格も取った。普段自分が良く過ごす場所の電化製品や家具は留めてある。津波が来てもいいようにライフジャケットも用意してある。でも家具留めしていなかったタンスはやっぱり倒れてたよ。罹災証明書は出したほうがいいんだね。これから行きます。(80代・男性)

●ここは、本家で近隣に親戚が多くいる。水が出ないので困っている(5月28日現在)。元々台所、お風呂、洗面所、トイレすべて井戸水を使っている。どこが悪いのか、台所の床をはがしてみようかと思うが、食器棚など大型のものを動かさないといけないのでどうしたものかと。今日は罹災証明の調査があるというので来た。家財は一人で片づけている。2階が一部おちている。ボランティアセンターに頼めるのなら頼みたいが出張も多く時間を合わせるのが難しい。(50代男性・市外在住)

●自分の生家が、空き家になってもきれいにしてあった。地震で家財が倒れたり、中のものが飛び出したりで見るも無残。息子たちは、空き家なんてほっとけと言うけどな…そこまでの山道500mくらいが崩れていたけど、自分で補修をし通っている。(80代・男性)

●地震にめげずに畑で働き、仲の良い友だちと話をして、空いた時間に本を読み、楽しく暮らしている。今から畑にエンドウを取りに行く。今日はボランティアの人に割れたガラス3枚を直してもらった。とても気分がいい。ボランティアの人って本当にありがたい。(86歳・女性)

●家は、緑判定。ほとんど被害はないが、正院のほうの方は大変よね。壁に少しひびが入っているけど、これを直すとなると塗りなおしの面積が大きく、お金がかかるので気にしないでおこうと思う。年金生活なのでお金をかけられない。(70代・女性)

●夜寝る時は、パジャマはきていない。すぐに逃げられるように。まだまだ地震もあるし、怖いね。(応急危険度判定・赤)(70代・女性)

●納屋が応急危険度判定赤で傾いている。罹災証明は出していないが出したほうが良いのなら、息子に頼もうと思う。友だちが民宿をしているが、そこで泊まっているボランティアさんは宿代も払って食べることも自分たちでしているので、申し訳ない。うちは、私一人なので、空いているからボランティアで来るのなら使ってもらってもいいわ。(70代・女性)

●家は、ところどころひびが入っていたりゆがんでいる。罹災証明をとっても結局お金がないので全部直せない。判定がついて制度が使えるって言ってもどんな制度があるのか、HPも見れないのでわからない。(制度についてはスタッフから補足説明した)(50代・男性)

②罹災証明書未申請者への支援

高齢化率が50%を超す珠洲市では、罹災証明書の申請手続きがいまだ済んでいない要配慮者世帯が少なくありません。罹災証明書は生活再建への歩みを進めるための最初の一歩。この大切な手続きも、これまでの活動で住民の声を聴くと、情報がなく必要性が分からない、市役所までの移動手段がない、申請書類を自力で整えられないなどが原因で進んでいない状況が分かってきました。そこで、RSYは市や石川県内の福祉系職能団体と共に協議を重ね、下記3つの取り組みがスタートしました。

★取り組み1:RSY主催「珠洲市公的支援制度支援者勉強会」

6月1日(木)20:00より、オンライン勉強会を開催し、市や市社協、県内福祉系職能団体、技術系NPOなど33名が参加しました。講師には、堀井秀知先生(徳島弁護士会/日本弁護士連合会災害復興支援委員会副委員長)をお迎えし、『直接支援にあたる支援者に知っておいて欲しい公的支援制度の基本』について教えて頂きました。

・罹災証明書の申請は生活再建のためのパスポート

・申請には2段階ある(罹災証明書発行後の被災者生活再建支援金や応急修理制度など)ので継続的な伴走支援が必要

・借金のある方向けの「被災ローン減免制度」や高齢者向けの「リバースモーゲージ融資」などを有効活用して、自分の家を持ちながら住み慣れた土地で暮らしを維持継続できる方法を考えよう!

・みなし全壊(半壊判定で解体した場合は全壊とみなされるため、もらえるお金や受けられる支援の枠が広がる)の考え方

など、専門家に聞かなければ分からない様々な情報を共有する機会となりました。特に静岡県弁護士会の永野海先生が作成された被災者カード(裏)が現地で有効活用されています。支援の全体像が一目で分かるので、ローラーや個別訪問の際にもスタッフが必ず携帯しています。

市は、録画動画を日ごろから福祉サービスに関わるスタッフと共有し、利用者への説明や各種手続きのサポートに時に役立てるとのことです。

★取り組み2:罹災証明書未申請・要配慮者世帯への申請サポート

市は「生活サポート部会」の取り組みの一環として、一人暮らし75歳以上高齢者で、罹災証明書の申請がまだの人を抽出。このリストを地区の区長、民生、婦人会、老人会、公民館長などに見てもらい、被害がないor軽微な人、家族や地元対応可能な人を取捨選択し、最終的に残った人(おそらく地域でも把握・介入が難しい人)を部会メンバーで巡回、生活課題の把握と申請までの手続き支援を行っています。
サポート部会は、健康増進センターが音頭を取り、福祉課(障害、包括)同席のもと、石川県の精神保健福祉士会(PSW)・相談支援専門員協会がマンパワーの協力、RSYは全体の体制構築のサポートと現場でのOJTに関わっています。
6月6日(火)から2人1組、1日2~3チーム体制・12~13世帯を訪問開始。被害が集中する正院町では28世帯の未申請者を個別訪問し、16件の申請につながりました。市は、以降も他地区にも範囲を広げ、障害者、高齢者二人暮らし、シングルマザー世帯なども対象に入れたいと考えています。
6月8日(木)市、PSW会、相談支援専門員協会、RSYでオンラインミーティングを行った結果、対象想定数200世帯を6月末までに終了することを目指し、1日10名・5チーム体制で継続的に取り組むことが確認されました。マンパワーが不足した場合は、PSW会より、県のケアマネ協会や社会福祉士会にも協力要請を行っていくことで合意。最終的に残る長期支援ニーズについては、通常の福祉サービス・相談業務の中で、伴走支援を継続してくこととなりました。
訪問では、未申請者の他、認知症の進行や生活困窮者世帯、震災由来の生活環境の悪化で、深刻な福祉課題を抱えるケースも明るみになっています。活動にあたっている福祉専門職からは、「この活動は、震災がなければ気づけなかった従来からの福祉課題の発見にも役立っている」という声も聞かれており、聴く力・見る力・分析する力のある福祉専門職の関わりの頼もしさを改めて感じました。
※関連記事

6月7日(水)北国新聞朝刊

「罹災証明や支援制度 高齢者宅出向き説明 珠洲市、申請漏れ防ぐ」

★取り組み3:今後の生活再建を考える無料相談会(仮称)の企画サポート
正院町では、自治会が主催となり、弁護士による公的支援制度、家の専門家による修繕の考え方の解説に加え、市の各種手続き申請ブースや、足湯・カフェブース、健康相談ブースなどを併設したワンストップ型の出張相談会の開催に向けて準備を進めています。会場では食生活改善委員による軽食の提供もあり、できるだけ敷居の低い相談会の場となるよう、7月開催向け、RSYも運営のお手伝いをしていきます。

震災から3週間~1か月が経過する中で、一通りの片づけは進めたものの、心身共に疲れ果て途方に暮れている方も少なくありません。またボイラーや浴室の破損により、いまだ自宅のお風呂に入れない方もいます。この際小さな家に住み替えるため解体するか否か、修繕して住むにしてもその申請や業者との段取り、お金の問題など、決して簡単には解決できない現実に直面しています。

「もう何から手を付けてよいか分からない」「自分は歳やし、どうせもうすぐ死ぬんだから何もせんでこのままでええわ」などの戸惑いや諦めの言葉も多くなってきました。その一方で、ひとしきりボランティアと話終わった後、「胸につかえていたものが取れてすっきりした。聞いてくれてありがとう」という言葉もありました。

一人ひとりのつぶやきの中から、それぞれの暮らしの歴史や生活背景が垣間見えます。そこに丁寧に目を向けながら、痛みを分かちあい、一緒に悩み考えようとする「人の関わり」が、地域、外部共に必要であると切に思います。

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