RSY・愛知県の大雨への対応(第7報)

みなさま

RSY事務局です。RSYは台風2号の影響で床上浸水の被害を受けた豊橋市在住Mさん宅への個別対応を継続しています。以下、RSY宇野(コープあいちより出向中)より7月5日の活動報告です。

※私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成のご協力を頂いています。

Mさん宅訪問

もはや常連となった「おせっかい隊」こと、RSY女性ボランティア3人の他に、今回初参加の男性(藤田医科大学准教授)含めた5人で活動しました。

到着早々、Mさんから「今日の作業のための準備が大変だった」とお聞きし、一同どうしたんだろうと思いましたが、その意味は、すぐに解りました。

今回作業内容を事前に連絡しておいた奥の6畳間と8畳間の床板の上の荷物が綺麗に床の間内に整理されており、床板の上はスッキリ。すぐに作業ができる状態になっていました。

また、洗浄後、元通りにもどせるようにと床板に番号も書いてあります。さらに、床板洗浄・消毒と根太(床板を支える木材)の清掃・消毒作業のためにと、たわしとブラシが2個ずつ用意されていました。

 

全員で床板を外に出してから、床板洗浄の屋外作業と根太等の清掃・消毒の屋内作業の2班に別れて早速活動開始です。

■屋外作業(床板の洗浄・消毒)

床板は、これもMさん所有の高圧洗浄機で汚れを落とした後、もう一度丁寧にたわしで擦って、仕上げ洗い。その後消毒し、外に立てかけて乾燥させました。この日は、曇天で風もあり、絶好の条件だとMさんもうれしそうです。

 

■屋内作業(根太等のブラシ擦りと消毒)

根太等の汚れや埃をブラシで擦り取り、その後、根太、土台、床の消毒をしました。作業中、Mさんからは「消毒液はどうやってつくるの?」「濃度が大事なんだね」などと、声がかかります。とても熱心に消毒作業の様子を見守っていました。

Mさんの事前準備のおかげで、この日の作業はとてもスムーズにすすみました。

作業がはかどることで、話も弾み、いつもの「お弁当タイム」では、息子さんとのやり取りや、家の修繕のことなど、今後の暮らし再建の計画についても前向きな話が聞けました。

最後は、Mさんのご要望で、草取りと垣根の刈り枝の処理をして、この日の作業は終了です。次週も支援に入ることを確認して帰路につきました。

■報告者コメント(RSYスタッフ:コープあいちより出向中)

「おせっかい隊」のメンバーとしてMさん宅に伺うのは、3回目でした。家の状態が良くなることで、被災者さんの笑顔が少しずつ増える様子を目の当たりにし、レスキューストックヤードの「寄り添う支援」を肌で感じています。洗浄・消毒作業も、あと2部屋で完了です。来週も天気に恵まれるといいな。

 

RSY・愛知県の大雨への対応(第6報)

みなさま

RSY事務局です。RSYは台風2号の影響で床上浸水の被害を受けた豊橋市在住Mさん宅への個別対応を継続しています。以下、RSY事務局長・浜田より6月28日の活動報告です。

※私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成のご協力を頂いています。

Mさん宅訪問

今回は、力仕事もありとのことで、RSYボランティアの女性3名の他に、株式会社デンソーの社員ボランティアさんを含めた男性3人が加わり、7人での活動となりました。

到着すると、「こんなに人が多いといろいろ考えなぁあかんじゃん」と開口一番のMさん節が聞かれましたが、笑顔で受け入れてもらえました。

Mさんが気になっていることを丁寧に聞いていくと、「草を刈ってもらおう」「冷蔵庫の中をふいて」と、一つひとつの用件について私たちへの声掛けがはじまったので、屋外と屋内にわかれて作業を開始しました。

持参したお弁当を一緒に食べている間、週末に、息子さんの仕事仲間が大勢来てくれて、ベッドの部屋の畳を出したこと、食事は被災した住宅で作って、一時的に入居できた公営住宅へ戻って食べていること、ようやくゆっくり眠れるようになったことなど、たくさん話してくださいました。たわいないおしゃべりも大切な時間です。

午後は、板間の拭き取りと塩素系漂白剤での殺菌を行いました。

板間の応接間と食堂は、水分を含んだままの板が浮いてきているのがご自身でも気になっていたようですが、「はがしましょうか」と促しても、なかなか首を縦に振りません。

そんなところへ、あとから合流したチームふじさん代表・藤野さんが、決して急かすことなく、声をかけ続けた結果、Mさんから「(頼みたい気持ちはあるけど)遠慮があるじゃんね〜」という一言が聞かれました。すかさず「今、Mさんが遠慮されて、もし何もしないまま僕たちが別の被災地ができて、行くとしますよね。その後に『来てくれ』と言われてもすぐに駆け付けられない。そうなると僕たちも辛くなるなぁ。。」という藤野さんの語りかけで、Mさんは床板剥がしに同意されました。藤野さんとチームふじさんの助っ人2人が、2部屋の床板をはがし、コンパネを借り敷きしました。

一歩一歩、作業は進んでいますが、暮らしが元に戻るまでには、消毒や乾燥、修繕などまだまだ時間も作業もお金も必要です。

おせっかい隊は、来週もうかがう予定です。

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(随時受付中)
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この支援金は、スタッフの現地派遣や情報発信、被災者への生活支援プログラ
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RSY・愛知県の大雨への対応(第5報)

みなさま

RSY事務局です。RSYは台風2号の影響で床上浸水の被害を受けた豊橋市在住Mさん宅への個別対応を継続しています。以下、RSY事務局長・浜田より6月21日の活動報告です。

※私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成のご協力を頂いています。

Mさん宅訪問

着いてみたら、先週手つかずだった部屋の窓が開放されて、片づけが進んでいました。今回はタンス3棹と机1台が置かれたその部屋の片付けが中心でした。

下2段が水に浸かってしまったタンスや畳はとても重く、これを出す作業は、女性だけでは無理かと思っていたところへ、RSYと繋がりがあり、豊橋市在住の男性ボランティアさん2人が到着し、お昼前までに、すっかり運び出せました。

 

Mさんもカビや臭いが気になってきたせいでしょうか。これまで片づけることに躊躇されていた姿とはうって変わって、「畳と布団は、通りに近いところまで運んで」「これもほかって(=捨てて)」といった言葉が出てきました。片付けのスイッチが入った感じでした。

「今俺が見たからこの写真は、もういらん」「(亡くなった奥さんの服を見つけて)こんな所にあったのか」とひとつひとつ確かめ、思い出話をしながら、「何を捨てたか、知っておかんとなぁ」というMさんペースを尊重しながらの作業が続きます。

Mさんは翌日の雨を心配して、「外に出したものを室内へ戻して欲しい」と言われました。しかし、水害から既に2週間が経っていることもあり、畳をはがした床板がまだ濡れていて、カビや臭いも気になりました。本当は、一日も早く乾燥・消毒が必要な状況だったので、「ものはまだ戻さない方がいいですよ」と喉まで出かかったのですが、タンス下段の引き出しを自ら壊して、少しでも軽くして、運び易くしてくれた気持ちを想い、今回は何も言わずに運びました。

床下の対応については、随時お伝えはしているものの、ご自分の手順やペースがあり、一気には進みません。こちらも焦らず、しかし家の保全のためにできるだけ前に進めるよう一緒に思考錯誤しながら取り組んでいます。

 

息子さんのお部屋は随分片づけが進んでいました。夜勤明けの休みの日に片付けをしているとのことで、お二人の身体への負担が気がかりです。

帰りぎわに、「皆が帰ると寂しくなるな」とポツリと漏らされました。何よりの労いの言葉でした。

なお、岡崎市災害ボランティアセンターは、6月9日より、市社会福祉協議会の通常のボランティアセンターでの対応に切り替わったため、貸し出していた資機材もその役目を終え回収しました。

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RSY石川県珠洲市への支援について(第7報)

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。

台風2号の影響により、愛知県も含め各地で被害が多発しています。被災された皆様には心からお見舞い申し上げます。

RSYはスタッフで手分けをしながら、豊橋市・岡崎市等への支援を開始すると共に、なごや防災ボラネットと連携し、5月5日に震度6強の揺れを観測した石川県珠洲市への支援も継続しています。以下、常務理事・浦野から第4陣・5陣の派遣活動報告です。

※私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成のご協力を頂いています。

 

 

<RSYの活動>

1.これまでの派遣実績

・第1陣:5月7日(日)~5月11日(木)/浦野・松井(RSY)

・第2陣:5月15日(月)~5月19日(金)/浦野・栗田(16日のみ)・稲垣(RSY)

・第3陣:5月23日(月)~26日(金)/浦野・林・松井・稲垣(RSY)、椿・山口(なごや防災ボラネット)

・第4陣:5月29日(月)~6月1日(木)/浦野・稲垣(RSY)、椿・岡田(なごや防災ボラネット)

・第5陣:6月5日(月)~8日(木)/浦野・稲垣(RSY)、椿・伊東(なごや防災ボラネット)

2.活動内容

①珠洲市災害VCへの協力

第3陣に引き続き、ニーズの上がりが少ない「直(ただ)町」の個別訪問を担当しました。全220世帯(在宅108件、不在83件、空き家29件)を順次回り、その後範囲を広げて、正院町川尻地区28世帯(在宅14件、不在10件、空き家4件)も訪問。生活状況の把握と共に、ボラセンの案内や公的支援制度、災害廃棄物等の情報提供などを行いました。

<住民の声>

●罹災証明が送られてきたんだけど、母屋は半壊、土蔵と納屋は全壊でした。罹災証明の調査員がきたとき、応急危険度判定が緑だったからか、家の中は見て行きませんでした。でも壁に無数のひび割れと崩れ、柱は裂けて2階の階段もずれていて、半壊という判定には納得がいっていないんです。この家はもう解体して、跡地に小さな家を建て直そうと思います。(スタッフが罹災証明書の再申請や適用されそうな支援制度、弁護士への相談窓口を紹介)。まだはっきりは分からないけど、何らかの支援や融資が受けられるということですね!よかった~。判定についてはどうしても納得がいかないので、再申請する方向で考えます。(88歳・女性・一人暮らし/市外に住む娘が同席)

●しばらく空き家になっていたので、親戚と一緒に見に来ました。家の中はどこも家財が散乱していて、片づける気にもならない。かといって、家を解体しようと思っても家財は外に出さなければいけない。どうしたらいいか途方に暮れる。応急危険度判定は黄。罹災証明はこれから出しに行こうと思います。ついでに災害ボランティアセンターにも頼んできますね。(70代・女性)

●最初に建てたのは100年以上前。この棟はしっかりしていたけど、建て増ししたところが破損している。何度も地震にあう中で壊れるところは同じ。階段は床が抜け、2階にあったタンスは倒れてバラバラになった。夜は寝つきが悪いので眠剤を飲んでいる。(RSY看護チーム同行。健康チェック等を行った)(80代・女性)

●私は元消防士で防災士の資格も取った。普段自分が良く過ごす場所の電化製品や家具は留めてある。津波が来てもいいようにライフジャケットも用意してある。でも家具留めしていなかったタンスはやっぱり倒れてたよ。罹災証明書は出したほうがいいんだね。これから行きます。(80代・男性)

●ここは、本家で近隣に親戚が多くいる。水が出ないので困っている(5月28日現在)。元々台所、お風呂、洗面所、トイレすべて井戸水を使っている。どこが悪いのか、台所の床をはがしてみようかと思うが、食器棚など大型のものを動かさないといけないのでどうしたものかと。今日は罹災証明の調査があるというので来た。家財は一人で片づけている。2階が一部おちている。ボランティアセンターに頼めるのなら頼みたいが出張も多く時間を合わせるのが難しい。(50代男性・市外在住)

●自分の生家が、空き家になってもきれいにしてあった。地震で家財が倒れたり、中のものが飛び出したりで見るも無残。息子たちは、空き家なんてほっとけと言うけどな…そこまでの山道500mくらいが崩れていたけど、自分で補修をし通っている。(80代・男性)

●地震にめげずに畑で働き、仲の良い友だちと話をして、空いた時間に本を読み、楽しく暮らしている。今から畑にエンドウを取りに行く。今日はボランティアの人に割れたガラス3枚を直してもらった。とても気分がいい。ボランティアの人って本当にありがたい。(86歳・女性)

●家は、緑判定。ほとんど被害はないが、正院のほうの方は大変よね。壁に少しひびが入っているけど、これを直すとなると塗りなおしの面積が大きく、お金がかかるので気にしないでおこうと思う。年金生活なのでお金をかけられない。(70代・女性)

●夜寝る時は、パジャマはきていない。すぐに逃げられるように。まだまだ地震もあるし、怖いね。(応急危険度判定・赤)(70代・女性)

●納屋が応急危険度判定赤で傾いている。罹災証明は出していないが出したほうが良いのなら、息子に頼もうと思う。友だちが民宿をしているが、そこで泊まっているボランティアさんは宿代も払って食べることも自分たちでしているので、申し訳ない。うちは、私一人なので、空いているからボランティアで来るのなら使ってもらってもいいわ。(70代・女性)

●家は、ところどころひびが入っていたりゆがんでいる。罹災証明をとっても結局お金がないので全部直せない。判定がついて制度が使えるって言ってもどんな制度があるのか、HPも見れないのでわからない。(制度についてはスタッフから補足説明した)(50代・男性)

②罹災証明書未申請者への支援

高齢化率が50%を超す珠洲市では、罹災証明書の申請手続きがいまだ済んでいない要配慮者世帯が少なくありません。罹災証明書は生活再建への歩みを進めるための最初の一歩。この大切な手続きも、これまでの活動で住民の声を聴くと、情報がなく必要性が分からない、市役所までの移動手段がない、申請書類を自力で整えられないなどが原因で進んでいない状況が分かってきました。そこで、RSYは市や石川県内の福祉系職能団体と共に協議を重ね、下記3つの取り組みがスタートしました。

★取り組み1:RSY主催「珠洲市公的支援制度支援者勉強会」

6月1日(木)20:00より、オンライン勉強会を開催し、市や市社協、県内福祉系職能団体、技術系NPOなど33名が参加しました。講師には、堀井秀知先生(徳島弁護士会/日本弁護士連合会災害復興支援委員会副委員長)をお迎えし、『直接支援にあたる支援者に知っておいて欲しい公的支援制度の基本』について教えて頂きました。

・罹災証明書の申請は生活再建のためのパスポート

・申請には2段階ある(罹災証明書発行後の被災者生活再建支援金や応急修理制度など)ので継続的な伴走支援が必要

・借金のある方向けの「被災ローン減免制度」や高齢者向けの「リバースモーゲージ融資」などを有効活用して、自分の家を持ちながら住み慣れた土地で暮らしを維持継続できる方法を考えよう!

・みなし全壊(半壊判定で解体した場合は全壊とみなされるため、もらえるお金や受けられる支援の枠が広がる)の考え方

など、専門家に聞かなければ分からない様々な情報を共有する機会となりました。特に静岡県弁護士会の永野海先生が作成された被災者カード(裏)が現地で有効活用されています。支援の全体像が一目で分かるので、ローラーや個別訪問の際にもスタッフが必ず携帯しています。

市は、録画動画を日ごろから福祉サービスに関わるスタッフと共有し、利用者への説明や各種手続きのサポートに時に役立てるとのことです。

★取り組み2:罹災証明書未申請・要配慮者世帯への申請サポート

市は「生活サポート部会」の取り組みの一環として、一人暮らし75歳以上高齢者で、罹災証明書の申請がまだの人を抽出。このリストを地区の区長、民生、婦人会、老人会、公民館長などに見てもらい、被害がないor軽微な人、家族や地元対応可能な人を取捨選択し、最終的に残った人(おそらく地域でも把握・介入が難しい人)を部会メンバーで巡回、生活課題の把握と申請までの手続き支援を行っています。
サポート部会は、健康増進センターが音頭を取り、福祉課(障害、包括)同席のもと、石川県の精神保健福祉士会(PSW)・相談支援専門員協会がマンパワーの協力、RSYは全体の体制構築のサポートと現場でのOJTに関わっています。
6月6日(火)から2人1組、1日2~3チーム体制・12~13世帯を訪問開始。被害が集中する正院町では28世帯の未申請者を個別訪問し、16件の申請につながりました。市は、以降も他地区にも範囲を広げ、障害者、高齢者二人暮らし、シングルマザー世帯なども対象に入れたいと考えています。
6月8日(木)市、PSW会、相談支援専門員協会、RSYでオンラインミーティングを行った結果、対象想定数200世帯を6月末までに終了することを目指し、1日10名・5チーム体制で継続的に取り組むことが確認されました。マンパワーが不足した場合は、PSW会より、県のケアマネ協会や社会福祉士会にも協力要請を行っていくことで合意。最終的に残る長期支援ニーズについては、通常の福祉サービス・相談業務の中で、伴走支援を継続してくこととなりました。
訪問では、未申請者の他、認知症の進行や生活困窮者世帯、震災由来の生活環境の悪化で、深刻な福祉課題を抱えるケースも明るみになっています。活動にあたっている福祉専門職からは、「この活動は、震災がなければ気づけなかった従来からの福祉課題の発見にも役立っている」という声も聞かれており、聴く力・見る力・分析する力のある福祉専門職の関わりの頼もしさを改めて感じました。
※関連記事

6月7日(水)北国新聞朝刊

「罹災証明や支援制度 高齢者宅出向き説明 珠洲市、申請漏れ防ぐ」

★取り組み3:今後の生活再建を考える無料相談会(仮称)の企画サポート
正院町では、自治会が主催となり、弁護士による公的支援制度、家の専門家による修繕の考え方の解説に加え、市の各種手続き申請ブースや、足湯・カフェブース、健康相談ブースなどを併設したワンストップ型の出張相談会の開催に向けて準備を進めています。会場では食生活改善委員による軽食の提供もあり、できるだけ敷居の低い相談会の場となるよう、7月開催向け、RSYも運営のお手伝いをしていきます。

震災から3週間~1か月が経過する中で、一通りの片づけは進めたものの、心身共に疲れ果て途方に暮れている方も少なくありません。またボイラーや浴室の破損により、いまだ自宅のお風呂に入れない方もいます。この際小さな家に住み替えるため解体するか否か、修繕して住むにしてもその申請や業者との段取り、お金の問題など、決して簡単には解決できない現実に直面しています。

「もう何から手を付けてよいか分からない」「自分は歳やし、どうせもうすぐ死ぬんだから何もせんでこのままでええわ」などの戸惑いや諦めの言葉も多くなってきました。その一方で、ひとしきりボランティアと話終わった後、「胸につかえていたものが取れてすっきりした。聞いてくれてありがとう」という言葉もありました。

一人ひとりのつぶやきの中から、それぞれの暮らしの歴史や生活背景が垣間見えます。そこに丁寧に目を向けながら、痛みを分かちあい、一緒に悩み考えようとする「人の関わり」が、地域、外部共に必要であると切に思います。

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RSY・愛知県の大雨への対応(第2報)

みなさま

RSY事務局です。

RSYは2日からの線状降水帯による大雨で被害のあった愛知県内の被災地へ栗田・浦野を派遣し、情報収集を行いました。以下、報告です。

※私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成のご協力を頂いています。

1.豊橋市

今回、市内在住のRSY会員・Oさんのご協力のもと市内を巡回した結果、下条西町や牛川町の豊川流域で床上40~50㎝の浸水被害を確認しました。このエリアは霞堤(かすみてい)のため、昔から浸水リスクが高く、それを知る旧住民や、親から町の歴史を受け継いで家を建てた方々は、盛り土でかさ上げするなどの水防対策を講じていました。しかし今回はそれを上回る程の水の深さで、道路からの浸水深は1mを超えています。

市の公式発表では「南松山町124(床下浸水)、他17件」となっていますが、RSYが上記地域を回った感触では、この地域以外にも浸水世帯はあり、いまだ被災世帯の全体数は明確になっていません。

<住民の声>

●ベーカリーを営むSさん(女性・30代)

「1年程前にオープンしたばかりだったから本当にショック。義父から新築するならかさ上げした方がよいと言われ、道路から1m以上かさ上げしたのに、店の入り口から40㎝も水が上がってきました。母屋はギリギリ床下浸水。トータルで140㎝ぐらいの深さになってるかな。店舗の中にも水が入って、オーブンや室外機、家財道具も被災しました。オーブンは今のところ何とか動くようなのでよかった。でも飲食店だから、どの程度の消毒をすればよいか分からなくて、とりあえず次亜塩素酸ナトリウムで作った消毒液を床に流して乾かしています。前の道に水没した車が何台か放置されていてとても困っています。ここでは人も亡くなっているし、これが渋滞の原因になっていて危険なんです。でも持ち主の確認がないと勝手に動かせないみたいで、市に連絡しても「手順がある」と。1日も早く営業を再開させたくてどうしたらよいか市にも相談したいのだけど、こちらから連絡しなければ何も動いてもらえない。うちの近くの人の方がもっとひどく浸水しているようなので、見に行ってあげて欲しいです。」

●息子と車中泊をするMさん(60代・男性)

「うちはこの辺りでも一番低い。地面から1mぐらいは水に浸かってて、床上は40~50㎝程ぐらい。2階は物置になっているから、生活は1階で全て賄ってきたけど、電化製品はほとんどダメになった。トイレやふろも使えない。仕方ないからトイレはコンビニで済ませて、夜は息子と各自の車で車中泊しているんだよ。眠れないし風呂にも入れてない。ボランティアに来てもらいたい気持ちがあるけど、大切なものとそうでないものとの仕分けもできていない状態で頼めない。土砂の片づけとは違うんだ。周囲から色々助言をもらうけど、そんなに簡単に早く決断したり頼んだりできないよ。片づけしなくちゃと分かっているけど、家の中を見るとどうしようもない状態でうんざり。とにかく作業が全然はかどらないんだ。遠方に住む娘が写真だけは撮れというので自分なりにとったけど、正しく撮れているのかも分からない。市役所に問い合わせたら、電化製品はリサイクル券を買わないと引き取ってくれないらしい…(途中涙が溢れる。スタッフが背中をさすると)…….もういいから、大丈夫だから、そっとしておいてほしい。(沈黙の後)これだけ沢山のゴミを捨てるのに金がかかるなんて。倉庫のものもほとんど水に浸かってるのに。」(その後市に確認したところ、公営住宅入居に向けて調整を図っていることが確認された)

他にも、会員からの情報では、泥まみれになった道路を地域総出で掃除したり、道路沿いの店舗の中古車屋や喫茶店などが床上浸水しており、「冷蔵庫や資機材全てが水に浸かり、片手に持てるぐらいのものしか使えるものが残っていない」というコメントも聞かれています。

その足で市社協訪問と共に、坂本真由美兵庫県立大学教授(全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD理事))と市災害対策本部を訪問。上記2件の個別ケースを報告すると共に、今後起こり得る課題の確認と、HP等でのこまめな情報発信・更新、水没車の撤去、災害廃棄物への柔軟な対応、災害救助法4号の早期適用(災害救助法の適用が無い場合、受けられる公的支援制度の幅は各段に狭まる)等の緊急性について意見交換をしました。

市は浸水地域を巡回し、罹災証明書申請の手順に関するチラシのポスティングを開始。7日(水)までにさらに地域を特定し、以降は10チーム編成で個別訪問する予定であることがわかりました。

また、豊橋市の避難所は、最大36カ所・111世帯(235名)が避難していましたが、6月2日7:30の時点では22世帯・40名、6月3日20:00をもって閉所となりました。災害ボランティアセンターは、今週中旬立ち上げを目途に市と社協で協議が進められています。

2.豊川市

豊川と並行して流れる豊川放水路流域で被害が見られています。市からの公式発表では、「床上浸水24棟、床下浸水不明、倒壊1棟」で、被害は市内に点在しています。

RSYは、常務理事・浦野の前職同僚からの情報提供を通じて、有料老人ホーム「光楽苑」を訪問。事務室、利用者個室他、床上10~20㎝程度の浸水被害に遭うも、法人職員60名体制で懸命な復旧作業に当たられていました。

<施設長の声>

「水害発生当日2日18:00頃から浸水がはじまりました。この施設は平屋の為、ご利用者様43名を施設長含め4~5人の男性職員らがおぶって、腰まで水につかりながら、隣接する2階建ての施設へ搬送し全員無事でした。中にはパニックになるご利用者様もいましたが、信頼関係のある職員からの声かけを重ねると、気持ちが落ち着きました。年2回、防災訓練でシミュレーションしていたのが功を奏したのだと思います。その後ベッドマットや車椅子、薬も運び入れ、簡易ベッド等も系列の施設等からかき集めることができたので、全員床に寝かせるなどは防げました。直後は断水・停電し、非常灯で過ごしましたが、日ごろから備蓄食料も水に浸からない場所に保管していたことが幸いしました。一部の方は法人内の受け入れ可能施設に連絡し移送しましたが、施設の復旧が思いのほか早く進んだので早く戻ってきてもらえそうです。ありがたいことに法人内で何とか対応できたので、今のところボランティア等の支援は必要ないかと思います。」

 

一方、豊川市社協は通常のボランティアセンターの活動として、被災者からのニーズ募集、ボランティア募集(市内限定)を行っています。また、豊川災害ボランティアコーディネーターの会の河合会長とお会いし、「社協と連携してボランティアセンターのチラシを持参しながら地域を回り、ニーズキャッチに務めたい」という言葉をお聞きしました。これまで10年来、「何かあった時には近隣市町で助け合おう!」と、あたためてきた三遠南信で活動するボランティア団体同士のつながり。その輪に入っている名古屋のボランティアも必要に応じ応援可能の旨をお伝えしました。現在はなごや防災ボラネットと連絡を取り合いながら、今後の対応について相談されています。RSYからは、震つな冊子「水害にあったときに」をお届けしました。

3.岡崎市

6月3日より「岡崎市災害ボランティア支援センター」が開設され、現在までに22件のニーズ対応に当たっています。当面はボランティアは公募せず、市社協の登録ボランティア200名に声をかけ対応する予定。支援センターの広報チラシを持参し、ボランティアが被災エリアを個別訪問しながらニーズキャッチも行っています。

市の公式発表では、床上浸水6棟、床下浸水50棟(保母町・丸山町に集中)とされていますが、ボラセンスタッフによれば、床上は十数件、床下もそれ以上あると見込んでいるとのこと。

RSYは市からの要請で「水害にあったときに」等を提供すると共に、ボランティア活動資器材の要請も頂いたため、本日(6月5日)ハイエースでRSY事務局長・浜田と秀島がお届けする予定です。

4.RSY今後の活動について

RSYは、栗田を中心に、防災のための愛知県ボランティア連絡会と随時情報を共有しつつ、災害ボランティアセンターの運営サポートをはじめ、資器材貸出や個別支援への対応など、愛知のネットワークや技術系NPOの皆さんとの連携をふまえ検討していきます。

浦野は、なごや防災ボラネットメンバーらと共に、石川県珠洲市への支援継続のため本日出発しました。

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RSY活動支援募金にご協力ください!
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この支援金は、スタッフの現地派遣や情報発信、被災者への生活支援プログラ
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三菱UFJ銀行 本山支店 普通3505681
特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※「カツドウキフ 寄付者のお名前(カタカナ)」とご入力ください。
<郵便振替>
00800-3-126026

 

RSY石川県珠洲市への支援について(第6報)

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。

RSYは、5月5日に震度6強の揺れを観測した石川県珠洲市へ支援を継続しています。5月23日(火)~26日(金)にかけて第3陣として、浦野・林・松井・稲垣(RSY)、椿さん、山口さん(なごや防災ボラネット)の6名を派遣しました。第4陣は、明日、5月29日(月)~6月1日(木)までで4名の派遣予定です。

以下、常務理事・浦野から第3陣の活動報告です。

※私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成のご協力を頂いています。

<RSYの活動>

1.これまでの派遣実績

・第1陣:5月7日(日)~5月11日(木)/浦野・松井(RSY)

・第2陣:5月15日(月)~5月19日(金)/浦野・栗田(16日のみ)・稲垣(RSY)

・第3陣:5月23日(月)~26日(金)/浦野・林・松井・稲垣(RSY)、椿・山口さん(なごや防災ボラネット)

 

2.活動内容

①珠洲市災害VCへの協力

・現在までに災害VCに寄せられたニーズ件数は450件超。うち半数以上は屋根のブルーシート案件で、ピースボート災害支援センター(PBV)コーディネートのもと、複数の団体が毎日活動しています。

・RSYは市社協からの要請を受け、なごや防災ボラネットと共に、市から提供されたニーズ受付票に基いた現地調査に協力。また、ニーズの上がりが少ない「直(ただ)地区」にローラー作戦でボラセンのチラシのお届けと状況把握を行っています。

・直地区は、被害の集中する正院地区に隣接しており、約150世帯で構成。3日間活動し、訪問件数95件、在宅42件、不在42件、空き家11件でした。

<住民の声>

・一部土台が割れたり壁に隙間が空いたりしている。玄関のサッシが歪んで鍵がかからないの。大工さんに依頼はしているけど、いつ来るか分からない。夫は週3回デイサービスに通っていて、サービスはいつも通り受けられているし、今の生活は震災前とあまり変わらないでです。罹災証明書は知り合いに記入してもらったけど、写真撮影や現像、間取り図が書けないのでまだ申請できていない。(提出を促すと)すぐに市役所に連絡してみる。(82歳・男性・妻と同居)

・2階の壁が1枚割れて、壁の隙間が目立つ。私は4年前から目が見えなくなって、デイサービスを利用中。今の生活は震災前とあまり変わってない。罹災証明書はまだ出していない。(提出を促すと)私は目が不自由なので、妻(80代)に市役所へ電話させます。(88歳・男性)

・家全体が海の方に傾いているんです。壁にはひびが沢山入っているし、廊下の板がずれ、土台にひびも入ってる。罹災証明書なんて知らない。金曜日に息子が来るから相談してみます。でも、余震や雨が続いたらこの家はどうなってしまうの?何から手を付けていいのやら分かりません。(84歳・女性)

・1、2階共に壁のひびや剥がれがあって、2階は地震の後から全く手を付けずにそのままです。足が悪くて急な階段は上れないし、家族も「見るな」って。片づけの時に出たゴミが10袋ぐらいあるけど、自分たちで集積所まで持っていけないから、玄関に並べたまんま。どうしたらいい?自宅は黄紙(要注意)、土蔵は赤紙(危険)でした。風呂、トイレ、洗面所は問題ないけど、土蔵が倒れそうで。。罹災証明書は申請しました。(83歳・男性)

・家が海に向かって傾いていて、壁に無数のひびが入っているんです。玄関の壁は落ちたけど、また余震があるかも知れないから修繕は見送ってます。罹災証明書は知っているけどまだ申請していません。お金がないので、修繕ができるか不安です。(60代・男性・一人暮らし)

・息子から「知らない人は入れるな」って言われてるけど、家の様子を見て欲しいの。壁のひびや落下が目につくでしょう?トイレは使えるけどタイルがはがれて危ないのよ。無防備な状態で崩れてきたらと思うと怖い。(80代・女性)

・一人で少しずつ片づけてます。また揺れることもあるかも知れないから、ゆっくり1年ぐらいかけて片づけるつもりで。家は黄紙判定でした。罹災証明書は申し込みました。(70代・女性・一人暮らし)

②珠洲市民生委員児童委員協議会(民児協)への協力

珠洲市社協からの要請で、5月16日に開催された珠洲市民児協理事会(市社協事務局)に緊急同席。RSY代表理事・栗田より、避難生活の長期化による災害関連死や心身の深刻な健康被害に関する懸念と共に、災害ボランティア支援プロジェクト会議(支援P)の取り組みとして、被災者へのお見舞い品「うるうるパック」を活用した個別訪問や見守り事例を紹介しました。結果、10地区での活用が決定。RSYは、事業担当スタッフの林を中心に、荷物受け入れ場所の確保、各地区の民生会長への数と受け渡し方法の確認、荷物の運搬、訪問時の同行を行いました。

 

今回パック化作業にご協力を頂いたボランティアの皆様、地元民生委員さんを通じて、無事に被災された方々のお手元に届けることができました。本当にありがとうございました。

<住民の声(正院町)>

・ちょうど地震の時、離れにいたの。電気のヒューズが飛んでしまっのか3日間停電・断水しました。懐中電灯があってよかった。トイレも使えないから、夜中でも行きたくなったら車で近くのコンビニまで走ってしのぎました。でもなぜか母屋は停電していなかったみたいで、あの時から今(26日現在)もずっと2階の電気がつきっぱなしになってるの。それが気になってねぇ。でも階段も落ちちゃったから上がりようがないの。地震の揺れでずたずたに割かれた障子の隙間から漏れる明かりを見てると寂しい気持ちになってね。子どもが設備屋なので仮にトイレは直してもらったけど、壁は落ちてるしゆっくりは用も足せません。(80代・女性・一人暮らし)

・(民生委員より「一人暮らしだと分かっていたから、揺れが収まってからすぐに駆け付けたけど足の踏み場もなかった。何とか中に入ったけど不在だと分かって。あとから公民館に避難したと聞いてホッとしたのよ」)そうそう。そうだった。なんだかなんにも覚えてないのよね。今も怖いからずっとこたつで寝てるの。30年前の地震より傷み方がひどいと思う。壁が落ちて片づけるのに10袋もゴミが出た。土蔵が倒壊しそうで怖いです。(80代・女性・一人暮らし)

・玄関前や基礎に無数の亀裂が入っているの、分かるでしょ?家に上がってぜひ見て行って。私のところはなぜか応急危険度判定の紙がついてないの。両脇のお家にはついているのに。こんなにひどい被害なのになんだか置き去りにされたようでとても憤っています。とにかく雨漏りがひどかったから、漬物樽を3つぐらい置いて。一杯になる前に水を捨てるという作業を3日3晩繰り返しました。直後はじーちゃんとずっと震えてた。うちは海辺に立ってるから、海風の影響をもろに受ける。台風も直撃するし災害には散々泣かされてきました。雨漏りと建具については、大工さんが応急処置をしてくれました。天理教・ひのきしん隊の人もブルーシートをかけてくれた。こんなひどい状況なのに、夫は「どこにも行きたくない」の一点ばり。だから泣く泣く娘の「うちにおいで」という申し出も断りました。お金があれば、家をつぶして建て直すけど、そんなお金ないし、これからどうすればいいの?(こらえきれず涙が溢れる)それに、だんだん家が傾いてきているから、隣の空き家に倒れかけたら迷惑をかけることになる。それが気に病んでしかたない。罹災証明書は議員さんに協力してもらって提出しましたが、調査はまだ来てません。でもこんな風に聞いてもらえてよかった。現実を誰かに見てもらえるだけでも助けられた気持ちになる。ありがとうね。(80代・女性・夫と2人暮らし)

・基礎はズタズタ、家もぐちゃぐちゃ。雨漏りもあるし、スロープも壊れて車いすの母(93歳)はショートステイに預けています。夫は疲れが出たのか帯状疱疹になりました。直後は断水でトイレも使えなかったので、公民館に1日、その後小学校に3~4日滞在しました。小学校では体育用のマットを貸してもらっていましたが、その後ダインボールのベッドをもらえたのでありがたかった。中学生の孫は揺れのショックから、避難所でも顔色が悪く物静かになって。怖かったんだろうと思います。今は大分元気になりました。でもこんな風にお話するだけで気持ちって変わるんですね。民生委員さんにもいつも気にかけてもらって心丈夫です。(80代・女性・家族と同居)

・じーちゃんさっき、畑で転んじゃって。疲れてるのかね。不思議なんだけど地震で障子紙が全部縦に割かれちゃったの。震災前はこんな風になってなかったのよ。今お風呂のタイルがひび割れちゃって、シャワーだけで済ませてる。怖くて使えないよ。大工さんに頼んでるけどいつになるやらわからない。あちこち壁が落ちて、どこまで直せるのやら。このままの状態で住み続けるしかないのかねぇ。(80代・女性・夫と同居)

※注意)掲載写真は必ずしも住民の声と連動している訳ではありません。

<民生委員からのコメント>

●自分の家が他と比べてどの程度の被害なのか分からず、「うちだけなのだろうか….」という取り残され感が強い。
●2階の階段が落下したり、もともと急すぎて上がれない、普段使っていないから、などの理由で2階の部屋は手つかず、見にも行けないの世帯が少なくない。心の苛立ちや先の見通しのつかない不安感を、畑や田んぼの仕事で紛らわしているように見える。
●「しゃべるだけで気持ちがすっきりする」という声多数。「話を聴き、安心させてあげられる人」が必要。
●災害による家族機能の低下(高齢夫婦で妻が体調不良となり夫が家事するケースなど)や浴槽破損世帯については、食事と入浴の支援の継続が必要なのではないか。
●応急修理でどこまで直せるか、解体しなければならないのか、災害廃棄物はいつまで捨てられるのか、正確な情報や手続きの仕方もよく分からないので、説明しきれないことがもどかしい。

総じて、心の内を聞いてくれたり、大変な状況へ共感してくれる人の存在が心の支えになっている。また、手続きが自分でできないケースもあり、自分は代行支援をしているが、他の地区にも同様の困りごとがあると思う。

③市主催「今後の保健福祉活動に関する会議」への出席

5月24日(水)、健康増進センターからの呼びかけで「能登半島沖地震による珠洲市の今後の保健福祉活動について」と題した会議が開催され、市福祉課、能登北部保所、県精神保健福祉士(PSW)協会、RSYに招集がかかりました。当方への期待は、「過去の災害支援経験からこれからのフェーズで生じる課題と対応事例を教えて欲しい」というものです。その際に全体で協議された内容は以下の通りです。

課題1:罹災証明書の早期申請
災害VCの現地調査やローラー作戦、保健師、民生委員等による個別訪問が実施されていますが、未申請世帯が少なくないことが判明しています。理由は、

・罹災証明書の存在を知らない
・申請に必要な書類を取り寄せられない(役所に取りに行くかダウンロード)
・自分の家の被害が申請対象になるのか分からない
・申請後のメリットが分からないので意識が向かない
・申請書類を全て準備できない(写真撮影・現像・家の見取り図の添付必要)
・市役所への移動手段がない、疲れてそれどころじゃない
・一連のことを頼める家族や身近な人がいない
・一連のことが良く分からず既に修繕や片づけを済ませてしまった

課題2:家の修繕
・保険加入の有無(地震、共済、家財等)
・応急修理制度の申請・活用
・リバースモーゲージ型融資等の活用等
・制度内で修繕が済まない困窮世帯への対応(民間による支援がどこまでできるか)
→罹災証明書申請後の次のステップとなるが、罹災証明書の申請時に一気に説明しても理解できないと思うので、連続的な伴走支援が必要。

課題3:時差によっておこるボランティアニーズへの対応
・ボランティアの確保、災害廃棄物廃棄の期限延長等
→家族への遠慮や気兼ね、2階に上れない(階段の破損、高齢による足腰の問題、余震時の恐怖感など)で、2階部分が手つかずになっている世帯が一部あり。また、空き家が多く全く手つかず、公費解体が認められた場合など、時差でニーズが急増する可能性が高い。

課題4:仮設住宅、公営住宅入居者への生活支援
・入居サポート、地域支え合いセンターの設置(未定)
→市は16戸(3か所に分散)の建設を検討中。普段大きな家に住んでいるため、物理的環境に問題が多い仮設での生活には、環境改善や見守り等の継続支援が必須。支え合いセンターは在宅避難者も対象になるため、市は国の「被災者見守り・相談支援等事業」適応を目指して検討を始めている。仮設の完成は6月中旬の見込み。

課題5:孤立防止、心身の健康確認、居場所づくりなどの継続
→地元の保健師や社協、自治会、民生委員、ボランティア等による活動を期待。

以上の点を含め、明日からの派遣では、引き続きローラー作戦を継続すると共に、災証明書の早期申請を重点課題とし、相談会や個別訪問による伴走支援の体制づくりに向けた市への相談・運用サポートを行っていきたいと思います。

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RSY石川県珠洲市への支援について(第4報)

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。

RSYは5月15日(月)より、珠洲市に常務理事・浦野を含むスタッフ2名を再び派遣し活動に当たっています。16日は代表理事・栗田も現地入りし、市社協や地元のキーパーソンの方々と現状や地域の復興に関する想いなどをお聞きしました。以下、浦野からの報告です。

※私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成のご協力を頂いています。


<珠洲市の被害の概要>(石川県18日発表資料)
死者1名、負傷者42名、全壊18、半壊27、一部損壊704

※罹災証明書申し込み数:約360件(5月15日現在・福祉課確認)

11日より能登北部(能登町・輪島市・穴水町)を中心に、災害ボランティアセンター一般ボランティアの受け入れ実施中。現在約340件のニーズが上がっており順次対応中。ニーズ受付の窓口は市で、その後災害VCに情報が提供される仕組み。ボランティア派遣前の実態調査要員の不足が課題。

<5月19日朝、珠洲市保健医療福祉調整本部報告より>

・避難所1か所(合計6名滞在)。福祉課の調整のもと県営住宅等の住まい提供を行いほぼ今後の住居先が確定。必要に応じて避難所で使用した段ボールベッドや寝具等は提供可能だが、家電等生活必需品は自己調達のためサポートが必要。

・正院小学校に設置された避難所は20日午前8時をもって閉所。入浴支援や、市栄養士と食生活改善委員による炊き出しも終了。19日をもって「保健医療福祉調整本部・生活サポート部会」も縮小。

・保健・看護・医療の専門チームが、75歳以上の独居高齢者・高齢者世帯、障がい者世帯(聴覚・単身者)、応急危険度判定で「赤:危険」のうち在宅避難継続中の約10件を個別訪問。17日までに1,218世帯の巡回完了(不在517世帯)。うち、継続的な支援が必要な要支援世帯は66件(メンタル面と体調不良に問題を抱える世帯は半々)。県から心のケアチームを派遣中。

県外からの専門職派遣は一旦終了し、今後は地元保健師による要支援者への訪問、電話での状況確認を継続。また、独居・高齢者世帯以外でも、体調不良に関する相談が増加。家族が緊急入院となり、96歳の高齢者が一人で生活しているケースが近所からの通報で発見されるなど、被災による家族機能の低下で、生活支援が必要なケースが増えてきている。

<RSYの活動>
1.民生委員・児童委員による個別訪問のサポート
16日に開催された、珠洲市民生委員児童委員協議会(以下、民児協)理事会(事務局・珠洲市社協)に、市社協の呼びかけのもと栗田・浦野も参加。来週から「うるうるパック」を活用した高齢者世帯への再訪問を行うことが決まりました。保健師等による市の訪問調査で不在だった方のフォローや、時間が経って状況変化がみられる方の早期発見のきっかけ、顔見知りが顔を見せることの安心感の創出などに役立てられます。

児協会長からは、「皆さん余震も多くとても不安な上、疲れ切っている。これから先も心配。実際の被害の大小はあるが、市民全員が怖い思いをしている。何度でも訪問すればいいのではないか」という言葉もあり、全地区の民生委員による高齢者宅の再訪問が決まりました。
ある民生委員からは、「奥さんが震災後の疲れで体調を崩し、ご主人が奥さんの看病に当たっているケースもあった。また、移動手段がなく避難所で炊き出しをやっていても取りに来られない方もいる。足の無い人は私が車に乗せて連れていったり、取りに来られない人には届けたりした。田んぼの時期とも重なっていて、家の片づけや日常的な家事などとの同時進行は大変。食事提供もとても喜ばれると思う」というコメントもありました。
RSYは「災害ボランティア活動支援プロジェクト会議(支援P)」の活動の一環として、来週までに900セットの「うるうるパック」をお届けし、滞りなく民児協の活動につなげられるよう準備を進めています。
2.地元企業やボランティア団体の訪問
珠洲市に家族や知り合いのあるRSYの関係者からの紹介を受け、平時から地域の文化保全や活性化に熱心に取り組まれている地元の企業やボランティア団体を訪問しました。中には被災により大きなダメージを受けながらも、必死に今後の対応策を模索しているケースもあり、今後どのように応援できるか私たちも検討を重ねています。
<みなさんの声>
・三崎町で親子2代で製材所を運営しています。2007年の能登半島地震ではとても揺れましたが、今回製材所のある周辺地域は幸いにも大きな被害はありませんでした。海岸から続く岩場を見てもわかる通り、岩盤が陸地にも続いて地盤が強いのだと思います。しかし、他の地域の方に目を向けると、皆さんの笑顔が圧倒的に少なくなっていることが気になります。心が疲れ、気持ちが落ち込む今だからこそ、自然に沸き起こる「笑い」が必要だと感じるのです。小さくとも、珠洲でもそんな場を作る企画が考えられないかと模索中です。また、家屋修繕等で木材が必要な時があれば可能な限り提供するので、お声がけ下さい。(現在、屋根のブルーシート張りを行っている技術系NPOらに繋ぎ、修繕時に使用する木材提供について快諾を頂きました)
★新出製材所
https://www.shindesawmill.com/

・日置町で炭焼きをやってます。炭は海外でも、生物多様性やCO2削減に向けた価値を認められていますが、職人の確保が難しく、原材料の木が育つまでに8年かかるので大量生産はできません。現在は、茶道で使う炭を扱うことが多くなっています。しかし今回の地震で、3基の炭焼き窯に亀裂が入り、焼くことができなくなってしまいました。また、工場には多数の地割れがあり、もともと地すべり地帯のため、さらに危険リスクが高まっています。いずれにしても、事業再開には多額の費用が必要になるため、このまま経営を続けられるか分かりません。

菊の文様のように美しい木炭。作業場被災のため、今は新規の受注・製造ができなくなってしまった。

私は生まれも育ちもこの土地で、父と共に、炭焼きの存在意義を問い続けてきました。この集落は21世帯あり、うち11世帯が一人暮らしの高齢者です。新聞配達や簡易水道の管理をする中で、高齢者の安否確認や見守りも行っています。いわば、ここが集落の中心的な存在なので、何があってもこの土地を離れるわけにはいかないと思っています。でもこういう時だからこそ「助けて」と言える社会でなければ。自分だけで生きているのではないという自覚があれば、助けてともいえるし、困っている人にも手を差し伸べられると思う。循環や持続可能という言葉の核は「命をつなぐ」こと。七尾市炭工房から300年前の炭火を譲り受け、震災後も絶やさず守り続けています。今回の震災は、人と人とのつながりや、社会と個人との関係性について改めて考えさせられるものでした。

★大野製炭工場

https://www.city.suzu.lg.jp/site/kankou/1833.html
(公式HPは一時停止中)

作業場や敷地内のあちこちで見られる地割れ。大雨や余震などで地滑りが起きれば倒壊の危険もある。

全て手作りの炭焼き窯だが、修繕費の捻出や職人不足に頭を悩ます。

七尾市から受け継いだ炭火を、震災後も朝夕と欠かさず継ぎ足し灯し続けている。

 

・飯田町在住で、毎月1回、市役所前のわくわく広場でうたごえ喫茶をしています。もう10年続いています。いつも20名ほどが参加し、クリスマス会などは40名ほどいらっしゃるときもあります。私の家も、土壁や天井が落ちたりして大変でした。これまではコロナの影響で中断していて、ようやく再開できると思ったらこの地震。みんな大変だから今月も見送ろうかという声もありましたが、小数人でもよいからやろう!ということで、5月18日の開催が決まりました。いつもは、近くの喫茶店からコーヒーを注文して、歌が終わった後30分程雑談して帰るのが皆さんの楽しみ。でも今回は地震の影響で喫茶店がお休みなのでそれができないんです。それでも震災でたまった疲れやストレスが少しでも癒されて、久しぶりの仲間と顔を合わせられる機会になればと思います。(エレクトーン奏者・Tさん)

※第5報は、昨日実施された「うたごえ喫茶」の様子や住民の方々の声を中心にお届けします。
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RSY石川県珠洲市への支援について(第3報)

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。

石川県珠洲市へ派遣していたスタッフは、11日、一旦名古屋に戻りました。来週月曜日に再度現地入りし、今後の支援に関する調整を行います。震災から約1週間が経ち、県の発表資料では、日ごとに家屋被害の件数が増え、その全容も明らかになりつつあります。また、被災された方々の疲労感もピークに差し掛かり、体調を崩す方も増加しています。以下、常務理事・浦野からの報告です。

※私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成のご協力を頂いています。

<珠洲市の被害の概要>(石川県11日発表資料)

死者1名、負傷者35名、全壊15、半壊13、一部損壊600

11日より、災害ボランティアセンター一般ボランティアの受け入れ開始。

※11日朝、珠洲市保健医療福祉調整本部報告より

・避難所1か所に統合(合計13名程度)

・被害のあった高齢者一人暮らし、高齢者世帯、障がい者世帯456世帯を対象に、毎日医療看護福祉専門職らが2チーム1組・10チームに分かれ、個別訪問によるアセスメントを実施。緊急度の高い方は病院への搬送や医療チームが巡回中。

・カメラや携帯電話を持っていない高齢者が多いことから、り災証明書発行については、写真が無くても申請ができるよう市が配慮。

・ボイラーが破損し入浴に支障のある世帯も少なくないため、月・水・金で送迎付き無料入浴施設を開放中。(しかしバスの出発地点、入浴施設のキャパ、滞在時間には課題あり)

<在宅避難者の様子>

市の保健医療福祉調整本部では、現在、要配慮者を中心に個別訪問を実施していますが、これ以外でも応急危険度判定で「赤:危険」が出ているにも関わらず、ガラスの飛散や天井の落下などが見られる危険な家屋で生活を継続中の世帯もいる模様です。毎日断続的な余震が続くため、2次災害のリスクはさらに高まっています。

浦野は引き続き、アセスメントチームに加わり、被災中心地から車で20~30分の大谷町、馬緤町、真浦町、片岩町、長橋町の一人暮らし高齢者宅を訪問しました。山間地域や中心地から離れた地域でも、生活への支障や心身の健康状態への不安感を抱える高齢者が多くいました。地域では民生委員や福祉推進委員、区長が動いていますが、「震災後誰もきていない」という世帯もあります。

また、これらの地域の方々は、「わたしらのところは、正院町の人から比べれば大したことない」と口をそろえており、自ら声を上げることもないため、どうしても見落とされがちな状況です。そんな中、保健医療福祉調整本部による個別訪問の意義は非常に大きいと感じています。今回訪問した全員が、り災証明書は未申請でした。

★被災者の声

(大谷町)

・おとといから急にお腹が痛くなって今日は何も食べていないのよ。ストレスなのかしらね。2階はひどいもんよ。途中の階段の壁も崩れているし。仏壇はひっくり返って、食器も割れちゃったの。ブロック塀が道側に倒れて危ないから業者に来てもらったんだけど、崩したブロックを誰に頼んでどこに運べばいいのか。業者さんはそこまでできないっていうから。(災害VCを案内すると)そんなところがあるの?一度連絡してみるわ。うちは、トイレや食事、お風呂は大丈夫だけど、ブロック塀が気になって。り最証明書のことも初めてきいた。写真はとにかく一杯とったから大丈夫。ボランティアさんにも一度電話してみるわ。道路を挟んで向かい側はあまり被害ないみたいで、こんなに差があるなんて断層とか地盤の影響なのかしら。(60代・女性)

・今朝の余震、本当に怖かった。頻繁だからなのかずっと身体が揺れている感じがするの。めまいなのか、余震なのか区別がつかない。頭もぼーってしちゃって。不整脈もあるし血圧も高い。緑内障もあるから疲れがたまってる感じです。ふらつくから、そういう時には横になって身体を休めてます。17日に病院に行く予定。ボイラーが壊れちゃったので、一度もお風呂に入っていないの。給湯器も使えない。雨漏りはないけど、2階の本棚は倒れて来てる。一番気になるのがブロック塀。ひびが入っていつ倒れるかとひやひやしてます。誰かに怪我でもさせてしまったらと考えると落ち着かない。業者に頼んでるけどいつ来れるか分からないって。。。(70代・女性)

(馬緤町)

・私は90歳でひとりだからなんにも分からない。瓦が壊れて2階は少し雨漏りがあるみたいだけど、生活するには気にならない。子どもが来て部屋の中にブルーシートかけてた。屋根の棟(むね)がずれてたみたいで、業者からシートかけてもらった。でも子どもは岡山に住んでるから、これ以上迷惑かけられないよ。ガスは大丈夫、台所や風呂の水は市の水道だから断水してないけど、トイレだけは部落から別に水を引いてて、それが止まっちゃったんだよ。だから、バケツに水を汲んで用を足したら便器に流して使ってる。市の水道に切り替えてもらえるならお願いしたい。風呂もタイルに亀裂が入ってしまってる。でももう一人だから修理はええわ。やっぱり疲れは溜まっているね。揺れが怖いし眠れない。今日はおとなしくなったな。。と思ったら、急にまた余震が来るから。でも仕方ないよ。(り最証明書の説明をすると)そんなの何言っているのかさっぱり分からない。手伝ってもらえるとありがたい。なんとかお願いします。(90代・女性)

(真浦町)

・よくこんなところまで来てくれたね。玄関のところに亀裂が入ってるでしょ?床下の土のところも地割れしてるし、庭にも亀裂。なんだか数センチ下がっている気がするよ。断層が通ってるのかね?地割れも隙間が広がっている気がする。築100年以上の家だけど、瓦も大丈夫だったし、家の中のものはほとんど倒れなかったからよかったんだけど。生活は震災前と同じようにできてるけど、この地割れが気になります。昨年がんの手術をしたばかりだけど、何とかやれてます。(80代・女性)

この集落は、沿岸沿いの山の斜面に住宅が建設されて急な坂道が非常に多い地域です。

・何とか片づけ進めてます。でもとにかく余震が多いでしょ?本当に怖かった。落ち着かないです。もうつかれちゃって。(災害VCを案内すると)え?そんなのがあるの?そこに頼めばいいの?助かります。他の方にもお知らせします。(60代・女性)

・納屋と2階の部屋のものが少し倒れたぐらいの被害でした。特に大きな被害はなかったんだけど、5日からお風呂に入ってないの。だって夜お風呂に入っている時にもし地震が来たらすぐに外に出られないでしょ?だから怖くて怖くて。血圧も高いけど、今のところは何とかやってます。なんとなく疲れが溜まっているし、やっぱりお風呂に入れないと気持ち悪い。(80代・女性)

・家は大丈夫だけど、気持ちが動転しています。5日からぐっすり寝たためしがなくて、うとうとしては目が覚めるという状況。一人だから余計ね。でも、民生委員や福祉委員さんが来てくれて安心した。子どももしょっちゅう電話くれるの。いつも身体が動いているみたいで、ストレスがかかっているのかな、疲れがたまっている感じがします。でもこんな風に心配して来てもらえて、本当に心丈夫です。よかった。ありがとうございます。(80代・女性)

(片岩町)

・ほとんど家の被害はなかったけど、夜、いつ何時どうなるかわからないから、洋服を来て寝てます。最初の地震の時は胸がどきどきして。それがしばらく続いてた。余震が来るたびに、また来た、また来たってずっと落ち着かないです。病院から睡眠薬をもらって飲んでいるからまだ何とか寝られているけど、不安が強い。でもお隣の区長さんがいつも声をかけてくれるからそれが安心。あなたたちも来てくれてありがとう。また来てね。(80代・女性)

RSYはこれらの状況をふまえ、来週月曜日から再び2名のスタッフを派遣します。地元社協さんを通じて、民生委員や住民の方々と共に、個別の課題にできるだけ支援が届けられるよう調整したいと思います。

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RSY石川県珠洲市への支援について(第1報)

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。

5日に能登半島沖で発生した地震について、犠牲となられた方と共に、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。

RSYは昨日から、震度6強の地震に見舞われた石川県珠洲市へ、常務理事・浦野の他、スタッフ1名を派遣しています。以下、浦野からの報告です。

※私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成のご協力を頂いています。

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(被害状況/珠洲市)石川県発表(5月8日現在)

死者1名、負傷者32名、全壊7、半壊9,一部損壊336

避難所10カ所(滞在者0人)

8日の時点で断水は解消

災害救助法:珠洲市、輪島市、能登町に適用

応急危険度判定:「危険」51棟、「要注意」81棟(5月8日北國新聞)

(現地での活動の様子)

2007年3月21日に発生した能登半島地震の支援で関わりが深まった、穴水町社会福祉協議会(以下、社協)のHさんと、穴水町ボランティア連絡協議会代表のTさんと共に珠洲市社協を訪問し、現状や災害ボランティアセンター立ち上げに関する今後の課題等を共有させて頂きました。

能登地方には、2市・2町の社協からなる「能登北部ボランティア部会」が形成されており、代表理事・栗田は、部会が開催する研修会などに講師として招かれた経緯もあります。能登北部地方は、金沢市内から車で2~3時間程度かかるということもあり、何かあった時は近隣市町で助け合っていこうという連携の土壌も育っている地域です。

打合せの後、穴水町社協の方々と共に、被害が集中していた正院小学校、直公民館、山間地域の日置公民館等の避難所を訪問しました。7日から降った大雨が8日朝には上がったため、ほとんどの方が自宅に戻って復旧作業に当たっているそうです。日中は一人も避難者の姿はありませんでした。

市には、「保健医療福祉調整本部」が設置され、それぞれの専門職が避難所のアセスメント調査を行い、早い段階で環境改善を進めていました。また、在宅避難をしている一人暮らし高齢者、高齢者世帯、障がい者世帯を優先に、保健師と看護師がチームを編成し、個別訪問によるアセスメント調査も始まっています。

本日より浦野もこの活動に参加させて頂き、要配慮者の生活課題の早期発見、早期対応に向けて今後必要となる生活支援プログラムについて地元の方々と検討していく予定です。

現地には、震災がつなぐ全国ネットワークの加盟団体である、レスキューアシストや、ピースボート災害支援センターなどが既に活動を始めているため、随時情報交換を重ねながら、災害関連死や健康被害防止に向けて効果的に動けるよう連携していきます。

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【報告】2022年度RSY被災者支援活動報告会が終了しました!

みなさま

RSY事務局です。

3月8日(水)に開催した、2022年度の被災地支援に関する報告会が無事に終了しました。当日は、リアル&オンライン合わせて約40名の方が参加。2022年度にRSYが関わらせて頂いた、石川県小松市(9月~3月派遣)、静岡市清水区(10月~3月派遣)、佐賀県武雄市(年間5回派遣)の3か所での活動をリレートーク形式で繋ぎ、それぞれ参加したボランティアの方々から、活動の様子をお話頂きました。報告の中で見えてきた新たな課題もふまえ、RSYは今後も被災者支援を継続していきます。

以下、概要です。

1.RSY代表理事・栗田暢之挨拶

相次ぐ災害で本法人が現場に赴き、被災者の現状をお届けすることができているのは、日ごろ応援して下さる皆様のご支援の賜物であると深く感謝申し上げたい。

RSYは被災者支援において、「すぐにいく」「傍にいて丁寧に関わる」「ながく関わる」をモットーとしてきた。コロナ禍で「すぐにいく」ことは厳しくなったが、「丁寧に関わる」という点については従来の姿勢を継承してきた。しかし同時に、長い復興の中では、一部しか関われていないというジレンマも抱えている。

このような状況の中、阪神・淡路大震災からの支援仲間で、武雄市の(一社)おもやい代表・鈴木氏からは、「RSYから派遣されるボランティアの女性たちは、到着早々カバンを置いて「様子を見に行ってくる!」と被災者のもとに出かけていく。その姿はとてもパワフル。たまに来てくれる人だからこそ気づける変化があり、助かっている」という言葉も頂いている。皆様との協働のおかげでより「丁寧な関わり」が実現できているのではないかと思う。(武雄市は令和元年と3年に被災)

一方で、私達は、名古屋で災害が起こったらどうなるか?どうするか?という命題を突き付けられている。今回の報告会は、この点についても考えを深める機会にしたい。

今回の取り組みは、

RSY会員・関係団体・個人の皆様からのご寄付と共に、
日本財団「令和4年8月大雨被害に関わる支援活動」助成
日本財団「令和4年台風第15号被害に関わる支援活動」助成


生活協同組合連合会アイチョイス様
藤田医科大学様など

からの多大なるご協力のもと、実施することができた。深くお礼を申し上げたい。

2.2023年度・RSY被災者支援の概要(RSY常務理事・浦野)

今年度支援に関わった、石川県小松市・静岡県清水区・佐賀県武雄市では、特に情報が入りにくく、支援が届きにくい山間地や小地域において、避難生活で優先順位の高い「食の確保」と、災害関連死のリスクにさらされやすい「要配慮者ニーズの早期把握」、地元支援団体との「情報共有」、公的支援や水害後の家屋保全に関する分かりやすい「情報提供」、「孤立防止」、被災者の「エンパワーメント」の6つを活動の軸に据え、のべ約120名のボランティアを派遣することができた。また、2015年関東・東北豪雨水害以来、活躍中の「RSY看護チーム」も奮闘し、全ての被災地に1~3名の看護専門職に同行頂くことで、きめの細かいニーズ把握に繋がった。

RSYの生活支援プログラムで定番になりつつある、「あったかごはん食堂」(炊き出し支援の名称)には、碧南防災ボランティア連絡会と連携し、小松市で1,460食(12回)、清水区で260食(全4回)を提供することができた。これらをニーズキャッチのきっかけとしながら、要配慮者世帯の絞り込みと、地元の専門機関につなぐ役割を果たすことができたと思う。また、新たな顔ぶれとして、株式会社デンソー社員の皆様がボランティア休暇を使って参加して下さり大変助かった。

今回は、震つな加盟団体や、建築の専門的な知識のあるRSY団体会員の方々と連携し、微力ながら水害後の家屋保全作業のお手伝いもした。災害頻発と甚大化を前に、RSYもこれらの知識や技術を持つ人材の確保が新たな課題であると認識した。

いずれにしても、早期に様々な切り口を通じて、支援が必要な方を明確に特定することが、あらゆる支援を確実にひとりに繋げる突破口になることをひしひしと感じている。

3.リレートーク

①稲垣早海律さん(RSYボランティア)(小松市)

山間地域で、特に孤立が心配だった中ノ峠町の十数世帯の方々に、「あったかごはん食堂」の炊き出しをお届けする役割を担った。最初は警戒気味だった住民の方々も、足しげく通うにつれて次第に信頼関係を作ることができた。留守宅には手紙を入れて訪問したことを伝えると、手書きのお返事が置いてあったり、様々な形でコミュニケーションが深まることを実感した。この繋がりを通じて、世帯の生活状況が把握できたので、世帯構成&再建進捗リストにまとめ、RSYスタッフを通じ、社会福祉協議会等に報告してもらうことができた。できるだけ同じ人が通えるとよいが、それぞれの都合でボランティア側の顔ぶれが変わることも多いので、引継ぎ方の工夫は今後検討していきたい。

②藤井文香さん(RSY看護ボラ)(小松市)

看護師ボランティアとして、中海町を担当した。当初から住民の方々が主体的に公民館を「救護所」として機能させていたため、人・物・情報の提供が届きやすい環境があり関心した。公民館の一角に健康相談コーナーを設けたり、地域の方から心配な世帯をお聞きして個別訪問する中で、一人暮らしの高齢者や障がいのある方がいる世帯が、周囲に遠慮や気兼ねをして、支援が求められにくい状況があることを知った。その中で特に印象的だったのが、「私の被災は軽かったから公民館に物をもらいに行くのは申し訳ない」という言葉。我慢に我慢を重ね健康状態の悪化が心配されるケースもあった。看護ボラ同士でゆっくりお話を聞きながら、早めの受診や介護保険利用への仲介ができたことに、専門職としての役割を実感した。

③岡田雅美さん(名古屋みどり災害ボランティアネットワーク)(静岡市清水区)

今回お手伝いをした家屋は平屋で、床上20~30㎝の浸水被害があった。母子家庭で寝る場所がないので娘さんとネットカフェを転々とされていた。訪問すると、流し台の下やサッシは泥だらけ。母親は「3日間食欲がわかず食べ物が喉を通らない」と漏らしていたので、一緒にきれいにしようと励ました。「窓ガラスの泥の汚れがなかなか落ちない」という相談については、食器用洗剤を水で薄めた液を作るとよいこと、サッシのレールの細かい汚れは、歯ブラシできれいに取れるなどを伝えた。お隣さんからも「うちも見て欲しい」と声がかかり、近くでちょっとした質問に答えてくれる人がもっと必要だと感じた。また、「ミニ相談会(※)」では、最初雨が降っていて不機嫌そうに会場に来られた方が、帰り際はホットした表情を見せていた。相談会場での食事提供や足湯を通じて、「どうしてよいか分からない時に、分かりやすい説明をしてもらって本当に助かった」という声を多く聞かせて頂いた。

※ミニ相談会:「今後の生活再建に関する無料ミニ相談会」の略。法律や災害後の家屋保全の専門家をお迎えし、公的支援制度やカビ、寒さ対策等についてレクチャー頂いている。また、災害VCや市の担当者も同席し、ボランティアや応急修理制度、生活必需品等の申し込みをその場で出来るワンストップ型支援の場を提供した。会場には、足湯やお食事&カフェコーナーも設置して、心に溜めていた不安や疲れを吐き出し、リラックスして頂けるよう配慮した。RSYは企画・運営を担当。

④伊東ゆかりさん(なごや防災ボラネット)(静岡市清水区)

「ミニ相談会」の会場の一つとなった、清水区の柏尾自治会は、自治会独自で床上・床下浸水を色分けし情報整理をしていた。中には1m以上浸水していた箇所もあり、大変な状況だった。相談会のチラシをお届けしに個別訪問を行ったところ、3人暮らしの世帯と遭遇。水害当時、娘と自分は2階に避難するも妻は介護が必要だったため今は施設に預けているという。相談会にお誘いするも強く遠慮されたが、気になったので翌日再訪問した。すると、庭の泥を娘さんが一人で片づけていたので手伝わせて頂いた。娘さんは「これでとても気が楽になった」と明るい笑顔を見せてくれたので、再度相談会へお誘いした。別の方からは「過去の水害経験からかさ上げしたところに浸水。なかなか買い物にも行けないので缶詰で食べしのいでいた」というお話も聞いた。相談会場での食事提供の際、「私たちなんかもらっていいの?」などの声もあったが、「家族分どうぞ」というと「久しぶりにおいしいものが食べられる」ととても喜んで下さった。今回の活動で個別訪問の重要性が理解できた。最初は、「うちは大丈夫です」とおっしゃっていた方も、翌日再び訪れると大丈夫ではないことが多くあった。一人ひとりのペースに合わせて関わることがいかに大切かを実感した。

⑤加藤都さん(名古屋みなみ災害ボランティアネットワーク)(武雄市)

令和元年・3年と続けて通い続けている。私達の活動窓口としてお世話になっているのが、おもやいさん。武雄に到着するとまずはここに顔をだしてから、住民の方のお宅に伺う。住民の中には、連日の片づけで急に体調を崩す方もいらっしゃったので、看護チームとして対処させて頂いた。毎日顔を出すことで信頼関係ができ、その方の人となりも良く分かってきた。自らも被災しているのに、周囲に気を配りすぎるがあまり気持ちの浮き沈みに悩むEさん、水害後の苛立ちから、他者からの支援をなかなか受け入れられないKさんなどには、「この方が本当に望んでいることは何か」を常に考え、心の内を安心して吐き出せるような関わり方を心掛けた。西九州大学の学生チームとRSYが、復興期の孤立防止と食を通じた健康維持と活力向上を目的に、ご自宅訪問型の「あったかごはん食堂」を開催した。我が家という安心できる場所で調理をしながら学生と楽しく交流したり、写真係や調理係など、それぞれが役割を持ち、ご本人と一緒に場を作ることで、みるみる元気になっていく様子がうかがえた。年に何度か行き来する関係にも、長い生活再建の一部を支える意味があることを実感した。

⑥椿佳代さん(RSYボランティア)(武雄市)

「NPO法人みつわ」のある久津具地区は、水害時に地区の9割が被災。みつわは、在宅避難者の支援拠点として活動していた。RSYは、令和3年から拠点運営を手伝うと共に、2019年台風19号水害で被災した長野市豊野区との交流企画に関わるなどしていた。令和4年2月~3月はコロナ蔓延期で直接現地入りできなかったので、節分や花見の季節にちなんだご当地名古屋のプレゼントお届けして交流を続けた。次の災害に向けた防災プログラムを実施したいという代表の希望を受け、コロナが下火になったと同時に、5月には手作り防災頭巾、7月・10月にはポリ袋で作る非常食「パッククッキング」のワークショップを開催。地区のオリジナルメニューも誕生した。参加者からは「パッククッキングは知っていたけど、いざという時うまく調理できなかった。今回練習できてよかった!」と嬉しいコメントも頂いた。また、みつわと地元の民生委員のコラボで誕生したのが「個人ボックス」。避難後にあったらよかったものを厳選してBOXに入れ、避難先の公民館やみつわに常時置けるよう準備を進めている。地元NPOと一緒に取り組む、考えることで、住民のエンパワーメントを支援していくことがとても重要だと感じた。

4.問題提起(RSY代表理事・栗田暢之)

台風15号で被災した静岡市のケースは、超高齢化社会、地域の希薄化、格差社会などを背景に、自ら助けを求められない、誰に相談すればよいかわからないという現代社会の病に、さらに災害が拍車をかけていく状況が見えた。清水区ではスタッフが、多頭飼育、障がい高齢者の兄弟、母子家庭の深刻なニーズを見つけた。この事例については、緊急性が高かったこともあり、静岡県の危機情報課課長へ報告、その後市の危機管理課に伝達され、保健師を中心に後追い訪問を行ったという報告を受けた。しかし、この事例は氷山の一角とも考えられ、12000世帯の被災に対し、同様に取り残されている方がいないかを早急に確認すべきと伝えた。

その後も県は、市町村に災害ケースマネジメントや、アセスメント調査実施について通知をだしたが、財源、対象者、支援内容を丁寧に説明し伴走する人がいなければ、市単独での対応が難しいようだった。一方で、静岡県弁護士会には、被災者の多くが車中泊やネットカフェで過ごしており、「今日ねる場所」がなく途方に暮れているという切実な相談が寄せられていた。避難所が早々に閉所したことにより、寝床や食事の提供ルートが絶たれたことも原因となっている。

市には、静岡の災害は内水氾濫で「状況が見えにくい被害」ではあるが、個人情報を持っているのは行政。これらの名簿をもとに被災地域を突合し、統一の調査票で個別訪問し、統括する部局が情報をまとめることができるとよいと提案した。その後ほどなくして、市内一斉の個別訪問調査が実施された。しかし、市の関係課が集まる場で、NPOや災害VC等が持っている情報を共有する場の必要性を打診するも統括課が決まらず、実現には至らなかった。

これらの結果から、日常から行政、社協、NPO等と3者連携体制の構築が必須であり、まさに、愛知・名古屋は大丈夫か?と問われていると感じた。RSYとしてもこの課題と真剣に向き合い、皆様と共に取り組みを進めていきたい。

5.バズセッション

皆さんの発表をふまえ、参加者同士で活発な意見交換を行いました。

6.被災地からのメッセージ

★本清美さん(小松市中海町住民)
昨年8月の豪雨以来レスキューストックヤードの皆さんをはじめ、たくさんのボランティアの方々にご尽力頂き、感謝しかありません。なんとか元の生活に戻りつつあります。町内に留まる方、また、去る方と色々な方がいます。今は、少し寂しいです。まだまだ、市、県、国の対応も色々ですが、もっとこれからも住みやすい町内に整備してほしいです。私も、全力でお手伝いさせていただきます。皆さんには、お願いしか出来ません。これからもよろしくお願いします。

★森川昇御さん(清水区天王町自治会会長)
水害が起こった時に、自家用車が全て被災したため、地域の安否確認や関係機関への連絡などが滞り、本当に苦労しました。私の他にも、罹災証明書や各種手続、区役所で弁護士さんの相談会などがあっても、行けずに途方に暮れていた地域の方々も多かったと思います。特に賃貸住宅の人達が、家の修繕や応急修理制度の活用をどのように行ったらよいか分からず困っているのではないかと感じていたため、私たちの地域で「今後の生活再建に関する無料ミニ相談会」を開催して頂きました。相談会というと敷居が高くなるところを、お弁当やおいしい珈琲の提供、足湯などで場を和ませてもらい、久しぶりにゆっくりお話ができた方もいたと思います。地域は大分落ち着きましたが、次の災害に備えて防災対策にはしっかりと取り組んでいきたいと思います。本当にありがとうございました。

★荒川千代美さん(NPO法人みつわ代表)

私は、介護施設の運営をしながらNPOの活動もさせて頂いています。令和元年、令和3年と相次ぐ水害の被害を目の当たりにした時、こんなに大変な地域だったという驚きと、何をしてあげれば良いのか途方に暮れている時に、いち早く駆けつけてくださったのがRSYの方々でした。あらゆる所に、心と物資を運んでくださり、テレビでしか見たことのなかった、災害ボランティアの方々の無償の愛を沢山頂きました。この事で、地域の方々との繋がりを強くして頂いたのも皆さんのお陰です。「悲しみは共有して小さく。逆に喜びは共有して大きく。手を携えて前に進む」という教訓を、RSY の方々から教えて頂きました。お陰様で、災害は不幸な事でしたかも知れませんが、より地域との心の結びつきを強くするためのきっかけになったと思います。ありがとうございました。これからも、アドバイスをよろしくお願い申し上げます。

★鈴木隆太さん(一般社団法人おもやい代表)

令和元年、3年と2度にわたる豪雨災害により被災をした佐賀県武雄市へ、たくさんのご支援をくださり本当にありがとうございました。RSYのスタッフの皆様、また看護専門の方や、さらにはこれまでRSYの活動を共にされて来られたボランティアの方々のパワーとお心遣いにはスタッフ一同、本当に感謝しております。被災された方々と向き合われる姿勢は、RSYがこれまで関わってこられた被災地での取り組みから積み重ねてこられたものであると同時に、またRSYの信念を強く感じます。そうした信念のもと、愛知県内の多くの方々と連携をしっかりと作られているその姿は私たちも学ばなければいけない、多くのことを教えてくださっております。短い期間に二度被災をしたことから、毎年春が来ると「今年の雨は大丈夫か」と、会う人会う人異口同音に言葉にされております。これからのこの地域における安心を作り上げていく仲間として、これからもどうぞよろしくお願いいたします!