熊本地震支援活動報告会【6月3日】

みなさま

RSY事務局です。

昨夜、熊本地震支援活動報告会を実施いたしました。

事前のお申込み者、当日来場者併せて102名のご参加をいただきました。

浦野愛からは「避難所環境改善チーム」「御船町支援」の報告しました。

現地に常駐し活動していた松永鎌矢は、一時、名古屋にもどり

「全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)での活動」を報告し、4日には帰熊しました。

後半のパネルディスカッションでは、

栗田暢之が今回の災害の特徴

(余震が多い/ボランティア数ピークとニーズピークの時期のずれ/山間地に点在する被災者)を説明のあと、

三人の方にそれぞれお話しいただきました。

佐々木裕子氏(愛知医科大学看護学部准教授)

岡田雅美氏(名古屋みどり災害ボランティアネットワーク代表)

宮本喬平氏(会社員。ボランティア。熊本市出身)

名古屋での街頭募金活動のご報告のあと、

ご持参いただいた名古屋市立工芸高等学校の有志募金の贈呈を受けました。

ありがとうございました。参加者の皆様からもご寄付を多数いただきました。

 

今後も、活動を続けるとともに、報告会も節目節目で行ってまいります。

どうか、今後ともご支援、ご協力をお願いいたします。

なお、現在募集中のボランティアカレンダーはこちらから、確認できます。

名古屋でできること、私にできること、あります。ぜひ、ご参加ください。

お待ちしています。

 

【第17報】平成28年熊本地震に関わるRSYの支​援活動について(6月1日)

みなさま

平成28年熊本地震において、RSYでは御船町を中心に活動を継続しています。
また、全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD準備会)では、熊本県内で活動するNPO団体と県、国らと共に頻繁に情報交換を行い、県内避難所の実態調査や環境改善、その他、支援の過不足を補い合うべく活動しています。以下、現地スタッフからの報告です。

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▼JVOAD:熊本市市民団「熊本地震災害支援説明会」が開催されました
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5月29日(日)、熊本市民活動センター「あいぽーと」にて、熊本地震災害支援説明会が開かれました。「震災から1ヶ月がたち、ようやく自分たち生活も落ち着いてきたので、地元からできる支援を考えたい」という地元NPO・ボランティアの声に応えるべく、「あいぽーと」とJVOAD事務局が協働事業として行いました。当日は24団体もの方々が集り、市や県の担当者も加わりました。

最初に、JVOAD事務局・熊本市担当の松永(RSYスタッフ)からは、「現在の避難所は、最低限の生活環境は整ったものの、自分たちで生活のリズムを整えたり、自主的な活動に積極的に取り組む機会がとても少ない。特に日中は高齢者が多く、生活が不活発になっている人が増えているという印象」という課題提起がありました。

これに対し、既に避難所で活動を始めているNPO法人ソナエトコの水野さん、小町ウィングスの工藤さんより、足湯やサロン、健康体操などの取り組みが紹介されました。お二人からは、「長い避難所生活を元気に乗り切って、次の生活再建のステージに移ってもらうためにも、暮らしの感覚を取り戻したり、みなさんがやりたいことを聞き出して一緒に取り組んでいけるような支援が必要」とのコメントがありました。

その後のワークショップでは、ダンスや傾聴、モノづくり、生活相談、健康づくり、カフェや昼食会など様々な活動が提案され、内容は大きく「集い&ニーズキャッチ系」、「身体を動かす系」、「家事(掃除・洗濯・料理)系」の3つのテーマに分けられました。

一人ひとりに繋がる人の関わりを、避難所にいるうちに増やすことができれば、応急・みなし仮設入居後以降も、継続した見守りや支援に繋がります。RSYでは、このような地元の活動を積極的に下支えしていきます。

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▼御船町:青空市場への支援
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山間部の方々が、新鮮な野菜や調味料などを買うことのできる小さな商店「青空市場」。御船町出身の兄妹で切り盛りするこのお店は、地震後から、地域の方々のために何度も炊き出しを行ってきました。「いつもは販売しているお弁当を、バイキングにして好きなものを好きなだけ食べてほしい。地域の人に元気に笑っていてほしい。」RSYでは、そんな店主さんの想いを応援させて頂いています。

青空市場にカフェスペースを併設し、RSYに支援のお声がけを頂いた、鈴鹿市災害ボランティアネットワークさんの梅干&ぜんざいの提供、LUSHジャパンさんによるハンドマッサージなどを行って頂きました。また、名古屋からのボランティアチームには、会場に来ることができない方々のために、青空市場にの食材を使った移動ミニ炊き出しにご協力頂きました。

店主さんの声かけで、のべ300名の方々がお越しになり、時間の許す限り皆さんとお話しされていかれました。「楽しかった」「おいしかった」「遠くからきてくれてうれしい」などの声が聞かれ、片付け作業の合間の、つかの間の休息になったようです。

<住民の声>
・家の中のものがたくさん倒れてね~。塀も倒れたばってん、家では眠れるからよか。おいしかったよ(80代女性)

・ぜんざい食べながら、もらった梅干しのふたに書かれているメッセージ(鈴鹿の子ども達から)を見たら泣けてきて。隣の友達が写メ取らせてって。みんなに見せたいからって。すぐfacebook載せたみたい。一人一人から心のこもったメッセージ。本当にああいうのありがたい(40代女性)

・さっき梅干しいただいたんですけど、一つ食べたらおいしくて。おばあちゃんに持って行ってあげたいのでもう一ついただけませんか(20代女性)

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▼御船町:車中泊の方々への支援
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御船町にも「子どもが怖がって建物に入れない」「ペットと一緒にいたい」「夜の余震が怖くで家で寝られない」などの理由で避難所には行かず、車中泊をしている方々がいます。地元の町おこし系ボランティア団体『御船しあわせ日和実行委員会』は、そんな方々のためにテント村を作り、自主運営のサポートをしています。

現在テント村がある「ふれあい公園」は、仮設の建設予定地になっているため、町の避難所集約に合わせた日程で、公園横の消防署の隣の敷地にテント村を移動させることになっています。ペット用のプレハブを用意して、ゲージに入れた状態で預かる支援も行っています。代表の藤木さんは、「行政ができないことを民間でフォローしていく」と何度もおっしゃっていました。

一般の避難所より情報や物、支援プログラムが入りにくいこともあり、RSYでは、LUSHジャパンさんに、ハンドマッサージやスキンケアセットの提供して頂きました。また、炊き出しや子どもの遊び場に関する支援も繋げています。御船間町では被害のひどかった高木地区などにも車中泊の方々がいますが、正確な全体像はつかめていません。『御船しあわせ日和実行委員会』の皆さんと連携しながら少しでも支援が届くよう応援していきます。

<住民の声>
・私も被災者だけど大変な人がいるからボランティアでここの運営やってる。LUSH好きで使ってるよ。私にもやってくれるの?いいよ、みんなに声かけてあげて。(40代女性運営ボランティア)

・家に帰ると片づけしなきゃならんもんがここにもあそこにもあって。どれからやったらいいかわからないけん、毎日ここ(テント村)に来てます(20代女性運営ボランティア)

・いい匂いだった。気持ちよかった。孫と一緒にやってもらえていい思い出ができました(70代女性)

・今日はイベント盛りだくさんで。でもみんなが喜んでるの見たらそれでいいかな、って。喜んでくれるのが一番だからね。子どもたちも楽しそうで本当によかった。いい一日だった(40代女性運営ボランティア)

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▼御船町:田代東部地区・南田代地区への支援
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御船町は小さな集落が点在していて、行政からの情報や外部からのボランティア支援が入りにくいエリアがあります。RSYでは御船町災害VCと協力し、集落の区長や民生委員らとの繋がりを持ちつつ、個別訪問しながらニーズキャッチを行っています。区長より、日本災害復興学会車座トーク「今後の生活再建に関するミニ相談会」開催の希望があったため、6月1日に実施しました。(車座トークの詳しい報告は次号で行います)

(南田代地区・住民の話)
・地震後まる4日ぐらい物資も何もゼロ。64歳の民生委員の女性が友人たちに向けてfacebookで助けを求めたところ、日本中からだけでなく、世界各地から物資が届いた。次の被災地でもSNSを活用してほしいとTBSの報道特集の取材にも応じた。集落は70代が中心で60代は若い世代。ほとんどが80代以上の高齢者。高台に家が建っている人も多く、市内や県外の家族や親せきのところに避難した人も多い。次に大きな地震が来た時に、そのお年寄りたちをどこへどうやって避難させたらいいか。避難所もなく、建てることもできない。それが目の前の大きな課題。

・うちは次の余震が来たらたぶん倒れると思う。だいたいの物は取ったんだけど子どもの学習机を出してあげたいなーと思ってて。昨日引き出しを開けたら水が一杯たまってた。水を捨てればなんとか使えるかな~。高2だから新しいの買うのももったいないし。お金もないし。今日は休み。というより休んだ。昨日も片づけしてて疲れちゃって。娘と一緒に行ったんだけど全然手をつけないでぼーっとしてるの。早く片付けてって言ったら、どれを捨てていいのかわからないって。壊れたものを捨てればいいよって言ったら。、何をしたらいいかわかんなくなっちゃったって。明日は学校だし私も仕事だし早くやらなきゃいけないのに、それ聞いたら頭にきちゃって。それで昨日から娘と口聞いてないの。今朝も口聞いてない。昼に帰るはずなのにまだ(夕方)帰ってこない。もう知らない(40代女性)

・風呂場とトイレとブロック塀が壊れたの。2回目の地震で。1回目は何ともなかったんだけど2回目にドドドーって浦の崖に崩れて落ちちゃった。連休に娘と息子たちが来て瓦とブロック塀を運んでくれた。4トントラックで4回も運んだたい。お風呂は町の入浴施設にいってたけど今、華ほたるが無料だからそこにいっとる。トイレはね、使い捨ての携帯トイレを毎回使ってる。トイレも今作ってるからあともう少しのがまん。金がないけんね。左官屋だったから全部自分でしよるよ。(80代男性)

・この辺はね、昔はずーっと家がならんどった。それが今じゃ年寄りばかり。地震で空き家も増えた。町にいる子どものところや県外に避難しとる。高台の家がおおいけんね。うちも本震のあとは古い重いテレビ(ブラウン管)が吹っ飛んで床に落ち取ったたい。あの椅子のひじ掛けの金属にあたってガラスが割れたんじゃろう。でもそのぐらいで済んだ。屋根とクラックが入った壁は、連休に娘が帰ってきて直して帰ってった。あんた名古屋からきたの?うちの娘は今、岡崎にいるとよ。設備会社で働いとる。前に自衛隊におった。(80代女性)

・(屋根のブルーシート張り)全部私がやりましたよ。誰に頼むっていうの。市内で働いていて退職して15年。退職して2年目に母の介護で帰ってきてね。すぐに母が亡くなよったから戻ろうとおもったばってん、部落の人が帰してくれなかった。ハハハ。今は区長やってる。任期は4年たい。ここらの部落はみんな昔っから協力し合ってやってきて結束力もあるけど、選挙の時は割れる。それをまとめるのが大変たい。去年は町議と町長の選挙があったからたいへんだった。参議院とか衆議員とかは全然問題ないよ。(70代女性)

・家はね、前から見るとなんでもないように見えるけどもう住めんと。浦のがけが崩れそうで。荷物ば全部出したと。今はここ(農具を収納していた納屋)を改装してこっちに住んどるとよ。娘が孫ば連れて2年前に帰ってきたばってん地震で家に住めなくなったけん、町さ行った。今は主人と二人。家にはもう住めないし、どこかに土地を買って家を建てるか、町にいくか今考えてるよ。ここは景色がいいじゃろ?ここにテーブル出してお茶出して、カフェばやりたいって思うとるんよ。いいでしょ。(70代女性)

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▼御船町:RSYを通じて多くの方々にご支援を頂いています!
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・岐阜県揖斐川町「小島公民館」さん/子どもたちへのお菓子の提供、うどんの炊き出し
教育委員会職員の方より「見せてもらって職員一同みんな感激したんです。リュックにお菓子が詰めたものとばかり思ってたら、お菓子でできたリュックなんで感激しました。早く子どもたちに配らなきゃって、全部届けてきました。子どもたち、絶対喜ぶと思います。ありがとうございました。」とのコメントを頂きました。

・鈴木さん(臨床検査技師)/避難所にて手洗いチェック、布団干し大作戦、トイレ清掃、子どもの遊び相手など
『布団干し大作戦』:避難所在居の方に「布団干し、手伝います」と職員の方にアナウンスをしてもらい、希望者やおそらく避難してから一度も干していないであろう人に声がけして布団干しを実施。フェンスに並べました。「なんかかゆい気がする」「虫がいるかも」「ぶつぶつができている」などダニの疑いがあるような発言をする方が多く定期的に半強制的に干す手段があったほうがよいのではないかと感じました。

・水上さん(個人ボランティア)/避難所支援、RSYスタッフの活動サポートなど。

【第16報】平成28年熊本地震に関わるRSYの支​援活動について(5月21日)

みなさま
平成28年熊本地震において、RSYでは御船町を中心に活動を継続しています。
また、全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD準備会)では、熊本県内で活動するNPO団体と県、国らと共に頻繁に情報交換を行い、県内避難所の実態調査や環境改善、その他、支援の過不足を補い合うべく活動しています。以下、現地スタッフからの報告です。

 

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▼JVOAD:熊本市内で足湯講習会を実施しました
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本日、熊本市民活動センター「あいぽーと」で、地元の支援者の方々に向けて足湯講習会を実施しました。熊本市内で市民活動を行っている「NPO法人ソナエトコ」、「株式会社シティエフエム」、あいぽーとの職員の方6名が参加して下さいました。数々の被災地で被災された方々の足と心を温め続けた足湯の活動に、皆さんも興味深々。GWに御船町の避難所で行った足湯のつぶやき(住民の声)も合わせて紹介しました。
講習がおわってからは、「触ってもらえるだけで嬉しく安心する」「初めて会う方にどこまでできるか分からないけど、チャレンジしてみたい」「週1回でも定期的に通って、住民の方々との関係を深めたい」「避難生活のうっぷんやストレス解消になる。眠くなるくらい気持ちがいい」「足湯とサロンをセットにやると住民同士の会話もしやすくなり、ニーズキャッチに繋がるのでは」などのコメントがありました。

市民活動センターには、学生ボランティアも多く出入りしているため、今後は学生も巻き込みながら足湯チームを作っていければとのこと。名古屋から持ってきた足湯の道具は一式皆さんに提供させて頂きました。地元での活動が広がるよう、震つなメンバーと共にザポートを続けていきます。

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▼御船町:鈴鹿災害ボランティアネットワークさんが、ぜんざいと梅干を届けて下さいました
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5月21日(土)~22日(日)にかけて、南部さん率いる「鈴鹿災害ボランティアネットワーク」の皆さんが支援に駆けつけてくださっています。有名な『赤ふく』のあんこ、つきたてのお餅でぜんざい、そして小学生からの心温まるメッセージが添えられた紀州の梅干500セットを提供して下さっています。また、2014年の丹波市土砂災害でもご協力頂いた、地元鈴鹿の「ミルク」さんの焼きたてマドレーヌも合わせて振舞われました。御船町の山間集落の台所、『青雲市場』が主催する炊き出しバイキングとコラボして、あま~いぜんざい250食が住民の方々に振舞われました。また、災害ボランティアセンタースタッフ、ボランティアさんにも日頃の疲れを癒していただこうと50食振舞うことができました。明日は、地元ボランティアグループ『御船しあわせ日和実行委員会』が運営する車中泊の方々のためのテント村にお届けする予定です。

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▼御船町:LUSHジャパンのスタッフさんが、ハンドマッサージに来てくださいました
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スキンケアセットをご提供くださったLUSHのスタッフの皆さんが、週末ハンドマッサージボランティアで、活動してくださっています。今日は、御船町スポーツセンターと福祉避難所で、25名の住民や職員の皆さんの心と体を癒してくださいました。今後も6月まで定期的においで下さる予定です。

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▼御船町:住民の声
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・家の人は区長やってる。うちは被害がないから近所の人たちに毎日話聞きに行ってるんだけどみんな屋根の心配してる。屋根に登れそうな人に頼みに行くとみんな仕事でいなくて。わたしが登れればいいんだけど。片付けしてゴミが出たのを区長だから、うちが集めて回らなきゃいけないと思って。えっ?ボランティアセンターでもやってくれるの?頼んでもいいんですね。今日はここへ来て良かったわ。(60代女性)

・学校が始まってから、毎日頭も痛いしお腹もいたいし。熱はないけん毎日学校へ行きよるがあんまりよくならない。今日は早く帰ります。(中三女子)

・二回目の地震はほんっとにひどかった。あんなこわいことなかね。そのあとは電気も水もでなくて。小さい孫がいるんで水が出るまでほんとに大変だった。でもあの地震はほんとにこわかった。またくるって?もうさすがにこないでしょ。来たらもう家は死ぬまで建てられんばい(60代女性)
・山間部の集落に住んどって、地震のあとは近くの公民館に30人ぐらい避難して10日ぐらいそこで。地域のお祭りや寄り合いで慣れとったけん30人前の食事は作れたばってん、毎食毎食はきつかった。娘や若い世代はできんけん。わたしがしなきゃいけんかった。大変だった(70代女性)

 

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▼RSYスタッフ・ボランティアの動き
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・栗田:5月20日~21日
・浦野:5月14日~
・松永:4月20日~
・中西:4月20日~
・浦中(新規雇用職員)5月20日~
・浜田:5月19日~22日

※名古屋事務局スタッフも随時現地に短期派遣しています。実際に被災された地域の方々と直接お話することで、後方支援をしてくださっている皆様によりリアリティを持って現場の状況をお伝えできることと思います。

※5月20日より、ご縁があって繋がった熊本県内在住の浦中さんを臨時雇用し、RSYの活動をサポート頂いております。同じ揺れを経験し、同じ言葉で話しかければ、住民の方の表情も一気にほぐれます。地元住民の方との連携は私たちの活動に無くてはならない強いパイプだと再認識しています。浦中さんには、主に御船町での支援活動を担当して頂きます。

 

【第15報】平成28年熊本地震に関わるRSYの支​援活動について(5月20日)

みなさま

平成28年熊本地震において、RSYでは御船町を中心に活動を継続しています。
また、全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD準備会)では、熊本県内で活動するNPO団体と県、国らと共に頻繁に情報交換を行い、県内避難所の実態調査や環境改善、その他、支援の過不足を補い合うべく活動しています。以下、現地スタッフからの報告です。

 

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▼LUSHジャパンからスキンケアセットが届きました(報告:浦野)
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かねてからRSYの活動を応援してくださっているLUSHジャパンさんより、化粧水・保湿クリーム・リップクリーム・ドライシャンプー・ハンドクリームのスキンケアセット500セットが届きました。御船町の女性を中心に、避難所や役場・社協職員の皆さまにお渡ししています。天然素材・やさしい香りの商品に、手渡しすると表情が輝き、「避難所は乾燥しているので、こういうのが助かります」「とても香り!明日はつるつるになって女を取り戻すよ」「物資を運んだり炊き出し手伝ったりで手がガサガサ。いつも使ってるからとてもうれしい」など、大好評でした。今週末は、スタッフの方がハンドマッサージボランティアとして御船町に来てくださいます。主に、避難所や断水集落、車中泊の方用のテント村などで活動して頂く予定です。

 

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▼御船町田代東部集落への支援(報告:中西)
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避難所が町場から離れており、断水家屋や一部損壊被害の多い田代東部地区で、継続的な食事・生活支援を行っています。5月16日は名古屋からのボランティアチーム9名が、おいしい「なごや飯」をふるまって下さいました。この集落では、瓦屋根が落ちたお宅の雨漏り対策として、住民が協力してブルーシート張りを行っています。風でシートが舞わないよう、土嚢袋づくりを住民で行っていますが、高齢者が多いため重労働。そこで、名古屋のボランティアさんにお手伝いして頂きました。一緒に食事をしたり、作業をすると様々な心の内が語られます。RSY職能ボランティアで看護師の神田さんも、住民の方々の血圧を測りつつ、近況について健康状態や片付けの進捗状況などの聞き取りを行って下さいました。

 

【住民の声】
・母親と二人暮らし。地震の1年前ぐらいから母親は入退院を繰り返してる。今は市内の病院に入院中。食事が困るので毎日ここ(公民館)に取りに来てる。カップ麺とパンしかないけど。もう飽きたけど仕方ない。今日も取りに来た。今日はラッキーだった。みそかつ食べたことないって言ったら作ってくれて。うまかった。ごちそうさん。(50代男性)

・うちはバス停の分岐から山都に行く道の方。奥の方の家はみんな大丈夫だったけど手前の方の入り口の家はみんなやられた(被害にあった)。瓦も落ちたけん、高所恐怖症なのに屋根にのぼってブルーシートかけたたい。素人仕事だから雨が続くと心配。明日は部落のおまつり(小さな催し)があって、さっきまで町に買い出しにいっとったんよ。ほんとなら8月の祭りの打ち合わせも今ぐらいにしとるはずなんだけど今年はたぶんできないだろうな。役場に金がないじゃろうけん。(60代男性)

・バス停のとこに店があるでしょ?あの店ばあちゃんが膝悪くして腰も悪くしてから閉めたと。息子がいるとやけん、いろいろあってね。店がなくなってみんな困ってたから部落の婦人部の「ばぁばの会」で小さな店をやることにしたの。そのオープンが4月14日。ようやくオープンしたと思ったのに、店どころじゃなくなったとたい。ようやく少し落ち着いてきたから、午前と午後の店番を当番決めて2、3日前から開けられるようになったたい。近くにきたら寄ってね(60代女性)

・熊本の名物は、スイカ、メロン、デコポン、晩柑、トマト、辛子蓮根、馬刺し…。たくさんあるけん、遠いとこからきてくんなさったんじゃから、うまいもん食べて帰ってね(70代男性)

・ここらへんの人はみんながんばっとるよ。頑張る人が多い。60代でも「若い人」って言われるけんね、まだまだがんばらな。(60代男性)

・一緒につくりたっかたなぁ。残念だなぁ(時間が合わず今回は断念)(80代男性)

・おいしかったです。みんな。遠くから御船に来てくれてありがとうございます(60代女性)

・いま、家の墓見てきた。ひどいよ。墓石も骨壺もなんもぐちゃぐちゃ。どもならんばい(60代男性)

・この前まで私が土嚢作って置いたんだけど、一気になくなってね。悪いね、こんなことやってもらって。助かります。やってもらってみんなには悪いんだけどこれ(土嚢ぶくろ)を使う機会がないことを願ってるんだよね、いつも(60代男性)

・ちょっとこっちへ来てごらん。いいもの見せてあげるよ。これは作家もの。これは江戸時代の着物で作ったお雛様なんだよ。こんな小さなものが好きでね。50年買って集めて飾ってた。それがみんな倒れて。壊れて。割れて。掃除する気もおきなくて、ほら、割れた皿もそのまんま。熊本の陶芸作家さんの作品だったのにね。みんないい作品だったんだよ(80代女性)

・音楽家なんです。フルートをやってます。地震があってね、私達音楽家はみんな仕事がなくなちゃった。ホール専門に演奏してた人は演奏するホールがなくなっちゃって。あっても避難所になってたりして。演奏する場がなくなっちゃった。市内とか市内に近いところにそうした音楽家がたくさんいるんだけど、それなら避難所をみんなで分担して回って、演奏して元気づけようか、という話になって。今晩市内で集まりがあるんですけど100人ぐらいさんかするみたいなんです。音楽で何ができるかわからないけど少しでも癒しになってもらえたらと思ってるんです(50代女性)

・嫁さんが町に家建てたもんでそこで暮らしてます。昼間は少しでも片付けようとじいさんとこっちに来てる。じいさんは4月14日の地震の後、トラックと塀の間に挟まる事故にあって、手術して退院したばかりとたい。じゃけんあまり使ったらいかんけど車がないと不便で不便で。バスは朝と昼でしょ。帰りは17時しかないし。とてもとてもバスはよう使わん。じいさんは耳が遠いけん話ばしよると聞こえんばいイライラする。私も腰まがっとるばい大きいもんもてんが割れたガラスやなんか掃除しとると。大きかゴミはどうすればよかと?道路まで出すのもしんどい。屋根にブルーシートばかけてほしいって区長さんにお願いしたとたばってん、うちは2階があるけん素人じゃ無理だって。若い人は町に住んでるからもう2階はいらないし、片づけが終わったら2階を取ってもらって平屋にしてじいさんと二人じゃけん充分。16日の時はじいさんが入院しとって、私一人この家におって、上から瓦は落ちてくるし、石は倒れるし本当にこわかったたい(80代女性)

・日にね、何度も見に来よるよ。今は2軒先のあの店に暮らしとる。前は店をやっとった。2間ぐらいあるとやけん、食べて寝てするには困らん。(自宅の)瓦が全部落ちてしまったから、中が濡れてしもうて。布団やこたつ布団なんかは出しとったんやけど服なんかはもうだめたい。捨てなあかんやろ。私もほれ、こうして(杖)足が悪いけんね、ずいぶん前に手術して両方のひざに金属入っとるとよ、じゃけんよう運べんの。せめて屋根にブルーシートだけでもはっとったらと思って区長さんにも大工さんにもお願いしたんだけど。息子も仕事で忙しくてだめ。このままだとせっかく残った家財道具がみんなずぶぬれになってしまう。なんとかしてもらえないやろうか。ほら、あの窓から後ろの石垣が見えると?あの石垣はもっとずっと奥にあったとたい。それが地震で窓ガラスば割るほど近づいてきよった。こっち(別の)の石垣がうちに倒れてきたときは「ドーン」ってすごい音がして家が壊れたかとびっくりして心臓が止まりそうだったとよ。ほら、うちン中も水がはいっとるやろ、昨日の雨で雨漏りして。瓦がないから。ブルーシートだれかかけてくれんとかね(70代女性)

・うちに帰ったばたんきゅーで。夫婦の会話なんて地震が起こってからなくなっちゃった。ろくな会話してない。もううちに帰るとへとへとすぎて。ご飯食べてお風呂入ったら、もう何もできなくて布団に入って。そうして毎日がものすごいスピードですぎていくとよ(50代女性)

・田植えができんちゅうてみんな今年はどぎゃんするとって頭かかえとるよ(60代男性)

・炊き出し、って言っても、避難所じゃない人たち(在宅)は、なかなか来ないんだよね。なんか施し受けとるみたいな感じがするけんね。集まってわいわい食べてもらいたいだけなんだけど(40代女性)

・うちも甲佐で被災した。仕事してるから片付けたいんだけど全然できない。全然。地震のときのまま。いまは弟のうちで生活してる(50代女性)

・ゴミを片付けたいんだけど、気力がわかない。2階から荷物を下ろすのも大変。じいちゃんは腹きって(手術して)日が浅いけん、運転させられないからバスで来て日中かたつけしとる。(80代女性)

・バスで町まで買い物にでるけど、黒潮市場もマインも空いとらんけん、買い物に不自由しとる。あそこが一番バス停に近いけん。帰りに荷物を持ってくるのがきつか(60代男性)

・こんな馬鹿話でもして笑ってなきゃ、やってられやせんけん。みんなで馬鹿話しとる。 年寄りも結構好きで話に入ってきて盛り上がるよ(60代女性)

・ボランティアってったって、こんなところまで来てくれてありがたいし頭が下がるよ。空港までタクシーに乗って帰るって。そんなとこまで金つかわせらんねえよ。それぐらい俺がしてやる。わざわざ遠くまできてくれて、それぐらいしないとばちがあたるよ。あんたいつ帰るの。帰るときは俺に言えよ(60代男性)

 

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全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)の動き(報告:松永)
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が開催する「熊本地震・支援団体火の国会議(略:火の国会議)」の事務局として活動。毎日19時より県庁(県青年会館から会場変更)にて火の国会議を実施し、県内外の支援団体が集まり情報共有を行っています。現在までに約180団体が参加しています。また、RSY松永はJVOADの熊本市のエリアコーディネーターとして活動しています。現在の状況は以下の通り。

〇災害VCについて
・熊本市災害ボランティアセンターでは、5月17日現在で1700件弱のニーズが残っている。しかし、交通状態や運営者の不足、また自宅の片づけ等も入れる人数が限られている等の理由から、平日500名、休日1000名程度の受け入れを行っている。水害対応の人海戦術とは異なり、息の長い支援が必要とされている。
・主な活動内容は、割れた瓦やブロック塀の片づけ、自宅内の清掃、避難所での活動(清掃等)等。
・瓦が落ちたお宅の屋根へのブルーシート張りのニーズは多くあるが、高所作業となり資格や経験が必要で、市町村の災害VCでは対応できない。そのため、NPO等で専門家(大工等)を呼び対応しているケースもある。

〇炊き出しについて
・益城町では炊き出し調整をNPOへ依頼され、地元のNPOくまもとが益城町での炊き出し調整を行っている(http://www.npokumamoto.com/takidashi.html
・長期化する避難生活で、野菜等の栄養バランスが取れた炊き出しニーズが高いが、熊本県内は5月に入り、日中の気温は30度近くになる日も多く、厚労省等から炊き出しで衛生面への注意喚起がなされている。

〇避難所について
・県内の避難所は、GW後の学校再開に伴う統廃合後は大きな動きは出ていない。余震も続いていて、夜は避難所生活という方もまだまだいる。
・熊本市内の拠点避難所を巡回する中で、避難所内でテレビをずっと見ている方、なにもすることがなく掲示板やチラシ等を眺めている方が多い。生活のメリハリをつけるため、掃除の時間や体操の時間等をつくり生活リズムを整えることが必要とされている。
・熊本市では、避難所運営に避難者が関わってもらう自主運営に向けた取り組みが必要とされている中、日中避難所に残るのは高齢者ばかりで難しいとの声も出ている。しかし、食事の配給や避難所内の清掃など一部の運営の手伝いを少しでもしてもらえるような働きかけを外部支援者で行っていく必要がある。
・夏季に向けて、暑さや熱中症対策が必要とされていて、行政が避難所へ扇風機等の準備を進めている。

〇仮設住宅について
・県内の被災11市町村で仮設住宅建設が着手され、現在で約1,800戸が建設予定。早ければ6月中旬に完成予定。一方で、市町村によっては建設用地の交渉が進んでいないところもあり、建設戸数はまだ増える見込み。また熊本市では応急仮設住宅が建設予定であるが、基本的には民間アパート等を利用したみなし仮設住宅の対応となる。

 

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▼RSYの活動が以下に紹介されました
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◆ジャーナリスト・江川昭子さん手記
「進化する民の力(上)」
「進化する民の力(下)」

 

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▼スタッフ・RSYボランティアの活動状況
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・浦野(御船町支援・県内避難所改善)/4月20日~5月8日、5月13日~
・松永(JVOAD準備会事務局支援)/4月20日~
・中西(御船町支援)/4月20日~5月9日、5月13日~
・松山(震つな)/5月19日~20日
※栗田は週に2日間のペースで熊本入り。国・県・市町村との調整、JVOAD準備会事務局全体総括など

★JVOAD準備会・県内避難所改善チーム(RSY職能ボランティアチーム)
・神田夏美さん(看護師)/5月14日~17日

 

▼活動支援金募集
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皆さまからお寄せ頂いた活動支援金は、主に被災地での生活支援プログラムに関わる企画・運営などに使わせて頂きます。(炊き出し・足湯ボランティア・サロン・生活物資提供・集落支援など)

<クレジットカード決済>
URLよりお願いいたします。
https://kessai.canpan.info/org/rsy/donation/
「都度寄付」よりお申し込み下さい。

<銀行振込>
三菱東京UFJ銀行 本山支店 普通3505681
特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※お名前の前に「カツドウキフ」とご入力ください。

<郵便振替>
00800-3-126026
特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※通信欄に「カツドウキフ」とご記入ください。

 

【第14報】平成28年熊本地震に関わるRSYの支​援活動について(5月15日)

みなさま

今日で熊本地震の本震から1ヶ月が経過しました。今週から各地で「り災証明書」の発行が順次進んでいく予定ですが、避難生活はあと数ヶ月続くと見込まれます。いまだおさまらない余震や大雨への不安と恐怖の中、生活再建に向けて少しでも歩みを進めたいという住民の方々の想いが読み取れます。

心身の健康が維持できる避難生活環境の改善と、人との関わりが途切れない支援を目指しつつ、鳥の目・虫の目で支援から取りこぼされる方々を少しでも減らしていけるよう、全国の仲間と共に活動してまいります。引き続き、応援の程、よろしくお願い致します。

 

全国災害ボランティア団体支援ネットワーク(JVOAD)準備会と御船町でのRSYの活動の様子がメディアで紹介されましたのでご覧下さい。

◆ジャーナリスト・江川昭子さん手記 「進化する民の力(上)」

◆御船町:「これからの生活再建を考えるミニ相談会」
・主催:日本災害復興学会
・協力:御船町・JVOAD準備会・RSY

 

▼活動支援金募集
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皆さまからお寄せ頂いた活動支援金は、主に被災地での生活支援プログラムに関わる企画・運営などに使わせて頂きます。(炊き出し・足湯ボランティア・サロン・生活物資提供・集落支援など)

<クレジットカード決済>
URLよりお願いいたします。
https://kessai.canpan.info/org/rsy/donation/
「都度寄付」よりお申し込み下さい。

<銀行振込>
三菱東京UFJ銀行 本山支店 普通3505681
特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※お名前の前に「カツドウキフ」とご入力ください。

<郵便振替>
00800-3-126026
特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※通信欄に「カツドウキフ」とご記入ください。

 

【第12報】平成28年熊本地震に関わるRSYの支​援活動について(5月14日)

みなさま

平成28年熊本地震において、RSYでは御船町を中心に活動を継続しています。
また、全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD準備会)では、熊本県内で活動するNPO団体と県、国らと共に頻繁に情報交換を行い、県内避難所の実態調査や環境改善、その他、支援の過不足を補い合うべく活動しています。以下、現地スタッフからの報告です。

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▼刈羽村より284㎏のお米が届きました
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2007年7月16日に発生した新潟県中越沖地震で、支援をさせて頂いた刈羽村の『刈羽村農業を推進する会』様より、かりっこ米(こしひかり)を提供して頂きました。

刈羽村は人口約5000人の小さな村で、中越地震・中越沖地震では震度6強の被害を受けています。家屋被害も多く、避難所や仮設住宅での生活も余儀なくされました。お米には「一日でも早く普通の生活に戻れることを遠方から皆が願っています」というメッセージが添えられていており、同じ痛みが分かるからこそ心に届く言葉を伝えて下さいました。

頂いたお米は、御船町の断水地域や山間集落など、支援が届きにくい環境にある皆さんに、順次お配りしています。受け取った瞬間に満面の笑みを見せて下さる方や、「遠くから心配してくれて嬉しい」と言いながら、近況を話始める方もおり、話のきっかけづくりとしても、一役買ってくれています。被災地と被災地を結ぶ心温まる交流が少しずつ育まれています。

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▼「これからの生活再建を考えるミニ相談会」を開催しています
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5月14日(土)~15日(日)にかけて、日本災害復興学会主催、御船町役場・JVOAD準備会・RSY協力のもと、ミニ相談会が開催されています。14日はいまだ断水が続く、玉虫住宅の皆さん12名が参加して下さいました。日本災害復興学会は、生活再建に向けた計画づくりの手助けとして、「被災したときに」という手引きを作成しました。被災された方々が避難生活から住宅を再建するまでの手順や、各段階での留意点、行政機関から受けられる支援などの概要について、過去に発生した災害を参考にしてまとめたものです。

当日は、公益社団法人「日本技術士会」より弁護士や建築・土木の専門家などにおいで頂き、住民の方の素朴な疑問について丁寧に答えて頂きました。

「自宅が半壊か一部損壊かはどう見分けるのか?り災証明書がなかなか発行されないので、次の手が打てず本当にもどかしい」「被害調査(り災証明書の根拠となる調査)は誰がどんな風に行うのか?」「家屋は一部損壊程度だが、宅地に亀裂が入っていたり擁壁が崩れている。受けられる支援はあるのか?」「住宅公社から斡旋された時は地盤は強く安全と言われたから安心して買った。それがこんな状況になり、私たちの気持ちを少しでも行政に分かって欲しい」など、多くの疑問・質問・意見が出されました。
その他、住宅の応急修理は半壊・大規模半壊の方が適応される(仮設住宅を利用しないことが条件)ことや、宅地危険度判定士の存在などにも触れられました。そこでは、被災者の生活再建の大きな力となる「被災者生活再建支援法」で該当するのは、全壊・大規模半壊のみとしつつも、半壊や一部損壊であっても受けられる支援の可能性について教えて下さいました。(修繕や備品購入時の領収書を全て保管し、納税の時期に提出することで所得税の控除を受けられる可能性があることなど)

住民の方からは、「厳しい状況だが、自分がどの被害に該当するのか、それによって何をしなければいけないのか少し先の見通しが立った」というコメントが寄せられました。
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▼住民の声
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・この家はね、主人が一から全部ひとりで作ったの。大工なの。もう85だけどね。それがこんなになってしまって。瓦屋根が落ちたから雨が全部家の中に入ってきて、天井は落ちてくるは、畳はダメになるは、クロスははがれてくるは全部ダメ。お仏壇も倒れたけど、真っ先に位牌は持って逃げたよ。やっぱりご先祖様が一番大事だから。倉庫では干ししいたけや干し納豆なんかも作ってたの。でもブルーシートが張れないから乾燥機も冷蔵庫もだめになっちゃう。子どもが来て「濡れたものは捨てろ」というんだけど、孫や子ども、私たちが賞を取った絵やトロフィーなんかどうしても捨てられなくてね。主人とは「もう50年も住めたんだから心残りはないよね」って言ってる。でも、主人はこの家をほどかずに残したいって。こんなに傷んでしまったけどね。今畑で仕事してるのよ。朝は5時から畑行って出荷して、日中は家の片付け。夜になったらバッタンキューよ。(80代・女性)→スタッフがりんごと野菜ジュースを差し入れすると「ありがとう。こんなにしてもらって。話ができて少しすっとした」と涙をながされた。

・妻を1年半前に亡くしました。家は全壊したので仮設住宅に入ろうと思っています。家に行って少しずつ片付けをするけど、妻の遺影や位牌がまだ取り出せていないんです。それが一番気がかりです。(80代・男性)

・このあたりの集落の人たちは我慢強いから、つらい・助けてほしいってなかなか言わないんだよ。だから話だけでも聞いてやって欲しい。だれかに今の気持ちを話すだけで、気持ちが軽くなると思うんだ。特に年寄りばかりだからね。暑い中申し訳ないけどお願いするよ。(60代・男性、地域の世話役)

・行政にはいろいろ要望を出しているんだけど、顔すら見せにこない。何を優先してどう動いているのかすら分からない。上(山間)の集落は見放されてるのかと思ってしまうよ。(60代・男性)

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▼スタッフ・RSYボランティアの活動状況
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・浦野(御船町支援・県内避難所改善/社会福祉士)/4月20日~5月8日、5月13日~
・松永(JVOAD準備会事務局支援)/4月20日~
・中西(御船町支援)/4月20日~5月9日、5月13日~
※栗田は週に2日間のペースで熊本入り。国・県・市町村との調整、JVOAD準備会事務局全体総括など

★JVOAD準備会・県内避難所改善チーム(RSY職能ボランティアチーム)
・神田夏美さん(看護師)/5月14日~17日

 

【第11報】平成28年熊本地震に関わるRSYの支​援活動について(5月12日)

みなさま

平成28年熊本地震において、RSYでは御船町を中心に活動を継続しています。
また、全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD準備会)では、熊本県内で活動するNPO団体と県、国らと共に頻繁に情報交換を行い、県内避難所の実態調査や環境改善、その他、支援の過不足を補い合うべく活動しています。以下、現地スタッフからの報告です。
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▼スタッフ・RSYボランティアの活動状況
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・浦野(御船町支援・県内避難所改善/社会福祉士)/4月20日~5月8日、5月13日~
・松永(JVOAD準備会事務局支援)/4月20日~
・中西(御船町支援)/4月20日~5月9日、5月13日~
・松山(震つな/県内避難所改善)/5月1日~5月7日
※栗田は週に2日間のペースで熊本入り。国・県・市町村との調整、JVOAD準備会事務局全体総括など

・岡田雅美さん(御船町災害VC支援・なごや防災ボラネット/看護師)/4月26日~5月10日
・加藤都さん(御船町避難所支援・なごや防災ボラネット/看護師)/4月26日~5月6日

★JVOAD準備会・県内避難所改善チーム(RSY職能ボランティアチーム)
・佐々木裕子さん(愛知医科大准教授/看護師・保健師)/4月27日~29日、5月3日~5月6日
・堀田眞弥さん(柊訪問看護ステーション/言語聴覚士)/4月27日~29日
・阪本真理子さん(愛知医科大学教授/保健師)/5月3日~5日
・森田貞子さん(すみれ訪問看護ステーション/看護師)/5月5日~5月8日
・神田夏美さん(看護師)/5月14日~17日

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▼現地でのRSYの活動を支えて下さっている皆さん
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・中部土木株式会社(トイレカー5台・キャンピングカーの貸し出し・物資提供)
・みやざきSVC(炊き出し)
・どこでも足湯隊(足湯)
・大分大学学生有志(炊き出し・足湯・子どもの遊び場)
・笑顔の熊本会(炊き出し・足湯・子どもの遊び場)
・日本災害復興学会(車座トーク)

(今後活動予定)
・新井直樹さん、ほか7名(御船町災害VC支援)
・ラッシュジャパン(ハンドマッサージ・スキンケアセット500パックの提供)
・刈羽村農業を推進する会(米・284㎏)
・鈴鹿災害ボランティアネットワーク(梅干500パック、ぜんざいの炊き出し)

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▼JVOAD準備会事務局:報告/松永
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全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)が開催する「熊本地震・支援団体火の国会議(略:火の国会議)」の事務局として活動。毎日19時より県青年会館にて火の国会議を実施し、毎日20~30団体50名の県内外のNPO・NGOが集まり情報共有を行い、現在までに約150団体が参加した。現在の状況は以下の通り。・JVOADの熊本市担当として活動していて、現在は市より依頼のあった拠点避難所の環境整備等を行っている。拠点避難所は、緊急時の避難所とは異なり、仮設住宅建設やみなし仮設の入居などに向けて中長期的な避難とになるため、日常の生活が送れるよう配慮された環境が求められている。具体的には、子ども達の勉強スペース、洗濯機・モノ干し場、食事・談話スペース等で、女性専用の更衣室など、子ども・女性や要支援者へ配慮された環境を整えていく必要がある。
・熊本県域での情報共有会議として、火の国会議があるが、市町村域では西原村を始め、数地区では災害対策本部・災害ボランティアセンター・支援者(NPO)等での情報共有会議が行われている。
・熊本市では、8日に拠点避難所が21ヵ所(当初は市内18ヵ所に集約予定)できたが、自宅から拠点避難所までが遠いことやコミュニティーを崩したくないとの理由から既存の避難所に残る方も多く出ている。
・JVOADの市担当として市内の拠点避難所を巡回している。8日の拠点避難所開所に伴い、受け入れが万全でなく、シャワーや洗濯機等、環境整備が追い付いていない。
・ゴールデンウイークを明けて、災害ボランティアセンター等の運営者も少なくなり、受け入れ側の人員が不足している。
建物自体に大きな被害が出ていない飲食店等は徐々に通常営業に戻っている。

(住民の声)
・余震が本当に怖い。自宅は片づけて戻れるようになったけど、揺れが収まらないと不安。避難所は友達もいて安心できる。ガスはまだ使えないから冷凍食品をレンジで温めて食べている。[70代・女性]
・不動産を何度も回っているけど、借家は全然空いていない。探すのに疲れたよ、本当に。家はようやく片付いてきたから、自宅に戻ろうと思っている[80代女性]
・被災直後は、段ボールに薄い毛布を敷いて寝ていた。腰が痛い。今はマットが届きゆっくり寝れるようになったけど、余震が怖い。[40代女性]

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▼御船町・JVOAD避難所支援チーム:報告/浦野
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(御船町の現状)
避難所数:22箇所→18箇所に減。

最終的には公的大型施設2箇所(400人~500人)に集約される。仮設住宅は400戸程度建設予定。完成まで数ヶ月かかる見込み。地すべりの避難勧告は解かれるも、避難指示は継続中(中原住宅付近)。車中泊の方もいるが人数は把握できていない。町が公園にテント村を建設。車中泊・子どもがいる世帯などに斡旋中。10人未満の避難所が山間地に広く点在しているため、情報・物資・支援プログラムが充分に届けられないことが課題。近隣入浴施設が再開したこともあり、自衛隊の風呂は9日をもって打ち切り。
(災害VCの様子)
1日のボランティア数が100名未満と人手不足。本日5月11日(水)から募集範囲を全国に拡大して支援を呼び掛けている。
◆御船町社会福祉協議会ホームページ
http://www.shakyo.or.jp/hp/1664/
◆御船町災害ボランティアセンターFacebook
http://urx2.nu/trPq

【御船町小坂小学校での車座トークの開催】(栗田:調整・参加)
足湯や実態調査で訪れた小坂小学校の避難者より、「先の見通しが立たないことが不安」「これから具体的にどんな支援を受けられるのか」「り災証明書は何で必要なのか」などの疑問の声が上がった。そこでで5月6日、日本災害復興学会の協力のもと、車座トーク「これらの生活再建を考えるミニ相談会」を開催。一人暮らしの高齢者や要配慮者を抱える家族、親子ら10名が参加した。同学会が作成した冊子「被災したときに」を元に、過去の災害で支援経験のある専門家が素朴な疑問に丁寧に応えてくださり、参加者にもホッとした表情が見られた。学会員の「次の生活への一歩を踏み出せるように、みんなで避難所から元気で出ましょうね」という声かけに、力強くうなづく姿が印象的だった。今後は14日~15日にかけて、御船町内3箇所(玉虫住宅、田代地区)でも開催予定。
【熊本市総合体育館の被災者受け入れ】
熊本市では避難所縮小のため、18箇所の避難所に集約されることとなった。市からJVOADへの要請のもと、400名と受け入れ人数の多い「熊本市総合体育館」の環境整備や運営をサポート。5月6日~8日にかけてRSY職能チーム、チーム中越、長岡市役所応援チームらと共に、パーテーションの設置、乳児室・幼児プレイルーム・女性用下着干し場・救護所・感染症対応ルーム・談話室・中高生勉強スペース・福祉避難スペースの設置と、トイレの衛生環境の整備を行った。また、受け入れ当日は要配慮者のサポートとしてダンボールベッドの設置、トイレに近い居住場所への移動支援、医師・看護師への繋ぎ、福祉避難スペースへの移動支援などを行った。住民自治による運営体勢づくりについては、チーム中越・長岡市役所応援チームらが引き続きサポートする。

※御船町内の避難所の実態調査を実施。個別ケースは救護班に繋ぎ、現状と課題を一覧表にして役場総務課・救護班・社協らと共有。

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▼御船町・生活支援プログラムコーディネート(報告:中西)
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御船町にて、主に避難所・集落との連絡調整、ボランティア受け入れコーディネート、生活支援プログラムの企画・運営、3者会議(町・社協・NPO)への参加を担当。

【子どもの遊び場】
★御船中学校(5月4日10名参加)
※3人の幼児を抱えるママの一時託児。最初は切羽詰った表情だったが、子どもから手を離している間に洗濯物を干したり用事を済ませたりしていた。最後には「ありがとうございました」と晴れやかな表情に。学生ボランティアに子どもたちが大変慣れ、小学校低学年の子どもは「抱っこ」「おんぶ」と甘え、高学年の子どもたちは、大人ボラ持参のけん玉やボール遊び、中学生男子も子どもスペースに出てきて、おしゃべりしたり絵をかいたりした。

(子どもの声)
5月4日
・「次いつ来るの?」何度も聞く(中3女子)
・「秋に体育大会があるからみにきてほしいなぁ」(中2中3女子男子)
・「地震、またくる?」(余震の際に)(小2男子)
・(9日からの学校再開で)うちらがいなくなったら大変だよねー。しばらくは3時とか早く帰れるから来れますよ」(中3女子・ボランティア)
・「1か月早い!休みが長すぎたなぁー」(中1女子)
・「月曜から5時半起きで6時半のバスに乗らなきゃならないー。憂鬱」(高1女子)
・「あの子(小2男子)のお母さんやばい。あの子もやばいけどお母さんはあの子に蹴られれてもなんも注意もせん」(中3女子)

5月8日
・きのう水がやっときたんですよ。もう何週間ぶりで家のお風呂にはいったんです(嬉しそうに)(中3女子)
・明日から学校が始まる。市内の高校なので朝5時半起き。ゆううつ~。6時半のバスに乗るから。帰りは8時か9時ごろ。部活やったら9時過ぎるかな~。休みが長すぎた~」高1女子
・地震は怖いけど熊本の人はラッキー。津波の方がもっと大変(小6男子)
・墓、やばいよ。ぐちゃぐちゃで骨まで見えとるよ(中3女子)
・明日から学校だけど、3時には終わるから3時半には(避難所となっている体育館に)来れますよ(中3女子)
・家に帰っても誰もいないから一人じゃこわいけん、学校終わったらここ(避難所となっている)にきてもいい?みんないて安心。お母さんには仕事終わったらここに迎えに来てもらう(中3女子)

【足湯ボランティア】
★御船中学校(5月4日11名参加)(5月5日13名参加)
・この前のマッサージは腕をさするだけだったけど、今回のはうれしいよ。トイレ掃除を手伝うから言ってね(64歳女性)
・散歩はするけどあとは外に出て運動とかはしない(80歳男性)
・昨日まで自宅にいた。役所の方から移るように言われ、今日からこの避難所へ。脳震盪で腕にしびれがある。手もみは大丈夫(70代?男性)
・今は静かだけど夜は人がすごい来る。寝に来る。いびきかくひともいるから、俺が寝れるのは夜中も夜中。学校が始まるんで出て行かなきゃいけないけど行先はない。テントで野宿かなぁ(笑)(83歳男性)
★カルチャーセンター(5月5日6名参加)
・夜勤(介護職)から帰ってくると、ゆっくり眠れないし、

避難所からの通勤が大変。(60代男性)
・自分の管理している畑でテントに泊まっている。ごはんはカルチャーセンターにもらいに来る。(60歳男性)
・生もの(野菜・魚)がない。炭水化物が多くて自分で買って外で食べてる。足湯と言わず、ゆっくりお話ししてリラックスできるところ、って言った方がいいよ。(周りの方への配慮から)(60代男性)
・寝ている時間が増えた(97歳女性)
・膝が痛い。震災前より寝て過ごす時間が増えて、とても退屈。(92歳女性)
・自衛隊の風呂が暗くて足元が少し危ない。あまり見えないよ。時々華ほたるに行くけどタクシー代が高い。シャトルバスがああれば便利ですよね。(80代女性)
★御船中学校(5月8日10名参加)
・最近、食欲がなく、あまりご飯が食べられない。親戚が益城で被災したが家がつぶれてしまった(30代男性)
・地震で自宅が住めなくなって近くの避難所にいったが、そこも2度目の地震で使えなくなってしまった。避難所(体育館)にいても、地震が発生すると安心して眠れない。(80代男性)
・最初ここに来たときにねむれなかったけどやっと慣れた。今は大丈夫よ。地震の時ひとりだったから、こわかったよ。だんなが十何年前に亡くなったから、娘と孫は近くにいるからすぐ家に来られた(70代女性)
・地震があってこわかったよ。もう寝てたから。ベッドから落ちて左腕をちょっと痛めた。そして4日間孫5人と車の中で避難して車中泊してた。それが原因かわからないけど足に血栓ができた。明日また病院にいく。この間エコノミークラス症候群の検査でレントゲンを撮ってわかったよ。どこも痛くなかったし、震災前、何の問題もなかった。でも死ぬなら一瞬で亡くなりたいね。娘に迷惑をかけたくないからエンディングノートを書いたよ(70代女性)
・あさって自衛隊のお風呂が終わり。どうしよう?ないと困ります。温泉はあるけど坂之上ですよ。歩くのは無理です。家は中原団地だから帰れないところ。うちにねこ5匹、犬5匹。1回ここに連れてきたけど車の中にいるのが怖かったみたい。今は10匹家にいる。毎日バスで帰って餌をやる。大変です。明日仕事が始まるけどバスで行かなければならない。前は自転車で10分で行けた(60代女性)
【母の日プロジェクト】
御船中学校避難所には、開所直後に避難していた中学生が「ここにいるよ」「安全だよ」とLINEで仲間に発信し、避難している子も、自宅に戻った子も、学校再開まで毎日避難所に通い(中学校)避難所運営のボランティアを始めた。コアメンバーは小6~中3までの6人。それに3月に卒業したばかりの高1生がいて10名ぐらい。トイレ掃除、ゴミ捨て、物資搬入時の運び込み、食事時の配膳、配給係、小さい子供の遊び相手など、大人の手の足りないところをきちんと担っていた。9日からの学校再開に向けて大人たちが中学生がいなくなる不安を口にするのを聞いていた。「私たちがいなくなったら、どうなるんだろう?」彼らなりに大人を心配していた。RSYスタッフからリーダー格のAさんとB姉妹に「みんながいなくなると寂しくなるけど、母の日にみんなにあげられるものを何か作って一人一人にメッセージを伝えない?」と提案。すぐに反応し、スタッフ持参の折り紙でカーネーションを作ることに。7日~8日にかけて、子ども達がせっせと制作していた。「200個作る」という目標は彼女たちが立てた。その後、配布時に持つ看板、お花を入れる箱作り、体育館内をまわる段取り、配布する時にかける言葉のコメント決めた。

男女の別なく避難所に居る方すべてにひとりずつ手渡しした。配布し始めると、寝ていた高齢者などが起き上がって順番が来るのを待っていた。ほとんど接点がなかった人も「明日から学校なの?がんばってね」「ありがとうね」「大事にします」と感謝の言葉を口にしていた。涙ぐむ人、もらってすぐに花を飾る人、自分の所有しているレコードを中学校に寄附したいと申し出る人、一緒に写真を撮ろう、という人、さまざまな反応があった。その他派遣看護師、役場職員、町長にもカーネーションをお届けした。
【山間部集落への支援】
・田代地区、浄化槽被害宅へトイレカーを設置
・田代東部公民館、屋外シャワー環境の整備
・玉虫南住宅への炊き出し・足湯支援

(住民の声)
・役場からの広報が全戸に回っていない(在宅・70代男性)
・山の方はなんだか役場に見放されてる感じがしてしまう(在宅・60代女性)
・うちも自宅の片づけはまだ終わってないけど、ここ(店、弁当や野菜果物販売)を開けないと困る人がいるからがんばって店を開けてるの。大変だけどみんながんばってほしい(在宅・50代女性)

栗田、NHKの「視点・論点」に出演します

みなさま

レスキューストックヤード事務局です。

広報ですが、
当法人の代表理事、栗田暢之がNHKの「視点・論点」に出演します。

タイトル「熊本地震 これからのボランティア」

一口にボランティアといっても、

一般のボランティアと専門性の高いボランティア団体やNPOが存在し、

被災地にはその両方が必要というメッセージを込めて
全国のボランティアに向けて、

「いよいよ本格的な出番の時期が来ました。熊本の復興に向けて、

息の長い支援をしていこうではありませんか。」と語ります。

明日、早朝の放送ですが、ご覧いただければ幸いです。

放送予定
5月11日  NHK総合4:20~4:30

       Eテレ13:50~14:00

 

【第10報】平成28年熊本地震に関わるRSYの支​援活動について(5月1日-5月4日)

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。
「平成28年熊本地震」において、RSYでは御船町を中心に活動を行っております。
以下、現地からの報告です。

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▼派遣スタッフ(今後の予定も含む)
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・4月20日~/浦野(御船町支援・県内避難所改善チーム)・松永(JVOAD事務局支援)・中西(御舟町支援)
・4月26日~/岡田雅美さん(御船町災害VC支援:なごや防災ボラネット)
・4月26日~/加藤都さん(御船町避難所支援:なごや防災ボラネット)
・5月3日~/佐々木裕子さん(県内避難所改善チーム・愛知医科大准教授)・阪本真理子さん(県内避難所改善チーム・愛知医科大学教授)
・5月5日~/森田貞子さん(県内避難所改善チーム・すみれ訪問看護ステーション)
・5月14日~/神田夏美さん(県内避難所改善チーム・看護師)

※5月1日より松山(震つな)、5月3日より栗田が現地入りしており、全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)が開催する「熊本地震・支援団体火の国会議(略:火の国会議)」の運営、熊本県内の避難所調査・改善の体勢づくりなどを行っています。

※尚、現地入り以降、長期ボランティアとして関わって頂いている中西朝子さんを「RSY御船町現地コーディネーター」(非常勤スタッフ)として迎え、ボランティアの受け入れ・ニーズの掘り起こし、支援プログラムの企画・運営等のサポート体勢を強化しました。
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▼松山(震つな)より⇒熊本県全体の避難者の状況について
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熊本地震の被害状況が日々明らかになっている中、被災地では学校の再開に向けて避難所の統廃合が進み始めていることから、避難生活が長期化する方と、不安から家でねられない(本来は帰れる)方の差が出てきている。

具体的には、家に帰れる方が多い地域では、避難所での食事の支給がなく、住民も、夕食と入浴を済ませて避難所に寝に来るという自主避難に近い感じの避難所が多い。この場合は余震の減少に合わせて避難者が減っていくと予想されるが、いつまで続くかは自然相手だけに未定。

一方、自宅が倒壊や全壊など、自宅に戻って生活ができない方々は、仮設住宅やみなし仮設など、次の生活基盤が確定するまでの間は避難所での生活が続くため、長期化対策が課題となっている。

また先に述べた、帰れるが不安な方と家が被害を受け、帰れない方が混在している避難所が多くあることで、いわゆる「追い出し」ともとれるような食事支給が改善しないことが、本当に家に帰れない方々への支援の質を下げている現状もある。

避難所を出る見通しについての意向調査も進んでいるようですが、行政目線ではない、被災者(避難者)目線で必要な所に支援が届くような働きかけは続けていかなくてはならないと思う。
阿蘇などの観光地では、GWという書き入れ時の前に大きな地震があったことから、観光シーズンには3時間待ちもする有名レストランが、10分待ち。しかも客のほとんどがボランティア活動で訪れた方々。という状況もあり、産業復興についても今後大きな課題となりそう。

4/14の地震発生から今日で3週間。長期化する避難者の環境改善や福祉的な支援が必要な方への配慮は今後一層重要になってくると思われる。

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▼松永(JVOAD事務局)より
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全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)が開催する「熊本地震・支援団体火の国会議(略:火の国会議)」の事務局として活動。毎日19時より県青年会館にて火の国会議を実施し、毎日20~30団体50名の県内外のNPO・NGOが集まり情報共有・調整を行っている。現在の状況は以下の通り。

・JVOADは、県や内閣府、また地元の支援団体と連携し、県内の避難所環境の調査を実施。内容として、トイレ環境や衛生面のチェック、要支援者に配慮された環境となっているかなどを確認。熊本市、また県の保健師も避難所を巡回し環境調査を行っているため、約120箇所の避難所で実施しました。今後、環境改善等も行っていく。

・行政から避難所運営の一部をNPO(JVOAD)にお願いしたいとの依頼があり、現在調整中。

・熊本市では約180箇所ある避難所を、5月8日に18ヵ所に統廃合するなど、県内の他市町村でも避難所の統廃合が進める動きが出ている。統廃合に伴い、避難所環境の整備やレイアウト変更が必要とされている。

・現在も車中泊で生活する避難者が多く、車中泊を続ける主な理由は、片付けが進まない、「余震が怖くて家に帰れない」や「家にいると子どもが思い出して泣いてしまう」など、心的理由を話す方、またペットがいて避難所に入れないなど。

・ゴールデンウィーク中の各地の災害ボランティアセンターでは、アクセスのしやすい熊本市に集中しボランティアが溢れている。また、他市町村では、GW中の現地の渋滞や混乱を防ぐために、ボランティア受け入れ範囲を県内募集や市町村内に限定する動きがあったが、逆に御船町等ではボランティアが少なくなっているなど、各地で過不足が出ている。

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▼浦野・中西より⇒御船町での活動状況
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★御船町災害VC支援
岡田さん(なごや防災ボラネット)が救護班兼ニーズ対応係として常駐。ボランティアのマッチング、環境整備、救護対応などの行っている。

★避難所の環境改善
町の地域包括支援センターと連携し、県内避難所改善チームと共に、観光交流センター内に設置されている「福祉避難スペース」にて環境改善を実施。物資整理・ゴミ環境の改善・介護用品(介護用ベッド・マット・杖など)の導入を支援。現在は14人の要配慮者(足腰の悪い高齢者、ぜんそく等の持病がある方、重症心身の障がいのある方、在宅酸素を使っている方、弱視の方など)と家族を受け入れている。本日より介護福祉士の日中支援が決定し、安定的な福祉サポートの体制が整いつつある。また、『熊本県福祉介護用品協会』会長の帆鷲さんのご協力により介護用ベッド・マット5台、歩行用の杖1本を無償で貸与して頂くこととなった。また、他避難所についても、加藤さん(なごや防災ボラネット)がトイレ清掃、玄関掃除、マット掃除、体育館内のモップがけ、避難者への声がけを実施。

★炊き出し支援(断水集落・玉虫南公民館)
●5月2日
なごや防災ボラネット、SVCみやざき、組長の奥さんや近所の方々3名らと一緒に活動。47名に炊き出しを提供。
●5月3日
加藤さん(なごや防災ボラネット)、笑顔の熊本会ら7名で活動。前日に引き続き、玉虫地区の主婦6名参加、地域への声がけは地域住民・南組組長夫妻が行ってくださった。39人54食を提供。材料は、日本生活協同組合連合会様からご提供頂いた。

カレーライス、レタスきゅうりコーンのサラダ、なすときゅうりの塩揉み、ピーマンとじゃこの炒め煮、地域住民からの差し入れのたけのこの煮物。

(住民の声)
・毎日給水車の所まで水汲みにいくんだけど軽自動車なんだけど二三回いく。ちょっと疲れてきている(60代・男性)
・町まで一時間かからないし、いい場所だと思って家を建てた。もう住めないんだって。どうすればいいのかわからない。(60代・男性)
・パンとカップラーメンばかりでしょ?野菜がたべたくて。今日はたくさんありがとうございます。(40代・女性)
・サッシが地震でしまらなくて(あけっぱなし)。夜は息子が帰るけど昼間はうちにわたし独り。犬がいるけどね。地震後初めて普通のごはんを食べました。嬉しい(80代・女性)
・コンビニやスーパーが開いたけど、足がないので買いにいけないの(60代・女性)
・パンとかおにぎりとかカップラーメンじゃなくて、おかずが食べたかった。今日はおかずが多くて嬉しかった(50代・女性)
・車がないので買い物に行けない。野菜が食べたい(80代・女性)

★足湯ボランティア
●5月3日:御船中学校・玉虫南公民館
●5月4日:御船中学校
大分大学学生、笑顔の熊本会、どこでも足湯隊メンバーら7名が活動。参加者12名。前日に足湯をやって「よく眠れた」「気持ちよかった」という声も少なくなく、昨日今日連日来てくださる方もいらした。
(住民の声:玉虫南公民館)
・家はもう住めない状態。公民館で寝ている。御船のアパートは埋まっており仮設住宅の予定がないため見放されている感じがする(20代・男性)
・早く学校のグラウンドで友達と遊びたい(8歳・男児)
・昨日は朝パン一つ、夕はおにぎり一個だけ。パンやカップ麺は飽きた(50代・女性)
・足がむくんでいる。地震のあと2、3日は水も出らんし、物資もなかったけんね。家にあるとばみんなで持ち寄って食べたよ。しばらくはおしっこも出らんやったよ。やっと出てもこゆかおしっこやったもんね。マッサージとかせんけん、(足湯は)気持ちよかった(50代・女性)
・ひびは入ってるけど住めるけん、今は家におる。夜は眠れんねー。2時間ごとに目の覚めるとたい。(60代・女性)

(住民の声:御船中学校)
・怖かった~、地震だけじゃないからね。余震も続いとって怖い。一人では家におれんね(70代・女性)
・家はガラスも割れて、畳もビショビショやけんね。帰りたか。(足湯について)こんなことしたことないわ。気持ちよか~。(60代・女性)
・おじいちゃんはね、短気なんよ。だから、自衛隊の人もお風呂も、そんな高いとこ上がれんって怒って行かんのよね(70代・女性)
・足湯は初めて。こうやって、人と交流して、大切なことだよね。ここに来るまで4箇所(避難所)に回ったよ。2~3日ごとに場所が変わって疲れた。血圧も高くなったよ。震災前は平常だったのに(90代・男性)
・前はゆかにふとんを敷いていたので立つのがしんどかったです。ベッドになってからは楽(60代・男性)
・もともと手足のしびれが少しあったが、震災後さらに痛くなった。どうしてだろうかねえ(70代・女性)
・ひまご(小6)は体育館にいるとうるさいから車で寝かせている(80代・女性)
・この前マッサージしてもらったけん、それからぐっすり眠れるようになった。(足湯で)今日もぐっすり眠れそう(70代・女性)
・今後の生活がなあ・・・どこに住むかが不安やわ(60代・男性)

★子どもの遊び場
●5月2日:御船町中学校
●5月3日:御船小学校
●5月4日:御船小学校

笑顔の熊本会、大分大学学生らによる子ども支援として、看板づくりやお絵かき、外遊びなどを実施。終始楽しく参加してもらいながらも、スキンシップを求めてくる子どもが多いという印象を受けた。

(子ども達の声)
・地震が怖いので夜になると窓を開けて寝ている
・地震ごっこをしている
・最近よる泣いてる赤ちゃんが多い(乳児世帯用避難所が閉鎖されたため)
・ヒマ。はやく学校始まってほしい
・わたし受験生なんだよ(勉強ができないことが不安)
・学校は三日行ってこのありさま!(中一・女子)
・外で遊びたいな(5歳・女児)

★田代東部公民館・近隣集落への支援(5月5日)
・地元の方から「自宅が断水中のため、夜中に公民館まで行って用を足している住民(女性)がいる。暗いし危険なため何とかならないか」という相談を受け、中部土木株式会社様から無償貸し出し頂いた「トイレカー」を設置。(トイレカー:車とトイレが一体化しており、どこにでも洋式トイレを運ぶことができる車)ご本人は、「これでトイレの心配がなくなって安心した」と、心底ホッされた表情でお話くださった。

・公民館に併設された屋外シャワーを少しでも快適に使用できるよう風雨除けのためのブルーシートを設置。震災後2回しか風呂に入っていないという状況が少しでも改善できれば。

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熊本県西区『光楽寺』さんにて炊き出し支援
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RSY会員でもあり、代表・栗田と同じ浄土真宗大谷派のご住職・大津山さんのご好意で、20日過ぎよりスタッフの宿泊施設としてお寺を開放頂いておりました。お寺も、ご自宅や本堂、納骨堂のご本尊や仏具類が落下するなどし、片付けが必要な状況でしたが、私たちの活動への後方支援拠点として、大変お世話になっております。

4日夕方、『光楽寺』主催でたき出しが開催されました。岡田さん・加藤さん(なごや防災ボラネット)をはじめ、RSYボランティア3名が、奥様やご近所の皆さんと共に、食材の提供・調理のお手伝いをさせて頂きました。サラダとカレーを作り、周辺地域の約130名の皆さんにお配りし、ご住職の奥様にも大変喜んで頂けました。

RSYでは4日以降、宿泊拠点を移し活動を継続していますが、今後も光楽寺さんとの繋がりを持ちつつ、復興のお手伝いをさせて頂きたいと思います。