RSY石川県珠洲市への支援について(第2報)

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。

RSYは現在、5日に最大震度6強の地震が発生した石川県珠洲市へ、常務理事・浦野含む2名のスタッフを派遣し活動にあたっています。スタッフが宿泊しているのは輪島市のホテルですが、連日早朝からけたたましく緊急地震速報がなり、震度2~3の余震の影響を受けています。引き続きスタッフの安全配慮に務め活動を継続します。以下、浦野からの報告です。

※私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成
のご協力を頂いています。

<珠洲市の被害の概要>

死者1名、負傷者32名、全壊9、半壊9、一部損壊450

避難所3か所(合計15~20名程度)

断水解消後の水道水の濁りもほぼ解消、給水車活動終了

ガラスくずなどは8日から各ゴミステーションで、大きなゴミは9日より市営野球場駐車場で災害廃棄物の受け入れ開始

災害ボランティアセンターは11日より一般ボランティアの受け入れ開始

<避難所の様子>

※9日朝・保健医療福祉調整本部報告より

・避難所は正院小学校14名、交流公民館1名、蛸島公民館3名が避難。

・栄養士等が巡回し、栄養価の高い支援物資の選定・配布ができるよう調整中。また、野菜・タンパク質摂取に配慮した汁物の炊き出しを開始(9日夕食より)。

・避難者のほとんどが高齢者。不眠を訴える方多数。適宜医療チームが巡回し、必要に応じて病院への搬送等を行っている。要配慮者への配慮として、JRAT(日本災害リハビリテーション支援協会)による手すり等の設置や、日赤医療チームによるラップポンの配置も行われている。

<在宅避難者の様子>

避難所が3か所に縮小し、在宅避難者等が増加。保健医療福祉調整本部では、市より提供された一人暮らし高齢者、高齢者世帯、障がい者世帯の名簿をもとに、看護師、保健師、JRAT、日赤、ピースウィンズジャパン等の、内外支援団体混成チームで該当者宅を訪問し、健康や生活課題に関するアセスメントを実施中。

8日は4チームで24世帯を訪問。9日の時点で該当世帯62世帯に対し、浦野を含む4チームで対応しました。家屋被害や心身の健康状態、生活課題をこまめに把握するためには、1世帯最低1時間程度のヒアリング時間が必要となり、今後も該当世帯は増えることが見込まれるため早急なマンパワーの確保が課題となっています。山間地域では特に家が分散しているため移動にも時間がかかる上、訪問中も断続的な余震があり、震災から4日後も緊張感や不安感が続いています。浦野は午前中2件を訪問しました。

★被災者の声

・結婚後家を出ましたが、主人が亡くなったのを機に、この生家に戻りました。あれから10年になります。今回の地震で建具も傷み4つのふすまや扉が開きにくくなっちゃって。瓦も壊れたのか雨漏りもするのよね。ほら、土壁が落ちて少し光がさしてるでしょ?壁についた雨の染みも乾かない。雨漏りするたびに廊下を拭いたりで大変だった。大工さんには頼んでるの。でもいつ修理に来てくれるかは分かりません。

2階は震災後1度も上がってない。近くに住む孫から「ばぁちゃん、危ないから上がるな」って言われたから。一昨日まで避難所にいたんです。親しい人が周囲にいないからひとりで寂しく不安だった。仲良しのお隣さんは、ご家族が金沢に引き取られたの。余震もあったし全然寝られなかった。ボイラーが壊れたから、お風呂に入れないのが一番苦で。給湯器も使えない。でも、その他のトイレや洗濯、食事づくりは問題なく自分でできてます。でも冷蔵庫が30㎝ぐらい動いたの。すごい力ね。寝る場所は雨漏りはないから大丈夫。買い物や通院はタクシーを利用してるの。病院にも行きたいけれど、お風呂に入っていないから恥ずかしくて行ってない。今日業者さんがきてボイラーが直ればお風呂に入れるから、明日病院に行くつもりです。

罹災証明書?何ですか?それ。被害の写真なんて撮っていない。カメラも携帯も持ってないし。とにかく私は昔から病気をしない丈夫な身体が自慢なの。今回もケガの一つもなくて本当によかった。ボロボロの家だけど、自分が生まれたこの家を最後まで守って、これからも1年、2年と頑張って過ごしたいです。

(その後細心の注意を払い安全配慮の上、2階に一緒に上がり状況確認。いくつかの部屋は家具等が散乱していた)去年の地震で倒れたテレビ台とか、孫がもうそのまんまにしとけって。どうせ2階になんかいかないから大丈夫。ボランティアさんの協力も今のところいりません。【80代・女性・ひとり暮らし】

・俺の家からは避難所になってる公民館までが2キロの山道なんだよ。車もないし、自転車で行こうにも、あんなどしゃ降りの中じゃ無理だ。結局家にいるしかねぇんだよ。だから今眠剤を1日2錠処方してもらってるけど1錠しか飲んでないの。もしまた揺れたらすぐ外に出なくちゃならねぇだろ?ぐっすり眠りこけてちゃ起きれないからな。玄関雨漏りするし、扉が開かないところもある。風呂の壁が崩れてボイラーもやられてるから、湯が沸かせない。普段ほとんど使ってないけど、奥の部屋は家具も倒れてぐちゃぐちゃ。でももうそのままでいいよ。遠方に住む息子が来た時にでも片づけてもらう。ベッドのあるこの居間は、テレビや本棚が倒れたらまずいと思ってガムテープで止めたんだ。効果あるかわからないけど。。風呂の修理はまだ頼んでない。でももともと風呂嫌いだから、冬ぐらいまでに直せればいいと思ってる。

買い物は近くスーパーの宅配を頼んでる。一応自炊してるんだよ。食事内容や食欲は震災前と変わらないよ。洗濯も自分でやってる。困るのは、とにかく足がないから、り証明書の申請も、通院も、銀行にお金おろしにいくこともできない。タクシーで往復5000円近くかかるんだから。

最近コンロに火をかけたのを忘れてしまうことが度々あって。たばこの火でベッドもこがしちゃって。。。女房が亡くなって10年経つけど、それでも自分がしっかりしているうちは一人でここで頑張りたいんだ。ここに人が訪ねてくることもほとんどないね。2か月に1回ぐらい社協の人がくるかな。民生委員さんは自分の家の裏ががけ崩れになったから来れる余裕なんてないだろうよ。気の毒に。とにかくこれからも自分のペースで生活を続けたい。何より人に迷惑をかけることが一番嫌いだからね。【80代・男性・一人暮らし】

 

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個別訪問に行くと、雨漏り、建具の損傷、居室の家具転倒による散乱、ボイラー破損による入浴等の不具合などが見られました。また「公民館まで遠いので避難したくてもできない」「家にいた方が気が楽、離れたくない」なども声も多く、これが避難所の早期閉所の一因となっているように思われます。山間の地区では家と家が離れていることもあり、孤立しがちで一人で頑張ろうとする傾向や、他人の手を借りることへの遠慮や気兼ねの強さも感じました。避難生活や日々の余震への恐怖や疲れも重なり、一気にことを進めるのではなく、まずは日常の落ち着きを取り戻したいというお年寄りの想いが伝わってきました。

これまでの被災地でも、災害後10日~2週間頃に大きく体調を崩す方が増加する傾向があります。また、今回の地震では一部損壊世帯が大多数で、国から受け取れる支援金ほとんどないことが予測されます。経済力の弱い方々は十分な修繕ができないまま、居住を継続する可能性もあり、暑さ対策や寒さ対策、今後の地震の被害リスク軽減をどう進めていくかも今から検討しておく必要があります。また、これまで介護保険等を利用していない方でも、今後の体調変化を見据えた上で、介護認定の申請等を勧めるなどの必要性も感じます。

同日、地元での私たちの窓口になって頂いている穴水町社協さんらとこれらの状況を共有しながら、近隣2市2町の繋がりの中で、どのような生活支援が展開できるかについて意見交換しました。過去の災害で、在宅避難者のアセスメントや個別支援に深い知見のある「特定非営利活動法人YNF」代表理事・江﨑太郎さんや北陸学院大学・田中純一先生らにも合流頂き、罹災証明書発行後の第2回目のアセスメント開始のスケジュール感や項目立て、経済力の弱い方々の仮復旧の支援や孤立感や不安感の軽減、いつも後回しにされがちな食生活の維持・改善などの必要性についてもアドバイスを頂きました。

身体的、肉体的限界を迎える前に、困った時に頼れる人の繋がりづくりや、正確かつ適切な情報の提供、各種手続きの申請に関する伴走支援、生活環境の整備などを進めていけるよう地元の皆さんと共に検討を重ねていきます。

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RSY活動支援募金にご協力ください!
(随時受付中)
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この支援金は、スタッフの現地派遣や情報発信、被災者への生活支援プログラ
ムのために活用致します。<銀行振込>
三菱UFJ銀行 本山支店 普通3505681
特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※「カツドウキフ 寄付者のお名前(カタカナ)」とご入力ください。
<郵便振替>
00800-3-126026

 

 

RSY石川県珠洲市への支援について(第1報)

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。

5日に能登半島沖で発生した地震について、犠牲となられた方と共に、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。

RSYは昨日から、震度6強の地震に見舞われた石川県珠洲市へ、常務理事・浦野の他、スタッフ1名を派遣しています。以下、浦野からの報告です。

※私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成のご協力を頂いています。

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(被害状況/珠洲市)石川県発表(5月8日現在)

死者1名、負傷者32名、全壊7、半壊9,一部損壊336

避難所10カ所(滞在者0人)

8日の時点で断水は解消

災害救助法:珠洲市、輪島市、能登町に適用

応急危険度判定:「危険」51棟、「要注意」81棟(5月8日北國新聞)

(現地での活動の様子)

2007年3月21日に発生した能登半島地震の支援で関わりが深まった、穴水町社会福祉協議会(以下、社協)のHさんと、穴水町ボランティア連絡協議会代表のTさんと共に珠洲市社協を訪問し、現状や災害ボランティアセンター立ち上げに関する今後の課題等を共有させて頂きました。

能登地方には、2市・2町の社協からなる「能登北部ボランティア部会」が形成されており、代表理事・栗田は、部会が開催する研修会などに講師として招かれた経緯もあります。能登北部地方は、金沢市内から車で2~3時間程度かかるということもあり、何かあった時は近隣市町で助け合っていこうという連携の土壌も育っている地域です。

打合せの後、穴水町社協の方々と共に、被害が集中していた正院小学校、直公民館、山間地域の日置公民館等の避難所を訪問しました。7日から降った大雨が8日朝には上がったため、ほとんどの方が自宅に戻って復旧作業に当たっているそうです。日中は一人も避難者の姿はありませんでした。

市には、「保健医療福祉調整本部」が設置され、それぞれの専門職が避難所のアセスメント調査を行い、早い段階で環境改善を進めていました。また、在宅避難をしている一人暮らし高齢者、高齢者世帯、障がい者世帯を優先に、保健師と看護師がチームを編成し、個別訪問によるアセスメント調査も始まっています。

本日より浦野もこの活動に参加させて頂き、要配慮者の生活課題の早期発見、早期対応に向けて今後必要となる生活支援プログラムについて地元の方々と検討していく予定です。

現地には、震災がつなぐ全国ネットワークの加盟団体である、レスキューアシストや、ピースボート災害支援センターなどが既に活動を始めているため、随時情報交換を重ねながら、災害関連死や健康被害防止に向けて効果的に動けるよう連携していきます。

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RSY活動支援募金にご協力ください!
(随時受付中)
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この支援金は、スタッフの現地派遣や情報発信、被災者への生活支援プログラ
ムのために活用致します。<銀行振込>
三菱UFJ銀行 本山支店 普通3505681
特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※「カツドウキフ 寄付者のお名前(カタカナ)」とご入力ください。
<郵便振替>
00800-3-126026

 

 

 

(リマインド)【参加者募集】トルコ・シリア地震 被災地の現状を知る学習会(拡散歓迎!)

みなさま
お世話になります。RSY事務局です。
今日で、トルコ・シリア地震から3か月が経ちました。被災地域のみなさまには、心からお見舞い申し上げます。
昨日石川県珠洲市で発生した震度6強の地震も含め、地震が頻発しております。この機会に、被災地の現状を知ると共に、私たちの地域での防災対策について、今一度しっかり見直すきっかけになればと思います。皆様のご参加をお待ちしております。
※なお、珠洲市の地震については現在も情報収集を継続中です。
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トルコ・シリア地震  被災地の現状を知る学習会
=CODE事務局長・吉椿雅道氏に聞く=
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【目的】
トルコ・シリアを襲った未曾有の地震から2か月あまりが経ちました。RSYは
街頭募金や寄付金の呼びかけを行い、以前から海外の災害支援において信頼の
ある「CODE海外災害援助市民センター(CODE)」を通じて、被災者の生活

再建に役立てて頂きました。

昨今、現地の様子を日本の報道で取り上げることはほとんどなくなりまし

が、CODEは2度のスタッフ派遣を経て、地元のカウンターパートやボランティ
アと共に丁寧な関わりを重ね、状況の把握や今後の長期的な支援について検討

を続けています。

そこで今回は、CODE事務局長の吉椿氏と、共に現地入りされたインターンの

学生さんを名古屋にお招きし、被災者の心情や課題、文化的背景等を学ぶと共
に、日本からできる支援について改めて考える機会を設けます。

多くのみなさんのご参加をお待ちしております。

【日時/場所】
5月12日(金)18:30~20:00
・リアル参加の方:名古屋建設業協会1階会議室

(RSY事務所のある建物の1階/名古屋市東区泉1-13-34)

・オンラインの方:前日までにZoomアドレスを送付致します。

【参加対象/申し込み】
・無料・どなたでも参加可
・下記GoogleフォームよりRSY事務局へお申込み下さい

(締め切り:5月11日(木)正午)
https://forms.gle/Vjm85z7nZ16LX2B49【内容・スケジュール】
・18:30~18:35
RSY代表挨拶

・18:35~19:35
講演「被災者の現状と課題、地元支援者の動き」
CODE海外災害援助市民センター
事務局長・吉椿雅道氏、学生インターン

・19:35~19:40
バズセッション
2~3人の少人数で講演内容について感想や疑問点を共有します。

・19:40~20:00
質疑応答、インフォメーション、終了

【主催】認定NPO法人レスキューストックヤード
【共催】災害ボランティアコーディネーターなごや
(お問い合わせ)
認定NPO法人レスキューストックヤード(RSY)
〒461-0001 名古屋市東区泉1-13-34 名建協2F
 TEL:052-253-7550   FAX:052-253-7552

能登半島での震度6強の揺れについて

みなさま
お世話になります。RSY事務局です。
先ほど、石川県能登半島で発生した震度6強の地震について、常務理事・浦野が、2007年3月21日の能登半島地震で被災した穴水町と昨年の水害で被災した石川県小松市の関係者に連絡を取りました。いずれも震度4程度で、揺れは長く続いたものの、怪我や倒壊した建物はないことを確認しました。
震源地となった珠洲市は昨年6月にも震度6弱の揺れを経験しています。その際は神社の鳥居が倒壊するなどの被害は出ましたが、家屋の倒壊被害はほとんど報告されていませんでした。しかし、今回は震度6強であり、報道では一部の建物の倒壊も見られているようです。また、家具の転倒やガラス等の破損など室内の被害も少なくないと予測され、揺れへの恐怖感に伴った、精神的なサポートの必要性も感じます。
今回の地震の余震も含め、連続する揺れで家の傷みが進むと、倒壊のリスクも高くなることが予想されるため、引き続き警戒が必要です。
RSYでは引き続き穴水町社協はじめ、石川県内の関係者から情報収集を続け、必要に応じて対応を検討致します。

【募集】東北・七ヶ浜ツアー報告会 – 被災地を想う若者たちの記録 -(転送歓迎)

皆様
お世話になります。RSY事務局です。
RSYは3月、東日本大震災から12年を迎えた被災地に向けてスタディーツアーを行いました。そこに参加した若者たちが中心となり、『自らの体験を自分たちの言葉で伝えたい』と、報告会を開催することになりました。
これまでに何度も話し合いを重ね、準備を続けてきた手作りの企画です。広報用のチラシも添付しますが、チラシ作成や当日の運営、準備も含め、全て彼らが行っています。
東日本大震災にゆかりのある方も、ない方も、あれから12年経った今だからこそ織りなされる言葉の数々を、ぜひ聞きにお越しください。
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東北・七ヶ浜ツアー報告会
– 被災地を想う若者たちの記録 –

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RSY は2つの東北ツアーを企画して、若い世代が東日本大震災について改めて学ぶ機会を設けました。

ひとつめのグループは、被災者を含む若い世代で構成され、2023 年3 月10 日から13 日までの間、岩手・宮城・福島の3 県を巡り学びました。

もうひとつのグループは、RSY が震災当時から支援を続けてきた宮城県七ヶ浜町に行き、そこでの震災について学びました。

今回はそんな2つのグループが交流し、それぞれ感じたことや体験したことについて発表しあいます。

★日時
5月21日(日)午後1時半~4時半

※参加費無料

★会場
(リアル)イールーム名古屋駅前A
名古屋市中区名駅3-12-14今井ビル5F
※名古屋駅東口から徒歩5分
(オンライン)当日までにアドレスをお送りします。

★応募方法

下記のGoogleフォームへご記入下さい。
★応募締め切り
対面 :1週間前(5/14)
オンライン : 前日(5/20)
※会場参加の定員は50 名です。
定員になり次第応募は終了致します。
★問い合わせ
認定NPO 法人レスキューストックヤード(RSY)
住所 : 名古屋市東区泉1-13-34名健協2F
TEL : 052-253-7550
Mail : info@rsy-nagoya.com
担当:森本・浦野
★チラシ
※本事業は、独立行政法人福祉医療機構(WAM)令和5年度通常助成事業の助成を受けて実施します。

「3.11ユースCafe 2022年度活動報告書」のご紹介

RSY事務局です。

東日本大震災から12年が経過しましたが、東海3県(愛知県・岐阜県・三重県)には、現在でも約1,050名の方々が避難登録をされています。原発事故の影響も大きかったため、避難世帯は子育て世帯が多く、愛知県の場合、震災当初小学生以下だった年代が避難者全体の30%を占めています。
月日が経過し、高校生や大学生の年代に成長した若者の声から今後の支援を考えるため、RSYでは2021年に東海3県の若者当事者対象のアンケート調査を実施しました。回答結果では、「震災前にいた地域の現状を知りたい」が9割、「自分の経験を伝えていく必要がある」が8割強あり、震災を忘れて欲しくない・知って欲しいという想いや、自分のいた町や被災地の復興への関心が高いことが明らかとなりました。

このことから、RSYでは、令和4年度社会福祉振興助成事業の助成を受けて、若者当事者と一緒に以下の3つの活動を2022年度に行いました。
➀震災について気軽に話し合える「語り合いの場」
➁東北の被災地の現状を知る「東北交流ツアー」
➂若者当事者の体験談を伝える「伝える集い」

2022年度の活動をまとめた報告書は、以下よりダウンロードいただけます。支援の輪を広げていくことに役立てていただけますと幸いです。

3.11ユースCafe 2022年度活動報告書

※本事業は「令和4年度社会福祉振興助成事業」の助成を受けて実施しました。

【報告】災害ボランティア活動資機材ネットワーク助成事業を進めました

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。

2022年度、名古屋市社会福祉協議会が、赤い羽根「災害時のボランティア活動資機材ネットワーク」助成を受け、資機材の追加、名東倉庫コンテナの新設、ブロック内連携強化を目的とした交流会の実施、災害VC三者合同研修での連携訓練を実施。RSYも「なごや災害ボランティア連絡会」の所属団体として協同で事業を進めて参りました。

本助成金は、赤い羽根「災害ボランティア・NPO 活動サポート募金」へのご寄付を財源として、災害時のボランティア活動にかかる資機材等の整備やそれを活用するためのネットワーク構築を行うことにより、各都道府県・指定都市域における効果的かつ持続可能な支援活動を面的に広げること、都道府県・指定都市域ごとに保有している資機材の情報を全国的に共有する仕組みをつくり、効果的に資機材提供を行うためのネットワーク構築を目指し、今後発生が予測されている南海トラフ地震や首都直下地震のような大地震、複数の都道府県にまたがる広範囲の風水害等の大規模災害が発生した際には、被災者支援を行うボランティア活動の連携を促進する事を目的としています。

名古屋市では、「なごや災害ボランティア連絡会」、「名古屋市」、「なごや建設業協会」で三者協定が結ばれており、災害発生時に使用する資機材を名東倉庫と、市内を4つのブロックに分け、北西・北東・南西・南東のそれぞれに倉庫を設置し、計5つに分けて分散管理を実施しています。
名東倉庫は名古屋市に、4つのブロックの資機材倉庫は名古屋建設業協会(名建協)様及び協力企業の皆様のご厚意により、無償でご提供いただいています。

資機材は「高圧洗浄機」、「送風機」、「乾湿両用掃除機」等、近年の水害で活用が多くなってきているモノを中心に追加しました。また、名東倉庫にあるコンテナ一基が劣化していたため、新たなコンテナを新設しました。
これらの資機材は、名古屋市内で発生した災害だけではなく、例年通り被災地から依頼が入った段階で迅速に貸し出しをするものとなっています。

 

 

交流会は、資機材の管理に協力いただいている「中部土木株式会社様」にて開催されました。当日は16区の災害ボランティアコーディネーター、あいち防災リーダー会名古屋ブロック、名古屋市、市社協、担当ブロック区役所職員、区社協職員、名建協会員企業職員の方総勢61名が参加され、中部土木株式会社グループ企業の被災地支援報告等が行われ、支援内容の理解と、参加者同士お互いの顔を知るきっかけとなりました。

 

災害VC三者合同研修は、コロナ禍ということもあり、オンライン形式で開催いたしました。17回目となったこの研修は行政、社協、NPO、ボランティア、企業の方総勢150名近くが参加され、災害VC運営時に起きる課題についてどう対応するかのグループワーク等を行いました。

昨年度のこの取り組みによって、資機材が充足しただけではなく、連絡会、名古屋市、名古屋建設業協会三者の関係もより深めることが出来ました。

助成いただいた中央共同募金会様、財源となりました「災害ボランティア・NPO 活動サポート募金」にご寄付いただいた皆さまにお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

 

 

【募集】大人用おむつ&不織布マスク等配布会のお知らせ(拡散歓迎)

RSY会員・関係者の皆様
お世話になります。RSY事務局です。
RSYは、日ごろから多くの企業様より、災害後の生活支援や日常の防災対策、福祉ニーズ等に役立てることをお約束し、数々の支援物資をご提供頂いています。
現在、下記の物資に余剰があるため、所定の倉庫に直接取りにおいで頂けることを条件に配布会を行います。皆様の日ごろの防災・福祉活動や業務にご活用頂ければ幸いです。
<提供物品>
1)大人用はかせるおむつ「まるで下着」(3枚1パック)
・1箱⇒16パック入り
・サイズバリエーション:M、L、LL
2)不織布マスク
・1箱⇒1パック(50枚)×48パック入り
3)ラップ(食器用)
・1箱⇒60本入り
<配布予定日・場所>
・5月8日(月)10:00~16:00
・5月9日(火)14:00~17:00
・5月10日(水)13:00~17:00
上記のうち、希望のお時間をお知らせください。
★配布場所
RSY大口町倉庫
住所:〒 480-0132愛知県丹羽郡大口町秋田3-106
※倉庫前に広めの駐車場があります。
<申し込み方法>
下記のGoogleフォームにご入力下さい。
※ご希望の数から全体配布数を算出するため、必ずしもご希望に沿えない場合
もありますことをご了承下さい。
<問い合わせ>
認定NPO法人レスキューストックヤード
担当:林
電話番号:052-253-7550
携帯電話:090-5000-8386

【ご案内】トルコ・シリア地震 被災地の現状を知る学習会

みなさま
いつもお世話になっております。RSY事務局です。
RSY主催学習会のご案内です。
お時間・ご興味のある方はぜひご参加ください。
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トルコ・シリア地震  被災地の現状を知る学習会
=CODE事務局長・吉椿雅道氏に聞く=
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【目的】
トルコ・シリアを襲った未曾有の地震から2か月あまりが経ちました。RSYは街頭募金や寄付金の呼びかけを行い、以前から海外の災害支援において信頼のある「CODE海外災害援助市民センター(CODE)」を通じて、被災者の生活再建に役立てて頂きました。昨今、現地の様子を日本の報道で取り上げることはほとんどなくなりましたが、CODEは2度のスタッフ派遣を経て、地元のカウンターパートやボランティアと共に丁寧な関わりを重ね、状況の把握や今後の長期的な支援について検討を続けています。そこで今回は、CODE事務局長の吉椿氏と、共に現地入りされたインターンの学生さんを名古屋にお招きし、被災者の心情や課題、文化的背景等を学ぶと共に、日本からできる支援について改めて考える機会を設けます。

多くのみなさんのご参加をお待ちしております。

【日時/場所】
5月12日(金)18:30~20:00
・リアル参加の方:名古屋建設業協会1階会議室

(RSY事務所のある建物の1階/名古屋市東区泉1-13-34)

・オンラインの方:前日までにZoomアドレスを送付致します。

【参加対象/申し込み】
・無料・どなたでも参加可
・下記GoogleフォームよりRSY事務局へお申込み下さい

(締め切り:5月11日(木)正午)
https://forms.gle/Vjm85z7nZ16LX2B49
【内容・スケジュール】
・18:30~18:35
RSY代表挨拶
・18:35~19:35
講演「被災者の現状と課題、地元支援者の動き」
CODE海外災害援助市民センター
事務局長・吉椿雅道氏、学生インターン
・19:35~19:40
バズセッション
2~3人の少人数で講演内容について感想や疑問点を共有します。・19:40~20:00
質疑応答、インフォメーション、終了
【主催】認定NPO法人レスキューストックヤード
【共催】災害ボランティアコーディネーターなごや
(お問い合わせ)
認定NPO法人レスキューストックヤード(RSY)
〒461-0001 名古屋市東区泉1-13-34 名建協2F
 TEL:052-253-7550   FAX:052-253-7552

【報告】2022年度RSY被災者支援活動報告会が終了しました!

みなさま

RSY事務局です。

3月8日(水)に開催した、2022年度の被災地支援に関する報告会が無事に終了しました。当日は、リアル&オンライン合わせて約40名の方が参加。2022年度にRSYが関わらせて頂いた、石川県小松市(9月~3月派遣)、静岡市清水区(10月~3月派遣)、佐賀県武雄市(年間5回派遣)の3か所での活動をリレートーク形式で繋ぎ、それぞれ参加したボランティアの方々から、活動の様子をお話頂きました。報告の中で見えてきた新たな課題もふまえ、RSYは今後も被災者支援を継続していきます。

以下、概要です。

1.RSY代表理事・栗田暢之挨拶

相次ぐ災害で本法人が現場に赴き、被災者の現状をお届けすることができているのは、日ごろ応援して下さる皆様のご支援の賜物であると深く感謝申し上げたい。

RSYは被災者支援において、「すぐにいく」「傍にいて丁寧に関わる」「ながく関わる」をモットーとしてきた。コロナ禍で「すぐにいく」ことは厳しくなったが、「丁寧に関わる」という点については従来の姿勢を継承してきた。しかし同時に、長い復興の中では、一部しか関われていないというジレンマも抱えている。

このような状況の中、阪神・淡路大震災からの支援仲間で、武雄市の(一社)おもやい代表・鈴木氏からは、「RSYから派遣されるボランティアの女性たちは、到着早々カバンを置いて「様子を見に行ってくる!」と被災者のもとに出かけていく。その姿はとてもパワフル。たまに来てくれる人だからこそ気づける変化があり、助かっている」という言葉も頂いている。皆様との協働のおかげでより「丁寧な関わり」が実現できているのではないかと思う。(武雄市は令和元年と3年に被災)

一方で、私達は、名古屋で災害が起こったらどうなるか?どうするか?という命題を突き付けられている。今回の報告会は、この点についても考えを深める機会にしたい。

今回の取り組みは、

RSY会員・関係団体・個人の皆様からのご寄付と共に、
日本財団「令和4年8月大雨被害に関わる支援活動」助成
日本財団「令和4年台風第15号被害に関わる支援活動」助成


生活協同組合連合会アイチョイス様
藤田医科大学様など

からの多大なるご協力のもと、実施することができた。深くお礼を申し上げたい。

2.2023年度・RSY被災者支援の概要(RSY常務理事・浦野)

今年度支援に関わった、石川県小松市・静岡県清水区・佐賀県武雄市では、特に情報が入りにくく、支援が届きにくい山間地や小地域において、避難生活で優先順位の高い「食の確保」と、災害関連死のリスクにさらされやすい「要配慮者ニーズの早期把握」、地元支援団体との「情報共有」、公的支援や水害後の家屋保全に関する分かりやすい「情報提供」、「孤立防止」、被災者の「エンパワーメント」の6つを活動の軸に据え、のべ約120名のボランティアを派遣することができた。また、2015年関東・東北豪雨水害以来、活躍中の「RSY看護チーム」も奮闘し、全ての被災地に1~3名の看護専門職に同行頂くことで、きめの細かいニーズ把握に繋がった。

RSYの生活支援プログラムで定番になりつつある、「あったかごはん食堂」(炊き出し支援の名称)には、碧南防災ボランティア連絡会と連携し、小松市で1,460食(12回)、清水区で260食(全4回)を提供することができた。これらをニーズキャッチのきっかけとしながら、要配慮者世帯の絞り込みと、地元の専門機関につなぐ役割を果たすことができたと思う。また、新たな顔ぶれとして、株式会社デンソー社員の皆様がボランティア休暇を使って参加して下さり大変助かった。

今回は、震つな加盟団体や、建築の専門的な知識のあるRSY団体会員の方々と連携し、微力ながら水害後の家屋保全作業のお手伝いもした。災害頻発と甚大化を前に、RSYもこれらの知識や技術を持つ人材の確保が新たな課題であると認識した。

いずれにしても、早期に様々な切り口を通じて、支援が必要な方を明確に特定することが、あらゆる支援を確実にひとりに繋げる突破口になることをひしひしと感じている。

3.リレートーク

①稲垣早海律さん(RSYボランティア)(小松市)

山間地域で、特に孤立が心配だった中ノ峠町の十数世帯の方々に、「あったかごはん食堂」の炊き出しをお届けする役割を担った。最初は警戒気味だった住民の方々も、足しげく通うにつれて次第に信頼関係を作ることができた。留守宅には手紙を入れて訪問したことを伝えると、手書きのお返事が置いてあったり、様々な形でコミュニケーションが深まることを実感した。この繋がりを通じて、世帯の生活状況が把握できたので、世帯構成&再建進捗リストにまとめ、RSYスタッフを通じ、社会福祉協議会等に報告してもらうことができた。できるだけ同じ人が通えるとよいが、それぞれの都合でボランティア側の顔ぶれが変わることも多いので、引継ぎ方の工夫は今後検討していきたい。

②藤井文香さん(RSY看護ボラ)(小松市)

看護師ボランティアとして、中海町を担当した。当初から住民の方々が主体的に公民館を「救護所」として機能させていたため、人・物・情報の提供が届きやすい環境があり関心した。公民館の一角に健康相談コーナーを設けたり、地域の方から心配な世帯をお聞きして個別訪問する中で、一人暮らしの高齢者や障がいのある方がいる世帯が、周囲に遠慮や気兼ねをして、支援が求められにくい状況があることを知った。その中で特に印象的だったのが、「私の被災は軽かったから公民館に物をもらいに行くのは申し訳ない」という言葉。我慢に我慢を重ね健康状態の悪化が心配されるケースもあった。看護ボラ同士でゆっくりお話を聞きながら、早めの受診や介護保険利用への仲介ができたことに、専門職としての役割を実感した。

③岡田雅美さん(名古屋みどり災害ボランティアネットワーク)(静岡市清水区)

今回お手伝いをした家屋は平屋で、床上20~30㎝の浸水被害があった。母子家庭で寝る場所がないので娘さんとネットカフェを転々とされていた。訪問すると、流し台の下やサッシは泥だらけ。母親は「3日間食欲がわかず食べ物が喉を通らない」と漏らしていたので、一緒にきれいにしようと励ました。「窓ガラスの泥の汚れがなかなか落ちない」という相談については、食器用洗剤を水で薄めた液を作るとよいこと、サッシのレールの細かい汚れは、歯ブラシできれいに取れるなどを伝えた。お隣さんからも「うちも見て欲しい」と声がかかり、近くでちょっとした質問に答えてくれる人がもっと必要だと感じた。また、「ミニ相談会(※)」では、最初雨が降っていて不機嫌そうに会場に来られた方が、帰り際はホットした表情を見せていた。相談会場での食事提供や足湯を通じて、「どうしてよいか分からない時に、分かりやすい説明をしてもらって本当に助かった」という声を多く聞かせて頂いた。

※ミニ相談会:「今後の生活再建に関する無料ミニ相談会」の略。法律や災害後の家屋保全の専門家をお迎えし、公的支援制度やカビ、寒さ対策等についてレクチャー頂いている。また、災害VCや市の担当者も同席し、ボランティアや応急修理制度、生活必需品等の申し込みをその場で出来るワンストップ型支援の場を提供した。会場には、足湯やお食事&カフェコーナーも設置して、心に溜めていた不安や疲れを吐き出し、リラックスして頂けるよう配慮した。RSYは企画・運営を担当。

④伊東ゆかりさん(なごや防災ボラネット)(静岡市清水区)

「ミニ相談会」の会場の一つとなった、清水区の柏尾自治会は、自治会独自で床上・床下浸水を色分けし情報整理をしていた。中には1m以上浸水していた箇所もあり、大変な状況だった。相談会のチラシをお届けしに個別訪問を行ったところ、3人暮らしの世帯と遭遇。水害当時、娘と自分は2階に避難するも妻は介護が必要だったため今は施設に預けているという。相談会にお誘いするも強く遠慮されたが、気になったので翌日再訪問した。すると、庭の泥を娘さんが一人で片づけていたので手伝わせて頂いた。娘さんは「これでとても気が楽になった」と明るい笑顔を見せてくれたので、再度相談会へお誘いした。別の方からは「過去の水害経験からかさ上げしたところに浸水。なかなか買い物にも行けないので缶詰で食べしのいでいた」というお話も聞いた。相談会場での食事提供の際、「私たちなんかもらっていいの?」などの声もあったが、「家族分どうぞ」というと「久しぶりにおいしいものが食べられる」ととても喜んで下さった。今回の活動で個別訪問の重要性が理解できた。最初は、「うちは大丈夫です」とおっしゃっていた方も、翌日再び訪れると大丈夫ではないことが多くあった。一人ひとりのペースに合わせて関わることがいかに大切かを実感した。

⑤加藤都さん(名古屋みなみ災害ボランティアネットワーク)(武雄市)

令和元年・3年と続けて通い続けている。私達の活動窓口としてお世話になっているのが、おもやいさん。武雄に到着するとまずはここに顔をだしてから、住民の方のお宅に伺う。住民の中には、連日の片づけで急に体調を崩す方もいらっしゃったので、看護チームとして対処させて頂いた。毎日顔を出すことで信頼関係ができ、その方の人となりも良く分かってきた。自らも被災しているのに、周囲に気を配りすぎるがあまり気持ちの浮き沈みに悩むEさん、水害後の苛立ちから、他者からの支援をなかなか受け入れられないKさんなどには、「この方が本当に望んでいることは何か」を常に考え、心の内を安心して吐き出せるような関わり方を心掛けた。西九州大学の学生チームとRSYが、復興期の孤立防止と食を通じた健康維持と活力向上を目的に、ご自宅訪問型の「あったかごはん食堂」を開催した。我が家という安心できる場所で調理をしながら学生と楽しく交流したり、写真係や調理係など、それぞれが役割を持ち、ご本人と一緒に場を作ることで、みるみる元気になっていく様子がうかがえた。年に何度か行き来する関係にも、長い生活再建の一部を支える意味があることを実感した。

⑥椿佳代さん(RSYボランティア)(武雄市)

「NPO法人みつわ」のある久津具地区は、水害時に地区の9割が被災。みつわは、在宅避難者の支援拠点として活動していた。RSYは、令和3年から拠点運営を手伝うと共に、2019年台風19号水害で被災した長野市豊野区との交流企画に関わるなどしていた。令和4年2月~3月はコロナ蔓延期で直接現地入りできなかったので、節分や花見の季節にちなんだご当地名古屋のプレゼントお届けして交流を続けた。次の災害に向けた防災プログラムを実施したいという代表の希望を受け、コロナが下火になったと同時に、5月には手作り防災頭巾、7月・10月にはポリ袋で作る非常食「パッククッキング」のワークショップを開催。地区のオリジナルメニューも誕生した。参加者からは「パッククッキングは知っていたけど、いざという時うまく調理できなかった。今回練習できてよかった!」と嬉しいコメントも頂いた。また、みつわと地元の民生委員のコラボで誕生したのが「個人ボックス」。避難後にあったらよかったものを厳選してBOXに入れ、避難先の公民館やみつわに常時置けるよう準備を進めている。地元NPOと一緒に取り組む、考えることで、住民のエンパワーメントを支援していくことがとても重要だと感じた。

4.問題提起(RSY代表理事・栗田暢之)

台風15号で被災した静岡市のケースは、超高齢化社会、地域の希薄化、格差社会などを背景に、自ら助けを求められない、誰に相談すればよいかわからないという現代社会の病に、さらに災害が拍車をかけていく状況が見えた。清水区ではスタッフが、多頭飼育、障がい高齢者の兄弟、母子家庭の深刻なニーズを見つけた。この事例については、緊急性が高かったこともあり、静岡県の危機情報課課長へ報告、その後市の危機管理課に伝達され、保健師を中心に後追い訪問を行ったという報告を受けた。しかし、この事例は氷山の一角とも考えられ、12000世帯の被災に対し、同様に取り残されている方がいないかを早急に確認すべきと伝えた。

その後も県は、市町村に災害ケースマネジメントや、アセスメント調査実施について通知をだしたが、財源、対象者、支援内容を丁寧に説明し伴走する人がいなければ、市単独での対応が難しいようだった。一方で、静岡県弁護士会には、被災者の多くが車中泊やネットカフェで過ごしており、「今日ねる場所」がなく途方に暮れているという切実な相談が寄せられていた。避難所が早々に閉所したことにより、寝床や食事の提供ルートが絶たれたことも原因となっている。

市には、静岡の災害は内水氾濫で「状況が見えにくい被害」ではあるが、個人情報を持っているのは行政。これらの名簿をもとに被災地域を突合し、統一の調査票で個別訪問し、統括する部局が情報をまとめることができるとよいと提案した。その後ほどなくして、市内一斉の個別訪問調査が実施された。しかし、市の関係課が集まる場で、NPOや災害VC等が持っている情報を共有する場の必要性を打診するも統括課が決まらず、実現には至らなかった。

これらの結果から、日常から行政、社協、NPO等と3者連携体制の構築が必須であり、まさに、愛知・名古屋は大丈夫か?と問われていると感じた。RSYとしてもこの課題と真剣に向き合い、皆様と共に取り組みを進めていきたい。

5.バズセッション

皆さんの発表をふまえ、参加者同士で活発な意見交換を行いました。

6.被災地からのメッセージ

★本清美さん(小松市中海町住民)
昨年8月の豪雨以来レスキューストックヤードの皆さんをはじめ、たくさんのボランティアの方々にご尽力頂き、感謝しかありません。なんとか元の生活に戻りつつあります。町内に留まる方、また、去る方と色々な方がいます。今は、少し寂しいです。まだまだ、市、県、国の対応も色々ですが、もっとこれからも住みやすい町内に整備してほしいです。私も、全力でお手伝いさせていただきます。皆さんには、お願いしか出来ません。これからもよろしくお願いします。

★森川昇御さん(清水区天王町自治会会長)
水害が起こった時に、自家用車が全て被災したため、地域の安否確認や関係機関への連絡などが滞り、本当に苦労しました。私の他にも、罹災証明書や各種手続、区役所で弁護士さんの相談会などがあっても、行けずに途方に暮れていた地域の方々も多かったと思います。特に賃貸住宅の人達が、家の修繕や応急修理制度の活用をどのように行ったらよいか分からず困っているのではないかと感じていたため、私たちの地域で「今後の生活再建に関する無料ミニ相談会」を開催して頂きました。相談会というと敷居が高くなるところを、お弁当やおいしい珈琲の提供、足湯などで場を和ませてもらい、久しぶりにゆっくりお話ができた方もいたと思います。地域は大分落ち着きましたが、次の災害に備えて防災対策にはしっかりと取り組んでいきたいと思います。本当にありがとうございました。

★荒川千代美さん(NPO法人みつわ代表)

私は、介護施設の運営をしながらNPOの活動もさせて頂いています。令和元年、令和3年と相次ぐ水害の被害を目の当たりにした時、こんなに大変な地域だったという驚きと、何をしてあげれば良いのか途方に暮れている時に、いち早く駆けつけてくださったのがRSYの方々でした。あらゆる所に、心と物資を運んでくださり、テレビでしか見たことのなかった、災害ボランティアの方々の無償の愛を沢山頂きました。この事で、地域の方々との繋がりを強くして頂いたのも皆さんのお陰です。「悲しみは共有して小さく。逆に喜びは共有して大きく。手を携えて前に進む」という教訓を、RSY の方々から教えて頂きました。お陰様で、災害は不幸な事でしたかも知れませんが、より地域との心の結びつきを強くするためのきっかけになったと思います。ありがとうございました。これからも、アドバイスをよろしくお願い申し上げます。

★鈴木隆太さん(一般社団法人おもやい代表)

令和元年、3年と2度にわたる豪雨災害により被災をした佐賀県武雄市へ、たくさんのご支援をくださり本当にありがとうございました。RSYのスタッフの皆様、また看護専門の方や、さらにはこれまでRSYの活動を共にされて来られたボランティアの方々のパワーとお心遣いにはスタッフ一同、本当に感謝しております。被災された方々と向き合われる姿勢は、RSYがこれまで関わってこられた被災地での取り組みから積み重ねてこられたものであると同時に、またRSYの信念を強く感じます。そうした信念のもと、愛知県内の多くの方々と連携をしっかりと作られているその姿は私たちも学ばなければいけない、多くのことを教えてくださっております。短い期間に二度被災をしたことから、毎年春が来ると「今年の雨は大丈夫か」と、会う人会う人異口同音に言葉にされております。これからのこの地域における安心を作り上げていく仲間として、これからもどうぞよろしくお願いいたします!