RSY石川県珠洲市への支援について(第1報)

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。

5日に能登半島沖で発生した地震について、犠牲となられた方と共に、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。

RSYは昨日から、震度6強の地震に見舞われた石川県珠洲市へ、常務理事・浦野の他、スタッフ1名を派遣しています。以下、浦野からの報告です。

※私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成のご協力を頂いています。

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(被害状況/珠洲市)石川県発表(5月8日現在)

死者1名、負傷者32名、全壊7、半壊9,一部損壊336

避難所10カ所(滞在者0人)

8日の時点で断水は解消

災害救助法:珠洲市、輪島市、能登町に適用

応急危険度判定:「危険」51棟、「要注意」81棟(5月8日北國新聞)

(現地での活動の様子)

2007年3月21日に発生した能登半島地震の支援で関わりが深まった、穴水町社会福祉協議会(以下、社協)のHさんと、穴水町ボランティア連絡協議会代表のTさんと共に珠洲市社協を訪問し、現状や災害ボランティアセンター立ち上げに関する今後の課題等を共有させて頂きました。

能登地方には、2市・2町の社協からなる「能登北部ボランティア部会」が形成されており、代表理事・栗田は、部会が開催する研修会などに講師として招かれた経緯もあります。能登北部地方は、金沢市内から車で2~3時間程度かかるということもあり、何かあった時は近隣市町で助け合っていこうという連携の土壌も育っている地域です。

打合せの後、穴水町社協の方々と共に、被害が集中していた正院小学校、直公民館、山間地域の日置公民館等の避難所を訪問しました。7日から降った大雨が8日朝には上がったため、ほとんどの方が自宅に戻って復旧作業に当たっているそうです。日中は一人も避難者の姿はありませんでした。

市には、「保健医療福祉調整本部」が設置され、それぞれの専門職が避難所のアセスメント調査を行い、早い段階で環境改善を進めていました。また、在宅避難をしている一人暮らし高齢者、高齢者世帯、障がい者世帯を優先に、保健師と看護師がチームを編成し、個別訪問によるアセスメント調査も始まっています。

本日より浦野もこの活動に参加させて頂き、要配慮者の生活課題の早期発見、早期対応に向けて今後必要となる生活支援プログラムについて地元の方々と検討していく予定です。

現地には、震災がつなぐ全国ネットワークの加盟団体である、レスキューアシストや、ピースボート災害支援センターなどが既に活動を始めているため、随時情報交換を重ねながら、災害関連死や健康被害防止に向けて効果的に動けるよう連携していきます。

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RSY活動支援募金にご協力ください!
(随時受付中)
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この支援金は、スタッフの現地派遣や情報発信、被災者への生活支援プログラ
ムのために活用致します。<銀行振込>
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【報告】2022年度RSY被災者支援活動報告会が終了しました!

みなさま

RSY事務局です。

3月8日(水)に開催した、2022年度の被災地支援に関する報告会が無事に終了しました。当日は、リアル&オンライン合わせて約40名の方が参加。2022年度にRSYが関わらせて頂いた、石川県小松市(9月~3月派遣)、静岡市清水区(10月~3月派遣)、佐賀県武雄市(年間5回派遣)の3か所での活動をリレートーク形式で繋ぎ、それぞれ参加したボランティアの方々から、活動の様子をお話頂きました。報告の中で見えてきた新たな課題もふまえ、RSYは今後も被災者支援を継続していきます。

以下、概要です。

1.RSY代表理事・栗田暢之挨拶

相次ぐ災害で本法人が現場に赴き、被災者の現状をお届けすることができているのは、日ごろ応援して下さる皆様のご支援の賜物であると深く感謝申し上げたい。

RSYは被災者支援において、「すぐにいく」「傍にいて丁寧に関わる」「ながく関わる」をモットーとしてきた。コロナ禍で「すぐにいく」ことは厳しくなったが、「丁寧に関わる」という点については従来の姿勢を継承してきた。しかし同時に、長い復興の中では、一部しか関われていないというジレンマも抱えている。

このような状況の中、阪神・淡路大震災からの支援仲間で、武雄市の(一社)おもやい代表・鈴木氏からは、「RSYから派遣されるボランティアの女性たちは、到着早々カバンを置いて「様子を見に行ってくる!」と被災者のもとに出かけていく。その姿はとてもパワフル。たまに来てくれる人だからこそ気づける変化があり、助かっている」という言葉も頂いている。皆様との協働のおかげでより「丁寧な関わり」が実現できているのではないかと思う。(武雄市は令和元年と3年に被災)

一方で、私達は、名古屋で災害が起こったらどうなるか?どうするか?という命題を突き付けられている。今回の報告会は、この点についても考えを深める機会にしたい。

今回の取り組みは、

RSY会員・関係団体・個人の皆様からのご寄付と共に、
日本財団「令和4年8月大雨被害に関わる支援活動」助成
日本財団「令和4年台風第15号被害に関わる支援活動」助成


生活協同組合連合会アイチョイス様
藤田医科大学様など

からの多大なるご協力のもと、実施することができた。深くお礼を申し上げたい。

2.2023年度・RSY被災者支援の概要(RSY常務理事・浦野)

今年度支援に関わった、石川県小松市・静岡県清水区・佐賀県武雄市では、特に情報が入りにくく、支援が届きにくい山間地や小地域において、避難生活で優先順位の高い「食の確保」と、災害関連死のリスクにさらされやすい「要配慮者ニーズの早期把握」、地元支援団体との「情報共有」、公的支援や水害後の家屋保全に関する分かりやすい「情報提供」、「孤立防止」、被災者の「エンパワーメント」の6つを活動の軸に据え、のべ約120名のボランティアを派遣することができた。また、2015年関東・東北豪雨水害以来、活躍中の「RSY看護チーム」も奮闘し、全ての被災地に1~3名の看護専門職に同行頂くことで、きめの細かいニーズ把握に繋がった。

RSYの生活支援プログラムで定番になりつつある、「あったかごはん食堂」(炊き出し支援の名称)には、碧南防災ボランティア連絡会と連携し、小松市で1,460食(12回)、清水区で260食(全4回)を提供することができた。これらをニーズキャッチのきっかけとしながら、要配慮者世帯の絞り込みと、地元の専門機関につなぐ役割を果たすことができたと思う。また、新たな顔ぶれとして、株式会社デンソー社員の皆様がボランティア休暇を使って参加して下さり大変助かった。

今回は、震つな加盟団体や、建築の専門的な知識のあるRSY団体会員の方々と連携し、微力ながら水害後の家屋保全作業のお手伝いもした。災害頻発と甚大化を前に、RSYもこれらの知識や技術を持つ人材の確保が新たな課題であると認識した。

いずれにしても、早期に様々な切り口を通じて、支援が必要な方を明確に特定することが、あらゆる支援を確実にひとりに繋げる突破口になることをひしひしと感じている。

3.リレートーク

①稲垣早海律さん(RSYボランティア)(小松市)

山間地域で、特に孤立が心配だった中ノ峠町の十数世帯の方々に、「あったかごはん食堂」の炊き出しをお届けする役割を担った。最初は警戒気味だった住民の方々も、足しげく通うにつれて次第に信頼関係を作ることができた。留守宅には手紙を入れて訪問したことを伝えると、手書きのお返事が置いてあったり、様々な形でコミュニケーションが深まることを実感した。この繋がりを通じて、世帯の生活状況が把握できたので、世帯構成&再建進捗リストにまとめ、RSYスタッフを通じ、社会福祉協議会等に報告してもらうことができた。できるだけ同じ人が通えるとよいが、それぞれの都合でボランティア側の顔ぶれが変わることも多いので、引継ぎ方の工夫は今後検討していきたい。

②藤井文香さん(RSY看護ボラ)(小松市)

看護師ボランティアとして、中海町を担当した。当初から住民の方々が主体的に公民館を「救護所」として機能させていたため、人・物・情報の提供が届きやすい環境があり関心した。公民館の一角に健康相談コーナーを設けたり、地域の方から心配な世帯をお聞きして個別訪問する中で、一人暮らしの高齢者や障がいのある方がいる世帯が、周囲に遠慮や気兼ねをして、支援が求められにくい状況があることを知った。その中で特に印象的だったのが、「私の被災は軽かったから公民館に物をもらいに行くのは申し訳ない」という言葉。我慢に我慢を重ね健康状態の悪化が心配されるケースもあった。看護ボラ同士でゆっくりお話を聞きながら、早めの受診や介護保険利用への仲介ができたことに、専門職としての役割を実感した。

③岡田雅美さん(名古屋みどり災害ボランティアネットワーク)(静岡市清水区)

今回お手伝いをした家屋は平屋で、床上20~30㎝の浸水被害があった。母子家庭で寝る場所がないので娘さんとネットカフェを転々とされていた。訪問すると、流し台の下やサッシは泥だらけ。母親は「3日間食欲がわかず食べ物が喉を通らない」と漏らしていたので、一緒にきれいにしようと励ました。「窓ガラスの泥の汚れがなかなか落ちない」という相談については、食器用洗剤を水で薄めた液を作るとよいこと、サッシのレールの細かい汚れは、歯ブラシできれいに取れるなどを伝えた。お隣さんからも「うちも見て欲しい」と声がかかり、近くでちょっとした質問に答えてくれる人がもっと必要だと感じた。また、「ミニ相談会(※)」では、最初雨が降っていて不機嫌そうに会場に来られた方が、帰り際はホットした表情を見せていた。相談会場での食事提供や足湯を通じて、「どうしてよいか分からない時に、分かりやすい説明をしてもらって本当に助かった」という声を多く聞かせて頂いた。

※ミニ相談会:「今後の生活再建に関する無料ミニ相談会」の略。法律や災害後の家屋保全の専門家をお迎えし、公的支援制度やカビ、寒さ対策等についてレクチャー頂いている。また、災害VCや市の担当者も同席し、ボランティアや応急修理制度、生活必需品等の申し込みをその場で出来るワンストップ型支援の場を提供した。会場には、足湯やお食事&カフェコーナーも設置して、心に溜めていた不安や疲れを吐き出し、リラックスして頂けるよう配慮した。RSYは企画・運営を担当。

④伊東ゆかりさん(なごや防災ボラネット)(静岡市清水区)

「ミニ相談会」の会場の一つとなった、清水区の柏尾自治会は、自治会独自で床上・床下浸水を色分けし情報整理をしていた。中には1m以上浸水していた箇所もあり、大変な状況だった。相談会のチラシをお届けしに個別訪問を行ったところ、3人暮らしの世帯と遭遇。水害当時、娘と自分は2階に避難するも妻は介護が必要だったため今は施設に預けているという。相談会にお誘いするも強く遠慮されたが、気になったので翌日再訪問した。すると、庭の泥を娘さんが一人で片づけていたので手伝わせて頂いた。娘さんは「これでとても気が楽になった」と明るい笑顔を見せてくれたので、再度相談会へお誘いした。別の方からは「過去の水害経験からかさ上げしたところに浸水。なかなか買い物にも行けないので缶詰で食べしのいでいた」というお話も聞いた。相談会場での食事提供の際、「私たちなんかもらっていいの?」などの声もあったが、「家族分どうぞ」というと「久しぶりにおいしいものが食べられる」ととても喜んで下さった。今回の活動で個別訪問の重要性が理解できた。最初は、「うちは大丈夫です」とおっしゃっていた方も、翌日再び訪れると大丈夫ではないことが多くあった。一人ひとりのペースに合わせて関わることがいかに大切かを実感した。

⑤加藤都さん(名古屋みなみ災害ボランティアネットワーク)(武雄市)

令和元年・3年と続けて通い続けている。私達の活動窓口としてお世話になっているのが、おもやいさん。武雄に到着するとまずはここに顔をだしてから、住民の方のお宅に伺う。住民の中には、連日の片づけで急に体調を崩す方もいらっしゃったので、看護チームとして対処させて頂いた。毎日顔を出すことで信頼関係ができ、その方の人となりも良く分かってきた。自らも被災しているのに、周囲に気を配りすぎるがあまり気持ちの浮き沈みに悩むEさん、水害後の苛立ちから、他者からの支援をなかなか受け入れられないKさんなどには、「この方が本当に望んでいることは何か」を常に考え、心の内を安心して吐き出せるような関わり方を心掛けた。西九州大学の学生チームとRSYが、復興期の孤立防止と食を通じた健康維持と活力向上を目的に、ご自宅訪問型の「あったかごはん食堂」を開催した。我が家という安心できる場所で調理をしながら学生と楽しく交流したり、写真係や調理係など、それぞれが役割を持ち、ご本人と一緒に場を作ることで、みるみる元気になっていく様子がうかがえた。年に何度か行き来する関係にも、長い生活再建の一部を支える意味があることを実感した。

⑥椿佳代さん(RSYボランティア)(武雄市)

「NPO法人みつわ」のある久津具地区は、水害時に地区の9割が被災。みつわは、在宅避難者の支援拠点として活動していた。RSYは、令和3年から拠点運営を手伝うと共に、2019年台風19号水害で被災した長野市豊野区との交流企画に関わるなどしていた。令和4年2月~3月はコロナ蔓延期で直接現地入りできなかったので、節分や花見の季節にちなんだご当地名古屋のプレゼントお届けして交流を続けた。次の災害に向けた防災プログラムを実施したいという代表の希望を受け、コロナが下火になったと同時に、5月には手作り防災頭巾、7月・10月にはポリ袋で作る非常食「パッククッキング」のワークショップを開催。地区のオリジナルメニューも誕生した。参加者からは「パッククッキングは知っていたけど、いざという時うまく調理できなかった。今回練習できてよかった!」と嬉しいコメントも頂いた。また、みつわと地元の民生委員のコラボで誕生したのが「個人ボックス」。避難後にあったらよかったものを厳選してBOXに入れ、避難先の公民館やみつわに常時置けるよう準備を進めている。地元NPOと一緒に取り組む、考えることで、住民のエンパワーメントを支援していくことがとても重要だと感じた。

4.問題提起(RSY代表理事・栗田暢之)

台風15号で被災した静岡市のケースは、超高齢化社会、地域の希薄化、格差社会などを背景に、自ら助けを求められない、誰に相談すればよいかわからないという現代社会の病に、さらに災害が拍車をかけていく状況が見えた。清水区ではスタッフが、多頭飼育、障がい高齢者の兄弟、母子家庭の深刻なニーズを見つけた。この事例については、緊急性が高かったこともあり、静岡県の危機情報課課長へ報告、その後市の危機管理課に伝達され、保健師を中心に後追い訪問を行ったという報告を受けた。しかし、この事例は氷山の一角とも考えられ、12000世帯の被災に対し、同様に取り残されている方がいないかを早急に確認すべきと伝えた。

その後も県は、市町村に災害ケースマネジメントや、アセスメント調査実施について通知をだしたが、財源、対象者、支援内容を丁寧に説明し伴走する人がいなければ、市単独での対応が難しいようだった。一方で、静岡県弁護士会には、被災者の多くが車中泊やネットカフェで過ごしており、「今日ねる場所」がなく途方に暮れているという切実な相談が寄せられていた。避難所が早々に閉所したことにより、寝床や食事の提供ルートが絶たれたことも原因となっている。

市には、静岡の災害は内水氾濫で「状況が見えにくい被害」ではあるが、個人情報を持っているのは行政。これらの名簿をもとに被災地域を突合し、統一の調査票で個別訪問し、統括する部局が情報をまとめることができるとよいと提案した。その後ほどなくして、市内一斉の個別訪問調査が実施された。しかし、市の関係課が集まる場で、NPOや災害VC等が持っている情報を共有する場の必要性を打診するも統括課が決まらず、実現には至らなかった。

これらの結果から、日常から行政、社協、NPO等と3者連携体制の構築が必須であり、まさに、愛知・名古屋は大丈夫か?と問われていると感じた。RSYとしてもこの課題と真剣に向き合い、皆様と共に取り組みを進めていきたい。

5.バズセッション

皆さんの発表をふまえ、参加者同士で活発な意見交換を行いました。

6.被災地からのメッセージ

★本清美さん(小松市中海町住民)
昨年8月の豪雨以来レスキューストックヤードの皆さんをはじめ、たくさんのボランティアの方々にご尽力頂き、感謝しかありません。なんとか元の生活に戻りつつあります。町内に留まる方、また、去る方と色々な方がいます。今は、少し寂しいです。まだまだ、市、県、国の対応も色々ですが、もっとこれからも住みやすい町内に整備してほしいです。私も、全力でお手伝いさせていただきます。皆さんには、お願いしか出来ません。これからもよろしくお願いします。

★森川昇御さん(清水区天王町自治会会長)
水害が起こった時に、自家用車が全て被災したため、地域の安否確認や関係機関への連絡などが滞り、本当に苦労しました。私の他にも、罹災証明書や各種手続、区役所で弁護士さんの相談会などがあっても、行けずに途方に暮れていた地域の方々も多かったと思います。特に賃貸住宅の人達が、家の修繕や応急修理制度の活用をどのように行ったらよいか分からず困っているのではないかと感じていたため、私たちの地域で「今後の生活再建に関する無料ミニ相談会」を開催して頂きました。相談会というと敷居が高くなるところを、お弁当やおいしい珈琲の提供、足湯などで場を和ませてもらい、久しぶりにゆっくりお話ができた方もいたと思います。地域は大分落ち着きましたが、次の災害に備えて防災対策にはしっかりと取り組んでいきたいと思います。本当にありがとうございました。

★荒川千代美さん(NPO法人みつわ代表)

私は、介護施設の運営をしながらNPOの活動もさせて頂いています。令和元年、令和3年と相次ぐ水害の被害を目の当たりにした時、こんなに大変な地域だったという驚きと、何をしてあげれば良いのか途方に暮れている時に、いち早く駆けつけてくださったのがRSYの方々でした。あらゆる所に、心と物資を運んでくださり、テレビでしか見たことのなかった、災害ボランティアの方々の無償の愛を沢山頂きました。この事で、地域の方々との繋がりを強くして頂いたのも皆さんのお陰です。「悲しみは共有して小さく。逆に喜びは共有して大きく。手を携えて前に進む」という教訓を、RSY の方々から教えて頂きました。お陰様で、災害は不幸な事でしたかも知れませんが、より地域との心の結びつきを強くするためのきっかけになったと思います。ありがとうございました。これからも、アドバイスをよろしくお願い申し上げます。

★鈴木隆太さん(一般社団法人おもやい代表)

令和元年、3年と2度にわたる豪雨災害により被災をした佐賀県武雄市へ、たくさんのご支援をくださり本当にありがとうございました。RSYのスタッフの皆様、また看護専門の方や、さらにはこれまでRSYの活動を共にされて来られたボランティアの方々のパワーとお心遣いにはスタッフ一同、本当に感謝しております。被災された方々と向き合われる姿勢は、RSYがこれまで関わってこられた被災地での取り組みから積み重ねてこられたものであると同時に、またRSYの信念を強く感じます。そうした信念のもと、愛知県内の多くの方々と連携をしっかりと作られているその姿は私たちも学ばなければいけない、多くのことを教えてくださっております。短い期間に二度被災をしたことから、毎年春が来ると「今年の雨は大丈夫か」と、会う人会う人異口同音に言葉にされております。これからのこの地域における安心を作り上げていく仲間として、これからもどうぞよろしくお願いいたします!

RSY・台風15号静岡市清水区への支援について(第2報)

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。

9月23日~24日にかけて発生した台風15号の影響で、静岡県でも大きな被害が出ています。RSYは、かねてから繋がりのあった清水区在住のTさんをカウンターパートとして、同地区を中心に、生活再建に向けたお手伝いを継続しています。清水区は、4,000世帯以上が床上・床下浸水に遭っており、1か月以上が経った今でも、食・住まい・移動手段の整備、要配慮者世帯への対応、家の保全・修繕等に関する課題、過労や心の落ち込み等の課題が山積しています。

そこで、10月8日(土)、9日(日)にかけて、高部地区子ども会、同地区柏尾自治会と連携し、「災害後の生活再建を考える無料ミニ相談会」の企画・運営をサポートしました。相談会は、弁護士や家の修繕・保全に詳しい、企業・NPOの皆さん、地元内外のボランティアの皆さんと一緒に取り組んだことで、住民の方々が、様々な疑問や不安をお話しやすい雰囲気づくりに繋がったように思います。

柏尾自治会では、地元の女性が中心になって事前に相談会の案内チラシをポスティングして下さり、前日も再度チラシ配布にお付き合いくださいました。支援が必要な世帯の情報をよく知っていて、行政や災害ボランティアセンターへのつなぎ役として大きな役割を果たしておられました。このような方々の存在で、私たちも外部からお手伝いをさせて頂くことが可能になりました。

※この取り組みは、日本財団「令和4年台風15号被害に関わる支援活動」助成により実施しております。

<相談会の様子>

2日間で、約60名が参加。最初に、静岡県弁護士会のN先生より、行政から受けられる支援制度についてお話頂きました。2日間で10名を超す弁護士の先生が個別相談に応じて下さいました。

次に、お家の修繕や消毒等の考え方について、(株)FPコーポレーション、風組関東さん、災害対応NPO MFPさんより詳しくアドバイスを頂きました。

全体の質問タイムでは、以下のような困りごとや不安の声が聞かれました。

・応急修理制度の費用はどのように出るのか。振り込まれるのか。
・応急修理の業者は選べるのか。
・罹災証明書は何枚取ればいいのか。
・これからいろいろお金がかかって、来年に持ち越すこともあると思うが、そうなった場合、経理上どうすればいいか。
・壊れた設備を工務店に入れ替えてもらった。まだお金は払っていないのだが。

・消毒用のエタノール缶はどこに保管すればよいか。
・カビの量は浸水後増減を繰り返し、1年3か月くらいで浸水前の量に戻るということだが、1年3か月経った後でも応急修理制度は使えるのか。
・床上30cm浸水してフローリングが波打っている場合に、壁の中の断熱材の交換も含めて壁の張替えの修理費用のイメージがわからない。
・消毒のためにアルコールを使うと具合が悪くなるが、どうすればよいか。
・床下の泥は取って乾燥させたいが、床上の柱などはぞうきんで拭くぐらいでいいか。

相談会というと少し敷居が高いイメージがありますが、会場では、お食事や温かい珈琲、足湯コーナーを設けました。食事をとりにきたついでに、相談会に参加して下さったり、珈琲を飲みながら、ホッと一息ついて、相談内容をボランティアと一緒に考えたり、頑張り続けた心の内を一気に吐き出す方もいらっしゃいました。

帰り際、「開催してくれてありがとう」「悔しくて家で一人で泣いていたけど、頑張ろうと思った、できることからやっていきます」などのコメントも聞かれました。

この取り組みがきっかけとなり、11月3日(祝・木)は庵原地区草ケ谷自治会、11月25日(金)には高部地区天王町・大内新町自治会合同の相談会の開催も予定されており、RSYは引き続き企画・運営のサポートを行います。

<相談会連携・協力団体>

高部地区こども会/高部地区柏尾自治会/静岡県弁護士会/一人ひとりが大事にされる災害復興法をつくる会・NPO法人ワンファミリー仙台・(一社)パーソナルサポートセンター/災害対応NPO MFP/ (株)FPコーポレーション/風組関東/なごや防災ボラネット/碧南防災ボランティア連絡会/被災支援ボランティア団体「おたがいさまプロジェクト 」

また、今回は、同地区や弥生町にて、地元住民の方々や、清水区災害ボランティアセンターから派遣されたボランティアの皆さんと共に、床上浸水家屋の泥かきや掃除のお手伝いもさせて頂きました。

以下、RSYボランティアさんの報告です。

<被災者の声>

・うちは車もバイクも水に浸かってダメになってしまった。道路からも嵩上げしてるし、玄関も嵩をあげてあるけどダメだった。水に浸かった以上畳はあげないといけないから、何とかあげた。臭いもすごいし、初めて経験した。ごはんは、車もバイクもダメになって乗れないから買い物にも行けない。ちょっと離れた所から妹が車に乗ってきてくれると買い物には行けるけど、基本的には家の中の缶詰をあけたりして食べ繋いでいる。いつまでこの状態か心配だけど、みんな一緒だからなんとかやっていくしかないね。

・娘は仕事。水がこんなとこまできたから何にもできん。ばあさんは片付けにも邪魔になるから老人ホームに入って貰ったわ。こんなに嵩上げしてあるのに水がくるなんて思わんかった。大工さんはまだ来れん。

・ちょうど庭の畑を片付けるところだった。家の中の荷物はあげれる物はあげたけど、浸かったものは仕方ない。エアコンの室外機もダメになったのもあるけど、何とか動いてくれるエアコンもあって助かった。庭の畑の泥も土嚢袋に入れて少しずつでも片付けているけど中々大変だから…。土嚢袋も貰えて、こうして、沢山手伝ってもらえて本当にありがとうございました。綺麗になったのを見て少しホッとしてます。

・壊滅状態だよ。どうにもならない。もう、見て。上がって見てよ。何にもできない。ごはんすら食べれない。いったいどうしたらいいのかさっぱりわからない。

・自分の家も浸水被害に遭い、家内はイライラするし、自分もどうして良いか分からず、不安でした。知り合いの災害支援のNPOの方に相談したところ、直ぐ来てくれて、早く手を打った方が良いと言われました。他にもっと大変な処が有るので、そちらを先にと言ったら、まずは貴方の家をとの事で生活できる様にしてくれた。おかげで、自分自身の気持ち・心に余裕と言うか、”ゆとり”ができたんでしょう。他の人の役に立ちたいと思い、このような相談会のお手伝いもさせて頂くことができました。

・今日の相談会には母と来ました。何をどうすれば良いのか。家の中の片付けも手が回らないし・・・。仕事にも行かないといけないので・・・。会社は山の方に有って、会社も大変な事になっていて・・・。今、母は相談に乗って貰っています。

・何をどうして良いのか、不安で、食事も喉を通らず、この3日間食べていない。食べれない。

・昨日、水がきた! 飲み水はまだだけど、水がきたから良かった。(笑顔でとても嬉しそう話してくれる)(10歳の小学生)

・台風で度々の浸水でかさ上げをしていたが今回も床上浸水、あと、もうちょっと高くしてたら良かった…

・ブロック3~4段目迄水がきたので、いつもと違うと思い(1階にいた)父を2階へ、あっという間だった。(両親)高齢だったから、物の片付けは良い機会と思うようにしている。六中の方はもっとひどい、ひどい所を先にしてあげてください。家中はボチボチ片づけます、窓の泥も、また後で洗浄機でやります。これから、どうして行こうか考え中。
・タンスの中身も全て捨てた。(息子が庭にあった物は)全て処分、土を入れて平らにならした所、景色が一変した。

・床上(畳を剝がした)、初めての経験。庭に(畳・家具)置いていたら臭いも凄かった。車もバイクもつかり、買物に行けなくて缶詰類でしのいでいる。(食事の提供)有難い。

・毎日、弁当で食費がかさむ、助成金とかでなく、今使うお金が欲しい。丼は有難い。掃除するタオルも無くなった。今欲しいのは食事とお金、助成金来るまで、どうするの!

<ボランティアのコメント>

●RSYメンバーに加え清水市及び中学生ボランティアの皆さん含め総勢15人以上で役割分担し約6時間清掃作業を実施しました。Oさんご家族がこの状態で何日も過ごしていたことを思うと、少しでも早くキレイな状態にしたいと携わった皆さんがそう感じ、それを目標に作業しました。ただ現実は自分自身が開始直後にイメージしていた6時間後の状態とは乖離があり、思った以上に進まなかったと感じました。床上浸水宅の清掃はホントに大変なんだと。。それでも被災前の状態に一歩近づいたのは確かだし、それがボランティアメンバーの力であることも事実なので、今後も無理のない範囲で被災地支援活動に参加し復旧のお手伝いをして行こうと思いました。(企業ボランティア・Kさん)

●最初に訪問したNさん宅は一人暮らし高齢女性で、床上浸水。声を掛けたら二階から降りてこられ玄関で話しました。「畳は片付けたが床板はそのまま冷蔵庫も使えない。買い物も億劫」とのこと。「床下をそのままにしておくとカビや菌が発生しますよ」と言うと「もう年だからこのままでいい」と言われました。「明日の説明会では炊き出しもあるから食べるだけでもいいから来て下さいね」と声を掛けさせて頂きました。その他2軒も床上浸水、1軒は床下浸水、1軒は嵩上げしていたので無事、2軒は留守。どの家も家族で片付け畳はまだ無いという状況でした。最後に直接チラシをお渡しし、お話をしながら相談会にお誘いしたところ、その方々が会場に来て下さり、帰りには少しホッとされた様子を見ることが出来て、嬉しくなりました。早く被災者の方々が心から笑える日がくることを祈ってます。(なごや防災ボラネット・Yさん)

●特別な坂ではないのに、少し通りを変えると浸水の酷さを痛感。道路脇の木は158cmの自分の肩程まで泥水がかかった様子も残っていました。過去の水害などから嵩上げしてある家屋をも上回る水が押し寄せており、畳上げだけでも自力で行っている家が多かったです。どのお宅も大変な状況なのは変わりない中、「うちは大丈夫だからよそを手伝ってあげて」と隣近所を思いあうことができるのは、常日頃のコミュニケーションができているからだと思いました。(なごや防災ボラネット・Iさん)

●食事が喉を通らない状況に心労がいかに大きかったのか、聞くことしか出来ない 言葉に出来ない自分に歯痒さを感じました。(なごや防災ボラネット・Mさん)

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RSY活動支援募金にご協力ください!
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この支援金は、スタッフの現地派遣や情報発信、被災者への生活支援プログラ
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RSY・8月3日からの大雨への対応について<石川県小松市>(第8報)

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。

RSYは、なごや防災ボラネットや碧南防災ボランティア連絡会の皆さんと協働し、8月3日からの大雨で被災した、石川県小松市中海町・中ノ峠町での活動を継続しています。

これまで、「あったかごはん食堂」と称した炊き出しを通じて、住民の方々の生活状況の把握や、社協や市へのつなぎ役を担いつつ、地域の皆さんとの関係を温めてまいりました。10月20日~21日にかけて実施した6回目の訪問となる今回は、8名のボランティアさんが参加し、住民の方からは「また会えたね!」「ずっと楽しみにしていたよ!」という再会を喜ぶ言葉も聞くことができました。

水害から間もなく3か月。町全体の雰囲気は落ち着きつつありますが、その分、本当に困っている方がより見えにくくなっていく心配もあります。小松市の災害ボランティアセンターは閉所しましたが、家の修繕がまだ完了していない世帯や、健康問題に不安を感じる方もいるため、地域包括支援センターや市長寿介護課の方々が要配慮者宅を個別訪問したり、後から出て来るニーズに関しては、市社協が丁寧に対応されていました。

私たちの活動は、日本財団「令和4年8月大雨被害に関わる支援活動」助成金により実施しています。

 

以下、6陣ボランティアさんのレポートです。

★「あったかごはん食堂」の様子

今回は、これまで会場となっていた中海公民館が修繕のため使えないということで、公民館の世話役となっていたMさん宅の駐車場スペースをお借りし、3名の住民の方と一緒に運営することができました。

メニューは、これまでも被災各地で評判の良かった「やさい一杯の中華丼」。料理長のKさんが、前日に、碧南防災ボランティア連絡会メンバー4人を集めて材料を切って、お肉も炒めて持ち込んでくださったので、八宝菜は炒めるだけで、早くに準備できました。また、りんごは、2019年台風19号水害で被災した豊野区のりんご農家さんよりご寄付頂きました。

Kさんが綿菓子の機械を持ってきてくれたので、何人かに自分で作ってもらいました。ご自身で作られた方が「何年ぶりかしら?」「面白い!」と楽しげでした。メンバーに「巻き方が、上手ですね」と言われて喜んでいらっしゃいました。

ひとりで取りに来られない方については、活動に参加して下さった、地域包括支援センターの方が届けて下さり、生活状況や健康チェックなどのきっかけにもなったようです。また、被害のひどかった中ノ峠町や赤穂温泉にも約20食お届けしました。

会場には、足湯&カフェコーナーも設置。11月3日~4日に予定している次回7陣は、皆さんからのリクエストにお答えして、「豚汁とキノコの炊き込みご飯」に決まりました!

★住民の声

・うちは平屋なの。今までも強い雨が降ると早めに避難をしていたので、今回も降り方がおかしかったから、早めに避難したから、恐い思いはしなかったです。でも、避難のときに、お隣にも声をかけたんだけど、まだいいと言われて。。。お隣は、2階に避難して難を逃れたけど、車は水没してしまったと言ってました。(70代・女性)

・床上1 mのところまで水が来て大変だった。加賀友禅の高い着物をそのために捨ててしまったの。こんなことになるなら、娘や孫に渡しておけばよかった。それが後悔の種です(70代・女性)

・キノコ(しばたけ)を取りにいって、販売所に持って行こうとおもったんだけど、水害で計量器がながれちゃったことに気づいて、今日買い行ってきたの。使う時にないものがに気づくから、毎回大変。でも、家の修繕は12月ぐらいには目途が立ちそう。今、知り合いの家を借りてるんだけど、自分の家に帰れるのは嬉しい。(70代・女性)

★ボランティアの声

・2日間と短い時間では有りましたが貴重な経験が出来、少しでしたがお手伝いなったなら参加させて頂き良かったと思っています。昨日のビラ配りでは、「食堂を待っていましたよ、ありがとう」と言って下さる方も多く見えましたので嬉しく思いました。その反面で家の復旧が進まないとか、まだ台所が使えないとか、もう寒い時期に入るから心配と聞くと返す言葉も見つからず、そうですねとうなずくしかなく…本当に、被災された方と向き合うのは難しいなと感じました。東北震災以降のボランティアやコーディネータの経験は有りましたが、今回、改めて喜んでもらえることは何かを考える貴重な体験になりました。(ボランティアFさん)

・中ノ峠町の入り口にある物産店が再開したそうです。住民の女性3人が運営していました。岩魚のプールが被災して困っていたものの、水は別の水源から運べるようになったそうです。レストランもオープンして、外のテラス席に二組のお客さんがいました。集落真ん中あたりの流出した橋の周辺で、復旧作業が行われていました。川の向こうに住む住民の方によれば、橋がかからないと車が入れず除雪に支障があるとのこと。集落の一番奥に、新しいスピーカーや黄色灯も設置されており、復旧の様子がうかがえました。ただ、側溝は泥が9割ほど詰まっていたため、また大雨が降った時に心配だなと思いました。(ボランティアIさん)

※この活動は日本財団からの助成金、生活共同組合連合会アイチョイス様からの寄付金により実施しています。

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RSY活動支援募金にご協力ください!
(随時受付中)
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この支援金は、スタッフの現地派遣や情報発信、被災者への生活支援プログラ
ムのために活用致します。<銀行振込>
三菱UFJ銀行 本山支店 普通3505681
特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※「カツドウキフ 寄付者のお名前(カタカナ)」とご入力ください。
<郵便振替>
00800-3-126026

 

令和元年東日本台風(台風19号)から3年~長野市豊野区住民の声~

みなさま
お世話になります。RSY事務局です。
2019年10月13日、千曲川の堤防が決壊し、甚大な被害をもたらした台風19号
の発生から、昨日で丸3年が経ちました。
RSYは、当初、千曲川の支流・浅川の越水で、2m以上の浸水被害を受けた、長
野市豊野区に活動拠点を置き、自主避難所の運営や炊き出しの提供を行ってき
ました。その後も、地元の皆さんと共に、地域支援拠点「まちの縁側ぬくぬく
亭」の立ち上や、自主避難所から応急仮設・みなし仮設に転居された方々の訪
問活動に関わり、現在も交流を続けています。
ここでお世話になった長野の皆さんは、私たちと共に、佐賀県武雄市や石川県
小松市にも足を運び、被災者同士の学びと交流の機会にお力添えを頂くと共
に、被災された方々の痛みに向き合い、温かく励まし続けて下さっています。
現在、長野市災害ボランティア委員会は、「ぬくぬく珈琲」を開発・販売中。
売り上げの一部は、令和3年8月豪雨水害で被災した、佐賀県武雄市久津具地区
で、地域支援拠点「地域共生カフェ笑美屋」を運営する、NPO法人みつわに寄
付されます。全国各地から購入できますので、添付のチラシをご覧の上、ぜひ
ご協力ください。RSYスタッフ一押しの、本当においしい珈琲です!
そして私たちは、これらの活動を通じて、被災された方々の生活の変化や心情
に触れる機会を数多く頂きました。以下は、水害から3年を迎えた住民の方の
生の声です。暮らしの変化に翻弄されながらも、ご自身なりの折り合いを付け
ながら、懸命に日々を積み重ねてきた、それぞれの「今」に、少しでも触れて
頂ければと思います。
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70代・男性
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あれから3年が経ったけど、水害前と比べると空き地が多くなったなぁ。持ち
主の経済的事情が大きいよね。中には解体業者の廃棄物の集積所として使われ
ているところもあってさ。昔の風景と比べるとやっぱり変わってしまったと思
う。豊野区は、浅川沿いで一番低い土地にある地域。昨年、一昨年の大雨で川
が溢れそうになって、ギリギリ難を逃れたんだ。抜本的な治水対策が取られな
ければ、住民は安心して住めないよ。水害後の健康面でのダメージをそのまま
引きずってる人もいる。コロナの影響も重なって、以前のような地域の活気が
戻ってこないんだよね。それは見た目には分からないだろうけど、本当の復興
まではまだ時間がかかると感じているよ。
でも、地域の女性たちやボランティアの皆さんが、ぬくぬく亭の運営や、災害
公営住宅に住む人達への見守りなど、積極的にやっている。福祉のまちづくり
に向けて、とても心強い存在だと感じてるよ。
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80代・女性
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水害の後、すぐにボランティアさんが助けてくれて、そのおかげで、今ほぼ前
と同じ暮らしに戻れたと感じています。私のところはね、この通りで一番最初
にリフォームが終わったの。早く治って心底ほっとした。しばらくは親戚の家
にお世話になっていたけど、気を使って1日いられなかったのね。だから毎日
水が浸からなかった2階に戻って、一人で心を落ち着かせてた。そんな時で
も、ボランティアの人が声をかけてくれてね。あの時もらった名刺は、今も大
事にとってあって、時々寂しくなると眺めてる。ボランティアさんのことを忘
れたことはないです。
身体の方はね、泥を出した時に痛めた腰が完全に治らなくてうまく歩くことが
できないの。でも、ずっと続けてきた三味線のお稽古には行っているのよ。11
月に発表会があるの。水害後初めての参加。とても楽しみ。頑張ってきます。
———————
80代・男性
———————
実はさ、今日葬儀屋に行ってきたんだ。ひとり暮らしだし、兄弟は近くにいる
けど、そんなに頼っちゃ申し訳ないだろ?俺に何かあった時、周りに迷惑をか
けないようにと思って、どんなもんか行ってみたのさ。水害から1~2年の頃が
一番きつかったね。家や土地、これから住む場所をどうしようかと考えれば考
えるほど途方に暮れて。頭が痛くなっちまう程悩んだ。結局豊野から大分離れ
たみなし仮設に入ったけど(現在仮設住宅は全て解消・そのまま契約継続して
居住中)、豊野に戻ってまた家を建てたいって気持ちもあってね。銀行にも相
談に行ったし、どうしても諦められなかったんだ。
もう81歳。新築しても、あと何年住めるのかって。そう考えると、ここでスト
レス抱えているよりも、気持ちを切り替えて、これからの人生を楽しむことに
時間を使った方いいと思ったんだ。3年経った今、ようやくここでの生活も落
ち着いてきた。近所の人や福祉の人もよく様子を見に来てくれるし、買い物や
病院も不便なく生活できてる。可能な限りここに住んで、どうにもならなくな
ったら施設に入り、最後は葬儀屋のお世話になる。そんな見通しが持てたら、
変に落ち着いちゃって、すごく気持ちが楽になったんだ。
この間自主避難所で一緒だった人が電話をくれて、「今度一緒に釣りにでもい
こうや」って誘ってくれた。こうやって気にかけてくれる人もいるんだもの。
小さな楽しみを重ねながら、穏やかに過ごしていきたいなって思っているよ。
———————
70代・女性
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今日は、水害から3年ということで、集いの会が催されたので参加しました。
もう3年なのか・・・まだ3年なのか・・・。被災前と変わったものを私なりに
挙げるとすると、「環境」「人の気持ち」「人の関係」「経済」「景色」かな
って思う。努力はするけど、これらが戻ることはないんだなぁって。だからこ
そ、新しく作る努力をしてもいいかなって思うんです。
リフォームで何百万円という借金を背負った人や、地価が暴落して経済的にも
厳しい状況の人もいる。災害公営住宅は高齢者や困窮世帯が多いので、身近
に生活を支える誰かがいなければ、立ち行かない人もいる。やむを得ず地区か
ら去った人の中には、「故郷を捨てたと思われているんじゃないか」という後
ろめたさで気軽に立ち寄れなくなった人もいて。見えない壁ができちゃったん
だよね。「そんなことないよ、いつでも戻ってきていいんだよ」って言ってる
んだけど気兼ねしちゃってね。だから、花壇や農園を作ったり、ぬくぬく亭の
運営にも力を入れてきたの。この壁を突破するきっかけになればと思って。他
にいい方法があるなら、他の地域の事例をもっと学びたいと思う。
私は、治水対策も重要な課題だと分かっているけど、それ以上に、水害がきっ
かけで、人のつながりが切れて孤独化していくことが一番の問題だと思って
る。だから、心配な人の所には、地域支え合いセンターの方と訪問したり、個
人的にも度々おかずを持っていったりしているの。今やっている地域活動も、
「孤立を防ぐ」っていうその一点のみ。様々な活動の場を通じて、色んな人の
目が交わることで、それができるんじゃないかって思うの。
地域支え合いセンターは1年延長されたけど、その後はどうなるかはっきりし
ていない。せっかくつながった人の関わりや信頼関係を、次はだれが引きつい
でいくのか、みんなで考えなければと思います。

RSY・8月3日からの大雨への対応について(第5報)

みなさま

RSY事務局です。

RSYは小松市社会福祉協議会および、自治会長らからの要請を受け、8月29日から、毎週小松市に通い、中海町・中ノ峠町で、「あったかごはん食堂」の開催や、足湯&サロン、看護師による健康相談等を行っています。

また、同地区で活動されている、被災地NGO恊働センター、コミサポひろしま、チームふじさん、支援Pの方々とも適宜情報交換を行い、活動サポートを頂いております。

また、私たちの活動は、日本財団「令和4年8月大雨被害に関わる支援活動」助成金により実施しています。

今回は台風の影響が心配されましたが、進路や現地の気象状況、地元の意向を確認したところ、移動・活動に問題ないと判断し、第2陣(9月5日~7日)として、RSY浦野と9名のボランティアさんを派遣。前回に引き続き「碧南防災ボランティア連絡会」のご協力を頂くと共に、新たに「(株)デンソーハートフルクラブ被災地支援チーム」からも企業ボランティアの皆さんが参加くださいました。

被災地の現状としては、泥かきは大方終了していますが、床下や壁はがし、乾燥、消毒等の細かい作業はまだまだ残っています。また、大工や工務店が入り、既に修繕を始めているお宅がある一方で、経済的な理由や自分の年齢も考えると、先の見通し定まらず立ち止まっている方もいて、生活再建のペースに格差が見て取れます。

市は、被災者生活再建支援法の適用から漏れる市内の住宅を対象に、独自施策として、1件当たり最大25万円の支援金を支給する方針を打ち出しました(中規模半壊25万、半壊20、準半壊15万、一部損壊(床上浸水)10万)。

また、罹災証明書の発行も進んでおり、中海町公民館でも行政による公的支援や申請に関する住民説明会も開催されました。公共料金の免除や、仮設住宅への入居、応急修理制度などに関する説明があったようですが、申請書類の多さや、自分のケースで何がどこまで適用できるのか分からないという声もあり、さらなるきめ細かなサポートが必要です。

1日目の5日(月)は、炊き出しのチラシをポスティング。自治会の協力を得て、第1陣で炊き出しにいらっしゃらなかった方や心配な要配慮者世帯を中心に配布しました。直接手渡しでご案内すると、家の復興状況や水害当時の様子、健康状態への不安、ボランティアの方々への感謝など、様々なお話を聞かせて下さいました。

 

特に年配の方や床下浸水世帯は、「私たちよりもっと大変な方がいるから」と、ボランティア依頼や物資・食事提供を遠慮される方が多いという印象です。遠慮されている方や体調がすぐれない方、家を空けられない、移動手段がないなどで取りに来られない方には、デリバリーでお届けすることにしました。

また、気になる案件は、自治会や災害ボランティアセンター、連携団体らと共有し、ニーズの取りこぼしの無いよう注意深く見守っています。

以下、全体の詳細報告です。

※私たちは、新型コロナウイルス感染症対策として、基本的な感染症対策と共に、ワクチン接種、出発前の抗原検査、滞在時の健康チェックや行動履歴の記録等を徹底し、活動にあたっています。
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RSYの活動内容
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1.あったかごはん食堂の開催
第1陣の食堂が好評だったので、今回はメニュー・数共に住民の皆さんのリクエストにお答えして150食を用意。取りに来られない方にはデリバリーでお届けしました。
(あったか食堂メニュー)
・1日目:名古屋名物きしめん、五平餅、フルーツカップ
・2日目:ゴロゴロ野菜の肉じゃが、ごはん
中海公民館の厨房をお借りして調理
料理長の神谷さんはいつも大活躍
五平餅の人気が高い!
久しぶりの煮物にホッとしたという声も。
12時になると続々と住民の方がいらっしゃいます。
また、2019年に被災した長野市豊野区のりんご農家さんより、フレッシュなリンゴと梨の差し入れを頂きました。千曲川の水害のことは皆さんもよく覚えていらっしゃり、「遠くから気にかけてもらえてありがたい。自分がこうなってみて初めて皆さんの気持ちが分かった」などの言葉も聞かれました。
山間部の中ノ峠町。一時土砂崩れで孤立していた約10世帯ほどの集落。今は道路も舗装され、行き来ができるようになりました。神戸の被災地NGO恊働センターの協力を得て、毎回15食をお届けしています。
※写真:被災地NGO恊働センターの増島さんのFBより
2.看護師による健康相談
チラシ配布やデリバリーで気になった方や、自治会の方から相談のあった方については、看護師ボランティアが健康チェックを行っています。急を要する案件は、市社会福祉協議会につなげています。
3.足湯ボランティア
遠慮されたり時間がないということで、利用者さんはまだ少ないですが、「足がすごくあたたまって身体が軽くなった」「話ができてすっきりした」などの声がきかれています。普段近所の方や家族には言えない心の内をお話される方も多いため、今後も周囲を気にせず、安心して話せる場の必要性を感じます。足湯ボランティアは、被災地NGO恊働センターのつながりや、北陸学院大学の方々とも連携し、継続的に開催できるよう調整される見込みです。
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被災者の声
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・息子と二人暮らしだけど、勤めに出ているので、お昼ごはんは一人だから食べていない。公民館で炊き出しをやっていることも知らなかった。わざわざ食事を持って来てくださってありがたい。(80代・女性)

・普段は娘に世話になっているが、日中は一人でいる。今回、家の被害がないので、公民館で支援をもらうのは申し訳ないと思い、炊き出しも1度も利用していない。(80代・女性)

・体調不良で1日寝込んでたんだけど、娘が来て身の回りのことをしてくれた。今日は家の草取りなど、外回りの作業ができ、食欲もあるので体調もいいわ。昨日娘が食堂のごはんを届けてくれたの。五平餅、おいしかった~(80代・女性)

・私は一人暮らし。娘が手伝いに来てくれ、行政の手続きはしてもらってる。VCセンターにも頼んで泥かきはしてもらったの。でも、床拭きや細かい作業は全部自分でやった。車も被災したから、新調したばかり。一気に疲れが出たのか、先週車を運転している最中に脂汗が出てきて、これはダメだと救急車を呼んだの。過労とストレスだって。でも点滴したら気分がよくなって、体操をしたり、少しビールなんかも飲んでる。公民館で何かやっているのは知っていたけど、私は高齢者だし、若い人に譲った方がよいと思って、最初の方しか行ってないわ。気分転換に植木や花壇なども作りたいけど、こんな大変な時にそんなことやって、周囲を嫌な気持ちにさせるのは申し訳ないからやめてる。炊き出しも申し訳ないので遠慮してのよ。でも声をかけてくれたので久しぶりに行ってみようと思う。(約束通り炊き出しを取りに来られ、周囲からの声かけにも嬉しそうに笑顔を見せていた。翌日のご案内もしたが、やはり遠慮されていたのでデリバリーでお届け。恐縮ながら、ありがたいと受け取って下さった。)(80代・女性)

・孫と娘との3人暮らし。泥かきはボランティアセンターさんに随分お世話になったけど、これから先、何をしなければならないのかよく分からない。今水拭きで床や柱を拭いているだけ。消毒とか乾燥をどうやればよいのかしら?炊き出しはありがたい。娘がアパートを借りると言って今手続きしている。高校3年生の孫(男子)がいるけど学校が始まってみんな落ち着かないの。(70代・女性)

・(チラシ配布時、奥の部屋から足場の悪い中を移動していたため転倒の危険が心配された。公民館の方からも以前踏み外しがあったとの情報提供あり。コンパネ設置のためボランティアが訪問)。俺は足が悪いから、確かに踏み外したら危ないな。しかし、そんなところまで見て心配してくれてたのか。。。通路を確保しようにも、業者から部屋に物を置くなと言われているし、日々の生活を考えるとあまり物を移動させたくないんだ。よく通るところにだけ床板をはめてみるか。よしハマった。こんなことくらい自分でできるよ。車2台ダメになったけど、トラックを新調した。床拭きは自分でもやっているけど、もう1か月だろ。毎日おんなじことばっかりで、掃除にも飽きてきたよ。その上、ここ1週間なんだか身体が変なんだよ。(看護ボラが確認、受診を進めた)(70代・男性)

・台所が使えないので、お嫁さんの所で味噌汁ぐらいは作っているの。1か月で3キロ減った。沢山のボランティアさんが入ってくれて本当にきれいになって感謝してるの。今は業者さんが直してくれている。家族の介護のこと相談したいけど、どこに行けばいいの?週に1回でもデイサービスとかを利用してもらえれば私も随分楽になる。本人も他人との関わりがほとんどないから、刺激にもなっていいんじゃないかと持って(社協につなぐ)(70代・女性)

・通路の床下の泥かきがまだできてなくて、水曜日に業者さんが入るから、その時ボランティアさんに来て欲しい。居間の床下も見える所は自分でとったけど奥が取り切れていないのでお願いしたいです。(社協につなぐ)(40代・女性)

・大工はもう入っているから、特に困ったことはないよ。大方の修繕が終わったら、あとは細かいところの片づけが残っているな。まだまだ先は長い。(70代・男性)

・息子から保険や大工の手続きもすぐしてもらったので今は特に困っていない。お金の算段が付けば、どこまで何を修繕すればよいか先のことが考えやすいからね。でも、ご飯は買い物をしてもどうしても作る気が沸かない。作りたくないの。時間があるからってできるものでもないのよね。気持ちの問題。だからカップラーメンばっかり食べてるのよ。(60代・女性)

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活動を終えて
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全体的な被災地の「今」の傾向は、以下のように感じました。
・今後の復興過程で起こり得る生活課題がよく分からないために、困りごとが伝えられない方がいる。
・ 潜在的な福祉ニーズ対象世帯の復旧の遅れや生活環境の悪化の心配(「大丈夫」という言葉を真に受けてよいか慎重な判断が必要)
・「眠れない」「やる気が出ない」「過労・ストレス」「なんだか分からないけど気持ちが沈む」「悲しい」「なんとなく調子が悪い」などのキーワードが良く聞かれ、こちら側の声かけに涙を浮かべる方が多い。
・ 季節の変化による寒さ対策(防寒器具購入、DIYレベルの簡易修繕など)、物資提供の必要性。
・ キッチンが使えないという物理的課題、心身の疲れにより、簡易または粗末な食生活を送っている方が多数。食事への対応は生活機能の中でも後回しになりがちだが、じわじわと心身を蝕んでいくため健康被害につながりやすい。台所の修繕や体調安定の目途が経つ頃までは継続的な支援が必要。
・近しいが故に、周囲の目を気にしたり、遠慮や気兼ねで積極的に支援を受けようとされない方も多いため、ある程度のおせっかい的な介入が必要か。これまでの活動を通じて、「よそ者の方が話しやすい」というパターンもあるようなので、地区から少し離れた立場の地元支援者との接点(炊き出しやサロン、足湯等の集いの場、運動教室、お楽しみイベントなど)が積極的に作れると、気分転換ができたり、安心して心の内を吐露されたりする方も増えるかも知れない。
 第3陣の派遣は、9月12日(月)~14日(水)を予定しています。
13日(火)には、長野市災害ボランティア委員会の協力を得て、2019年に千曲川の氾濫で被災した長野市の地元復興支援団体「炭火焼肉ジンギスカンもんも」さんによる炊き出しが振舞われます。長野の復興の歩みをぜひ共有頂き、小松の皆さんの悩みや不安の解消、心の拠り所になればと思います。
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RSY活動支援募金にご協力ください!
(随時受付中)
————————————————————
この支援金は、スタッフの現地派遣や情報発信、被災者への生活支援プログラ
ムのために活用致します。<銀行振込>
三菱UFJ銀行 本山支店 普通3505681
特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※「カツドウキフ 寄付者のお名前(カタカナ)」とご入力ください。
<郵便振替>
00800-3-126026
特定非営利活動法人レスキューストックヤード

石川県小松市災害ボランティアセンターへ 資器材をお届けしました!(第2報)

RSY事務局です。
石川県より要請を受け、RSYスタッフ・秀島が、本日小松市災害ボランティアセンターへ、ハイエース1台分のボランティア活動資器材をお届けしました。
お盆期間で大渋滞の中、往復8時間以上の運転となりそうですが、昨日、福井県南越前町災害ボランティアセンターへ搬出した資器材を含めて、現地でボランティアや資材が不足する中で、被災された方々の生活再建に少しでもお役立て頂ければ幸いです。
名古屋市では、「なごや災害ボランティア連絡会」(市・市社協・レスキューストックヤード・各区災害ボランティアグループ等)、(社)名古屋建設業協会及び名古屋市が「災害ボランティア活動用資器材の管理に関する協定」を交わし、平成12年9月の東海豪雨による災害救援のために寄贈された資機材の保管や搬出入、平常時の連携などを取り決めています。
その協定のもと、名東区にある名古屋市等が設置した倉庫(以下 名東倉庫)にて資機材の管理をしているところです。また、令和3年度には(社)名古屋建設業協会にご協力いただき、さらに市内4か所で資機材の分散管理を行うことができました。
今回は、お盆休暇中にも関わらず、中川区の株式会社山田組様、名東区の中部土木株式会社様のご協力を得て搬出をサポート頂き、迅速な対応につながりました。この場を借りてお礼申し上げます。
私たちの活動は、日本財団「令和4年8月大雨被害に関わる支援活動」助成金により実施しています。

今後の台風・風水害にご注意下さい

RSY事務局です。
東北北部地方の雨も続いており、東海・関東地方への台風上陸も予測され、厳重な警戒が必要です。今一度、お住まいの地域のハザードマップや、気象庁等の各種ホームページ、市町村から発令される警戒情報等にご注意下さい。
また、以前にRSYニュースレター「あるある」で掲載した、台風・風水害対策の記事や、水害後の生活再建の手順を分かりやすく伝える冊子「水害にあったときに」等(震つな発行)を改めてご紹介します。
コロナ禍での避難を考える場合は、マスク・手指消毒・体温計・スリッパ(床に散ったウイルスを拾わない)・ポリ袋(使用済みマスクやティッシュなどを密閉して共用のゴミ箱に捨てる)などの衛生用品も忘れずにご持参ください。コロナ禍であっても、河川氾濫や土砂崩れの危険区域にお住まいの方は、迷わず安全な場所にある避難所へ早めに避難しましょう。
ご自身や、ご家族、ご近所の方々の備えにお役立て頂ければ幸いです。
★気象庁・キキクル
お住まいの地域の洪水、浸水、土砂災害などの情報が一目で確認できます。
★RSY機関紙「あるある」
台風対策
★水害にあったときに冊子版(震つな作成)
冊子版では、写真やイラストを用いて、
1.まずは落ち着いて(ある程度の期間がかかるので慌てずに)
2.必要な手続き(役所や保険会社、税務署など手続きもいろいろ)
3.家屋のかたづけと掃除(何をどうすればいいのか写真とイラストで解説)
4.水害からの生活再建「私の場合」(被災者の生の声を掲載)
という構成で、水害にあった際の対応について情報を掲載しています。
★水害にあったときにチラシ版
★水害後の家屋への適切な対応
冊子・チラシを補完する「水害後の家屋への適切な対応」(A4判4頁)を作成しました。合わせてご利用下さい。

石川県小松市、福井県南越前町へのRSYの支援について(第1報)

RSY事務局です。
昨日、8月11日(木・祝)、7日(日)に続き、小松市災害ボランティアセンターからの要請を受け、常務理事・浦野、事務局スタッフ・秀島を現地派遣し資器材の提供等を行いました。
また、その足で福井県南越前町災害ボランティアセンターにも立ち寄り、地元社協、県社協、支援PのYさんらと共に、今後必要な支援について意見交換しました。以下、浦野からの報告です。
※なお、スタッフについては、ワクチン3回摂取、当面2週間の健康状態良好、抗原検査陰性を確認した上で派遣しております。
1.石川県小松市の状況
市災害VCから要望のあった、ダクトファンやサーキュレーター、栄養ドリンクや、N95マスク等の生活物品をお届けしました(資材は震つな協力)。大まかな泥は片づけられつつあり、床下の泥かきや、家屋の乾燥・消毒・カビ対策のフェーズに入ってきています。水害発生から1週間以上が経ち、住民や社協職員、ボランティアスタッフの方々にも、疲労の色が見られ、週末から来週にかけての雨に不安を感じる声も多数ありました。しかし、地区の中に在宅避難者の支援拠点ができるなど、住民同士の主体的な助け合いの姿も見られています。
(被害状況)
・被災家屋は、床上262世帯、床下655世帯(8月10日・県発表)
・断水箇所は依然として61戸(山間部)、給水車対応
・避難所は小松市内のホテル避難者7名を除き、県内全て閉所
(小松市災害ボランティアセンター)
・10日までの約200件のニーズに対し、1,013名のボランティアが対応
・1日平均300人~400人が活動(11日は428名)
・運営は地元ボラで回されており、近隣社協や市、こまつ災害ボランティア連絡会からの応援も入っていて、落ち着いた雰囲気で、きめ細かい対応が展開されている。
(被害大きかった中海地区の様子)
・災害ボランティアセンターからの派遣に加え、消防団も家屋や側溝のが泥かき、災害廃棄物の撤去などを行っており、前回訪問時から道路の泥やがれきは随分減り、床板を上げて乾燥させている世帯が増えた印象。災害廃棄物の道路上の山積も見られず、きれい。
・乾いた泥が細かな砂となって舞い、目の炎症や吸い込みによる体調不良が心配される。
・床上浸水の一部は漏電の危険があるということで停電中の箇所あり。一部2階で生活している方もいるが、通電してない場合は親戚縁者区宅で生活を継続している模様。
・電気・ガス・水道等のライフラインは基本的に使用可。
・地区の中心にある公民館が復旧し、「救護所」という看板を掲げ、地区住民(各種団体、住民ボラ)が中心となり、食料・冷たい飲料水・生活物品(洗剤、タオル、軍手など)の配給、住民・ボランティアの休憩スペース、ひとり暮らし高齢者の見守り、相談等を行っている。実質的な在宅避難者の支援拠点として機能。女性が多く、「何をすればよいか分からないが、まずは来てみてやれることをしている」とのこと。他地域でも学ぶべき取り組みと感銘。
・アルファ化米、タオル、飲料水、カップ麺類などは奥の部屋にストックされており、各所から支援も届いている様子。
・地区独自で、やきそばやピザ、かき氷など、キッチンカーによる炊き出しも受け入れており、温食・冷食の提供が行われている。
(住民の声)
生まれてからずっとこの地区に住んでいるけど、こんな経験は初めて。ものの10分で水がきた。つくづく水を甘く見てはいけと思った。昨年のちょうど今頃夫が亡くなり、今は一人暮らし。もし生きていたらこんな時頼れたのにと思うと悲しい。あの日は気づいたら前の川(梯川)が溢れて、道路に水が流れてきた。怖くなったので近隣市にいる息子に電話し、迎えに来てもらった。10:30頃、すでに膝丈まで水が来ていて、家の前まで車が止められず、水の中を息子に手を引かれながら車まで歩いた。怖かった。ずぶ濡れで着替えもなくガタガタ震えていた。通行止めも多く道も混んでいて、ようやく息子の家にたどり着いたのは20:00頃だった。
自宅に戻ると玄関のすぐ下まで水の跡があり、床下は泥だらけ。息子が片づけに来てくれていているので、災害ボランティアセンターには頼んでいない。私よりもっと大変な被害にあっている方がすぐ近くにいると思うと申し訳なく、自分は頑張らなくてはと思う。知っている方ばかりがひどい被害にあい、お宅の前を通ることすら、申し訳ない気持ちになってしまう。公民館に行くのは、コロナの感染を心配した息子から「人が一杯いると危険」と止められていたが、ひとりでいるのが心細く、少しでも気分転換になればと思い、さっき思い切っていってみた。地区の方が何人か声をかけてくれてとても嬉しかった。温かいやきそばやピザも頂き、ありがたかった。今、こうして声をかけてくれただけでも、本当に嬉しくて涙が出て来る。(80代・女性)
うちは床下浸水だった。ライフラインは普通に使えるし、床上の物は特に被害もないので、今のところ困ることはない。床下の泥も気になったので、ボランティアさんに確認してもらった。でも対岸の床上浸水のお宅の一部は、夜電気がついていないところもある。2階で生活している人もいる。(50代・女性)
床上の泥や家財道具等の廃棄は随分進んだ。これからは、床下や側溝の泥の撤去が中心になりそう。床下の断熱材の撤去も大変。来週から雨がふることもあり、側溝のつまりを心配する声も聞かれている。とにかく目の前の泥をまず片づけることに精一杯で、その後の細かい作業が続くことまでは、皆さんも僕らも頭が回っていない状況。住民の方々にはアルファ米なども提供されているようだが、水も電気も復旧している家屋が多いため、サトウのごはんのような、味付けなどの加工のない普通の食事の方がありがたいと言っていた。住民の疲労もかなり大きく、買い物や1回の食事の用意も大変そう。(地元ボランティア)
これらの活動は、日本財団「令和4年8月大雨被害に関わる支援活動」助成金により実施しています。
2.福井県南越前町の状況
県のボラバス100名を含め、1日500名近いボランティアの受け入れに奔走。近隣社協職員等合わせ、総勢40名程度でセンターを運営。RSYからは、水害にあったときにチラシ・冊子、床下消毒チラシ、栄養ドリンク、水、N95マスク、タオル等をお届けしました。現地によれば、床下の泥撤去ニーズが今後増える見込みだが、資材不足が心配とのこと。断水エリアの生活状況も心配されていました。
3.RSYの対応について
★南越前町災害VCへボランティア活動資器材を発送しました!
本日、現地からの要請を受け、6名のボランティアさんと共に、一輪車やスコップ等のトラックへの積み込みを終え、昼過ぎに現地に出発しました。4トントラック一杯分の資器材は、本日16時頃には、現地に到着予定です。昨夜のよびかけにも関わらず、二つ返事でお答え頂いた頼もしいボランティアの皆様。いつも助けて頂き、本当に感謝しています。ありがとうございました!
★今後の生活再建に向けたサポートを検討中
大まかな泥かきの目途が着くと、その後は数か月にわたり細かい作業が続きます。また、今後も心配される台風や大雨で心は休まらず、心身の疲れもさらに大きくなることが予想されます。
安心して一息つける居場所の継続や、各種支援制度、家屋修繕、健康やお金等に関する具体的な相談・助言機能も必要となることが見込まれます。RSYは過去の経験と、ネットワークの協力を得ながら、被災された方々のペースに応じたお手伝いを必要に応じてタイムリーにお届けできるよう、地元キーパーソンらと連絡をとりつつ、今後の対応を検討していきます。
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RSY活動支援募金にご協力ください!
(随時受付中)
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この支援金は、スタッフの現地派遣や情報発信、被災者への生活支援プログラ
ムのために活用致します。<銀行振込>
三菱UFJ銀行 本山支店 普通3505681
特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※「カツドウキフ 寄付者のお名前(カタカナ)」とご入力ください。
<郵便振替>
00800-3-126026
特定非営利活動法人レスキューストックヤード

夏期休業のお知らせ

レスキューストックヤード事務局です。
新型コロナ感染症拡大の第7波のただ中であり、
連日街中で救急車を見かけることが多いです。
そんな中でも自然災害は待ったなしで
山形、新潟、石川、福井が水害となっており、
水害冊子や資機材貸し出しの問い合わせが入っておりまして
本日は、急な呼びかけにもかかわらず、
6人のボランティアさんが協力してくださり
無事に南越前町に資機材を搬出しました。ありがとうございます。
台風の接近、上陸の予報もでており
スタッフ一同緊急体制でおりますが
通常業務は、下記の日程で夏期休業させていただきます。
ご不便をおかけいたしますが、ご了承ください。

名古屋事務所(ふくしま支援室共)

8月13日(土) ~ 15日(月) 

★8月16日(火)より、通常通りです。