RSY石川県珠洲市への支援について(第5報)

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。

5月15日(月)より珠洲市に派遣していたスタッフ2名は、本日名古屋に戻り、来週3度目の現地入りに向け準備を進めています。以下、常務理事・浦野からの報告です。

※私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成のご協力を頂いています。

<RSYの活動>

1.うたごえ喫茶への参加

飯田町在住の音楽講師・Tさんと、Sさんが中心となり運営されている「うたごえ喫茶サポートクラブ」は、合唱とおしゃべりを通じた健康づくりを目的に、月に1回「うたごえ喫茶」を開催しています。今回の災害で、メンバーも多く被災しましたが、「少人数の参加でもいい。歌で元気を取り戻そう」と、5月18日(木)13時半から予定通り開催されました。

合唱後のおしゃべりタイムでいつも珈琲を注文している喫茶店が、震災の影響でお休みということを聞き、ささやかながら、RSYスタッフが淹れたて珈琲と名古屋のお菓子の差し入れをしました。

参加者は、70代~90代までの高齢者・男女15名。予想を反して沢山の方々が来場し、手を取り合って再会を喜ぶ姿や、お家の被害状況や健康などについて情報交換したり、心配し合う様子が印象的でした。

Sさんの「今みんなとても大変な時期だけど、お歌を歌って楽しんで、さっぱりした気持ちで帰りましょうね!」という声かけに、皆さんは大きくうなずかれていました。その後、Tさんのエレクトーン伴奏で合唱がスタート。

親しい友人の顔を見てホッとし、大好きな歌を通じて少し自分を取り戻し、明日からまた頑張ろうという気持ちを支える場所。「うたごえ喫茶」のような場所が、これからの生活再建において、とても重要な役割を果たすことになるのだろうと肌で感じた1時間でした。

 

2.災害ボランティアセンターのサポート

現在災害ボランティアセンターには約340件のニーズが寄せられており、約70件が完了しています。現地調査が必要な世帯はあと130件程残っているため、人員確保が大きな課題となっていました。19日午前中、ボラセンからのお声がけを頂き、ボランティア派遣前の現地調査のお手伝いをしました。

<住民の声>

・飯田地区に住んでます。地震では建具が外れたり、食器棚の中がぐちゃぐちゃになったけど、正院町の方と比べればそれも大したことない。だから元気出さなくちゃどうするってね。笑っても1日、泣いても1日なんだもの。どうせなら笑って過ごさなくちゃ。(70代・女性)

・若山地区に住んでます。今は閉店してるけど、以前は事業をやってました。でも今回の震災で、瓦はずれるわ、トイレの水道管は破裂するわ、大きな被害を受けて、次に大きな地震が来たらつぶれると思って解体することに決めました。母屋の方も給湯器が壊れたりしたから、遠方の娘の家にお世話になったけど、3日ともたなかった。決して仲が悪い親子じゃないんだけど、だんだんギクシャクしてきたから、同居は無理だと思って珠洲に戻ったの。屋根は業者に、とにかく早く来て!お願いしたから、ブルーシート貼ってもらった。お店もいつかは処分しなくちゃならないと思っていたから、この際と考えて、残っていた商品も全部捨てました。半分泣きながら。でもここに来て、みんなの顔みて、好きな歌うたって心あっさり。今日来れてよかったって思います。(70代・女性)

・あの揺れは本当に怖かった。うちの被害は大したことなかったけど、主人が亡くなって今は一人だったから、ブルブル震えながら部屋の隅でじっとしていたの。思わず、「お父さん、助けて!どうしようっ」と叫んでしまった。(70代・女性)

・地盤沈下して、床が下がったことにより、ふすまなどの建具がびくとも開かなくなってしまいました。柱も斜めになってて。これはどこまで直せるんだろうね。。また地震が来て1階が崩れると危ないから2階で寝た方がいいっていうけど、すぐに出られないのが怖いから、1階の玄関の一番近い部屋で寝てるの。1階でも怖い、2階でも怖い。ちゃんと寝ているつもりでもいつも不安だから、身体が休まっていないのかもしれないですね。この間罹災証明書の書類をもらってきたけど、被害認定のところが良く分からなくて書けないんです。写真も現像して持ってきて来て下さいと言われるけど、スマホからどうやってデータを取り出せばいいか分からない。よく分からないからもういいやって思ってたところでした。(スタッフより手続きや公的支援について説明)(正院町・70代・男性)

 

RSYは、来週火曜日より再度現地入りし、うるうるパック配布のサポートと、福祉課や健康増進センターと共に、要支援者への対応や、仮設住宅の入居準備、困窮者世帯等への対応に関する検討を行う予定です。

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この支援金は、スタッフの現地派遣や情報発信、被災者への生活支援プログラ
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RSY石川県珠洲市への支援について(第3報)

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。

石川県珠洲市へ派遣していたスタッフは、11日、一旦名古屋に戻りました。来週月曜日に再度現地入りし、今後の支援に関する調整を行います。震災から約1週間が経ち、県の発表資料では、日ごとに家屋被害の件数が増え、その全容も明らかになりつつあります。また、被災された方々の疲労感もピークに差し掛かり、体調を崩す方も増加しています。以下、常務理事・浦野からの報告です。

※私たちの活動は、日本財団「災害発生前後の初動期に関する支援活動」助成のご協力を頂いています。

<珠洲市の被害の概要>(石川県11日発表資料)

死者1名、負傷者35名、全壊15、半壊13、一部損壊600

11日より、災害ボランティアセンター一般ボランティアの受け入れ開始。

※11日朝、珠洲市保健医療福祉調整本部報告より

・避難所1か所に統合(合計13名程度)

・被害のあった高齢者一人暮らし、高齢者世帯、障がい者世帯456世帯を対象に、毎日医療看護福祉専門職らが2チーム1組・10チームに分かれ、個別訪問によるアセスメントを実施。緊急度の高い方は病院への搬送や医療チームが巡回中。

・カメラや携帯電話を持っていない高齢者が多いことから、り災証明書発行については、写真が無くても申請ができるよう市が配慮。

・ボイラーが破損し入浴に支障のある世帯も少なくないため、月・水・金で送迎付き無料入浴施設を開放中。(しかしバスの出発地点、入浴施設のキャパ、滞在時間には課題あり)

<在宅避難者の様子>

市の保健医療福祉調整本部では、現在、要配慮者を中心に個別訪問を実施していますが、これ以外でも応急危険度判定で「赤:危険」が出ているにも関わらず、ガラスの飛散や天井の落下などが見られる危険な家屋で生活を継続中の世帯もいる模様です。毎日断続的な余震が続くため、2次災害のリスクはさらに高まっています。

浦野は引き続き、アセスメントチームに加わり、被災中心地から車で20~30分の大谷町、馬緤町、真浦町、片岩町、長橋町の一人暮らし高齢者宅を訪問しました。山間地域や中心地から離れた地域でも、生活への支障や心身の健康状態への不安感を抱える高齢者が多くいました。地域では民生委員や福祉推進委員、区長が動いていますが、「震災後誰もきていない」という世帯もあります。

また、これらの地域の方々は、「わたしらのところは、正院町の人から比べれば大したことない」と口をそろえており、自ら声を上げることもないため、どうしても見落とされがちな状況です。そんな中、保健医療福祉調整本部による個別訪問の意義は非常に大きいと感じています。今回訪問した全員が、り災証明書は未申請でした。

★被災者の声

(大谷町)

・おとといから急にお腹が痛くなって今日は何も食べていないのよ。ストレスなのかしらね。2階はひどいもんよ。途中の階段の壁も崩れているし。仏壇はひっくり返って、食器も割れちゃったの。ブロック塀が道側に倒れて危ないから業者に来てもらったんだけど、崩したブロックを誰に頼んでどこに運べばいいのか。業者さんはそこまでできないっていうから。(災害VCを案内すると)そんなところがあるの?一度連絡してみるわ。うちは、トイレや食事、お風呂は大丈夫だけど、ブロック塀が気になって。り最証明書のことも初めてきいた。写真はとにかく一杯とったから大丈夫。ボランティアさんにも一度電話してみるわ。道路を挟んで向かい側はあまり被害ないみたいで、こんなに差があるなんて断層とか地盤の影響なのかしら。(60代・女性)

・今朝の余震、本当に怖かった。頻繁だからなのかずっと身体が揺れている感じがするの。めまいなのか、余震なのか区別がつかない。頭もぼーってしちゃって。不整脈もあるし血圧も高い。緑内障もあるから疲れがたまってる感じです。ふらつくから、そういう時には横になって身体を休めてます。17日に病院に行く予定。ボイラーが壊れちゃったので、一度もお風呂に入っていないの。給湯器も使えない。雨漏りはないけど、2階の本棚は倒れて来てる。一番気になるのがブロック塀。ひびが入っていつ倒れるかとひやひやしてます。誰かに怪我でもさせてしまったらと考えると落ち着かない。業者に頼んでるけどいつ来れるか分からないって。。。(70代・女性)

(馬緤町)

・私は90歳でひとりだからなんにも分からない。瓦が壊れて2階は少し雨漏りがあるみたいだけど、生活するには気にならない。子どもが来て部屋の中にブルーシートかけてた。屋根の棟(むね)がずれてたみたいで、業者からシートかけてもらった。でも子どもは岡山に住んでるから、これ以上迷惑かけられないよ。ガスは大丈夫、台所や風呂の水は市の水道だから断水してないけど、トイレだけは部落から別に水を引いてて、それが止まっちゃったんだよ。だから、バケツに水を汲んで用を足したら便器に流して使ってる。市の水道に切り替えてもらえるならお願いしたい。風呂もタイルに亀裂が入ってしまってる。でももう一人だから修理はええわ。やっぱり疲れは溜まっているね。揺れが怖いし眠れない。今日はおとなしくなったな。。と思ったら、急にまた余震が来るから。でも仕方ないよ。(り最証明書の説明をすると)そんなの何言っているのかさっぱり分からない。手伝ってもらえるとありがたい。なんとかお願いします。(90代・女性)

(真浦町)

・よくこんなところまで来てくれたね。玄関のところに亀裂が入ってるでしょ?床下の土のところも地割れしてるし、庭にも亀裂。なんだか数センチ下がっている気がするよ。断層が通ってるのかね?地割れも隙間が広がっている気がする。築100年以上の家だけど、瓦も大丈夫だったし、家の中のものはほとんど倒れなかったからよかったんだけど。生活は震災前と同じようにできてるけど、この地割れが気になります。昨年がんの手術をしたばかりだけど、何とかやれてます。(80代・女性)

この集落は、沿岸沿いの山の斜面に住宅が建設されて急な坂道が非常に多い地域です。

・何とか片づけ進めてます。でもとにかく余震が多いでしょ?本当に怖かった。落ち着かないです。もうつかれちゃって。(災害VCを案内すると)え?そんなのがあるの?そこに頼めばいいの?助かります。他の方にもお知らせします。(60代・女性)

・納屋と2階の部屋のものが少し倒れたぐらいの被害でした。特に大きな被害はなかったんだけど、5日からお風呂に入ってないの。だって夜お風呂に入っている時にもし地震が来たらすぐに外に出られないでしょ?だから怖くて怖くて。血圧も高いけど、今のところは何とかやってます。なんとなく疲れが溜まっているし、やっぱりお風呂に入れないと気持ち悪い。(80代・女性)

・家は大丈夫だけど、気持ちが動転しています。5日からぐっすり寝たためしがなくて、うとうとしては目が覚めるという状況。一人だから余計ね。でも、民生委員や福祉委員さんが来てくれて安心した。子どももしょっちゅう電話くれるの。いつも身体が動いているみたいで、ストレスがかかっているのかな、疲れがたまっている感じがします。でもこんな風に心配して来てもらえて、本当に心丈夫です。よかった。ありがとうございます。(80代・女性)

(片岩町)

・ほとんど家の被害はなかったけど、夜、いつ何時どうなるかわからないから、洋服を来て寝てます。最初の地震の時は胸がどきどきして。それがしばらく続いてた。余震が来るたびに、また来た、また来たってずっと落ち着かないです。病院から睡眠薬をもらって飲んでいるからまだ何とか寝られているけど、不安が強い。でもお隣の区長さんがいつも声をかけてくれるからそれが安心。あなたたちも来てくれてありがとう。また来てね。(80代・女性)

RSYはこれらの状況をふまえ、来週月曜日から再び2名のスタッフを派遣します。地元社協さんを通じて、民生委員や住民の方々と共に、個別の課題にできるだけ支援が届けられるよう調整したいと思います。

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RSY石川県珠洲市への支援について(第2報)

みなさま

お世話になります。RSY事務局です。

RSYは現在、5日に最大震度6強の地震が発生した石川県珠洲市へ、常務理事・浦野含む2名のスタッフを派遣し活動にあたっています。スタッフが宿泊しているのは輪島市のホテルですが、連日早朝からけたたましく緊急地震速報がなり、震度2~3の余震の影響を受けています。引き続きスタッフの安全配慮に務め活動を継続します。以下、浦野からの報告です。

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<珠洲市の被害の概要>

死者1名、負傷者32名、全壊9、半壊9、一部損壊450

避難所3か所(合計15~20名程度)

断水解消後の水道水の濁りもほぼ解消、給水車活動終了

ガラスくずなどは8日から各ゴミステーションで、大きなゴミは9日より市営野球場駐車場で災害廃棄物の受け入れ開始

災害ボランティアセンターは11日より一般ボランティアの受け入れ開始

<避難所の様子>

※9日朝・保健医療福祉調整本部報告より

・避難所は正院小学校14名、交流公民館1名、蛸島公民館3名が避難。

・栄養士等が巡回し、栄養価の高い支援物資の選定・配布ができるよう調整中。また、野菜・タンパク質摂取に配慮した汁物の炊き出しを開始(9日夕食より)。

・避難者のほとんどが高齢者。不眠を訴える方多数。適宜医療チームが巡回し、必要に応じて病院への搬送等を行っている。要配慮者への配慮として、JRAT(日本災害リハビリテーション支援協会)による手すり等の設置や、日赤医療チームによるラップポンの配置も行われている。

<在宅避難者の様子>

避難所が3か所に縮小し、在宅避難者等が増加。保健医療福祉調整本部では、市より提供された一人暮らし高齢者、高齢者世帯、障がい者世帯の名簿をもとに、看護師、保健師、JRAT、日赤、ピースウィンズジャパン等の、内外支援団体混成チームで該当者宅を訪問し、健康や生活課題に関するアセスメントを実施中。

8日は4チームで24世帯を訪問。9日の時点で該当世帯62世帯に対し、浦野を含む4チームで対応しました。家屋被害や心身の健康状態、生活課題をこまめに把握するためには、1世帯最低1時間程度のヒアリング時間が必要となり、今後も該当世帯は増えることが見込まれるため早急なマンパワーの確保が課題となっています。山間地域では特に家が分散しているため移動にも時間がかかる上、訪問中も断続的な余震があり、震災から4日後も緊張感や不安感が続いています。浦野は午前中2件を訪問しました。

★被災者の声

・結婚後家を出ましたが、主人が亡くなったのを機に、この生家に戻りました。あれから10年になります。今回の地震で建具も傷み4つのふすまや扉が開きにくくなっちゃって。瓦も壊れたのか雨漏りもするのよね。ほら、土壁が落ちて少し光がさしてるでしょ?壁についた雨の染みも乾かない。雨漏りするたびに廊下を拭いたりで大変だった。大工さんには頼んでるの。でもいつ修理に来てくれるかは分かりません。

2階は震災後1度も上がってない。近くに住む孫から「ばぁちゃん、危ないから上がるな」って言われたから。一昨日まで避難所にいたんです。親しい人が周囲にいないからひとりで寂しく不安だった。仲良しのお隣さんは、ご家族が金沢に引き取られたの。余震もあったし全然寝られなかった。ボイラーが壊れたから、お風呂に入れないのが一番苦で。給湯器も使えない。でも、その他のトイレや洗濯、食事づくりは問題なく自分でできてます。でも冷蔵庫が30㎝ぐらい動いたの。すごい力ね。寝る場所は雨漏りはないから大丈夫。買い物や通院はタクシーを利用してるの。病院にも行きたいけれど、お風呂に入っていないから恥ずかしくて行ってない。今日業者さんがきてボイラーが直ればお風呂に入れるから、明日病院に行くつもりです。

罹災証明書?何ですか?それ。被害の写真なんて撮っていない。カメラも携帯も持ってないし。とにかく私は昔から病気をしない丈夫な身体が自慢なの。今回もケガの一つもなくて本当によかった。ボロボロの家だけど、自分が生まれたこの家を最後まで守って、これからも1年、2年と頑張って過ごしたいです。

(その後細心の注意を払い安全配慮の上、2階に一緒に上がり状況確認。いくつかの部屋は家具等が散乱していた)去年の地震で倒れたテレビ台とか、孫がもうそのまんまにしとけって。どうせ2階になんかいかないから大丈夫。ボランティアさんの協力も今のところいりません。【80代・女性・ひとり暮らし】

・俺の家からは避難所になってる公民館までが2キロの山道なんだよ。車もないし、自転車で行こうにも、あんなどしゃ降りの中じゃ無理だ。結局家にいるしかねぇんだよ。だから今眠剤を1日2錠処方してもらってるけど1錠しか飲んでないの。もしまた揺れたらすぐ外に出なくちゃならねぇだろ?ぐっすり眠りこけてちゃ起きれないからな。玄関雨漏りするし、扉が開かないところもある。風呂の壁が崩れてボイラーもやられてるから、湯が沸かせない。普段ほとんど使ってないけど、奥の部屋は家具も倒れてぐちゃぐちゃ。でももうそのままでいいよ。遠方に住む息子が来た時にでも片づけてもらう。ベッドのあるこの居間は、テレビや本棚が倒れたらまずいと思ってガムテープで止めたんだ。効果あるかわからないけど。。風呂の修理はまだ頼んでない。でももともと風呂嫌いだから、冬ぐらいまでに直せればいいと思ってる。

買い物は近くスーパーの宅配を頼んでる。一応自炊してるんだよ。食事内容や食欲は震災前と変わらないよ。洗濯も自分でやってる。困るのは、とにかく足がないから、り証明書の申請も、通院も、銀行にお金おろしにいくこともできない。タクシーで往復5000円近くかかるんだから。

最近コンロに火をかけたのを忘れてしまうことが度々あって。たばこの火でベッドもこがしちゃって。。。女房が亡くなって10年経つけど、それでも自分がしっかりしているうちは一人でここで頑張りたいんだ。ここに人が訪ねてくることもほとんどないね。2か月に1回ぐらい社協の人がくるかな。民生委員さんは自分の家の裏ががけ崩れになったから来れる余裕なんてないだろうよ。気の毒に。とにかくこれからも自分のペースで生活を続けたい。何より人に迷惑をかけることが一番嫌いだからね。【80代・男性・一人暮らし】

 

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個別訪問に行くと、雨漏り、建具の損傷、居室の家具転倒による散乱、ボイラー破損による入浴等の不具合などが見られました。また「公民館まで遠いので避難したくてもできない」「家にいた方が気が楽、離れたくない」なども声も多く、これが避難所の早期閉所の一因となっているように思われます。山間の地区では家と家が離れていることもあり、孤立しがちで一人で頑張ろうとする傾向や、他人の手を借りることへの遠慮や気兼ねの強さも感じました。避難生活や日々の余震への恐怖や疲れも重なり、一気にことを進めるのではなく、まずは日常の落ち着きを取り戻したいというお年寄りの想いが伝わってきました。

これまでの被災地でも、災害後10日~2週間頃に大きく体調を崩す方が増加する傾向があります。また、今回の地震では一部損壊世帯が大多数で、国から受け取れる支援金ほとんどないことが予測されます。経済力の弱い方々は十分な修繕ができないまま、居住を継続する可能性もあり、暑さ対策や寒さ対策、今後の地震の被害リスク軽減をどう進めていくかも今から検討しておく必要があります。また、これまで介護保険等を利用していない方でも、今後の体調変化を見据えた上で、介護認定の申請等を勧めるなどの必要性も感じます。

同日、地元での私たちの窓口になって頂いている穴水町社協さんらとこれらの状況を共有しながら、近隣2市2町の繋がりの中で、どのような生活支援が展開できるかについて意見交換しました。過去の災害で、在宅避難者のアセスメントや個別支援に深い知見のある「特定非営利活動法人YNF」代表理事・江﨑太郎さんや北陸学院大学・田中純一先生らにも合流頂き、罹災証明書発行後の第2回目のアセスメント開始のスケジュール感や項目立て、経済力の弱い方々の仮復旧の支援や孤立感や不安感の軽減、いつも後回しにされがちな食生活の維持・改善などの必要性についてもアドバイスを頂きました。

身体的、肉体的限界を迎える前に、困った時に頼れる人の繋がりづくりや、正確かつ適切な情報の提供、各種手続きの申請に関する伴走支援、生活環境の整備などを進めていけるよう地元の皆さんと共に検討を重ねていきます。

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RSY石川県珠洲市への支援について(第1報)

みなさま

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5日に能登半島沖で発生した地震について、犠牲となられた方と共に、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。

RSYは昨日から、震度6強の地震に見舞われた石川県珠洲市へ、常務理事・浦野の他、スタッフ1名を派遣しています。以下、浦野からの報告です。

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(被害状況/珠洲市)石川県発表(5月8日現在)

死者1名、負傷者32名、全壊7、半壊9,一部損壊336

避難所10カ所(滞在者0人)

8日の時点で断水は解消

災害救助法:珠洲市、輪島市、能登町に適用

応急危険度判定:「危険」51棟、「要注意」81棟(5月8日北國新聞)

(現地での活動の様子)

2007年3月21日に発生した能登半島地震の支援で関わりが深まった、穴水町社会福祉協議会(以下、社協)のHさんと、穴水町ボランティア連絡協議会代表のTさんと共に珠洲市社協を訪問し、現状や災害ボランティアセンター立ち上げに関する今後の課題等を共有させて頂きました。

能登地方には、2市・2町の社協からなる「能登北部ボランティア部会」が形成されており、代表理事・栗田は、部会が開催する研修会などに講師として招かれた経緯もあります。能登北部地方は、金沢市内から車で2~3時間程度かかるということもあり、何かあった時は近隣市町で助け合っていこうという連携の土壌も育っている地域です。

打合せの後、穴水町社協の方々と共に、被害が集中していた正院小学校、直公民館、山間地域の日置公民館等の避難所を訪問しました。7日から降った大雨が8日朝には上がったため、ほとんどの方が自宅に戻って復旧作業に当たっているそうです。日中は一人も避難者の姿はありませんでした。

市には、「保健医療福祉調整本部」が設置され、それぞれの専門職が避難所のアセスメント調査を行い、早い段階で環境改善を進めていました。また、在宅避難をしている一人暮らし高齢者、高齢者世帯、障がい者世帯を優先に、保健師と看護師がチームを編成し、個別訪問によるアセスメント調査も始まっています。

本日より浦野もこの活動に参加させて頂き、要配慮者の生活課題の早期発見、早期対応に向けて今後必要となる生活支援プログラムについて地元の方々と検討していく予定です。

現地には、震災がつなぐ全国ネットワークの加盟団体である、レスキューアシストや、ピースボート災害支援センターなどが既に活動を始めているため、随時情報交換を重ねながら、災害関連死や健康被害防止に向けて効果的に動けるよう連携していきます。

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能登半島での震度6強の揺れについて

みなさま
お世話になります。RSY事務局です。
先ほど、石川県能登半島で発生した震度6強の地震について、常務理事・浦野が、2007年3月21日の能登半島地震で被災した穴水町と昨年の水害で被災した石川県小松市の関係者に連絡を取りました。いずれも震度4程度で、揺れは長く続いたものの、怪我や倒壊した建物はないことを確認しました。
震源地となった珠洲市は昨年6月にも震度6弱の揺れを経験しています。その際は神社の鳥居が倒壊するなどの被害は出ましたが、家屋の倒壊被害はほとんど報告されていませんでした。しかし、今回は震度6強であり、報道では一部の建物の倒壊も見られているようです。また、家具の転倒やガラス等の破損など室内の被害も少なくないと予測され、揺れへの恐怖感に伴った、精神的なサポートの必要性も感じます。
今回の地震の余震も含め、連続する揺れで家の傷みが進むと、倒壊のリスクも高くなることが予想されるため、引き続き警戒が必要です。
RSYでは引き続き穴水町社協はじめ、石川県内の関係者から情報収集を続け、必要に応じて対応を検討致します。