皆様
松田です。お疲れ様です。昨日穴水町災害対策ボランティア現地本部より名古屋に戻りました。昨日の現地報告をお送りいたします(2007.5.6現在)。
■引越し
荷物の運び出し、運び込みが1件。社協職員と町の野球協会の方々が中心となり対応される。本日で全世帯の引越しが終了した。
■足湯とお茶会(10時から12時)
○今日の様子
今日は昨日とは打って変わって肌寒く、あいにくの雨だった。それでも足湯には5人の方が来られ、ゆったりと足湯を受けていらした。
○印象的だったこと、足湯に来られた方の声
・昨日いくつかの新聞に穴水の足湯が掲載されその話題で盛り上がる。
・被害が大きかった地区の区長さんが来られ、仮設に入られた方と地区の今後についてお話されていかれた。
・入居者のお宅を見せていただく。今日は雨が降っており、雨の日に部屋がどのような様子になるかを知ることができた。具体的には、バリアフリー化のためか玄関がない(段差がない)ために、扉付近の床が容易にぬれてしまうことがわかった。この入居者の方はダンボールを敷いて対応されていた。
・風邪薬や頭痛薬を求めて談話室に来られる方がいらした。引越しが一段落したところで、体調不良を訴える入居者もいる様子。当面は保健師さんの巡回等で対応する。
○足湯の今後
足湯の反響が大きく、また皆さんが喜んで帰っていかれたのを見て、今後は足湯の活動を穴水の中で継続して行っていきたいとの声が上がっている。その第一歩として、社協とボラ連が、9日に行われるボランティア連絡会の会議で足湯隊から講師を招き「足湯講座」を開くことを企画している。
■ミーティング
本日で外部の関係者(県社協、県外社協、RSY)が日常的に支援につく状態が一区切りになるということで、午後のミーティングでは、ひとまずお疲れさまということ、これからさまざまな問題が出てくるであろうこと、これからも地元の力で復興に向かいつつ、外部も適度な支援を継続することを確認した。当面は仮設住宅の談話室を中心に問題の対処に当たるが、談話室を周辺の地域にどう根付かせていくか、そのための活用法などを考えていかなくてはならない。また、問題が山積み、という意識はあっても具体的にどういう問題が浮かんでいるのかが整理できない状況なので、個別の問題を整理する機会が必要ではないかということが話し合われた。
【皆様へ】
栗田です。本報告も34報を数えました。いつもお読みいただき感謝申し上げます。
つきましては、上記松田からの報告の通り、当方からの恒常的な派遣は一応の区切りとさせていただくことになりましたので、ご報告も本日以降は不定期発行とさせていただきます。とはいえ、被災地では本格的な復興はむしろこれからが本番です。当方も息長い支援を継続していく所存ですので、皆さまの一層のご協力をお願いいたします。また皆様からもご意見等をお聞かせいただければ幸甚です。
3月25日地震発生の翌日より、全社協等の調整の元、穴水町に入らせていただき、昨日5月6日まで、おおむね毎日当方のスタッフ等関係者を常駐させて参りました。こうした活動が展開できましたのも、阪神・淡路大震災から12年の学びを共有してきた、震災がつなぐ全国ネットワーク、災害ボランティア活動支援プロジェクト会議をはじめ、それを応援して下さいます日本財団、中央共同募金会、経団連1%クラブ、その他多くの様々なご支援・ご協力の結集により実現できております。この場をお借りして改めて御礼申し上げます。
■今後の支援の概要(案)
・穴水町社会福祉協議会等との定期的な意見交換の実施
・仮設住宅集会場等を拠点とした見守り活動や生きがい創出事業等
・商店街の再興等経済的復興への支援
・災害時要援護者「避難支援ガイドライン」に沿った避難支援プランづくり
・まいもん祭り等にあわせたバスツアー等の企画
・その他必要な交流等
「2007年 能登半島地震」カテゴリーアーカイブ
能登半島地震【第33報】
皆様
浦野です。お疲れ様です。5日より穴水入りをしたRSY松田より現地報告が届きましたので、お知らせします。(2007.5.5現在)
本日お昼過ぎに穴水町に入りました。今日は仮設住宅で午後3時から「足湯とお茶会」が開かれました。その様子を中心に報告します。
■引越し
本日の引越しボランティアニーズは、荷物の運び込み1件。生協のボランティアの方と局長が対応。明日6日で、全世帯の入居が完了するとのこと。
■足湯とお茶会
仮設住宅の談話室で、足湯が3日間にわたり開かれ、今日はその初日となりました。3日間の予定は次のとおりです。
5日 午後3時縲鰀4時半 中越・KOBE足湯隊
6日 午前10時縲鰀12時 中越・KOBE足湯隊
7日 午後6時半縲怐@ 高野山足湯隊
※高野山足湯隊は9日までとお知らせしていましたが、7日のみと変更になりました。
能登半島地震【第32報】
浦野です。お疲れ様です。本日よりRSY松田と交代し、浦野は6日間の活動を終
え、夕方には名古屋に着く予定です。松田は明日まで活動します。遅くなりました
が、5月4日の報告を致します。少し長いですが、よろしくお願いいたします。
○活動内容
■引越し
・本日は引越しニーズ無し。
■仮設住宅応援パックの配布
・仮設住宅45所帯のうち、本日までに未入居の方7件、留守の方8件を除く30世帯へ配
布することができた。
・配布作業を行った際、家の様子を見てきた地元ボランティアの方々によれば、みな
さん荷物は運びいれたものの、全て片付け終えるにはまだ時間がかかるのではない
か、とのこと。「お手伝いしましょうか?」と声かけをするも、「ぼちぼちやります
から大丈夫」との返答が多かった。自分のペースで少しずつ片付けたいという思いが
見られるので、無理にボランティアが入るのはかえって本人を疲れさせるだけなので
はないかとのこと。1日1度は訪問するなりして、様子を見守っていくことを申し合わ
せた。
■談話室の様子
・今や穴水町のボランティアのトレードマークとなったオレンジのウィンドブレー
カーが仮設の住民の方々にとっての信頼のシンボルとなりつつある。仮設の中をボラ
ンティアさんが歩いていると「いつもご苦労様縲怐vと声をかけてくれる人が多くなっ
てきた。また、ボランティアが談話室に出入りしている様子を見て、今まで訪問して
も「一人でやれるから大丈夫だわ」といっていたお年寄りが、「布団を取り込みたい
ので手伝って欲しい」と自分から談話室に出向き、声をかけてくださるようになっ
た。少しずつ、仮設にいても頼れる人がいるということや、談話室の存在が認知され
てきたようで、とてもいい傾向になってきた。
・5日のお茶会&足湯に向けて、談話室の環境整備も進めた。社協からテーブルを借
りて設置したり、お茶道具や手洗いセット、台所用品やトイレ用具なども少しずつ
整ってきた。これにより、ボランティアもお茶を飲みながらのんびりした雰囲気で仮
設での活動ができるようになった。
・普段から喫茶ボランティアをしている団体の方々が活動に参加しており、翌日の足
湯の打ち合わせに来ていた足湯ボランティアの第一人者である吉椿氏に、談話室の存
在の重要性や足湯、茶話会などの継続的な支援の意義についてお話して頂いた。専門
的な知識や技術がなくても十分にできる支援だということや、足湯や喫茶そのものよ
りも、そこでの関わりを通じて入居者の生の声を拾うことが一番の目的であるという
ことをお話してくださった。「やり方を教えてもらえれば、私たちでもできるのかし
ら?」という意見もあり、吉椿氏による足湯講習の要望なども出された。
■表札について
・先日穴水高校と金沢市伏見高校の学生が作成・配布してくれた表札が、多くの家の
玄関に飾られていた。受け取っては頂けたものの、表札を出すことに抵抗を感じる方
も多いのではないかと心配していたが嬉しい誤算であった。黄色や白、緑などカラフ
ルな表札が風に揺らめいて、殺風景な玄関が少し明るくなった気がした。
■今後の活動について
本日仮設住宅でボランティア活動を行ったメンバー(社協職員、地元ボランティア)
が今後の支援として具体的に必要だと思われるものについて意見出しを行い、下記の
ようにまとまった。
〔環境整備〕
○各棟の看板設置
・穴水の仮設住宅はA縲怩g棟に分かれており、談話室を囲むような作りになってい
る。お互いの顔が見えやすく雰囲気としてはいいが、正面から各棟を示すプレート
(A棟・B棟などと書いてあるもの)が見えにくい棟がいくつかある。居住者のみな
らず、ボランティアや訪問者も迷ってしまう。仮設入り口に見取り図も設置されてい
るが、サイズは大きいが非常に目に付きにくい位置にある。
・そこで、各等の壁かフェンスに花や動物などのイラストのついた大きな看板を目立
つところへ設置したいという提案が出された。行政にどこまでの加工が許されるのか
を確認した上で、具体的な方法を今後検討する。
○ゴミステーションの移動
・仮設住宅内にゴミステーションが2箇所設置されているが、1箇所が敷地の端のほ
うにあり非常に目に付きにくく使い勝手の悪さが予測できる。行政に確認し、移動が
可能かを検討する。
○玄関の雨対策
・先日の報告にも書いたが、玄関の日さしが短いために雨のしずくがアスファルトに
跳ね返って玄関付近に飛び散ることが問題となっていた。既に波板をつけるなど自分
で工夫している方もいるが、大工経験のある入居者の方とたまたま話していたところ
「ひさしをもう少し長くすれば随分改善できる。もし希望する人がいればそれくらい
の作業は自分も手伝えるよ」と前向きでやる気を感じる意見をおっしゃられたとのこ
と。これから梅雨にかけて不便を感じる人が多くなってくると考えられるため、愛知
からも中越支援のときと同様、大工ボランティアを派遣するなどもふまえて、梅雨に
入る前に取り掛かれるように調整したい。
○駐車場の整備
・現在仮設住居者の駐車スペースは砂利が敷かれているが、既にところどころで砂利
が削れてわだちができるなどして使いにくい様子がみられる。また、部屋番号などの
立て札もないため、ボランティアや訪問者にとっても区別がしにくく、トラブルのも
とになるとも考えられる。今後行政に報告し、地盤固めやプレートの設置などを要望
していきたい。
○ベンチの設置
・外出したり、お互いに話せる環境づくりの一つとして、屋外にベンチを設置したい
という提案があった。備品については、ロータリークラブやライオンズクラブなどに
提供協力が得られるか今後調整したいとのこと。
〔自治会活動〕
・今後仮設住宅内での自治会設置については、各棟で組長(リーダー)などをきめ、
ゴミだし当番や広報伝達などのルールを決めていく予定。役場の産業建設課がコー
ディネートし、これらの働きかけを実施していくとのこと。(時期は未定)
〔談話室の活用〕
・ハード面では、靴箱・本棚・食器棚・整理整頓するためのカラーボックス・テレビ
やビデオ・時計の整備。
・ソフト面については、喫茶や足湯の定期的な開催。
〔イベント的な活動〕
・既に門前で行われている「花いっぱい運動」に続き、プランターに花を植えて仮設
に設置する活動をってはどうか。5月12日(土)に実施する方向で検討予定。
〔中途入所者への対応〕
・家の再建により仮設対処者がいた場合、そのつど入所希望者の抽選を行うとのこ
と。その際、応援パックや表札などを同じように配布するのかを統一する必要があ
る。
〔継続的な支援活動〕
○見守り・巡回活動と談話室への常駐ボランティア
・仮設内定期的に巡回して、声をかけたり、その場で対応が必要な方にたいしてはす
ぐに対処できるような体制をつくる。
〔個別ケースへの対応〕
・医療や福祉の公的サービスが必要な方がいた場合に、社協が中心となり、保健師や
ケアマネ、福祉課と連携し、すぐに対処できるような関係性を作っておく。定期的な
ケア会議のようなものも必要となってくるだろう。
〔在宅の方への対応〕
・今回の被害は穴水町の駅周辺(大町・川島地区)に集中していたが、上中、河内、
宇留地・桂谷など市街地から距離のある地域への支援が行き届いていないことが気が
かりである。
・仮設入居者へのケアは手厚くなりつつあるが、仮設に入りたくても入れなかった一
部損壊の方々も苦労されていると聞く。災害対策本部にある被害マップやボラセンで
独自で調査した被害リストなどをもとに再度訪問し、元気付けたり応援しているとい
う気持ちを伝えていきたい。また、町営住宅へ移住された方や親戚の家などにいに行
き、町を出ざるを得なかった方へも働きかけができればと思う。
■第2回ボランティア連絡協議会 能登半島地震緊急会議の実施
上記の意見を共有し、社協やボラ連を中心に、公的サービス機関や地元の社会資源な
どと連携をとりながら継続性の高い支援体制を作っていくために、今後のスケジュー
ルや具体的な役割分担などを決めていく場として第2回会議の開催が提案された。実
施予定日は9日(水)2時間程度。社協内での決済が取れ次第、実施に向けて準備を進
めていく予定。
○会議プログラム(案)
1.これまでのボラセンでの活動報告
・避難所でのイベントの開催
・仮設住宅応援パックの配布
・仮設住宅の引越しの実施
・表札づくりと配布
・談話室でのお茶会&足湯開催
2.現在の被災者の状況
・仮設の方の声
・在宅の方の声
3.今後必要と思われる支援活動(前述の意見をもとに説明)
・仮設住宅での見守り・巡回
・在宅の方への見守り・巡回
・談話室での定期的な催しの実施
・仮設でのイベントの実施
・その他(環境整備・自治会活動・個別ケースへの対応)
4.これからボラ連として実施したい具体的な取り組み
※下記の提案のもと、協力団体を募り役割分担を決める。
○仮設の見守り・巡回
・5月一杯はボラ連38団体で担当制にし、午前と午後に2人ずつ仮設に常駐する。
・巡回と談話室への常駐が主な活動内容。個別訪問はしない。
○訪問活動
・避難所での訪問活動を中心に行っていたグループ325が中心となり、引き続き月・
水・金のペースを守りながら、個別訪問を行う。この活動に協力してもらえるグルー
プを募る。
○談話室でのお茶会
・週1回からでも、定期的な喫茶の実施を行う。
○活動シートの記入
・1日の活動を終え、ボランティアには気になったことや人、対応が困難だったこ
と、要望などについて記入してもらい、先の見通しを持った支援活動につなげるため
の重要な情報源としてまとめていけるようにする。
※ただし、上記はあくまでも一部のボランティアの間で話し合ったことのため、会議
の展開によっては、内容が変更になることも十分に考えられます。現時点での決定で
はないことをご了承下さい。
■浦野感想
・総合的な反省や感想については、また改めて書き込みたいと思うが、穴水に関して
は、引越し作業の件数も少なく、大方落ち着いてきた状況。そんな中、今まで活動を
中心に行ってきたボランティアさんと上記のような話し合いができたことは、とても
意義深かった。意見だしをすることで、今後の課題が整理でき、行政や専門機関につ
なぐべきことと、ボランティアベースで今後も行っていったほうがよい活動が大分見
えてきたのではないかと感じた。
・また、在宅にいる方への配慮や町を出ざるを得なかった方への精神的なサポートの
必要性などにまで踏み込んだ意見が出されてたことにも驚いた。
・今回意見出しに参加してくださったボランティアさんは継続的な支援の必要性を十
分に理解されている方々であり、「あんたの向かいの○○さんは耳が遠いので、
ちょっと気にかけてやって欲しい」など、入居者同士の関係性をつなぐ働きかけも早
い段階から自然に行える素晴らしいセンスを持っていらっしゃる。この地元の力があ
る限りは、活動自体は細々とでも継続していけるだろうと感じた。ただ、そのために
も応援団や仲間作りは重要な要素になるため、社協のコーディネート力が求められる
と感じる。
・また、私たち外部支援者の今後の関わり方についても、見通しが持てたような気が
する。具体的には、時間の経過を追うごとに心配される被災者の変化などの情報提
供、大工ボランティアの派遣などポイント的な人材や物の派遣、年数回のイベントの
持ち込み(栗田提案の穴水・愛知のうまいもん祭りの開催など)、経済復興支援(田
麦山のお米販売のような)である。地元の力に学びつつ、今後も能登をいろんな切り
口から応援していけたらと思います。皆さんのご協力を引き続きよろしくお願いいた
します。
能登半島地震【第31報】
浦野です。お疲れ様です。穴水町災害対策ボランティア現地本部より現地報告をいた
します。(2007.5.3現在)
○本日の活動
■引越し作業
・本日の引越しボランティアのニーズ件数は4件。昨日に引き続き、特にトラブルも
なく終了した。
■仮設住宅での御用聞きボランティア
・本日は北陸電力より8名のボランティアが仮設住宅で活動した。ちょうど冷蔵庫・
テレビ・洗濯機などを運び入れる方がおり、4件程で配線の手伝いをした。また、
「玄関の電気がつかない」などの依頼にもすぐに対応することができ、専門職を生か
した活動となった。
・センターにボランティアの依頼をしていない方でも、家族で荷物を運びいれること
が大変そうな方もおり、その都度声をかけて手伝った。
・訪問者やボランティアなど人の出入りが多く、入居者のスペースに駐車してしま
い、入居者からちょっとしたクレームがでた。入居者の駐車場には部屋番号や名前な
どの札も目印も何もたっていないため、訪問者には区別ができない。入居している方
の駐車場には当座テープを貼り目印をつけるなどの配慮が必要。
■IH調理器具について
昨日課題となっていたIHの調理器の分かりやすい使い方説明について北陸電力のボラ
ンティアさんに相談したところ、「鉄製なべ用」「全ての鍋用」「魚焼き用」「電
源」などの文字の入ったシールをテプラで作成し、ボタンの近くに貼って下さった。
最初にいくつかのアイデアが出されたが、一人の入居者の方にモデルになって頂き、
使いやすいかを確認。改善点を修正し、一人暮らしの高齢者や高齢者世帯で希望する
方に配布・設置して下さった。
■金沢市伏見高校生による表札とメッセージ、足湯&お茶会案内用チラシの配布
本日18名の学生が活動し、冒頭で滋賀県高島市社協の井岡氏による仮設住宅のレク
チャーや婦人会会長による体験談があった。その後は既に入居作業が終了している21
世帯に配布することができた。
【井岡氏のレクチャー概要】
・ボランティアは突然外からやって来て、地域の被災した方に対してどんな思いで活
動していくのか?今回は引越し作業のつもりで来てる学生も多いようだが、「引越
し」という作業的なことばかりに捉われるのではなく、その人達の思いに寄り添うと
はことはどんなことなのかということを考えてみて欲しい。
・今回は表札の配布という活動をお願いしたい。しかし、表札の必要性をきちんと理
解しなければやらされているだけの活動になってしまう。あなたたちの意思を尊重
し、被災した方々の気持ちも尊重できるような活動をして欲しいと思っている。今回
の活動は表札を配ることだが、これをきっかけにして、被災された方と皆さんとの交
流の場(気持ちに寄り添い合えるような機会)をつくるということがボランティアセ
ンターの役割だと思っている。
・阪神で亡くなった人がストレス・過労・孤独・・・震災後になくなった震災関連死
が多かった。これは、私たちの手で止められること。しかしこれは、震災に限らず日
常の暮らしの中でも発生している問題であり、自分の町も持っている課題である。自
分たちが町に帰って日常から何ができるのかをこの機会に考えて欲しい。
【学生の反応】
・ボランティアはされる側とする側の一方通行の思いだけではいけないことがよくわ
かった。
・自分たちは体を動かす作業を想像してきたが、それだけがボランティアの役割では
なく、話をしたりして、心に寄り添ったりすることもとても大切なことだと感じた。
・自分たちの住む町でも、何ができるのか考えてみたい。
■被災された方の様子
・入居されている方の中でも、高齢の親と60代の娘(息子)が同居というケースが数
件あった。ほとんどの世話を娘(息子)が行っている様子で、引越しなどもあり大変
疲れている表情が見られた。足湯の案内をしたところ、「知っている人も少ないしい
い機会。ぜひ行かせていただいますね」と返答して下さった。
・仮設住宅で友人を訪ねてこられた地域の方の話「うちは一部損壊で仮設には入れな
かったが、かろうじて寝るところだけが確保できる程度の状況。壁には亀裂が入って
柱も曲がっている。お金もかかりそうなので修繕の目処も立っていない。仮設に入れ
た人がうらやましい。」
■明日の予定
・行政からの提供品と仮設住宅新生活応援パックの配布
・仮設住宅の巡回など。
■今後の課題
・プレハブに設置されていたセンター機能が5月6日を最後に社会福祉協議会の建物の
中に移動する。その横に設置されていたボランティア活動拠点はそのまま継続して使
われるが、常駐者がいなくなることでボランティアの集まりが途絶える可能性もあ
る。現在の拠点は仮設から距離があるため、今後は談話室や心のケアハウスの一部を
間借りするなども考えつつ、総合的な支援の体制づくりについて4日に井岡氏と地元
社協と共に相談する。
能登半島地震【第30報】
皆様
浦野です。お疲れ様です。穴水町災害対策ボランティア現地本部より現地報告をいたします。(2007.5.2現在)
○本日の活動
■引越し作業
・本日の引越しボランティアのニーズ件数は4件。昨日に引き続き、特にトラブルもなく終了した。
■穴水高校約60名による仮設住宅の表札づくり
・地元高校の1年生を中心に約60名が参加。滋賀県高島市社会福祉協議会より派遣された井岡氏が、写真を交えての仮設の現状や過去の被災地での問題点などを1時間ほど説明。目印となる表札の必要性を理解してもらい、作業に取りかかった。地元の製材所から無償提供して頂いた端材を使い、仮設に入居された方々の名字をペンキと筆で書き込み、45所帯分の表札が出来上がった。5月3日に金沢市伏見高校の生徒18名が活動する予定のため、「思いやりのリレー」と題して伏見高校の生徒が応援メッセージカードを作成し、表札と共に配布する予定。
■仮設住宅での問題点
・本日、阪神高齢者・障害者支援ネットワーク黒田裕子さんが穴水町を訪問され、今後仮設住宅で必要となる支援についてご説明頂いた。
○談話室のハード対策について
・仮設住宅はバリアフリー構造になっており、入り口と玄関の段差がほとんどない。また、玄関と廊下の境界線もないため、下駄箱などの設置をし、間口が不衛生にならない配慮が必要。
・スリッパは衛生管理がしにくい面があり、廊下もほとんどないため、かえって置かない方がよい。
○IH電気コンロについて
※昨日の報告で、IHの電気コンロでは、アルミ製のなべなどは使用できないとしたが、確認したところ2口のうち、片方は土鍋以外のなべは何でも使えるという仕様となっていた。
・しかし、これらの違いは高齢者には理解しにくいということと、電源やスイッチの位置が分かりにくいため、テープなどで目印をつける工夫が必要である。
○浴室について
・浴室の床が滑りやすいため、滑り止めシート(薄手のもの)の設置が必要である。
・シャワー下あたりに手すりは1個ついているが、浴槽のふちの部分にも設置が必要と考えられる。2箇所の手すりが設置され、両手でつかむ場所できれば、踏み台がなくても安全に浴槽に入ることができる。
○今後仮設住宅で必要な支援について
?買い物
・地元スーパーなどまで距離があるということで、特に高齢の一人暮らしの方々は、醤油や油など重いものやトイレットペーパーやBOXティッシュなどかさのあるものは運びにくいと考えられる。送迎ボランティアや移動販売車などの必要性を感じる。また、これらの生活用品については談話室などでの企画の際に参加賞としてお配りすることも喜ばれる。
能登半島地震【第29報】
皆様
栗田です。お疲れ様です。穴水町災害対策ボランティア現地本部で活動している浦野より現地の報告が入りましたのでお知らせいたします。(2007.5.1現在)
■引越し作業
・本日の引越しボランティアのニーズ件数は8件。あいにくの雨であったが、53名のボランティアが活動し、作業自体は特にトラブルもなく終了した。
・引越しで使用した軽トラやワンボックスカーは、地元ライオンズクラブやロータリークラブ、ボラ連(4団体)などから提供。
■被災者への提供品の仕分け・配布
・隣町である能登町より、民生児童委員18名が参加。
・行政から仮設へ入居する住民へ提供された水と米を、45世帯分に仕分けし、応援メッセージカードを添えた。
・5月1日15時までに入居された方13世帯を訪問し、物品を配布すると共に、「室内の使い勝手など不便なことや困ったことはないか」などについて、声かけを行った。
[声かけの際に出てきた声]
・本日は入居された方に対し、電力会社よりIHクッキングヒーターの使用方法について戸別での説明が行われていた。しかし、すでに説明を終えた一人暮らし(83歳・男性)へ声をかけた際、ご自分で引越しの際に用意されたと見られるIHでは使えないアルミ製のなべをコンロにかけていた。
能登半島地震【第28報】
皆様
RSY事務局の松田です。お疲れ様です。4月29日より穴水町災害対策ボランティア現地本部で活動している浦野より現地の報告が入りましたのでお知らせいたします。
(2007.4.29縲鰀30現在)
○現在までのボランティアセンターの活動
■仮設住宅応援パック
・仮設住宅へ入居される方々の新生活を応援したいという気持ちを込めて、ボラ連を中心に「仮設住宅応援パック」の呼びかけを実施。トイレットペーパー、カレンダー、石鹸など10点以上の種類の品物がそれぞれ45世帯分集まり、4月29日(日)午前中、地元婦人会7縲鰀8名でパック化作業を行った。
・また、穴水町ボランティア連絡協議会の所属グループと手書きのメッセージが書かれたカードも添えられた。
■「頑張ろう穴水・元気アピール大会」の実施
・4月27日(金)、避難所となっているキャッスル真名井にて、避難所の元気付け企画として実施。健康クラブに所属する地元ボランティア約15名が、にぎやかな衣装に身を包み、詩吟や踊り、歌を披露し、被災された方約15名の方々と楽しいひと時を過ごした。
能登半島地震【第27報】
皆様
栗田です。お疲れ様です。昨日より穴水町災害対策ボランティア現地本部で活動しております。同行の吉田護さんのレポートと合わせてお知らせいたします。(2007.4.26縲鰀27現在)
■仮設住宅説明会(4月26日午前・午後の2回開催)
・前半部分は行政による電気、上・下水道、転居・転出届け、ごみ、電話等に関する事務的な説明、後半部分は中越地震被災者で「いきいき田麦山」を代表して渡辺さんによる仮設住宅の説明があった。田麦山からは合計8名のメンバーが来られ、同じ境遇を歩んだ者として、「協力したい」という気持ちと「少しでも不安を取り除いてあげたい」とのお申し出により実現した。
・渡辺さんのお話:仮設住宅経験者ならではの視点で、写真等が満載のPPTを使って、懇切丁寧に説明された。開口一番「心の切り替えが大事だ」、そして最後は「住めば都」と、私たちでは到底口にできない内容で、一言一言が貴重なアドバイスとなった。聞かれた方の中には涙ぐんでお礼を述べられた方もいた。
・仮設住宅は避難所暮らしで失われがちだった家族との時間を取り戻す場
・そして、コミュニティ再開の場
・一時的な仮住まいの場で、マンションやアパートのような完璧な住まいではない
・限られたスペースなので、まずは生活空間の確保を
・家財は、最初は最小限に。その後徐々に増やしていけばいい。家電は一通り必要
・夏は暑く、冬は寒い。熱気・湿気・結露の発生は避けられない
・夏場は必要以上に料理しない。食べきる。冷蔵庫も過信は禁物。食中毒が心配
・夏季(梅雨時)の湿気対策→エアコン、除湿機、乾燥剤の活用
・高齢者・子供の脱水症防止→水分補給と換気
・冬季の防寒対策・結露防止
1)暖房器具の選択→エアコン、給排気式ファンヒーター
2)支柱(鉄骨)の被覆
・仮設住宅での自治形態の確立
1)連絡網の確立→班長・連絡長選任等
2)集会施設の管理→掃除(当番制)
・個々の生活環境づくりと気遣い(モラル)
1)長屋住まい→集い・助け合い
2)ゴミ処理→個々のモラル
・空間の有効利用(室内の上に空間あり!→棚の設置で小物を収納)
・仮設住宅内では携帯電話の電波が入りにくい→室内アンテナの設置
・経験者としての教訓のポイント
「地域愛」「自分達だけで頑張ろうとしない」「気持ちの切り替え(地域全体で)」
説明会終了後、ボランティア本部からから引越しボランティアの希望を募る用紙が配布された。また前日までに用意された「引越し応援パック」が希望者に配布された。
□栗田の所感
説明会だから仕方がないが、前半の説明はやはり行政らしい細部にわたる丁寧な説明も、抑揚のなさが気になった。入居予定者はきっと不安でいっぱいなのだろう、要は通常の転居と同じ簡単な書類や手続きにもかかわらず、しきりに質問が飛び交っていた。そのムードを田麦山の渡辺さんの実体験が緩和させ、さらに地元ボラ連らが準備した「応援パック」が手渡される頃には笑顔ももれていた。行政とボランティアの連携で無味乾燥な説明会にさせなかった成果は大きいと感じた。
能登半島地震【第26報】
浦野です。お疲れ様です。松田より穴水町災害対策ボランティア現地本部での活動状
況について報告が届きましたのでお知らせいたします。(2007.4.23現在)
○本日の活動
■仮設住宅応援プロジェクト会議(第3回)
「仮設住宅引越し作業に向けての準備」
1.引越し応援パック作成
○パック袋詰め
・タオルについては昨日(22日)社協在庫分を5枚ずつ組んで袋詰め済み。
・残りの物品は24日、25日で仕分け、袋詰めを行う。
・パック45個は、26日の説明会時に配布する。
2.仮設住宅新生活応援グッズ
○チラシ作成
・地元の方が「作業はできなくても何かお手伝いがしたいな」という気持ちを表すた
めの応援パックだということが伝わるような文面にするよう話し合われた。
・配布範囲は、ボランティア連絡会の関係者とした。
○パックするもの(チラシに記載)
バスタオル・石鹸・カレンダー・箱ティッシュ・耳かき・トイレットペーパー・つめ
きり
○パック作業日については未定(仮設入居の頃、4月30日を目安。)
3.引越しお手伝いボランティア
○募集チラシ
・主として下記の3つの仕事があり、期間ごとに主な仕事が異なる事を明記。それぞ
れができる仕事があるときにボランティアに来ていただけるようにした。
?4/27縲鰀29 引越しニーズの調査
?期間中随時 荷造り準備の応援、掃除など
?5/1縲鰀6 引越し作業、荷物の積み下ろしなど
・車両の提供も同時に募集
・チラシの配布先は、ふだんからボランティア活動に参加している団体さん宛て(老
人会や各種のサークルなど)とし、申込も団体を通じて日付ごとの人数を報告してい
ただく形をとった。
・チラシはボランティアさんの手で印刷、3つ折、郵送を終了。
○入居者の方に配る「依頼票」
・26日の説明会時に、ボランティアの依頼票をお配りし、後日希望やニーズを調査し
ながら訪問回収する。
・遠方に避難されている入居者の方は、できるだけ説明会時に希望を伺う。
・避難先と荷物の在処が必ずしも同じではない(特に応急判定赤紙のお宅)ため、住
所とは別に荷物の在処を書いていただく。
■避難所廻り
・今日は、定期的にみまもりを行っている高野さんに、地元の真言宗の院王寺の若い
お坊さんが助っ人として加わってくださいました。今後は地元のお寺を拠点として、
避難所や仮設住宅、在宅の被災者の方への足湯マッサージを行えるよう企画を検討
中。
■今日のニーズ
・新たな申し込みはなく、昨日依頼があった障子の張替え、冷蔵庫の運搬を行いまし
た。引越し前の静けさといったところ。ボラ連会長さんの顔が広く、適材適所にボラ
ンティアさんを派遣しています。
(感想)
週が明けていろいろな人の出入りがありましたが、穴水町のボラ連の方々はまるで
朝のお話会に集まるようにセンターに顔を出してこられます。他のボランティアの方
や私と世間話をしながら封筒やパック詰めの作業をゆっくりのんびりと行いました。
ボランティアさんたちが話してくれる穴水のうまいもん話には涎が出ます。牡蠣、ク
チコ、今はいさざ(しらうお)などなど。四季それぞれこれでもかとおいしいものが
でてくるのですね。(ただの食いしん坊レポートですみません。)
■活動している地元ボランティアの声
先日よりご紹介している北国新聞に掲載された穴水町ボランティア連絡協議会会長の
松田さんの手記の最新版が届きました。
【4月24日北国新聞掲載】
わが町では、能登半島地震で倒壊した家屋の撤去作業が進められている。一瞬の自然
災害によって、多くの人が嘆き悲しむ恐ろしい出来事が発生した。お年寄り夫婦や一
人暮らしの家庭が多く、恐怖と戸惑いで精神的ダメージは計り知れない。だから、心
の復興を支えるボランティアの必要性を実感した。町のボランティア協議会で、「心
細さ、不安、心のよりどころがない」の悩みにどう対処するべきかを問いかけた。圧
倒的に多かった意見は、被害を受けた近所や友人、知人に優しく励ましの言葉を掛け
る「声掛け活動」の推進であった。私たちの老人会に所属する会員のうち、25%の40
数世帯が家屋調査で「危険」「要注意」のラベルを貼られた。内部の被害は全世帯で
ある。これからの課題は山積している。行政の支援はもちろんだが、一人ひとりが支
えあって生きる工夫と努力が復興の鍵になると考える。「無理せず、優しくお互い支
えあって頑張りましょう」と声を掛け、心の復興に貢献したいものだ。
能登半島地震【第25報】
浦野です。
本日夕方、1週間の活動を終え、名古屋に戻ってまいりました。現在は松田が引き継ぎ、仮設住宅の引越し準備に向けてサポート体制を整えています。今回は、昨日開催された避難所応援企画のレポートを中心にご報告します。
○困った時はお互い様 穴水町応援プロジェクト
「ほっと一息つきましょうの会」
4月17日(火)に、ボランティア連絡協議会の会議にて、「被災されて気持ちが落ち込んでいる方や疲れのある方の気分転換や元気付けのイベントをしよう」ということが合意されました。そこで、地元のボランティアグループが中心となり、21日(土)19:00から、避難所となっていたキャッスル真名井の大広間にて、避難所で生活している被災者の方約20名、在宅で避難生活を送られている方約15名、参加してくれた子どもたちの親など総勢約60名が集まり、穏やかで温かいひと時を過ごしました。
■プログラムの内容
・第1部:少年少女合唱団リトルプラネッツ(リトプラ)による合唱
「いっしょにうたわん会音(かいね)♪」
穴水小、住吉小児童25人で構成された合唱団リトプラが、「がんばろう!!穴水」と書かれた譜面を一人ひとりが持ち、『ともだちはいいもんだ』(歌詞抜粋:「友達はいいもんだ 言いたいことが言えるんだ 悲しいときは励ましあおう 心は一つさ みんなは一人のために 一人はみんなのために」)をはじめ、赤とんぼ、こいのぼり、ふるさとなど6曲を合唱しました。