新燃岳噴火災害について[第 13 報]

皆様
RSY事務局加藤です。
2月15日の活動を報告させていただきます。
今日は、降灰の被害が深刻な高原町狭野地区で、その住民でもありまちづくりNPOをされている方からの紹介で、狭野神社近くの公民館周辺での灰の除去作業を総勢10名で行った。途中他のボランティアの方も加わり、大人数だったにもかかわらず、なかなか作業は進まない。住民の方の声にもあった「途方もない作業」という言葉が身にしみる。雨で重くなった灰と、乾燥して舞う灰とが入り混じっている。作業をしていると、近くの住民の方が「実は私の方でもお願いしたいことがあるんだけど…」と声をかけてきた。あいにく私たちは午後から別の場所でお手伝いすることが決まっていたため、今日はそちらに行くことができなかった。こうして潜在するニーズがまだまだたくさんあると改めて感じた。
第7報でお伝えした灰の除去作業のお手伝いをしたお宅の男性は、今は自らがボランティアとして活動をされている。その方から「いつ帰るの?帰る前に一度顔見せてよ。

続きを読む

新燃岳噴火災害について[第 12 報]

皆様
RSY事務局加藤です。
2月13日、14日の活動をまとめて報告させていただきます。
来月3月13日(予定)の開催を調整している「被災地車座トーク」の開催の準備等で都城市・高原町に来られていた日本災害復興学会復興支援委員会の関係者が、私たちが高原でお世話になっているお寺さんを訪ねてこられました。お寺さんからは「在宅の高齢者の方への支援が心配」「先の見えない火山災害で長期戦に備えるためにはどうすればいいのか」「どうやって要望を行政に伝えたらいいのか」などの質問がなげかけられ、関係者のみなさんからは島原、有珠山、三宅島の経験談をまじえた話が伝えられた。来月の車座トークでも、住民のみなさんに「不安を与えすぎるでもなく、安心させるでもなく、でも、火山は恐いということを知ってもらいたい」との思いがあることが語られた。
お寺さんのネットワークの広さには驚くばかりである。今は私たちが行っている足湯の活動を今後一緒にやってくださる(将来的には中心となってくださるような)方を探している。一緒にミーティングをしながらも、坊守さんが次々とご自分の持つつながりの中で電話をかけているところだ。その何人かが夜の

続きを読む

佐用町「竹炭祭り」参加してきました

 皆さまtakesumi1.jpg
takesumi2.jpg
 お世話になっております。
 3連休最終日の13日、兵庫県佐用町で開かれた「竹炭祭り」にスタッフやボランティア5人で参加してきました。
 佐用町は2009年に死者・行方不明者20人の大水害に見舞われ、RSYも発生直後のボランティアセンター運営や物資提供などの支援を続けてきました。
 地元では「水害の一因は山の荒廃にもある」として、近年は廃れてしまっていた地場産業の「竹炭づくり」を復活させ、再び山の手入れを盛んにしようという試みが続けられてきました。現在、名古屋や岐阜で行っている「防災の森づくり 川づくり」事業もこの取り組みから学ばせてもらっています。
 今回はちょうど1年半後のイベントとして、復興支援にかかわってきた神戸大の学生らが中心に企画。交流拠点である笹が丘ドームを会場に、名物「ホルモン焼きうどん」などの各種出店があり、RSYは名古屋から持ち込んだ陶器などを販売するバザーコーナーを設けさせてもらいました。
 ステージでは、学生らがこれまで行ってきた「炭焼きコンテスト」の成果や、竹炭を活用したまちおこしプロジェクトの提案内容を発表。「竹炭カレー」や「竹炭ラーメン」などのユニークなアイデアが次々と出され、地元の人たちの関心をさそっていました。
 暮らしは落ち着きを取り戻したようですが、いつまた同じような災害に見舞われるかわかりません。われわれも長期的な視点で支援にかかわっていこうと思っています。

「河川伝統工法」の実験進めています

 皆さまchiyodabashi.jpg
chiyodabashi2.jpg
 お世話になっております、スタッフの関口です。
 「防災の森づくり 川づくり」事業で進めている河川伝統工法の実験、10日には国交省管理の矢田川の下流から、愛知県管理の上流部に移し、引き続き効果をはかることになりました。
 今回の場所は守山区の廿軒家(にじゅっけんや)小学校の目の前ということもあり、「実験中 乗らないで」の看板を立てて注意喚起するとともに、里山の木を河川の護岸整備に生かし、山と川を同時に守る「日本人の知恵」を知ってもらおうと思っています。
 作業の前にはプロジェクトに協力してもらっている岐阜県の井納木材(株)の社員らと周辺の清掃作業を行いました。川の真ん中に大きなゴミが顔をのぞかせていて、手で引っ張っても動かせません。そこで作業に使ったクレーンで引き揚げると、なんとミニバイクやサッカーゴールが現れ、一同びっくり。この矢田川は2000年の東海豪雨時には堤防すれすれまで増水したそうですが、こんな巨大なゴミが流れ込んでくるかと思うと笑えません。あらためて日ごろの環境保全と防災の関係を考えさせられました。
 この実験は17日まで続けられ、その後は名古屋市管理の堀川に移し、市に引き渡しをさせてもらう予定です。

新燃岳噴火災害について[第 11 報]

皆様
RSY事務局加藤です。
2月12日の活動報告をさせていただきます。
今日は朝から雪がちらつく天気で、道路もスリップ注意の案内がでている地域があった。山も雪をかぶっており、風も強く吹き荒れ、午後高原のお寺では「眼が痛い~」と言いながらボランティアがゴーグル・マスクを着用して灰の清掃作業を行っていた。
今日は朝から高原駅から皇子原公園の方面の様子を見に行った。駅には、高原の野菜や肉などの食品、お茶を販売するお茶飲み場のような役割をも持つ売店がある。噴火が始まり、一旦は営業を休止していたが、住民からの要望も強く、今は営業を再開している。お店に近づくと中から女性の楽しそうな笑い声が聞こえた。「高原の名産は?」の答えには、「人柄、それからおいしい空気とお水よ」と笑顔で答えていただいた。噴火した夜に激しい音と赤く染まる山が見えて恐かった、ずっと揺れていて地震だと思ったという話や、灰降ろし作業がなかなか進んでいないという話を聞いた。
女性たちの話では、高原では、ホウレン草・

続きを読む

新燃岳噴火災害について[第 10報]

皆様
RSY事務局加藤です。
2月11日の活動報告をさせていただきます。
今日は、8日ぶりの噴火があった。急いで外にでると、噴煙が空高く舞い上がり、風が強かったせいで、わずか数十分の間に一気に移動していった。昨日の雨で道路や田畑はだいぶ湿っており、山田地区を通ると山積みにされた灰も湿って重そうだった。
外は晴れていたため、高原のお寺さんは「灰が舞わないから今日こそ掃除を頑張ろうという人が多いのでは」と言っていた。
今日の主な活動は、被災地NGO協働センターの吉椿氏と、高原のお寺さんの紹介で都城市山田町にあるお寺を訪問し足湯を行い、継続している避難所での足湯の活動を行った。今日からは神戸から車で来た3名のボランティアも加わった。
■山田町のお寺での足湯
特に降灰のひどい山田町にあるお寺で足湯をさせていただいた。噴火直後の写真を見せてくださったが、大きな寺の屋根と屋根の間に灰がたまって大変だったとのこと。
灰の片づけのため、この日は鹿児島のお寺や葬儀屋さんが手伝いにきていた。
ちょうど住職さんの

続きを読む

新燃岳噴火災害について[第9報]

皆様
RSY事務局加藤です。
2月10日は被災地NGO協働センターの吉椿氏と、都城市山田町にある灰捨て場での灰降ろし作業や避難所での足湯などの活動をしましたので、報告させていただきます。
■都城市山田町にある灰捨て場
山田町の灰捨て場には、次々に袋詰めにしたり、そのまま山にして積んだりした軽トラックやバンが集まってきていた。老夫婦が二人で何袋も持ってきていたり、会社や施設からきている人たちも多い。灰が降ろす度に空気中に舞い、作業を終えるころには真っ白になる。「一日に何度も」「今日で3日目」「この数日間でもうここに11回来た」など先の見えない状況の中で、袋から出す、トラックから降ろすという地道な作業がひたすら繰り返される。お勤めの方々は「本来の仕事はできない。社員数十人が灰降ろしにかかりきり」「自分の仕事はできない」とこぼしていた。老夫婦からは「これでもやっと屋根の上が終わっただけ、まだ家の周りは全然手をつけていない」という声をきいた。
■避難所での足湯(3日目)
避難所の様子が前日と違った。昨日から住民のみなさんが心配していた雨が夕方から降り始め、段々と雨脚を強めている。避難勧告はまだでていないが、自主避難に来ている方が多かった。「息子と牛は家におるけど、私ら夫婦は避難してきた。土石流が心配」という70代女性や、「今日は雨で心配だから、家族で避難してきた。犬がまだうちにいるの。外だから…」と泣きそうな顔になった小学校2年生の女の子もいた。
足湯を始めて数日経ったこともあり、「オレは常連や~」「昨日はよう眠れたわ~」と言って来

続きを読む

新燃岳噴火災害について[第8報]

皆様
栗田です。お世話になります。
本日名古屋に戻りました。引き続き支援にあたっているスタッフによれば、現地は雨。土石流などの被害が懸念されます。昨日に引き続いて足湯をさせていただいていますが、避難所には住民の方が続々と自主避難されているようです。これ以上何もないことを祈るばかりです。
さて、当方が現地入りした4日間をまとめましたので、添付させていだたきます。文章は読売新聞中部本社の「防災・減災」シリーズの連載を担当していて、明日の掲載分としてたまたまタイミングが合致したので書き留めたものです。字数制限もあり、いささか簡素になっていますが、現地の実態がお伝えできれば幸甚です。
2011.02.pdf
※ボランティア活動支援金にご協力ください!
郵便振替00920-7-75997「震災がつなぐ全国ネットワーク」
通信欄に「新燃岳噴火災害」とご記入ください。

新燃岳噴火災害について[第7報]

皆様
RSY事務局加藤です。
2月9日はRSY栗田、被災地NGO恊働センターの吉椿氏と、避難所内や高原町のお寺さんに紹介していただいたお宅で灰の除去作業や足湯などの活動をしましたので、報告させていただきます。
■午前/高原町避難所「ほほえみ館」避難所(避難者の方に足湯をさせていただく)・昼間は自宅に帰って家や農地の灰の清掃作業を行ったり、自宅のお風呂に入りに行ったりしている人がおり、避難所で休まれている方は夜間に比べ少ない。
・「噴火した時は、地震がきたのかと思うほど衝撃があった、恐かった。また噴火するかもしれないし、今度は火砕流も心配。先のことがわからない。」
・「避難してくる前に、一か所隙間を開けたままきてしまった。一時帰宅したら家の中が真っ白。一人暮らしだから自分で掃除できない。今ボランティアをお願いしている。」などの声を聞き、みなさんが恐怖や不安の中にいることが感じ取れた。また、50年前の噴火の時の話をされる方も多く、「あの時は大きかったし10cmくらい灰が積もったけど、一回きりだったから。今回はいつまで続くかわからない。」などの声もきいた。
■午後/高原町内の3軒のお宅で灰の除去作業と足湯をさせていただいた。
・ひとり暮らしでお隣同士のお宅では、普段から仲のいいお付き合いをされている。
今回、屋根の上の灰の除去作業を行うと言って、山登りの仲間が宮崎や鹿児島から駆け付けた時も「お隣さんも一緒に」と2軒続けての作業が進められていた。

続きを読む

新燃岳噴火災害について[第6報]

皆様
RSY事務局加藤です。
本日、栗田と共に現地入りいたしましたので、活動報告させていただきます。
■9:00~9:30/都城市ボランティアセンター訪問
・市内を車で走ると、あちこちで袋詰めした灰の山を見かけた。
・朝早くから駐車場や歩道を掃除する住民の姿があった。
・2月4日に開設したボラセンでは、これまでに約300世帯で灰の除去作業を行った。
・地域の自治組織との連携は良好で、そこからボラセンにニーズがあがっており、高齢者や障がい者のいるお宅を優先にボランティアの派遣を行っている。
・今のところの課題として以下の点があげられた。
 ・優先度・緊急度がまだ十分に把握できているとは言えない
 ・生命をおびやかすような事態がないかどうかの把握
 ・屋根の上の灰おろし
この他、まだまだニーズの把握ができていないのが実情で、他にも見えていないニーズがあるはずなので、段階を追って、対応していきたいとのこと。
また、屋根の上の灰をおろす作業はボランティアで対応できないということだが、住民から上がってくるニーズの多くは、

続きを読む