RSY・愛知県の大雨への対応(第11報)

みなさま
RSY事務局です。RSYは台風2号の影響で床上浸水の被害を受けた豊橋市在住Mさん宅への個別対応を継続してきました。以下、被災当初から支援に関わって頂いていた「おせっかい隊長」のRSYボランティア・Kさんと、代表理事・栗田と事務局長・浜田が8月2日に訪問した時の報告です。

※私たちの活動は、日本財団「令和5年能登地方地震および6・7月の大雨被害に関わる支援活動」助成のご協力を頂いています。

お宅に到着した時には、Mさんは私達を待ち構えていて下さり、おせっかい隊隊長のKさんから「だいぶ片付け進んだね」と声をかけられると、「あんたらが来るっていうから、やっとった」と即答されました。初めてお訪ねした時の硬い表情からは想像できないほど、軽妙なやりとりです。

その後は、日陰でゆっくりとお昼を食べながら雑談しました。「役場に被害の申請を出したら更に用紙が来て、細かい損害額を調べて書けと言われた」など、まだまだ生活再建に向けて、大変な作業が諸々続いているようです。

しかし、過去の災害で、家の片づけをしている最中に、家主も忘れかけていたへそくりや骨董品が出てきた話などをすると、声を出して笑われるなど、表情にハリがみられ、今回の訪問が、Mさんにとって気分転換の場になっていたのかなと感じました。

話の中で、Mさんから、一時的な住まいとして市から提供されていた市営住宅を引き払う時に、不要になる家財の一部を引き取りに来てほしいという要望がありました。しかし、引っ越し作業そのものは「手伝いは要らん」とのこと。

他人の手を借りずに、ご自分のペースで何とか頑張って進めて行かれようとする姿は一環していています。しかし、「そうは言っても、なにか手伝いが必要になったら声をかけてください。また、いつでも来ますから」という私たちの声掛けには、力強くとうなずいてくださいました。

Mさん宅の訪問を終えて帰る道中、「どうやってMさんの気持ちをほぐしつつ片づけを進めていくとよいかな、いつもと考える癖ができちゃって。。これで一区切りかと思うとなんだか気が抜けちゃった。」とKさん。

Kさんのつぶやきは、この2カ月間、お互いが被災者とボランティアという立場を超えて、とことん向き合ったからこそ生まれた感情や信頼関係を表しているように感じました。RSYは今回の事例からこのような新たな学びを得て、今後も互いに気に掛け合う「おせっかい」を継続していきます。

 

【注意喚起】熱中症に気を付けましょう!

みなさま

RSY事務局です。

連日、新型コロナウイルス感染症の拡大が心配される中、全国各地で熱中症警戒アラートが頻発しています。また、被災各地では、酷暑の中での復旧作業が身体の負担につながり、体調を崩される方も少なくありません。

下記は、FUKKO DESIGNが作成した熱中症への備えに関する注意喚起の資料です。作成には、全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)も参加しています。日常の対策としてお役立て下さい。

(掲載内容)

・熱中症とコロナ感染を防ごう

・熱中症の応急処置をチェックしよう

・高齢者と乳幼児は特に注意しよう

・暑さの情報をチェックしよう

・災害で避難している時の熱中症対策

(リンク先)

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RSY石川県珠洲市への支援について(第8報)

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。各地で災害が同時多発しています。

RSYはこれまで、台風2号水害による豊橋市への個別支援と並んで、5月5日に震度6強の揺れを観測した奥能登地震の被災地・石川県珠洲市に向けてスタッフ・ボランティアの派遣も継続しています。
今回は、仮設住宅を中心に、震災から2か月以上が経った住民の方々の心情や生活状況について、常務理事・浦野が報告します。
※私たちの活動は、
日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成、赤い羽根「災害ボランティア・NPO活動サポート募金」助成からのご協力を頂き実施しています。

 


<RSYの活動>

1.活動内容

仮設住宅入所世帯の個別訪問・環境整備

珠洲市は6月15日より建設型仮設住宅の入居を開始しました。住宅は、一番被害の大きかった正院町に16戸建設され3か所に分散しています。小規模のため集会場や談話室の設置はありません。現在は13世帯が入居しており、中にはひとり暮らし高齢者、障がい者世帯、乳幼児世帯もあります。

珠洲市の仮設住宅は建設型仮設住宅のみですが、冬場の降雪を考慮し、風除室や2重サッシ、室外機や換気口の上部設置、アスファルトによる砂利道の改善、ベランダの軒の設置、浴室の追い炊き機能など、防音対策も含めこれまでの被災地では後付けで改善されてきたものがあらかじめ装備されていました。

しかし、部屋が狭く収納が少ない、玄関前の階段の段差が大きく一部手すりがない、トイレや浴室に行くまでの動線に段差があり危険、浴槽が深くまたげないなどの課題は変わっていませんでした。

一部の住宅では、最初から手すりがついているケースもあったが全てではない。

過去の被災地の事例を思い返すと、入居して間もない頃は「安心して眠れる」「ようやくホッと一息つけた」という声をよく耳にするものの、数週間も経つと、これらの様々な不具合に直面し戸惑われる方が少なくありませんでした。

また、仮設内や周辺地域との新しい人間関係の構築がうまくいかず寂しさや心の負担が増したり、生活環境の急激な変化によって外出や社会参加の機会が減り、これが引き金となって、心身機能の低下や引きこもり等の生活不活発病、アルコール依存症等が深刻な課題となっていました。

そこでRSYは、市や市社会福祉協議会らとこれらの事例を共有すると共に、地元三崎町にある『新出製材所』さんと協働して、生活状況の把握や改善、住民同士の交流のきっかけづくりを兼ねた収納棚の取り付けをお手伝いさせて頂くことにしました。製材所さんには、木材の提供と切り出し、棚の取り付けをサポート頂いています。

ボランティアスタッフの稲垣さんは新出さんを師匠と仰ぎ、棚の作り方をご教授頂きました。

製材所の2代目である新出さんは、生まれも育ちも珠洲。「こんな時だからこそ、地域の人たちの笑顔のためにできることがあれば何でもしたい」と協力を申し出て下さいました。一緒に訪問すると知り合いも多かったようで、住民の方の表情が和らぎ、場も和みます。こうしたリラックスムードの中で、ポツリとこぼれ出る心情や困りごとを記録し、従来の福祉サービスや今後の見守りにつなげられるよう関係者で協議を重ねています。

特に要望が多かったのが洗濯機上部の棚。なるべくものを床に置かず上の空間を有効活動したい。見た目もよく、落下しないようにという新出さんの細心の配慮で設置。

トイレにはツッパリ棚を。

鴨居には物掛けフックを設置して、カバンやハンガーがかけられるように。

訪問時には市社協職員にも同行頂き、サロン等を定期的に開催して集いの機会を増やしたり、個別訪問を重ねて日々の細かい状況の変化にいち早く気づけるよう、市と共に体制づくりに取り組んでいます。RSYもこれらの動きに参画し、どんな時でも人の関わりが絶たれないコミュニティづくりに向けてできることを考えています。

<住民の声>

★家は全壊。息子が「とにかく全部捨てろ」っていうから、今にして思えばまだ使えた大切な物も捨てざるを得なかった。一つひとつ泣きながら処分したの。ここに持ってきてるのは最小限。でもここでも新しいものを増やすなとも言われてて。どうやって家電を配置したらいいのか全然わからなくて困っていたの。私の家は正院町にあったんだけど、ここのお隣さんとは1回挨拶しただけでほとんど面識がないの。今はインターネットで好きな番組を見るのが唯一の楽しみ。でもネットのつなぎ方やパソコンを置く場所がなくて困ってて。立派な棚を設置してもらって嬉しい!(70代・女性)

※棚の取り付けと共に、社協さんがネット環境の整備、新出製材所さんがパソコンテーブルの寄付を下さいました。また、棚の取り付けが、お隣の家を行き来するきっかけにもなり、収納スペースについての悩みや工夫を共有する姿が印象的でした。

お互いのお部屋を行き来してレイアウトづくりの参考に。

★週末に、一時的に親族の家に避難していた義父と義母が戻ってくるの。義父は介護が必要で、普段は義母が入浴介助をしているけど、浴室が狭いからシャワーチェアの出し入れや管理ができるか心配。入口の階段に手すりがあると助かるんだけど…。ここは狭いから、家が建つまで親族のところにいた方がいいと思ってたけど、どうしても戻りたいって。やっぱり遠慮が強かったみたい。ここで4人で生活するなんていったいどうなるのかしら。今後のことは生活しながら考えていくしかない。何とかなると思うしかない。(60代・女性)

★罹災証明書は結果に納得がいかなかったから再申請中。自宅を解体したら、小ぶりの家を建てようと思っています。少しでも安く建てられる家がないかメーカーとも相談して探したい。これからを考えると不安は尽きないけれど、毎日「今日はこれができた!」と、今はとにかく1日ずつできることを考えながら、目の前にあることに集中しようと自分に言い聞かせてます。(50代・女性)

★数十年前に脳梗塞になってマヒがあるんだ。でも、震災前はよく外出していたんだよ。震災後に体調を崩しちゃって、今はほとんど外に出ていない。でもたまに友達が訪ねてきてくれるよ。風除室についている手すりが低くて使いずらい。トイレ・浴室に続く通路にある段差は、行くときは手すりで上がれるけど、戻る時はマヒ側に手すりがないから安定が悪いね。風呂は深くて入れないからシャワーだけ使ってるよ。夏場はいいけど冬場は辛いかもな。今はあんまり調子が良くないから、リハビリとかは無理かな。(80代・男性)

右側の手足にマヒがあるり、適切な位置に手すりが無いため段差を降りる時に後ろ向きにならざるを得ない。

★震災直後は生まれて間もない子どもを連れて近隣市町にある実家にしばらくいました。仮設ができてから戻ってきたけど、早々に子どもが熱をだしちゃって。感染症とかじゃなかったから本当によかったとホッとしました。子どもも慣れない環境でストレスがたまっていたのかも。車があるから、実家の行き来や買い物など自由にうごけるので今のところ不便はない。でも、物が多いので収納は困ってる。押入れは大きくて便利なように見えるけど、どうやって物を配置していいか悩む。(20代・女性)


2.これまでの派遣実績

・第1陣:5月7日(日)~5月11日(木)/浦野・松井(RSY)

・第2陣:5月15日(月)~5月19日(金)/浦野・栗田(16日のみ)・稲垣(RSY)

・第3陣:5月23日(月)~26日(金)/浦野・林・松井・稲垣(RSY)、椿・山口(なごや防災ボラネット)

・第4陣:5月29日(月)~6月1日(木)/浦野・稲垣(RSY)、椿・岡田(なごや防災ボラネット)

・第5陣:6月5日(月)~8日(木)/浦野・稲垣(RSY)、椿・伊東(なごや防災ボラネット)

・第6陣:6月18日(日)~20日(火)/浦野・稲垣(RSY)、種村(震つな)

・第7陣:6月27日(火)~29日(木)/浦野・松井(RSY)

・第8陣:7月10日(月)~12日(水)/浦野・稲垣(RSY)

・第9陣:7月16日(日)~18日(水)/栗田・浦野・稲垣(RSY)、椿・伊藤(なごや防災ボラネット)

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RSY活動支援募金にご協力ください!
(随時受付中)
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この支援金は、スタッフの現地派遣や情報発信、被災者への生活支援プログラ
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RSY・愛知県の大雨への対応(第8報)

みなさま

RSY事務局です。RSYは台風2号の影響で床上浸水の被害を受けた豊橋市在住Mさん宅への個別対応を継続しています。以下、RSY宇野(コープあいちより出向中)より7月12日の活動報告です。

※私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成のご協力を頂いています。

Mさん宅訪問

RSYボランティアの女性3人(おせっかい隊)の他に、(株)デンソーの社員ボランティアさん1名と私の5人で活動しました。また、「災害復旧支援チームふじさん」の藤野さんが、私たちが到着する前から、作業を始めていました。シロアリ被害で傷んだ和室の束柱を早々に修繕してくれたおかげで、先週清掃と消毒が完了した八畳間と六畳間へ乾燥を終えた床板を敷くことができました。

 

自ら床板の管理番号を書いたMさんが、搬入する順番を私たちに指示してくれたこともあり、手際よくすすみ、あっという間に作業完了です。

 

これまで、おせっかい隊は、Mさんと相談しながら、Mさんのペース(気持ち)に合わせて作業をすすめてきました。少し時間は、かかってしまいましたが、床板、床下の清掃、消毒もいよいよあと2間(写真の三畳間[ベッドの部屋]と、四畳半間[箪笥の部屋])を残すのみとなっていました。この2間の清掃と消毒が、今回のメインの作業でした。

前回同様、床下を清掃・消毒する屋内チームと、はずした床板を清掃・消毒する屋外チームに分かれて作業をすすめました。ただし、前回との大きな違いは、この日の猛烈な暑さです。屋外に比べて、どうしても風の通りが少ない屋内の作業は過酷で、体中から汗が吹き出してきます。小まめに水分をとりながら丁寧な作業をすすめました。

屋内よりはマシですが、やはり外も暑かった。デンソーの社員ボランティアGさんは、慣れない作業でしたが、とても丁寧に床板の清掃・殺菌作業を行ってくれました。

(Gさんは、この作業以外にも重い家具の移動などで大活躍でした。)

 

お昼休憩は、用意してきたお弁当を食べながら、熱中症にならないように、水分もしっかり補給しました。サッカーの話をきっかけに、この日の話題は、学生時代にやっていたスポーツになりました。ちなみにMさんは、剣道、柔道、そして弓道もやっていたとのこと・・・。

昼食後も作業は、順調で、ついに、最後の2間の清掃・消毒が完了しました。

これで、大きな作業は、概ね終了しました。次週は、Mさんの希望で仏壇の清掃作業の他、これまで、やれなかった、細かい部分の清掃をすすめる予定です。

 

■Kさん宅訪問

この日の午後、おせっかい隊の1人が、別の地域で被災したKさん宅を訪問しました。床上浸水の被害に会い、1階にあった家具等の収納が使えなくなり、2階に上げた多くの荷物(衣類等)の整理が困難で、不便な生活を送っています。これまで、地元の支援者Nさんが、寄り添って支えており、RSYからも収納用品を支援してきました。今回は、なにかできることを模索するため、Nさんと一緒に訪ねて奥様とお話をし、荷物の整理のお手伝いをしました。次週も伺う予定です。
■報告者コメント(RSYスタッフ:コープあいちより出向中)

下の写真は、Mさんの要望で、玄関横の洋間で浸水部分の壁板を切り取っている藤野さんです。その作業を見守るMさんが、「どうしてそんなに動けるの?頑張れるの?」と藤野さんに尋ねます。

藤野さんの答えは、「そりゃあ、あんた(Mさん)の笑顔が見たいからだよ・・・」

藤野さん、本当に素敵な方です。Mさんも頼もしい相談相手ができてとてもうれしそうでした。

RSY・愛知県の大雨への対応(第7報)

みなさま

RSY事務局です。RSYは台風2号の影響で床上浸水の被害を受けた豊橋市在住Mさん宅への個別対応を継続しています。以下、RSY宇野(コープあいちより出向中)より7月5日の活動報告です。

※私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成のご協力を頂いています。

Mさん宅訪問

もはや常連となった「おせっかい隊」こと、RSY女性ボランティア3人の他に、今回初参加の男性(藤田医科大学准教授)含めた5人で活動しました。

到着早々、Mさんから「今日の作業のための準備が大変だった」とお聞きし、一同どうしたんだろうと思いましたが、その意味は、すぐに解りました。

今回作業内容を事前に連絡しておいた奥の6畳間と8畳間の床板の上の荷物が綺麗に床の間内に整理されており、床板の上はスッキリ。すぐに作業ができる状態になっていました。

また、洗浄後、元通りにもどせるようにと床板に番号も書いてあります。さらに、床板洗浄・消毒と根太(床板を支える木材)の清掃・消毒作業のためにと、たわしとブラシが2個ずつ用意されていました。

 

全員で床板を外に出してから、床板洗浄の屋外作業と根太等の清掃・消毒の屋内作業の2班に別れて早速活動開始です。

■屋外作業(床板の洗浄・消毒)

床板は、これもMさん所有の高圧洗浄機で汚れを落とした後、もう一度丁寧にたわしで擦って、仕上げ洗い。その後消毒し、外に立てかけて乾燥させました。この日は、曇天で風もあり、絶好の条件だとMさんもうれしそうです。

 

■屋内作業(根太等のブラシ擦りと消毒)

根太等の汚れや埃をブラシで擦り取り、その後、根太、土台、床の消毒をしました。作業中、Mさんからは「消毒液はどうやってつくるの?」「濃度が大事なんだね」などと、声がかかります。とても熱心に消毒作業の様子を見守っていました。

Mさんの事前準備のおかげで、この日の作業はとてもスムーズにすすみました。

作業がはかどることで、話も弾み、いつもの「お弁当タイム」では、息子さんとのやり取りや、家の修繕のことなど、今後の暮らし再建の計画についても前向きな話が聞けました。

最後は、Mさんのご要望で、草取りと垣根の刈り枝の処理をして、この日の作業は終了です。次週も支援に入ることを確認して帰路につきました。

■報告者コメント(RSYスタッフ:コープあいちより出向中)

「おせっかい隊」のメンバーとしてMさん宅に伺うのは、3回目でした。家の状態が良くなることで、被災者さんの笑顔が少しずつ増える様子を目の当たりにし、レスキューストックヤードの「寄り添う支援」を肌で感じています。洗浄・消毒作業も、あと2部屋で完了です。来週も天気に恵まれるといいな。

 

RSY・愛知県の大雨への対応(第6報)

みなさま

RSY事務局です。RSYは台風2号の影響で床上浸水の被害を受けた豊橋市在住Mさん宅への個別対応を継続しています。以下、RSY事務局長・浜田より6月28日の活動報告です。

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Mさん宅訪問

今回は、力仕事もありとのことで、RSYボランティアの女性3名の他に、株式会社デンソーの社員ボランティアさんを含めた男性3人が加わり、7人での活動となりました。

到着すると、「こんなに人が多いといろいろ考えなぁあかんじゃん」と開口一番のMさん節が聞かれましたが、笑顔で受け入れてもらえました。

Mさんが気になっていることを丁寧に聞いていくと、「草を刈ってもらおう」「冷蔵庫の中をふいて」と、一つひとつの用件について私たちへの声掛けがはじまったので、屋外と屋内にわかれて作業を開始しました。

持参したお弁当を一緒に食べている間、週末に、息子さんの仕事仲間が大勢来てくれて、ベッドの部屋の畳を出したこと、食事は被災した住宅で作って、一時的に入居できた公営住宅へ戻って食べていること、ようやくゆっくり眠れるようになったことなど、たくさん話してくださいました。たわいないおしゃべりも大切な時間です。

午後は、板間の拭き取りと塩素系漂白剤での殺菌を行いました。

板間の応接間と食堂は、水分を含んだままの板が浮いてきているのがご自身でも気になっていたようですが、「はがしましょうか」と促しても、なかなか首を縦に振りません。

そんなところへ、あとから合流したチームふじさん代表・藤野さんが、決して急かすことなく、声をかけ続けた結果、Mさんから「(頼みたい気持ちはあるけど)遠慮があるじゃんね〜」という一言が聞かれました。すかさず「今、Mさんが遠慮されて、もし何もしないまま僕たちが別の被災地ができて、行くとしますよね。その後に『来てくれ』と言われてもすぐに駆け付けられない。そうなると僕たちも辛くなるなぁ。。」という藤野さんの語りかけで、Mさんは床板剥がしに同意されました。藤野さんとチームふじさんの助っ人2人が、2部屋の床板をはがし、コンパネを借り敷きしました。

一歩一歩、作業は進んでいますが、暮らしが元に戻るまでには、消毒や乾燥、修繕などまだまだ時間も作業もお金も必要です。

おせっかい隊は、来週もうかがう予定です。

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RSY・愛知県の大雨への対応(第5報)

みなさま

RSY事務局です。RSYは台風2号の影響で床上浸水の被害を受けた豊橋市在住Mさん宅への個別対応を継続しています。以下、RSY事務局長・浜田より6月21日の活動報告です。

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Mさん宅訪問

着いてみたら、先週手つかずだった部屋の窓が開放されて、片づけが進んでいました。今回はタンス3棹と机1台が置かれたその部屋の片付けが中心でした。

下2段が水に浸かってしまったタンスや畳はとても重く、これを出す作業は、女性だけでは無理かと思っていたところへ、RSYと繋がりがあり、豊橋市在住の男性ボランティアさん2人が到着し、お昼前までに、すっかり運び出せました。

 

Mさんもカビや臭いが気になってきたせいでしょうか。これまで片づけることに躊躇されていた姿とはうって変わって、「畳と布団は、通りに近いところまで運んで」「これもほかって(=捨てて)」といった言葉が出てきました。片付けのスイッチが入った感じでした。

「今俺が見たからこの写真は、もういらん」「(亡くなった奥さんの服を見つけて)こんな所にあったのか」とひとつひとつ確かめ、思い出話をしながら、「何を捨てたか、知っておかんとなぁ」というMさんペースを尊重しながらの作業が続きます。

Mさんは翌日の雨を心配して、「外に出したものを室内へ戻して欲しい」と言われました。しかし、水害から既に2週間が経っていることもあり、畳をはがした床板がまだ濡れていて、カビや臭いも気になりました。本当は、一日も早く乾燥・消毒が必要な状況だったので、「ものはまだ戻さない方がいいですよ」と喉まで出かかったのですが、タンス下段の引き出しを自ら壊して、少しでも軽くして、運び易くしてくれた気持ちを想い、今回は何も言わずに運びました。

床下の対応については、随時お伝えはしているものの、ご自分の手順やペースがあり、一気には進みません。こちらも焦らず、しかし家の保全のためにできるだけ前に進めるよう一緒に思考錯誤しながら取り組んでいます。

 

息子さんのお部屋は随分片づけが進んでいました。夜勤明けの休みの日に片付けをしているとのことで、お二人の身体への負担が気がかりです。

帰りぎわに、「皆が帰ると寂しくなるな」とポツリと漏らされました。何よりの労いの言葉でした。

なお、岡崎市災害ボランティアセンターは、6月9日より、市社会福祉協議会の通常のボランティアセンターでの対応に切り替わったため、貸し出していた資機材もその役目を終え回収しました。

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RSY石川県珠洲市への支援について(第7報)

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。

台風2号の影響により、愛知県も含め各地で被害が多発しています。被災された皆様には心からお見舞い申し上げます。

RSYはスタッフで手分けをしながら、豊橋市・岡崎市等への支援を開始すると共に、なごや防災ボラネットと連携し、5月5日に震度6強の揺れを観測した石川県珠洲市への支援も継続しています。以下、常務理事・浦野から第4陣・5陣の派遣活動報告です。

※私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成のご協力を頂いています。

 

 

<RSYの活動>

1.これまでの派遣実績

・第1陣:5月7日(日)~5月11日(木)/浦野・松井(RSY)

・第2陣:5月15日(月)~5月19日(金)/浦野・栗田(16日のみ)・稲垣(RSY)

・第3陣:5月23日(月)~26日(金)/浦野・林・松井・稲垣(RSY)、椿・山口(なごや防災ボラネット)

・第4陣:5月29日(月)~6月1日(木)/浦野・稲垣(RSY)、椿・岡田(なごや防災ボラネット)

・第5陣:6月5日(月)~8日(木)/浦野・稲垣(RSY)、椿・伊東(なごや防災ボラネット)

2.活動内容

①珠洲市災害VCへの協力

第3陣に引き続き、ニーズの上がりが少ない「直(ただ)町」の個別訪問を担当しました。全220世帯(在宅108件、不在83件、空き家29件)を順次回り、その後範囲を広げて、正院町川尻地区28世帯(在宅14件、不在10件、空き家4件)も訪問。生活状況の把握と共に、ボラセンの案内や公的支援制度、災害廃棄物等の情報提供などを行いました。

<住民の声>

●罹災証明が送られてきたんだけど、母屋は半壊、土蔵と納屋は全壊でした。罹災証明の調査員がきたとき、応急危険度判定が緑だったからか、家の中は見て行きませんでした。でも壁に無数のひび割れと崩れ、柱は裂けて2階の階段もずれていて、半壊という判定には納得がいっていないんです。この家はもう解体して、跡地に小さな家を建て直そうと思います。(スタッフが罹災証明書の再申請や適用されそうな支援制度、弁護士への相談窓口を紹介)。まだはっきりは分からないけど、何らかの支援や融資が受けられるということですね!よかった~。判定についてはどうしても納得がいかないので、再申請する方向で考えます。(88歳・女性・一人暮らし/市外に住む娘が同席)

●しばらく空き家になっていたので、親戚と一緒に見に来ました。家の中はどこも家財が散乱していて、片づける気にもならない。かといって、家を解体しようと思っても家財は外に出さなければいけない。どうしたらいいか途方に暮れる。応急危険度判定は黄。罹災証明はこれから出しに行こうと思います。ついでに災害ボランティアセンターにも頼んできますね。(70代・女性)

●最初に建てたのは100年以上前。この棟はしっかりしていたけど、建て増ししたところが破損している。何度も地震にあう中で壊れるところは同じ。階段は床が抜け、2階にあったタンスは倒れてバラバラになった。夜は寝つきが悪いので眠剤を飲んでいる。(RSY看護チーム同行。健康チェック等を行った)(80代・女性)

●私は元消防士で防災士の資格も取った。普段自分が良く過ごす場所の電化製品や家具は留めてある。津波が来てもいいようにライフジャケットも用意してある。でも家具留めしていなかったタンスはやっぱり倒れてたよ。罹災証明書は出したほうがいいんだね。これから行きます。(80代・男性)

●ここは、本家で近隣に親戚が多くいる。水が出ないので困っている(5月28日現在)。元々台所、お風呂、洗面所、トイレすべて井戸水を使っている。どこが悪いのか、台所の床をはがしてみようかと思うが、食器棚など大型のものを動かさないといけないのでどうしたものかと。今日は罹災証明の調査があるというので来た。家財は一人で片づけている。2階が一部おちている。ボランティアセンターに頼めるのなら頼みたいが出張も多く時間を合わせるのが難しい。(50代男性・市外在住)

●自分の生家が、空き家になってもきれいにしてあった。地震で家財が倒れたり、中のものが飛び出したりで見るも無残。息子たちは、空き家なんてほっとけと言うけどな…そこまでの山道500mくらいが崩れていたけど、自分で補修をし通っている。(80代・男性)

●地震にめげずに畑で働き、仲の良い友だちと話をして、空いた時間に本を読み、楽しく暮らしている。今から畑にエンドウを取りに行く。今日はボランティアの人に割れたガラス3枚を直してもらった。とても気分がいい。ボランティアの人って本当にありがたい。(86歳・女性)

●家は、緑判定。ほとんど被害はないが、正院のほうの方は大変よね。壁に少しひびが入っているけど、これを直すとなると塗りなおしの面積が大きく、お金がかかるので気にしないでおこうと思う。年金生活なのでお金をかけられない。(70代・女性)

●夜寝る時は、パジャマはきていない。すぐに逃げられるように。まだまだ地震もあるし、怖いね。(応急危険度判定・赤)(70代・女性)

●納屋が応急危険度判定赤で傾いている。罹災証明は出していないが出したほうが良いのなら、息子に頼もうと思う。友だちが民宿をしているが、そこで泊まっているボランティアさんは宿代も払って食べることも自分たちでしているので、申し訳ない。うちは、私一人なので、空いているからボランティアで来るのなら使ってもらってもいいわ。(70代・女性)

●家は、ところどころひびが入っていたりゆがんでいる。罹災証明をとっても結局お金がないので全部直せない。判定がついて制度が使えるって言ってもどんな制度があるのか、HPも見れないのでわからない。(制度についてはスタッフから補足説明した)(50代・男性)

②罹災証明書未申請者への支援

高齢化率が50%を超す珠洲市では、罹災証明書の申請手続きがいまだ済んでいない要配慮者世帯が少なくありません。罹災証明書は生活再建への歩みを進めるための最初の一歩。この大切な手続きも、これまでの活動で住民の声を聴くと、情報がなく必要性が分からない、市役所までの移動手段がない、申請書類を自力で整えられないなどが原因で進んでいない状況が分かってきました。そこで、RSYは市や石川県内の福祉系職能団体と共に協議を重ね、下記3つの取り組みがスタートしました。

★取り組み1:RSY主催「珠洲市公的支援制度支援者勉強会」

6月1日(木)20:00より、オンライン勉強会を開催し、市や市社協、県内福祉系職能団体、技術系NPOなど33名が参加しました。講師には、堀井秀知先生(徳島弁護士会/日本弁護士連合会災害復興支援委員会副委員長)をお迎えし、『直接支援にあたる支援者に知っておいて欲しい公的支援制度の基本』について教えて頂きました。

・罹災証明書の申請は生活再建のためのパスポート

・申請には2段階ある(罹災証明書発行後の被災者生活再建支援金や応急修理制度など)ので継続的な伴走支援が必要

・借金のある方向けの「被災ローン減免制度」や高齢者向けの「リバースモーゲージ融資」などを有効活用して、自分の家を持ちながら住み慣れた土地で暮らしを維持継続できる方法を考えよう!

・みなし全壊(半壊判定で解体した場合は全壊とみなされるため、もらえるお金や受けられる支援の枠が広がる)の考え方

など、専門家に聞かなければ分からない様々な情報を共有する機会となりました。特に静岡県弁護士会の永野海先生が作成された被災者カード(裏)が現地で有効活用されています。支援の全体像が一目で分かるので、ローラーや個別訪問の際にもスタッフが必ず携帯しています。

市は、録画動画を日ごろから福祉サービスに関わるスタッフと共有し、利用者への説明や各種手続きのサポートに時に役立てるとのことです。

★取り組み2:罹災証明書未申請・要配慮者世帯への申請サポート

市は「生活サポート部会」の取り組みの一環として、一人暮らし75歳以上高齢者で、罹災証明書の申請がまだの人を抽出。このリストを地区の区長、民生、婦人会、老人会、公民館長などに見てもらい、被害がないor軽微な人、家族や地元対応可能な人を取捨選択し、最終的に残った人(おそらく地域でも把握・介入が難しい人)を部会メンバーで巡回、生活課題の把握と申請までの手続き支援を行っています。
サポート部会は、健康増進センターが音頭を取り、福祉課(障害、包括)同席のもと、石川県の精神保健福祉士会(PSW)・相談支援専門員協会がマンパワーの協力、RSYは全体の体制構築のサポートと現場でのOJTに関わっています。
6月6日(火)から2人1組、1日2~3チーム体制・12~13世帯を訪問開始。被害が集中する正院町では28世帯の未申請者を個別訪問し、16件の申請につながりました。市は、以降も他地区にも範囲を広げ、障害者、高齢者二人暮らし、シングルマザー世帯なども対象に入れたいと考えています。
6月8日(木)市、PSW会、相談支援専門員協会、RSYでオンラインミーティングを行った結果、対象想定数200世帯を6月末までに終了することを目指し、1日10名・5チーム体制で継続的に取り組むことが確認されました。マンパワーが不足した場合は、PSW会より、県のケアマネ協会や社会福祉士会にも協力要請を行っていくことで合意。最終的に残る長期支援ニーズについては、通常の福祉サービス・相談業務の中で、伴走支援を継続してくこととなりました。
訪問では、未申請者の他、認知症の進行や生活困窮者世帯、震災由来の生活環境の悪化で、深刻な福祉課題を抱えるケースも明るみになっています。活動にあたっている福祉専門職からは、「この活動は、震災がなければ気づけなかった従来からの福祉課題の発見にも役立っている」という声も聞かれており、聴く力・見る力・分析する力のある福祉専門職の関わりの頼もしさを改めて感じました。
※関連記事

6月7日(水)北国新聞朝刊

「罹災証明や支援制度 高齢者宅出向き説明 珠洲市、申請漏れ防ぐ」

★取り組み3:今後の生活再建を考える無料相談会(仮称)の企画サポート
正院町では、自治会が主催となり、弁護士による公的支援制度、家の専門家による修繕の考え方の解説に加え、市の各種手続き申請ブースや、足湯・カフェブース、健康相談ブースなどを併設したワンストップ型の出張相談会の開催に向けて準備を進めています。会場では食生活改善委員による軽食の提供もあり、できるだけ敷居の低い相談会の場となるよう、7月開催向け、RSYも運営のお手伝いをしていきます。

震災から3週間~1か月が経過する中で、一通りの片づけは進めたものの、心身共に疲れ果て途方に暮れている方も少なくありません。またボイラーや浴室の破損により、いまだ自宅のお風呂に入れない方もいます。この際小さな家に住み替えるため解体するか否か、修繕して住むにしてもその申請や業者との段取り、お金の問題など、決して簡単には解決できない現実に直面しています。

「もう何から手を付けてよいか分からない」「自分は歳やし、どうせもうすぐ死ぬんだから何もせんでこのままでええわ」などの戸惑いや諦めの言葉も多くなってきました。その一方で、ひとしきりボランティアと話終わった後、「胸につかえていたものが取れてすっきりした。聞いてくれてありがとう」という言葉もありました。

一人ひとりのつぶやきの中から、それぞれの暮らしの歴史や生活背景が垣間見えます。そこに丁寧に目を向けながら、痛みを分かちあい、一緒に悩み考えようとする「人の関わり」が、地域、外部共に必要であると切に思います。

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RSY・愛知県の大雨への対応(第2報)

みなさま

RSY事務局です。

RSYは2日からの線状降水帯による大雨で被害のあった愛知県内の被災地へ栗田・浦野を派遣し、情報収集を行いました。以下、報告です。

※私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成のご協力を頂いています。

1.豊橋市

今回、市内在住のRSY会員・Oさんのご協力のもと市内を巡回した結果、下条西町や牛川町の豊川流域で床上40~50㎝の浸水被害を確認しました。このエリアは霞堤(かすみてい)のため、昔から浸水リスクが高く、それを知る旧住民や、親から町の歴史を受け継いで家を建てた方々は、盛り土でかさ上げするなどの水防対策を講じていました。しかし今回はそれを上回る程の水の深さで、道路からの浸水深は1mを超えています。

市の公式発表では「南松山町124(床下浸水)、他17件」となっていますが、RSYが上記地域を回った感触では、この地域以外にも浸水世帯はあり、いまだ被災世帯の全体数は明確になっていません。

<住民の声>

●ベーカリーを営むSさん(女性・30代)

「1年程前にオープンしたばかりだったから本当にショック。義父から新築するならかさ上げした方がよいと言われ、道路から1m以上かさ上げしたのに、店の入り口から40㎝も水が上がってきました。母屋はギリギリ床下浸水。トータルで140㎝ぐらいの深さになってるかな。店舗の中にも水が入って、オーブンや室外機、家財道具も被災しました。オーブンは今のところ何とか動くようなのでよかった。でも飲食店だから、どの程度の消毒をすればよいか分からなくて、とりあえず次亜塩素酸ナトリウムで作った消毒液を床に流して乾かしています。前の道に水没した車が何台か放置されていてとても困っています。ここでは人も亡くなっているし、これが渋滞の原因になっていて危険なんです。でも持ち主の確認がないと勝手に動かせないみたいで、市に連絡しても「手順がある」と。1日も早く営業を再開させたくてどうしたらよいか市にも相談したいのだけど、こちらから連絡しなければ何も動いてもらえない。うちの近くの人の方がもっとひどく浸水しているようなので、見に行ってあげて欲しいです。」

●息子と車中泊をするMさん(60代・男性)

「うちはこの辺りでも一番低い。地面から1mぐらいは水に浸かってて、床上は40~50㎝程ぐらい。2階は物置になっているから、生活は1階で全て賄ってきたけど、電化製品はほとんどダメになった。トイレやふろも使えない。仕方ないからトイレはコンビニで済ませて、夜は息子と各自の車で車中泊しているんだよ。眠れないし風呂にも入れてない。ボランティアに来てもらいたい気持ちがあるけど、大切なものとそうでないものとの仕分けもできていない状態で頼めない。土砂の片づけとは違うんだ。周囲から色々助言をもらうけど、そんなに簡単に早く決断したり頼んだりできないよ。片づけしなくちゃと分かっているけど、家の中を見るとどうしようもない状態でうんざり。とにかく作業が全然はかどらないんだ。遠方に住む娘が写真だけは撮れというので自分なりにとったけど、正しく撮れているのかも分からない。市役所に問い合わせたら、電化製品はリサイクル券を買わないと引き取ってくれないらしい…(途中涙が溢れる。スタッフが背中をさすると)…….もういいから、大丈夫だから、そっとしておいてほしい。(沈黙の後)これだけ沢山のゴミを捨てるのに金がかかるなんて。倉庫のものもほとんど水に浸かってるのに。」(その後市に確認したところ、公営住宅入居に向けて調整を図っていることが確認された)

他にも、会員からの情報では、泥まみれになった道路を地域総出で掃除したり、道路沿いの店舗の中古車屋や喫茶店などが床上浸水しており、「冷蔵庫や資機材全てが水に浸かり、片手に持てるぐらいのものしか使えるものが残っていない」というコメントも聞かれています。

その足で市社協訪問と共に、坂本真由美兵庫県立大学教授(全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD理事))と市災害対策本部を訪問。上記2件の個別ケースを報告すると共に、今後起こり得る課題の確認と、HP等でのこまめな情報発信・更新、水没車の撤去、災害廃棄物への柔軟な対応、災害救助法4号の早期適用(災害救助法の適用が無い場合、受けられる公的支援制度の幅は各段に狭まる)等の緊急性について意見交換をしました。

市は浸水地域を巡回し、罹災証明書申請の手順に関するチラシのポスティングを開始。7日(水)までにさらに地域を特定し、以降は10チーム編成で個別訪問する予定であることがわかりました。

また、豊橋市の避難所は、最大36カ所・111世帯(235名)が避難していましたが、6月2日7:30の時点では22世帯・40名、6月3日20:00をもって閉所となりました。災害ボランティアセンターは、今週中旬立ち上げを目途に市と社協で協議が進められています。

2.豊川市

豊川と並行して流れる豊川放水路流域で被害が見られています。市からの公式発表では、「床上浸水24棟、床下浸水不明、倒壊1棟」で、被害は市内に点在しています。

RSYは、常務理事・浦野の前職同僚からの情報提供を通じて、有料老人ホーム「光楽苑」を訪問。事務室、利用者個室他、床上10~20㎝程度の浸水被害に遭うも、法人職員60名体制で懸命な復旧作業に当たられていました。

<施設長の声>

「水害発生当日2日18:00頃から浸水がはじまりました。この施設は平屋の為、ご利用者様43名を施設長含め4~5人の男性職員らがおぶって、腰まで水につかりながら、隣接する2階建ての施設へ搬送し全員無事でした。中にはパニックになるご利用者様もいましたが、信頼関係のある職員からの声かけを重ねると、気持ちが落ち着きました。年2回、防災訓練でシミュレーションしていたのが功を奏したのだと思います。その後ベッドマットや車椅子、薬も運び入れ、簡易ベッド等も系列の施設等からかき集めることができたので、全員床に寝かせるなどは防げました。直後は断水・停電し、非常灯で過ごしましたが、日ごろから備蓄食料も水に浸からない場所に保管していたことが幸いしました。一部の方は法人内の受け入れ可能施設に連絡し移送しましたが、施設の復旧が思いのほか早く進んだので早く戻ってきてもらえそうです。ありがたいことに法人内で何とか対応できたので、今のところボランティア等の支援は必要ないかと思います。」

 

一方、豊川市社協は通常のボランティアセンターの活動として、被災者からのニーズ募集、ボランティア募集(市内限定)を行っています。また、豊川災害ボランティアコーディネーターの会の河合会長とお会いし、「社協と連携してボランティアセンターのチラシを持参しながら地域を回り、ニーズキャッチに務めたい」という言葉をお聞きしました。これまで10年来、「何かあった時には近隣市町で助け合おう!」と、あたためてきた三遠南信で活動するボランティア団体同士のつながり。その輪に入っている名古屋のボランティアも必要に応じ応援可能の旨をお伝えしました。現在はなごや防災ボラネットと連絡を取り合いながら、今後の対応について相談されています。RSYからは、震つな冊子「水害にあったときに」をお届けしました。

3.岡崎市

6月3日より「岡崎市災害ボランティア支援センター」が開設され、現在までに22件のニーズ対応に当たっています。当面はボランティアは公募せず、市社協の登録ボランティア200名に声をかけ対応する予定。支援センターの広報チラシを持参し、ボランティアが被災エリアを個別訪問しながらニーズキャッチも行っています。

市の公式発表では、床上浸水6棟、床下浸水50棟(保母町・丸山町に集中)とされていますが、ボラセンスタッフによれば、床上は十数件、床下もそれ以上あると見込んでいるとのこと。

RSYは市からの要請で「水害にあったときに」等を提供すると共に、ボランティア活動資器材の要請も頂いたため、本日(6月5日)ハイエースでRSY事務局長・浜田と秀島がお届けする予定です。

4.RSY今後の活動について

RSYは、栗田を中心に、防災のための愛知県ボランティア連絡会と随時情報を共有しつつ、災害ボランティアセンターの運営サポートをはじめ、資器材貸出や個別支援への対応など、愛知のネットワークや技術系NPOの皆さんとの連携をふまえ検討していきます。

浦野は、なごや防災ボラネットメンバーらと共に、石川県珠洲市への支援継続のため本日出発しました。

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RSY石川県珠洲市への支援について(第6報)

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。

RSYは、5月5日に震度6強の揺れを観測した石川県珠洲市へ支援を継続しています。5月23日(火)~26日(金)にかけて第3陣として、浦野・林・松井・稲垣(RSY)、椿さん、山口さん(なごや防災ボラネット)の6名を派遣しました。第4陣は、明日、5月29日(月)~6月1日(木)までで4名の派遣予定です。

以下、常務理事・浦野から第3陣の活動報告です。

※私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成のご協力を頂いています。

<RSYの活動>

1.これまでの派遣実績

・第1陣:5月7日(日)~5月11日(木)/浦野・松井(RSY)

・第2陣:5月15日(月)~5月19日(金)/浦野・栗田(16日のみ)・稲垣(RSY)

・第3陣:5月23日(月)~26日(金)/浦野・林・松井・稲垣(RSY)、椿・山口さん(なごや防災ボラネット)

 

2.活動内容

①珠洲市災害VCへの協力

・現在までに災害VCに寄せられたニーズ件数は450件超。うち半数以上は屋根のブルーシート案件で、ピースボート災害支援センター(PBV)コーディネートのもと、複数の団体が毎日活動しています。

・RSYは市社協からの要請を受け、なごや防災ボラネットと共に、市から提供されたニーズ受付票に基いた現地調査に協力。また、ニーズの上がりが少ない「直(ただ)地区」にローラー作戦でボラセンのチラシのお届けと状況把握を行っています。

・直地区は、被害の集中する正院地区に隣接しており、約150世帯で構成。3日間活動し、訪問件数95件、在宅42件、不在42件、空き家11件でした。

<住民の声>

・一部土台が割れたり壁に隙間が空いたりしている。玄関のサッシが歪んで鍵がかからないの。大工さんに依頼はしているけど、いつ来るか分からない。夫は週3回デイサービスに通っていて、サービスはいつも通り受けられているし、今の生活は震災前とあまり変わらないでです。罹災証明書は知り合いに記入してもらったけど、写真撮影や現像、間取り図が書けないのでまだ申請できていない。(提出を促すと)すぐに市役所に連絡してみる。(82歳・男性・妻と同居)

・2階の壁が1枚割れて、壁の隙間が目立つ。私は4年前から目が見えなくなって、デイサービスを利用中。今の生活は震災前とあまり変わってない。罹災証明書はまだ出していない。(提出を促すと)私は目が不自由なので、妻(80代)に市役所へ電話させます。(88歳・男性)

・家全体が海の方に傾いているんです。壁にはひびが沢山入っているし、廊下の板がずれ、土台にひびも入ってる。罹災証明書なんて知らない。金曜日に息子が来るから相談してみます。でも、余震や雨が続いたらこの家はどうなってしまうの?何から手を付けていいのやら分かりません。(84歳・女性)

・1、2階共に壁のひびや剥がれがあって、2階は地震の後から全く手を付けずにそのままです。足が悪くて急な階段は上れないし、家族も「見るな」って。片づけの時に出たゴミが10袋ぐらいあるけど、自分たちで集積所まで持っていけないから、玄関に並べたまんま。どうしたらいい?自宅は黄紙(要注意)、土蔵は赤紙(危険)でした。風呂、トイレ、洗面所は問題ないけど、土蔵が倒れそうで。。罹災証明書は申請しました。(83歳・男性)

・家が海に向かって傾いていて、壁に無数のひびが入っているんです。玄関の壁は落ちたけど、また余震があるかも知れないから修繕は見送ってます。罹災証明書は知っているけどまだ申請していません。お金がないので、修繕ができるか不安です。(60代・男性・一人暮らし)

・息子から「知らない人は入れるな」って言われてるけど、家の様子を見て欲しいの。壁のひびや落下が目につくでしょう?トイレは使えるけどタイルがはがれて危ないのよ。無防備な状態で崩れてきたらと思うと怖い。(80代・女性)

・一人で少しずつ片づけてます。また揺れることもあるかも知れないから、ゆっくり1年ぐらいかけて片づけるつもりで。家は黄紙判定でした。罹災証明書は申し込みました。(70代・女性・一人暮らし)

②珠洲市民生委員児童委員協議会(民児協)への協力

珠洲市社協からの要請で、5月16日に開催された珠洲市民児協理事会(市社協事務局)に緊急同席。RSY代表理事・栗田より、避難生活の長期化による災害関連死や心身の深刻な健康被害に関する懸念と共に、災害ボランティア支援プロジェクト会議(支援P)の取り組みとして、被災者へのお見舞い品「うるうるパック」を活用した個別訪問や見守り事例を紹介しました。結果、10地区での活用が決定。RSYは、事業担当スタッフの林を中心に、荷物受け入れ場所の確保、各地区の民生会長への数と受け渡し方法の確認、荷物の運搬、訪問時の同行を行いました。

 

今回パック化作業にご協力を頂いたボランティアの皆様、地元民生委員さんを通じて、無事に被災された方々のお手元に届けることができました。本当にありがとうございました。

<住民の声(正院町)>

・ちょうど地震の時、離れにいたの。電気のヒューズが飛んでしまっのか3日間停電・断水しました。懐中電灯があってよかった。トイレも使えないから、夜中でも行きたくなったら車で近くのコンビニまで走ってしのぎました。でもなぜか母屋は停電していなかったみたいで、あの時から今(26日現在)もずっと2階の電気がつきっぱなしになってるの。それが気になってねぇ。でも階段も落ちちゃったから上がりようがないの。地震の揺れでずたずたに割かれた障子の隙間から漏れる明かりを見てると寂しい気持ちになってね。子どもが設備屋なので仮にトイレは直してもらったけど、壁は落ちてるしゆっくりは用も足せません。(80代・女性・一人暮らし)

・(民生委員より「一人暮らしだと分かっていたから、揺れが収まってからすぐに駆け付けたけど足の踏み場もなかった。何とか中に入ったけど不在だと分かって。あとから公民館に避難したと聞いてホッとしたのよ」)そうそう。そうだった。なんだかなんにも覚えてないのよね。今も怖いからずっとこたつで寝てるの。30年前の地震より傷み方がひどいと思う。壁が落ちて片づけるのに10袋もゴミが出た。土蔵が倒壊しそうで怖いです。(80代・女性・一人暮らし)

・玄関前や基礎に無数の亀裂が入っているの、分かるでしょ?家に上がってぜひ見て行って。私のところはなぜか応急危険度判定の紙がついてないの。両脇のお家にはついているのに。こんなにひどい被害なのになんだか置き去りにされたようでとても憤っています。とにかく雨漏りがひどかったから、漬物樽を3つぐらい置いて。一杯になる前に水を捨てるという作業を3日3晩繰り返しました。直後はじーちゃんとずっと震えてた。うちは海辺に立ってるから、海風の影響をもろに受ける。台風も直撃するし災害には散々泣かされてきました。雨漏りと建具については、大工さんが応急処置をしてくれました。天理教・ひのきしん隊の人もブルーシートをかけてくれた。こんなひどい状況なのに、夫は「どこにも行きたくない」の一点ばり。だから泣く泣く娘の「うちにおいで」という申し出も断りました。お金があれば、家をつぶして建て直すけど、そんなお金ないし、これからどうすればいいの?(こらえきれず涙が溢れる)それに、だんだん家が傾いてきているから、隣の空き家に倒れかけたら迷惑をかけることになる。それが気に病んでしかたない。罹災証明書は議員さんに協力してもらって提出しましたが、調査はまだ来てません。でもこんな風に聞いてもらえてよかった。現実を誰かに見てもらえるだけでも助けられた気持ちになる。ありがとうね。(80代・女性・夫と2人暮らし)

・基礎はズタズタ、家もぐちゃぐちゃ。雨漏りもあるし、スロープも壊れて車いすの母(93歳)はショートステイに預けています。夫は疲れが出たのか帯状疱疹になりました。直後は断水でトイレも使えなかったので、公民館に1日、その後小学校に3~4日滞在しました。小学校では体育用のマットを貸してもらっていましたが、その後ダインボールのベッドをもらえたのでありがたかった。中学生の孫は揺れのショックから、避難所でも顔色が悪く物静かになって。怖かったんだろうと思います。今は大分元気になりました。でもこんな風にお話するだけで気持ちって変わるんですね。民生委員さんにもいつも気にかけてもらって心丈夫です。(80代・女性・家族と同居)

・じーちゃんさっき、畑で転んじゃって。疲れてるのかね。不思議なんだけど地震で障子紙が全部縦に割かれちゃったの。震災前はこんな風になってなかったのよ。今お風呂のタイルがひび割れちゃって、シャワーだけで済ませてる。怖くて使えないよ。大工さんに頼んでるけどいつになるやらわからない。あちこち壁が落ちて、どこまで直せるのやら。このままの状態で住み続けるしかないのかねぇ。(80代・女性・夫と同居)

※注意)掲載写真は必ずしも住民の声と連動している訳ではありません。

<民生委員からのコメント>

●自分の家が他と比べてどの程度の被害なのか分からず、「うちだけなのだろうか….」という取り残され感が強い。
●2階の階段が落下したり、もともと急すぎて上がれない、普段使っていないから、などの理由で2階の部屋は手つかず、見にも行けないの世帯が少なくない。心の苛立ちや先の見通しのつかない不安感を、畑や田んぼの仕事で紛らわしているように見える。
●「しゃべるだけで気持ちがすっきりする」という声多数。「話を聴き、安心させてあげられる人」が必要。
●災害による家族機能の低下(高齢夫婦で妻が体調不良となり夫が家事するケースなど)や浴槽破損世帯については、食事と入浴の支援の継続が必要なのではないか。
●応急修理でどこまで直せるか、解体しなければならないのか、災害廃棄物はいつまで捨てられるのか、正確な情報や手続きの仕方もよく分からないので、説明しきれないことがもどかしい。

総じて、心の内を聞いてくれたり、大変な状況へ共感してくれる人の存在が心の支えになっている。また、手続きが自分でできないケースもあり、自分は代行支援をしているが、他の地区にも同様の困りごとがあると思う。

③市主催「今後の保健福祉活動に関する会議」への出席

5月24日(水)、健康増進センターからの呼びかけで「能登半島沖地震による珠洲市の今後の保健福祉活動について」と題した会議が開催され、市福祉課、能登北部保所、県精神保健福祉士(PSW)協会、RSYに招集がかかりました。当方への期待は、「過去の災害支援経験からこれからのフェーズで生じる課題と対応事例を教えて欲しい」というものです。その際に全体で協議された内容は以下の通りです。

課題1:罹災証明書の早期申請
災害VCの現地調査やローラー作戦、保健師、民生委員等による個別訪問が実施されていますが、未申請世帯が少なくないことが判明しています。理由は、

・罹災証明書の存在を知らない
・申請に必要な書類を取り寄せられない(役所に取りに行くかダウンロード)
・自分の家の被害が申請対象になるのか分からない
・申請後のメリットが分からないので意識が向かない
・申請書類を全て準備できない(写真撮影・現像・家の見取り図の添付必要)
・市役所への移動手段がない、疲れてそれどころじゃない
・一連のことを頼める家族や身近な人がいない
・一連のことが良く分からず既に修繕や片づけを済ませてしまった

課題2:家の修繕
・保険加入の有無(地震、共済、家財等)
・応急修理制度の申請・活用
・リバースモーゲージ型融資等の活用等
・制度内で修繕が済まない困窮世帯への対応(民間による支援がどこまでできるか)
→罹災証明書申請後の次のステップとなるが、罹災証明書の申請時に一気に説明しても理解できないと思うので、連続的な伴走支援が必要。

課題3:時差によっておこるボランティアニーズへの対応
・ボランティアの確保、災害廃棄物廃棄の期限延長等
→家族への遠慮や気兼ね、2階に上れない(階段の破損、高齢による足腰の問題、余震時の恐怖感など)で、2階部分が手つかずになっている世帯が一部あり。また、空き家が多く全く手つかず、公費解体が認められた場合など、時差でニーズが急増する可能性が高い。

課題4:仮設住宅、公営住宅入居者への生活支援
・入居サポート、地域支え合いセンターの設置(未定)
→市は16戸(3か所に分散)の建設を検討中。普段大きな家に住んでいるため、物理的環境に問題が多い仮設での生活には、環境改善や見守り等の継続支援が必須。支え合いセンターは在宅避難者も対象になるため、市は国の「被災者見守り・相談支援等事業」適応を目指して検討を始めている。仮設の完成は6月中旬の見込み。

課題5:孤立防止、心身の健康確認、居場所づくりなどの継続
→地元の保健師や社協、自治会、民生委員、ボランティア等による活動を期待。

以上の点を含め、明日からの派遣では、引き続きローラー作戦を継続すると共に、災証明書の早期申請を重点課題とし、相談会や個別訪問による伴走支援の体制づくりに向けた市への相談・運用サポートを行っていきたいと思います。

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