令和元年東日本台風(台風19号)から3年~長野市豊野区住民の声~

みなさま
お世話になります。RSY事務局です。
2019年10月13日、千曲川の堤防が決壊し、甚大な被害をもたらした台風19号
の発生から、昨日で丸3年が経ちました。
RSYは、当初、千曲川の支流・浅川の越水で、2m以上の浸水被害を受けた、長
野市豊野区に活動拠点を置き、自主避難所の運営や炊き出しの提供を行ってき
ました。その後も、地元の皆さんと共に、地域支援拠点「まちの縁側ぬくぬく
亭」の立ち上や、自主避難所から応急仮設・みなし仮設に転居された方々の訪
問活動に関わり、現在も交流を続けています。
ここでお世話になった長野の皆さんは、私たちと共に、佐賀県武雄市や石川県
小松市にも足を運び、被災者同士の学びと交流の機会にお力添えを頂くと共
に、被災された方々の痛みに向き合い、温かく励まし続けて下さっています。
現在、長野市災害ボランティア委員会は、「ぬくぬく珈琲」を開発・販売中。
売り上げの一部は、令和3年8月豪雨水害で被災した、佐賀県武雄市久津具地区
で、地域支援拠点「地域共生カフェ笑美屋」を運営する、NPO法人みつわに寄
付されます。全国各地から購入できますので、添付のチラシをご覧の上、ぜひ
ご協力ください。RSYスタッフ一押しの、本当においしい珈琲です!
そして私たちは、これらの活動を通じて、被災された方々の生活の変化や心情
に触れる機会を数多く頂きました。以下は、水害から3年を迎えた住民の方の
生の声です。暮らしの変化に翻弄されながらも、ご自身なりの折り合いを付け
ながら、懸命に日々を積み重ねてきた、それぞれの「今」に、少しでも触れて
頂ければと思います。
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70代・男性
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あれから3年が経ったけど、水害前と比べると空き地が多くなったなぁ。持ち
主の経済的事情が大きいよね。中には解体業者の廃棄物の集積所として使われ
ているところもあってさ。昔の風景と比べるとやっぱり変わってしまったと思
う。豊野区は、浅川沿いで一番低い土地にある地域。昨年、一昨年の大雨で川
が溢れそうになって、ギリギリ難を逃れたんだ。抜本的な治水対策が取られな
ければ、住民は安心して住めないよ。水害後の健康面でのダメージをそのまま
引きずってる人もいる。コロナの影響も重なって、以前のような地域の活気が
戻ってこないんだよね。それは見た目には分からないだろうけど、本当の復興
まではまだ時間がかかると感じているよ。
でも、地域の女性たちやボランティアの皆さんが、ぬくぬく亭の運営や、災害
公営住宅に住む人達への見守りなど、積極的にやっている。福祉のまちづくり
に向けて、とても心強い存在だと感じてるよ。
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80代・女性
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水害の後、すぐにボランティアさんが助けてくれて、そのおかげで、今ほぼ前
と同じ暮らしに戻れたと感じています。私のところはね、この通りで一番最初
にリフォームが終わったの。早く治って心底ほっとした。しばらくは親戚の家
にお世話になっていたけど、気を使って1日いられなかったのね。だから毎日
水が浸からなかった2階に戻って、一人で心を落ち着かせてた。そんな時で
も、ボランティアの人が声をかけてくれてね。あの時もらった名刺は、今も大
事にとってあって、時々寂しくなると眺めてる。ボランティアさんのことを忘
れたことはないです。
身体の方はね、泥を出した時に痛めた腰が完全に治らなくてうまく歩くことが
できないの。でも、ずっと続けてきた三味線のお稽古には行っているのよ。11
月に発表会があるの。水害後初めての参加。とても楽しみ。頑張ってきます。
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80代・男性
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実はさ、今日葬儀屋に行ってきたんだ。ひとり暮らしだし、兄弟は近くにいる
けど、そんなに頼っちゃ申し訳ないだろ?俺に何かあった時、周りに迷惑をか
けないようにと思って、どんなもんか行ってみたのさ。水害から1~2年の頃が
一番きつかったね。家や土地、これから住む場所をどうしようかと考えれば考
えるほど途方に暮れて。頭が痛くなっちまう程悩んだ。結局豊野から大分離れ
たみなし仮設に入ったけど(現在仮設住宅は全て解消・そのまま契約継続して
居住中)、豊野に戻ってまた家を建てたいって気持ちもあってね。銀行にも相
談に行ったし、どうしても諦められなかったんだ。
もう81歳。新築しても、あと何年住めるのかって。そう考えると、ここでスト
レス抱えているよりも、気持ちを切り替えて、これからの人生を楽しむことに
時間を使った方いいと思ったんだ。3年経った今、ようやくここでの生活も落
ち着いてきた。近所の人や福祉の人もよく様子を見に来てくれるし、買い物や
病院も不便なく生活できてる。可能な限りここに住んで、どうにもならなくな
ったら施設に入り、最後は葬儀屋のお世話になる。そんな見通しが持てたら、
変に落ち着いちゃって、すごく気持ちが楽になったんだ。
この間自主避難所で一緒だった人が電話をくれて、「今度一緒に釣りにでもい
こうや」って誘ってくれた。こうやって気にかけてくれる人もいるんだもの。
小さな楽しみを重ねながら、穏やかに過ごしていきたいなって思っているよ。
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70代・女性
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今日は、水害から3年ということで、集いの会が催されたので参加しました。
もう3年なのか・・・まだ3年なのか・・・。被災前と変わったものを私なりに
挙げるとすると、「環境」「人の気持ち」「人の関係」「経済」「景色」かな
って思う。努力はするけど、これらが戻ることはないんだなぁって。だからこ
そ、新しく作る努力をしてもいいかなって思うんです。
リフォームで何百万円という借金を背負った人や、地価が暴落して経済的にも
厳しい状況の人もいる。災害公営住宅は高齢者や困窮世帯が多いので、身近
に生活を支える誰かがいなければ、立ち行かない人もいる。やむを得ず地区か
ら去った人の中には、「故郷を捨てたと思われているんじゃないか」という後
ろめたさで気軽に立ち寄れなくなった人もいて。見えない壁ができちゃったん
だよね。「そんなことないよ、いつでも戻ってきていいんだよ」って言ってる
んだけど気兼ねしちゃってね。だから、花壇や農園を作ったり、ぬくぬく亭の
運営にも力を入れてきたの。この壁を突破するきっかけになればと思って。他
にいい方法があるなら、他の地域の事例をもっと学びたいと思う。
私は、治水対策も重要な課題だと分かっているけど、それ以上に、水害がきっ
かけで、人のつながりが切れて孤独化していくことが一番の問題だと思って
る。だから、心配な人の所には、地域支え合いセンターの方と訪問したり、個
人的にも度々おかずを持っていったりしているの。今やっている地域活動も、
「孤立を防ぐ」っていうその一点のみ。様々な活動の場を通じて、色んな人の
目が交わることで、それができるんじゃないかって思うの。
地域支え合いセンターは1年延長されたけど、その後はどうなるかはっきりし
ていない。せっかくつながった人の関わりや信頼関係を、次はだれが引きつい
でいくのか、みんなで考えなければと思います。

RSY・8月3日からの大雨への対応について(第7報)

みなさま

いつもお世話になっております。RSY事務局です。
8月3日からの大雨、台風14号、15号と続き、各地で被害が広がっています。
RSYは、8月末から毎週、石川県小松市の中海・中ノ峠地区に通い、生活再建
のためのお手伝いを継続しています。
第4陣は台風襲来により、やむなく中止となりましたが、9月26日~28日の第5
陣は16名のボランティアさんに参加頂き、無事活動できました。
以下、常務理事・浦野からの報告です。
私たちの活動は、日本財団「令和4年8月大雨被害に関わる支援活動」助成金により実施しています。
1.あったかごはん食堂
食の提供を介して、住民の方の生活状況を把握し、支援から取り残されていた
り、困りごとを上手に伝えたりできない方々へのサポートを目的に開催してき
た「あったかごはん食堂」。今回の派遣で全8回(1,100食)を数えました。
おいしい食事が、心身の健康を守ると共に、心と心の距離をも近づけてくれる
大切なツールとなっていることを実感しています。
今回のメニューは、「さっぱりきつねうどん&味おにぎり」と「ぷりぷり玉子
の親子丼」。いずれも各150食すべて完売しました。
デリバリー部隊も活躍し、「出汁の味が身体にしみた」「手の込んだ料理が全
然できていなかったから、ほんっとにおいしかった」と大好評。いつもなが
ら、おいしい料理を提供して下さった、「碧南防災ボランティア連絡会」の皆
さんに、心から感謝致します。本当にありがとうございました。
2.看護師による健康相談
第1陣の派遣から、気になる方のカルテを作成し、市社協や介護課、地域包括支
援センターの皆さんと共有しています。経過観察によって状態の変化が捉えや
すくなり、地域での見守りの強化や介護保険制度へつながった事例もありまし
た。また、体調が悪いのに遠慮してしまい、ボランティアに作業を頼めないケ
ースもあり、看護師チームが掃除や生活環境の整備のお手伝いをさせて頂きま
した。
3.足湯ボランティア
1か月の訪問で、足湯の常連さんもできてきました。お気に入りの入浴剤を選
び、温かいお湯に足をつけながら、ゆっくり心の内にある言葉をお話下さいま
す。日々の頑張り、復旧作業での悩みや疑問、趣味や家族のこと、健康状態な
ど話題も様々。表情や言葉の雰囲気から、少しずつ生活が落ち着いてきている
様子もうかがえました。今回も、被災地NGO恊働センターさんと一緒に取り組
みました。
4.家屋の清掃
「あったかごはん食堂」のチラシ配布や、これまでのつながりの中で、「家族
でボチボチやっているけどなかなか進まない」という細かい清掃をお手伝いし
ました。このような作業は、これからもしばらく続くため根気勝負。ボランテ
ィアがお手伝いできるうちは少しでも手を休めて頂ければという気持ちで取り
組みました。
5.「被災者生活支援関係者会議」への参加
小松市社協さんにお声がけ頂き、介護課、地域包括支援センター、外部支援者
が一同に会して、お互いの活動状況や悩み、課題解決のための意見交換を行い
ました。特に、要配慮者については、市の関係機関による、きめ細かい見守り
や訪問が継続されていました。また、私たちの提供した情報にも丁寧に目を通
して下さっていて、この分野の支援スキームが確立されていることも分かりま
した。
今後は、ハイリスク予備軍(グレーゾーン)への働きかけと共に、生活困窮世
帯への公的サービスへのつなぎ、そこからこぼれる方々への民間によるサポー
ト、細かい清掃や簡易修繕の継続的なサポートの必要性、越冬支援、疲労や喪
失感による心身の健康被害、被災格差による人間関係のぎこちなさ、ニーズが
揚がりにくかった国府地区の孤立感などの課題を共通認識することができまし
た。
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被災者の声
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・さっき病院からかえってきたところ。この間もらった東海豪雨で生き残った
という水仙の球根、その日のうちに早速植えたのよ!ちゃんと頂いた日も書い
て。冬になったらきれいに咲いてくれるかしらねぇ?被災している、していな
い、被災が重い、軽いなど、それぞれの事情があるでしょ?地域の中でもそれ
でギクシャクすることがあって。ちょっと気が塞ぐことがあったけど、ボラン
ティアの皆さんの顔を見てお話したらすっとしたわ。ちょっと元気になった。
よかった。本当にありがとう。(70代・女性)
水仙の花を大切に育て下さっているNさんにもお会いできました!
・娘から「お母さん、なんだかおかしいから病院行った方がいいよ」と言われ
たので、今日頭のCTとかとってきたの。脳には特に異常はないって言われて、
過労みたいよ。病院に行くのも一仕事よ。床上浸水で今床下を乾かしているし、
修繕も入ればしばらく住めないなと困っていたら、近所の人が良くしてくれて、
その人の持ち家を無償で貸してくれることになったの。まずはそれで助かった。
娘がテレビとか電化製品を買おうとしているんだけど、私は本当に良いものを
厳選してよく考えて買いたいの。その代わりいいものを選ぶから長いこと大切
に使っているのよ。でも娘はすぐ買うって。意見が言わないのよねぇ。。
(70代・女性)
・調子?んー、疲れた。カーテンを新調したから、昨日一部取り付けていたん
だよ。ニトリで全部はかってもらって。色にもこだわりがあって、庭のある縁
側の方は緑色のカーテンにしたくてさ。廊下も床板に隙間があって寒くなるか
らフローリングマットを買ってきたんだ。でも廊下に置いてあるものをどけた
りしなきゃなんないから大変なんだよ。医者には行って薬をもらったよ。喘息
があるからそれが少しでちゃって。今は2時間ごとに目が覚める感じで、医者に
眠剤をもらったけど怖くてのんでないんだ。台所の下の泥かきと乾燥は終わっ
たから、今は普通に使えてる。でも手の込んだ料理はしてないよなぁ。今日は
申し訳ないけど、ごはん持ってきてくれるとたすかるなぁ。ありがとう。

(80代・男性)

・(足湯参加者)ここに来るとホッとするわ。8月4日から動きっぱなしで、左手がしびれてる。時間の合間をみて、マッサージや水泳もやっているけど、意識して身体を動かしていないからなんか調子がでないね。子どもたちも独立して、本来は今が一番楽しい時期。61歳で定時制に行って、64歳で卒業したの。当時は学校に行けなかったからね。60歳を過ぎて、「あんたは車も運転できるし、元気なんだから」と仕事に誘われたの。これから楽しく過ごそうと思っていたのに、今回こんなことになって。。。みんなに色々聞いてもらって助かってるの。ありがたいです。(70代・女性)

・お寺の境内と母屋が被災しました。中規模半壊。まだ細かい作業は続くけど、被災者生活再建支援金やお寺の支援金等で、リフォームの見通しを立てることができてひとまずホッとしました。水害後、暑い中十分に水分も取らずに動き続けていたせいか、脳梗塞になってしまって。少し言葉が出なかったり、麻痺もあったけど、今朝銀行で書類を書いたが、文字がしっかりかけたんです。回復していることを実感できてよかった~。(60代・男性)

・中ノ峠町のバス停横にある「中ノ峠物産販売所」は、地区で運営しているの。今は災害なんで休業してるけど、10月初旬に再開する予定。この店の主力商品のイワナのプールが水害で水が来ない状態。イワナを店頭に出せなければ開店しても赤字になることは分かり切っているんだけどね。これからどうしようかって頭を悩ませているの。(80代・女性)

6.10月以降の取り組みについて
床下浸水の被害がありながらも、これまで地域の支援拠点となっていた「中海
公民館」が10月から修繕に入る関係で、以降は、住民の方の駐車場スペースを
お借りし、11月まで「あったかごはん食堂」を継続します。
「ボランティアさんの数が少なくなって心細い」「まだ修繕が終わらないうち
に冬に入る。どう乗り越えていけばいいのか」という声も聞かれているため、
北陸学院大学のT先生と連携し、地元のボランティアの方々を中心に、息長く
生活再建に関わっていけるよう、RSYもささやかながらお手伝いを続けます。
★今後の派遣スケジュール
・第6陣:10月20日(木)~21日(金)
・第7陣:11月3日(木)~4日(金)
・第8陣:11月17日(木)~18日(金)
★この取り組みは、日本財団様からの助成金、生活協同組合連合会アイチョイス様からの寄付金を頂き、行っています。
#日本財団
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RSY活動支援募金にご協力ください!
(随時受付中)
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この支援金は、スタッフの現地派遣や情報発信、被災者への生活支援プログラ
ムのために活用致します。<銀行振込>
三菱UFJ銀行 本山支店 普通3505681
特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※「カツドウキフ 寄付者のお名前(カタカナ)」とご入力ください。
<郵便振替>
00800-3-126026

RSY・台風15号:静岡市清水区への支援について(第1報)

みなさま
お世話になります。RSY事務局です。
台風15号の影響で、静岡県内に大きな被害が出ております。
RSYは、清水区高部地区在住のTさん、および、常務理事・浦野の友人Oさん
をカウンターパートとし、今後の支援活動について検討を重ねています。10月
1日に浦野を現地へ派遣し、状況把握を行った結果、以下の活動を行うことに
なりましたので報告します。
 皆様のご理解・ご協力の程、よろしくお願い致します。
私たちの活動は、日本財団「令和4年台風15号被害に関わる支援活動」助成金により実施しています。
1.支援物資の提供、ボランティア活動資器材の貸出
9月25日、RSYスタッフ・秀島が、Tさんのご自宅横に隣接する倉庫に、タ
オルや衛生用品等の消耗品と、資器材をお届けしました。現状Tさん宅が、周
辺地域の支援拠点として、資材の貸出や相談窓口的な機能を果たしつつありま
す。今後も不足物品については、可能な限り補充できるよう対応していきま
す。
2.「今後の生活再建に関する無料ミニ相談会」の実施
清水区高部地区の子ども会や柏尾自治会からの要望を頂き、RSYが相談会の企
画・運営をお手伝いすることとなりました。会場には、県内外の法律や建物の
専門家、水害後の家の保全に詳しいNPOの皆様にも同席頂き、個別相談の時間
も設けます。
また、炊き出しやミニ喫茶、足湯コーナーを設置し、住民の方々のニーズキャ
ッチと共に、一息ついたり、今後についてゆっくり考えらえる場づくりにも取
り組みます。
3.被災家屋の清掃サポート、個別相談
Oさんと繋がりのある被災母子世帯に対し、清掃サポートや個別相談を検討中
です。
(被災者の声)
明け方の5時頃、泥水があっという間に家の中に入ってきたの。水なんて一度入
ってきたらとめらんないから。私は猫と自分のベッドの上にいて、娘は食卓テ
ーブルの上に。幸いなことに、携帯電話も、持病の薬もベッドの上に置いてい
たからよかった。水位が上がっていくなかで、私もうこれはダメだって思って
ね。死を覚悟した。別れの盃の代わりにと思って、ひざまで水に浸かりながら
台所まで行って、焼酎を作って飲んだのよ。でも何とか水が引いてホッとした
のもつかの間。見渡せばあちこち泥だらけ。
畳なんてとても持ち上がらないから、知り合いに手伝ってもらって、本当に助
かったの。タンスの引き出しは水を含んで開かなくなるし、冷蔵庫も壊れた。
でも、水はちょろちょろと出ていて、ガスも電気もとまんなかったからそれは
助かった。車はダメになったから、仕事もあるし早く調達したいと思って。こ
の家にはこれからも住み続けたいけど、何から手を付けていいやら分からなく
て。まだ床下には泥がいっぱい詰まってる。フローリングはなんだか盛り上
がってきた。寝る場所がないから、台所に肌掛けを敷いて、近所の人にも
らった簡易ベッドで何とか寝ているの。(60代・女性)
これらの取り組みにあたっては、自宅が被災しながらも、私たちを受け入れて
下さり、地域のために日々奮闘されているTさんや、困っている人のために力
になろうと必死で支えているOさん、現地で活動している震災がつなぐ全国ネ
ットワークの加盟団体の皆さん、法律の専門家である、一人ひとりが大事にさ
れる災害復興法をつくる会・NPO法人ワンファミリー仙台・(一社)パーソナ
ルサポートセンターの皆様にも大変お世話になっています。
また、9日の相談会には、石川県小松市への支援の際に、「あったかごはん食
堂」の運営にご尽力頂いている「碧南防災ボランティア連絡会」の皆様も駆け
つけて下さいます。本当にありがたい限りです。
今後は、静岡県ボランティア協会が毎年開催している災害図上訓練等で、日常
からつながりを温めてきた、名古屋の防災ボランティアの皆さんとも相談を重
ねながら応援体制を整えていきたいと思います。
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RSY活動支援募金にご協力ください!
(随時受付中)
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台風15号・RSY静岡市への支援について

みなさま
お世話になります。RSY事務局です。
台風15号の影響で、静岡県各地で甚大な被害が出ております。
特に静岡市内では、葵区や清水区を中心に、800世帯以上の床上浸水の被害が
出ています。また、徐々に解消はされつつあるものの、山間部の土砂災害等
が影響し、断水地域も少なくありません。
静岡市社会福祉協議会は、被害がひどかった地域に、災害ボランティアセン
ターを立ち上げるべく、現在準備にあたっているそうです。
RSYはこの間に、代表理事栗田の奥様の実家が被災エリアに近いことや、常
務理事浦野が静岡市出身であるため、独自のルートや日ごろネットワークでつ
ながる方々を辿って、情報収集に努めてきました。
その中で、静岡市清水区の高部地区に住むTさんより、今朝ほど「地区の瓦屋
さんの倉庫を借りて、地域の支援拠点として機能させたい。衛生用品の提供や、
資機材の貸出をお願いできないか」という相談を頂きました。
そこで、ハイエースいっぱいの支援物資・資機材と共に、震つなが発行する水
害後の生活再建の手引き「水害にあったときに」 も加え、先ほどRSYスタッ
フ・秀島が、無事に現地へお届けしました。
搬入に当たっては、RSYスタッフの他、ボランティアのIさんにもご協力頂
きました。本当にありがとうございました!
RSYは引き続き、Tさんや静岡のネットワークの方々と連絡を取りながら、被
災地の様子を伝える情報発信と共に、今後必要なサポートを検討していきま
す。
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RSY・8月3日からの大雨への対応について(第6報)

みなさま
台風14号の襲来で犠牲なられた方々、ならびに、現在も停電・断水等の中不便な生活を強いられている皆様に心からお見舞い申し上げます。
RSYは8月3日からの大雨で被災した石川県小松市を中心に、住民ニーズとして優先順位の高かった、食生活の向上を切り口とし、生活再建のお手伝いを継続しています。
(※現地派遣は、小松市社会福祉協議会ならびに、被災した地区の自治会長さんからの支援依頼を頂き実施しております。)
第3陣(9月12日~14日)として、名古屋からRSY浦野と10名のボランティアさんを派遣しました。第4陣(9月20日~22日)の派遣は、台風14号の影響によりやむなく中止となりました。台風襲来中もカウンターパートの中海町住民の方々や小松市社協、現地で活動する仲間と適宜連絡を取り合っていましたが、幸い大きな被害には繋がらなかったそうでひとまず安堵しております。
RSYは下記の活動を通じて、被災者の現状・生の声を集約し、気になる案件は、自治会や小松市社協、連携団体らと共有しながら、ニーズの取りこぼしの無いよう注意深く見守っています。以下、第3陣の報告です。
私たちの活動は、日本財団「令和4年8月大雨被害に関わる支援活動」助成金により実施しています。
1.あったかごはん食堂
毎週2日間の「あったかごはん食堂」も随分定着してきました。住民の皆さんは、RSYボランティアさんが考えたバラエティ豊富なメニューを、いつも楽しみにしてくださっています。食堂カレンダーもボランティアさん作。家の玄関などに貼り、「次は麺類だね」「おでんが食べられるの?」と訪問時の会話のきっかけにもなっています。
そしてなんと、今回は、2019年の台風19号で被災した長野市・赤沼地区で、復興支援活動を継続している「炭火焼肉ジンギスカンもんも」さんが、応援に駆けつけて下さいました。この水害でRSYがお世話になった「長野市災害ボランティア委員会」の皆さんが、今回もRSYの活動に賛同し、市内ネットワーク団体に働きかけて下さったのです。もんも店長のHさんは、阪神・淡路大震災の支援経験から、災害時の食生活、食事環境向上を重要視され、以降、全国各地の被災地で「炊き出し支援」を展開されています。
9月13日の10時、総勢5名のスタッフの方々が長野から颯爽と現れ、瞬く間に「チキン弁当、焼きそば、あったか味噌汁」を150食提供して下さいました。また、地元小学生の温かいメッセージが添えられたお米や、甘酒、新鮮な野菜やフルーツなども一緒に届けて下さいました。住民の方からは、「千曲川の水害はよく覚えてる」「私たちにも、他の被災地の方々に同じことができるかしら?」など、様々なコメントが寄せられました。もんもさん、本当にありがとうございました!
9月14日は、住民の方からかねてからリクエストを頂いていた「おでん」。大根、こんにゃく、ちくわ、玉子を前日から白だしで煮込み、にんじんおにぎりを添えてお届けしました。料理長Kさんの「おいしいものを食べてもらうためには手を抜かない!」という徹底ぶりで、面取りや影包丁もぬかりなく。こちらも大好評。
拠点まで取りに来られない方や、少し離れた中ノ峠町にお住まいの方々などには、デリバリーでお届けしています。
2.被災家屋のお掃除サポート
「被災地NGO恊働センター」Mさんからコーディネート頂き、床下を乾燥させながら、サッシやガラス、床など細かい部分の掃除作業が残る世帯へお手伝いに入りました。作業にあたったRSYボラさんたちも、時間の経過と共に変化する家屋保全の作業過程を目の当たりにし、その大変さを身をもって実感されたようです。
3.看護師による健康相談
「あったかごはん食堂」の配布で気になった方や、自治会の方から相談のあった方については、看護師ボランティアが健康チェックを行っています。急を要する案件は、市社会福祉協議会を通じて、市介護課や地域包括支援センターに繋いで頂いています。
4.足湯ボランティア
地元の北陸学院大学のT先生と2名の学生さんが、食堂に合わせて足湯ボランティアに来て下さいました。学生さんは初めてということで、足湯講習会もセットで行いました。これをきっかけに、今後はサロンや食事会の開催も視野に入れながら、長期的な支援活動を検討されるそうです。
5.番外編!~長野から支援再び~
9月18日、中海町公民館へ、長野市豊野区の皆さんから、真心いっぱいの支援が届けられました。RSYが台風19号の支援をきっかけに繋がりを持ち、豊野区の復興支援・福祉のまちづくりの拠点になっている「まちの縁側ぬくぬく亭」「豊野区住民自治協議会女性部会」「ベジ地場ファームボランティア」「集楽元快」の皆さんが協力して下さいました。
リーダーのSさんから、公民館のMさんへ、お見舞金の他、お米やりんごやぶどうなどの秋のフルーツ、かぼちゃやじゃがいも、なす、とうがらしなどのフレッシュな野菜、手作り品の数々が手渡されました。Sさんからは、「新鮮なフルーツや野菜類はとても喜んで頂けて嬉しかった。ぬくぬく亭の活動報告書と、みんなの応援する想いをお届けしました。普段はこんなに穏やかな川なのに一月に2回も氾濫するとは。近づく台風を心配しながら、短時間の交流を終えました」という報告を頂きました。本当は第4陣で合流して、さらに交流を深めることを予定していただけに残念ですが、これをご縁に、ぜひまた機会を作りましょう!
6.被災者の声(カッコ内はボランティアが加筆)

・今日は病院に行ってきて、帰ってきた時にボランティアさんに会えるかな、と思って思い切って公民館まで来てみたの。前回頂いた長野のおりんご、とってもおいしかった!ここに来ると、近所の仲良しの方が様子を見に来てくれたりするのでありがたい。おでんもさっぱりして本当においしかった。食欲があまりないけれど、あれはおいしく食べられました。(2000年愛知県で発生した東海豪雨被災者から譲り受けた水仙の花の球根をお渡しすると)わぁ。私はお花が大好きで、見てるだけで元気がもらえるからとても嬉しい。すぐに植えて大切に育てます。(80代・女性)

・あまり体調はよくない。腰がとても痛いし、頭がちょっとふわっとする。心臓が辛くてしんどいから横になっていたの。夜もあまり眠れてないです。でもお友達が誘ってくれるから、金沢の方まで出かけたりしているのよ。床下は、大工さんに徹底してみてもらって、ボランティアさんに泥かきしてもらった後にしっかり乾燥させて、消毒もしてもらったの。でも最近壁の汚れが気になって。カビかな?断熱材も入っているから心配なのよ。大工さんに相談する予定。罹災証明書は中規模半壊。生活必需品の申請は「まぁいいか。。」と思ってしていない。水道や電気も免除されるのかしら?(2000年愛知県で発生した東海豪雨被災者から譲り受けた水仙の花の球根をお渡しすると)草花が大好きだから、近所の目を気にしてこんな時にと控えてたけど、やっぱり元気もらえるから植えてみるわ。(80代・女性)

・(足湯に参加)はぁぁ、疲れた。あせまるけ。ちょこちょこ動いてはいるけど、ちゃんと理にかなった動きになっているのか分からないのよね。足湯はきもちいい。少しほっとする。高校の孫がいて、あと1年学校があるの。こんな状況になっちゃったけど、何とか卒業してもらいたい。優しくていい子なのよ。(70代・女性)

・なんだか調子がわるいんだ。疲れちゃって。昨日大工さんに一部屋だけ畳を入れてもらえたから、玄関横の部屋から奥の部屋まで、ベッドを解体して一人で運んで組み立てたんだ。ちゃんとしたベッドだったから結構重かったよ。自分でできることは自分でやんなくちゃって思ってさ。でも今日は疲れて公民館までお弁当取りに行けないから、悪いけど持ってきてくれるかい?(80代・男性)

・俺のところは床下にも水は入っていない。水は玄関の前の庭先で止まったから。市からも調査が来たが、被害はゼロだった。玄関前の泥は自分で畑に持って行って捨てた。だから俺は飯も物資も一切いらない。もう持ってこなくていい。風呂は庭にある水道の水をシャワー代わりにしているから大丈夫。夜は度々起きることはあるが、昼寝をするからかな。(看護師が同行し、健康チェックがてら会話。お話は浴して下さる。住居の物理的な被災をしていないことで支援を受けることを遠慮されている様子)(80代・男性)

・(足湯に参加)我が家は無事だったけど、皆さんが大変なので、今自分たちのできることをと思って公民館でお手伝いをさせて頂いてます。60年前も浸水した地域なので、「また浸かった」という方もいる。足湯は初めてだったけど、とってもきもちよかった~。ありがとうね。(70代・男性)

・自分は中海で生まれ育ったけど、60年前の浸水の恐怖が忘れられなくて、40年前に高台へ引っ越しました。先祖から受け継いだ土地は大切にしたいと、シロツメ草や、よつばのクローバーを植えたり、バドミントンのネットを張って、地域の子どもたちが自由に遊べるような広場にしています。今回の水害で広場に泥が入ったので、ボランティアセンターに助けてもらいました。この出来事を後世に伝えることが大切と感じ、浸水した高さにプレートを掲げました。(2000年愛知県で発生した東海豪雨被災者から譲り受けた水仙の花の球根をお渡しすると)これは記念になるし、被災地同士がつながることで、励みにもなると思うから早速植えて、解説のプレートも作りたいと思います。ここで音楽会なんかもできればいいなぁと思っています。(70代・男性)

・ここから車で5分ぐらいのところに家があるんだけど、うちと周辺4世帯ぐらいだけが浸水被害を受けてて。災害ボランティアセンターにもお願いして泥かきはしてもらったけど、事業所の方は頼めないし、細かい作業もどこまで相談したらいいか分からないの。だから何とか自分たちで頑張って。私は中海ではないけど、公民館の前を通りかかったらなんだか楽しそうな雰囲気だなって。思わず中にはいっちゃいました(笑)ここに来れば物資や食料の支援がもらえるのはとても助かります。他の方にもこのこと伝えていいですか?明日もお弁当取りに来させてもらいます。(当日のうちに現地に行き、ご本人案内のもと浸水世帯を回るも不在。明日のお弁当は自分から届けて下さると申し出て頂いた)(60代・女性)

・玄関横の部屋は水がかぶったので、泥かきなどの作業をやってもらった。他の部屋は何もしていない。高齢なので、家の補修を積極的に考えられずにいる。(70代・女性)

・妻と息子(2歳)の3人ぐらし。毎回お弁当が楽しみで。おかげ様で家族みんな健康状態に問題ありません。(30代・男性)

・毎週こんなに山奥の年寄のところへ配達してくれて申し訳ない。でも毎回違うメニューだから、最近は楽しみの一つになっているよ。(80代・男性)

・今床下を乾かしています。消毒は業者に頼もうとしたけど時間がかかると言われたので自分たちでやっています。家の保全に詳しい支援団体の方が、作業手順として、次に何をしなければならないかをその時々で適切に教えてくれたから、無駄な時間を過ごすことなくとても助かっています。(30代・女性)

7.ボランティアの声
第2陣参加:川路和洋さん(デンソーGハートフルクラブ)
RSY様の活動には初めての参加です。初日は炊き出しチラシを持って近隣住民の方の
(特に炊き出しサービスの情報が届いていないと思われる)お宅を訪問し、現在の様子や復旧状況を確認。被災から1ヶ月経っても日々の生活に不安や不便さを抱えながら復旧作業を続ける住民の方の心身の疲労感を感じ取れました。
翌日からは炊き出しのお手伝いや公民館での受取が困難なお宅へ食事をお届けし、顔を合わせ言葉を交わす事でお話も出来るようになりました。復旧作業にあたっている支援団体の皆さんは元の形に戻すためにスキルを活かし仲間と協業しながら懸命に日々活動されています。
その姿を見て住民の方も元気や希望を取り戻して行く…支援活動を通して人との繋がりの大切さと優しさを改めて学ばせてもらいました。今回の経験を会社に報告すると共に、「あったかごはん食堂」の運営サポートが継続的にできる方策を相談しようと思います。貴重な機会を与えていただきありがとうございました。
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RSY活動支援募金にご協力ください!
(随時受付中)
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この支援金は、スタッフの現地派遣や情報発信、被災者への生活支援プログラ
ムのために活用致します。<銀行振込>
三菱UFJ銀行 本山支店 普通3505681
特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※「カツドウキフ 寄付者のお名前(カタカナ)」とご入力ください。
<郵便振替>
00800-3-126026

【ご注意下さい!!】台風14号への備え・お役立ち情報

みなさま
お世話になります。RSY事務局です。
台風14号が九州地方に接近しており、その後日本海側を横断する進路予測とな
っております。中心気圧は910hPa、速度が遅いため、各地で暴風を伴う大雨が
心配されます。生活再建の途上にいらっしゃる地域の皆さんからは、「すごく
不安」「何度避難したらいいのか」「もうこれ以上は頑張れない」などの心の
叫びが聞かれています。
被害が拡大しないことを祈りつつ、ぜひ下記の点について、今一度確認頂き、
命と暮らしを守るための事前の備えを進めて下さい。また、遠く離れたご家族
や、近所に住む方で一人で逃げることが難しい方々へ、皆さんが入手した情報
を躊躇せず、お伝えください。一人ひとりの小さな行動が、かけがえのない命
を守ることにつながります。
1.洪水ハザードマップで自宅・周辺の被害想定を確認する
お住まいの市町村HPから確認できます。浸水深と共に、避難ルートと避難所候
補を複数想定しておきましょう。浸水深が深い場合は、高い場所にある避難
所、親類・知人宅、ホテルや旅館等に早めの避難ができるよう準備しましょ
う。
上記該当世帯の中で、
避難に時間がかかったり、サポートが必要な高齢者や障がい者、乳幼児等がい
る場合は、「警戒レベル3」で、それ以外の方は、警戒レベル4」で避難行
動を開始しましょう。
2.最新の台風の進路・避難情報を入手する
下記のサイトが役立ちます。
★気象庁・キキクル
★国土交通省・川の防災情報
★お住まいの市町村の防災アプリ
お住まいの市町村HPからダウンロードできます。(地域によっては未整備の場
合もあります)
3.事前対策を行う
RSYニュースレター「あるある105号」台風対策
下記のポイントについてイラストと共に分かりやすく説明しています。
①飛ぶものは片づける
②窓や換気口の下のものをどける
③車やバイクは建物の陰に
④停電に備える
⑤暴風域の間は外に出ない
⑥雨雲レーダーの予報を定期的に確認
⑦逃げるが勝ち
全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)HP
【コロナ禍でもすぐできる!防災アクションガイド】シリーズ
・大雨・台風への備え
・気象庁Webサイトの使い方
・災害時のSNSリテラシー
・在宅避難の備え
★農林水産省HP
「災害に備えた食品ストックガイド」
4.万が一、水害にあってしまったら。。。
震災がつなぐ全国ネットワークブログ
水が引いた後にすべき作業手順を分かりやすく説明しています。
・「水害にあったときに」チラシ版(日本語版)
・「水害にあったときに」チラシ版(英語版)
皆さん、くれぐれもお気をつけ下さい。

【報告】東海豪雨22年~語り継ぐ早朝の集い~

みなさま
お世話になります。RSY事務局です。
2000年9月11日から12日にかけて発生した「東海豪雨水害」から22年が経ちま
した。水害後から毎年、この時期に決壊場所となった1級河川庄内川の支流・
新川のふもとにある「あしわら公園」でメモリアルイベントが開催され、今年
も、RSYスタッフ・ボランティアが参加しました。
この企画は、「東海豪雨を語り継ぐ会」主催、共催に「おとつむぎネット」、
後援にRSYが関わっています。
この公園のある名古屋市西区あし原町は、2m近い浸水に被害に遭い、復興ま
でにとても長い時間を要しました。当時NPO法人化前だったRSYは、「震災
から学ぶボランティアネットの会」として、災害ボランティアセンターの運営
支援や、その後の中長期に渡る生活再建にも関わらせて頂きました。
「震災がつなぐ全国ネットワーク」メンバーはじめ、全国各地から沢山の方々
が応援に駆けつけて下さり、大きなサポートを頂いたことを今でも鮮明に思い
出します。
22年の流れの中で、被災者や支援者の高齢化は進み、地域の中では新住民の転
入も重なり、かつての被害を知らない住民も増えているといいます。そんな
中、「東海豪雨を語り継ぐ会」代表のIさんからは、「メモリアル企画の継続は、
災害を忘れない、復興の途上にいる被災地の方々へ想いを馳せる大切な時間に
なっている」という御挨拶がありました。
そして、企画の中盤には、水仙の花の球根を植栽する時間が設けられていまし
た。水害後の泥だらけの地面に、すっくと咲いた水仙の花。
この地域で被災したYさんが、その球根を大切に保管し、公園の片隅で22年間
育て続けてくれています。
「あの時は辛いことだらけで、何か没頭できるものが必要だった。球根を植
え、成長を見守り、見事に花を咲かせたときの喜びは言葉にできない。どれだ
け心が支えられたか分からない」と、22年経った今も、目に涙を浮かべながら
お話されました。そして、今年もみんなで、球根の植栽ができたことを心から
喜んでいらっしゃいました。
明日から、小松市へのボランティア第3陣の派遣が始まります。
「復興期の様々な苦楽を乗り越えた大切な水仙の球根を、ぜひ小松の皆さん
に届けて下さい。お花の力を借りて、少しでも明るい気持ちになってもらえ
れば嬉しい」と、Yさん、Iさんから宅して頂きましたので、お届けしたいと
思います。
RSYと長年のお付き合いのフリージャーナリスト・関口さんが2年前に執筆され
た当時を振り返る記事をご紹介します。
当日の様子が分かる内容になっていますので、ぜひご覧下さい。
★「東海豪雨」から20年 あのとき何が起きたのか? 都市型水害の恐怖と教訓
その他関連記事
★「水害は水が引いた後も大変」 知っておきたい被災者の経験

RSY・8月3日からの大雨への対応について(第5報)

みなさま

RSY事務局です。

RSYは小松市社会福祉協議会および、自治会長らからの要請を受け、8月29日から、毎週小松市に通い、中海町・中ノ峠町で、「あったかごはん食堂」の開催や、足湯&サロン、看護師による健康相談等を行っています。

また、同地区で活動されている、被災地NGO恊働センター、コミサポひろしま、チームふじさん、支援Pの方々とも適宜情報交換を行い、活動サポートを頂いております。

また、私たちの活動は、日本財団「令和4年8月大雨被害に関わる支援活動」助成金により実施しています。

今回は台風の影響が心配されましたが、進路や現地の気象状況、地元の意向を確認したところ、移動・活動に問題ないと判断し、第2陣(9月5日~7日)として、RSY浦野と9名のボランティアさんを派遣。前回に引き続き「碧南防災ボランティア連絡会」のご協力を頂くと共に、新たに「(株)デンソーハートフルクラブ被災地支援チーム」からも企業ボランティアの皆さんが参加くださいました。

被災地の現状としては、泥かきは大方終了していますが、床下や壁はがし、乾燥、消毒等の細かい作業はまだまだ残っています。また、大工や工務店が入り、既に修繕を始めているお宅がある一方で、経済的な理由や自分の年齢も考えると、先の見通し定まらず立ち止まっている方もいて、生活再建のペースに格差が見て取れます。

市は、被災者生活再建支援法の適用から漏れる市内の住宅を対象に、独自施策として、1件当たり最大25万円の支援金を支給する方針を打ち出しました(中規模半壊25万、半壊20、準半壊15万、一部損壊(床上浸水)10万)。

また、罹災証明書の発行も進んでおり、中海町公民館でも行政による公的支援や申請に関する住民説明会も開催されました。公共料金の免除や、仮設住宅への入居、応急修理制度などに関する説明があったようですが、申請書類の多さや、自分のケースで何がどこまで適用できるのか分からないという声もあり、さらなるきめ細かなサポートが必要です。

1日目の5日(月)は、炊き出しのチラシをポスティング。自治会の協力を得て、第1陣で炊き出しにいらっしゃらなかった方や心配な要配慮者世帯を中心に配布しました。直接手渡しでご案内すると、家の復興状況や水害当時の様子、健康状態への不安、ボランティアの方々への感謝など、様々なお話を聞かせて下さいました。

 

特に年配の方や床下浸水世帯は、「私たちよりもっと大変な方がいるから」と、ボランティア依頼や物資・食事提供を遠慮される方が多いという印象です。遠慮されている方や体調がすぐれない方、家を空けられない、移動手段がないなどで取りに来られない方には、デリバリーでお届けすることにしました。

また、気になる案件は、自治会や災害ボランティアセンター、連携団体らと共有し、ニーズの取りこぼしの無いよう注意深く見守っています。

以下、全体の詳細報告です。

※私たちは、新型コロナウイルス感染症対策として、基本的な感染症対策と共に、ワクチン接種、出発前の抗原検査、滞在時の健康チェックや行動履歴の記録等を徹底し、活動にあたっています。
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RSYの活動内容
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1.あったかごはん食堂の開催
第1陣の食堂が好評だったので、今回はメニュー・数共に住民の皆さんのリクエストにお答えして150食を用意。取りに来られない方にはデリバリーでお届けしました。
(あったか食堂メニュー)
・1日目:名古屋名物きしめん、五平餅、フルーツカップ
・2日目:ゴロゴロ野菜の肉じゃが、ごはん
中海公民館の厨房をお借りして調理
料理長の神谷さんはいつも大活躍
五平餅の人気が高い!
久しぶりの煮物にホッとしたという声も。
12時になると続々と住民の方がいらっしゃいます。
また、2019年に被災した長野市豊野区のりんご農家さんより、フレッシュなリンゴと梨の差し入れを頂きました。千曲川の水害のことは皆さんもよく覚えていらっしゃり、「遠くから気にかけてもらえてありがたい。自分がこうなってみて初めて皆さんの気持ちが分かった」などの言葉も聞かれました。
山間部の中ノ峠町。一時土砂崩れで孤立していた約10世帯ほどの集落。今は道路も舗装され、行き来ができるようになりました。神戸の被災地NGO恊働センターの協力を得て、毎回15食をお届けしています。
※写真:被災地NGO恊働センターの増島さんのFBより
2.看護師による健康相談
チラシ配布やデリバリーで気になった方や、自治会の方から相談のあった方については、看護師ボランティアが健康チェックを行っています。急を要する案件は、市社会福祉協議会につなげています。
3.足湯ボランティア
遠慮されたり時間がないということで、利用者さんはまだ少ないですが、「足がすごくあたたまって身体が軽くなった」「話ができてすっきりした」などの声がきかれています。普段近所の方や家族には言えない心の内をお話される方も多いため、今後も周囲を気にせず、安心して話せる場の必要性を感じます。足湯ボランティアは、被災地NGO恊働センターのつながりや、北陸学院大学の方々とも連携し、継続的に開催できるよう調整される見込みです。
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被災者の声
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・息子と二人暮らしだけど、勤めに出ているので、お昼ごはんは一人だから食べていない。公民館で炊き出しをやっていることも知らなかった。わざわざ食事を持って来てくださってありがたい。(80代・女性)

・普段は娘に世話になっているが、日中は一人でいる。今回、家の被害がないので、公民館で支援をもらうのは申し訳ないと思い、炊き出しも1度も利用していない。(80代・女性)

・体調不良で1日寝込んでたんだけど、娘が来て身の回りのことをしてくれた。今日は家の草取りなど、外回りの作業ができ、食欲もあるので体調もいいわ。昨日娘が食堂のごはんを届けてくれたの。五平餅、おいしかった~(80代・女性)

・私は一人暮らし。娘が手伝いに来てくれ、行政の手続きはしてもらってる。VCセンターにも頼んで泥かきはしてもらったの。でも、床拭きや細かい作業は全部自分でやった。車も被災したから、新調したばかり。一気に疲れが出たのか、先週車を運転している最中に脂汗が出てきて、これはダメだと救急車を呼んだの。過労とストレスだって。でも点滴したら気分がよくなって、体操をしたり、少しビールなんかも飲んでる。公民館で何かやっているのは知っていたけど、私は高齢者だし、若い人に譲った方がよいと思って、最初の方しか行ってないわ。気分転換に植木や花壇なども作りたいけど、こんな大変な時にそんなことやって、周囲を嫌な気持ちにさせるのは申し訳ないからやめてる。炊き出しも申し訳ないので遠慮してのよ。でも声をかけてくれたので久しぶりに行ってみようと思う。(約束通り炊き出しを取りに来られ、周囲からの声かけにも嬉しそうに笑顔を見せていた。翌日のご案内もしたが、やはり遠慮されていたのでデリバリーでお届け。恐縮ながら、ありがたいと受け取って下さった。)(80代・女性)

・孫と娘との3人暮らし。泥かきはボランティアセンターさんに随分お世話になったけど、これから先、何をしなければならないのかよく分からない。今水拭きで床や柱を拭いているだけ。消毒とか乾燥をどうやればよいのかしら?炊き出しはありがたい。娘がアパートを借りると言って今手続きしている。高校3年生の孫(男子)がいるけど学校が始まってみんな落ち着かないの。(70代・女性)

・(チラシ配布時、奥の部屋から足場の悪い中を移動していたため転倒の危険が心配された。公民館の方からも以前踏み外しがあったとの情報提供あり。コンパネ設置のためボランティアが訪問)。俺は足が悪いから、確かに踏み外したら危ないな。しかし、そんなところまで見て心配してくれてたのか。。。通路を確保しようにも、業者から部屋に物を置くなと言われているし、日々の生活を考えるとあまり物を移動させたくないんだ。よく通るところにだけ床板をはめてみるか。よしハマった。こんなことくらい自分でできるよ。車2台ダメになったけど、トラックを新調した。床拭きは自分でもやっているけど、もう1か月だろ。毎日おんなじことばっかりで、掃除にも飽きてきたよ。その上、ここ1週間なんだか身体が変なんだよ。(看護ボラが確認、受診を進めた)(70代・男性)

・台所が使えないので、お嫁さんの所で味噌汁ぐらいは作っているの。1か月で3キロ減った。沢山のボランティアさんが入ってくれて本当にきれいになって感謝してるの。今は業者さんが直してくれている。家族の介護のこと相談したいけど、どこに行けばいいの?週に1回でもデイサービスとかを利用してもらえれば私も随分楽になる。本人も他人との関わりがほとんどないから、刺激にもなっていいんじゃないかと持って(社協につなぐ)(70代・女性)

・通路の床下の泥かきがまだできてなくて、水曜日に業者さんが入るから、その時ボランティアさんに来て欲しい。居間の床下も見える所は自分でとったけど奥が取り切れていないのでお願いしたいです。(社協につなぐ)(40代・女性)

・大工はもう入っているから、特に困ったことはないよ。大方の修繕が終わったら、あとは細かいところの片づけが残っているな。まだまだ先は長い。(70代・男性)

・息子から保険や大工の手続きもすぐしてもらったので今は特に困っていない。お金の算段が付けば、どこまで何を修繕すればよいか先のことが考えやすいからね。でも、ご飯は買い物をしてもどうしても作る気が沸かない。作りたくないの。時間があるからってできるものでもないのよね。気持ちの問題。だからカップラーメンばっかり食べてるのよ。(60代・女性)

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活動を終えて
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全体的な被災地の「今」の傾向は、以下のように感じました。
・今後の復興過程で起こり得る生活課題がよく分からないために、困りごとが伝えられない方がいる。
・ 潜在的な福祉ニーズ対象世帯の復旧の遅れや生活環境の悪化の心配(「大丈夫」という言葉を真に受けてよいか慎重な判断が必要)
・「眠れない」「やる気が出ない」「過労・ストレス」「なんだか分からないけど気持ちが沈む」「悲しい」「なんとなく調子が悪い」などのキーワードが良く聞かれ、こちら側の声かけに涙を浮かべる方が多い。
・ 季節の変化による寒さ対策(防寒器具購入、DIYレベルの簡易修繕など)、物資提供の必要性。
・ キッチンが使えないという物理的課題、心身の疲れにより、簡易または粗末な食生活を送っている方が多数。食事への対応は生活機能の中でも後回しになりがちだが、じわじわと心身を蝕んでいくため健康被害につながりやすい。台所の修繕や体調安定の目途が経つ頃までは継続的な支援が必要。
・近しいが故に、周囲の目を気にしたり、遠慮や気兼ねで積極的に支援を受けようとされない方も多いため、ある程度のおせっかい的な介入が必要か。これまでの活動を通じて、「よそ者の方が話しやすい」というパターンもあるようなので、地区から少し離れた立場の地元支援者との接点(炊き出しやサロン、足湯等の集いの場、運動教室、お楽しみイベントなど)が積極的に作れると、気分転換ができたり、安心して心の内を吐露されたりする方も増えるかも知れない。
 第3陣の派遣は、9月12日(月)~14日(水)を予定しています。
13日(火)には、長野市災害ボランティア委員会の協力を得て、2019年に千曲川の氾濫で被災した長野市の地元復興支援団体「炭火焼肉ジンギスカンもんも」さんによる炊き出しが振舞われます。長野の復興の歩みをぜひ共有頂き、小松の皆さんの悩みや不安の解消、心の拠り所になればと思います。
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RSY活動支援募金にご協力ください!
(随時受付中)
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【RSY・8月3日からの大雨への対応について(第4報)】

RSYは小松市社会福祉協議会および、自治会長らからの要請を受け、8月29日から中海町、中ノ峠町へRSYスタッフ・ボランティアを派遣しています。以下、常務理事・浦野からの報告です。
※新型コロナウイルス感染症対策として、基本的な感染症対策と共に、ワクチン接種、出発前の抗原検査、滞在時の健康チェックや行動履歴の記録等を徹底し、活動にあたっています。
私たちの活動は、日本財団「令和4年8月大雨被害に関わる支援活動」助成金により実施しています。
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中海町、中ノ峠町の状況
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8月4日に発生した水害から、一時復旧作業が進むも、20日に発生した大雨により被害が拡大しました。新聞各社では、
「せっかく泥を出した所がまた泥だらけ。もう何から手を付けていいか分からず、再建も全然考えられない」
「今後もここに住み続けるかどうか考えてしまう」
「4日の大雨の復旧活動が一段落したと思ったところだったので、またかという感じです」
などの被災者の声も紹介され、短期間による2度の被災は、被災者の気力・体力を奪い、過酷な生活状況が続いています。
★中海町
氾濫した梯川の支流、滓上(かすかみ)川の用水が溢れ浸水。約130~140世帯の集落。8世帯を残し床上・床下浸水家屋多数。最も深いところでは2m近くの浸水があり、夜は親戚宅等で寝起きしている方々も少なくありません。
復旧作業は、家族・親戚等の血縁や地域の消防団の活躍、災害ボランティアセンターからからのボランティア派遣により進められています。現在、床下対応、消毒、乾燥の段階に入り、昔ながらの立派な家屋も多く、これから細部の掃除や修繕にかかる費用など、多くの時間とお金がかかることが見込まれます。
中海町は、災害発生直後から、公民館に在宅避難者の支援拠点を構え、被災を免れた住民や近隣地域の有志が中心となり運営。地域独自で物資配布や困りごと相談、見守りを継続しており、技術系NPOや、炊き出し等の外部支援の受け入れも積極的に行っています。
★中ノ峠町
11世帯からなる小規模集落(一部空き家あり)。8月4日の大雨で集落の中央を流れる川が増水し、道路が崩れ住宅に土砂が流れ込みました。しばらくはボランティアも行けない状況でしたが、ようやく現地入りできるようになり、復旧作業が始まるも、20日大雨で再び複数の箇所で道路や橋が崩落し再び孤立。現在はボランティア派遣が再開され、災害VCによる個別訪問をはじめ、懸命な復旧作業が進められています。
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RSYの活動
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市社協や支援Pの方々、また、同じ地域で活動する、被災地NGO恊働センターやコミサポひろしまの皆さん、その関連団体の皆さんらと情報交換を行い、適宜連携を図りながら活動させて頂いています。
RSYは下記の活動を行うために、当面9月いっぱいを目途に、名古屋から、毎週10名程度のボランティア派遣を予定しています。第1陣となった8月29日~31日は、RSY浦野と5名のボランティアさんで下記の活動を行いました。
1.あったかごはん食堂の開催
水害から1か月が経ち、泥かきやがれき撤去の作業は落ち着いたものの、床下対応や、細部の掃除、消毒、乾燥等、時間のかかる作業が続いています。「料理を作る気力がわかない」「レトルトやカップ麺などが多く、きちんとした食事が取れていない」「粗末な食事を続けていると心が荒む」などの声が多く聞かれたため、「あったかごはん食堂」と称して昼食の炊き出しを実施。30日は『あったかうどん』31日は『八宝菜丼』のメニューで、各日、約100食を用意し、中海町、中ノ峠町の皆さんにお届けしました。いずれもおいしい!と評判を頂き、2日目は30分で完売しました。調理は、碧南防災ボランティア連絡会からキッチンカーを運行頂き、全面的なサポートを頂いています。
2.看護師による健康相談
RSY看護ボランティアの協力を得て、炊き出し会場に集まる方々や、地域で気になる方のお宅を訪問し、健康相談や声かけを行っています。疲れの蓄積から血圧の上昇や体重の減少がみられる方もおり、水害当時の恐怖を切々と語る方もいらっしゃいました。情報は個別カルテにまとめ、支援関係者と共有し、継続的な見守りにつなげていきます。
3.足湯&サロン等の場づくり
少し腰を据えて一息つく、ゆっくり心の内を吐き出す場づくりにも取り組んでいます。まだ利用者は少ないですが、中海公民館の運営担当の方からも「遠慮して公民館まで物資を取りに来ない方が気になっているが、なかなか対応しきれていない。きっといっぱいお話したい方は多いはず」という言葉をお聞きしているため、食堂や個別訪問の活動を通じて、声掛けを継続していきます。今後は、北陸学院大学のT先生率いる、地元の大学生ボランティアの皆さんと一緒に取り組む予定です。
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被災者の声
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(中海町)
・ボランティアの皆さんには、本当に感謝しています。家族だけではここまできれいにできなかった。色んな場所から駆け付けてくれて。同じことを自分ができるかっていったら無理だと思った。体中泥だらけになって丁寧に作業してくれて。。皆さんのおかげでやっとここまできたんですよ。(70代・男性)
・もう毎日汗だく。着替えている暇もないわ。今は床板を上げて床下乾かしているところ。細かい掃除が残ってて、泥ってとっても不思議で、拭いても拭いても浮き出てくるのよね。きりがないの。押入れの中を掃除したいんだけど、奥にあるから、根太(ねだ)の上を歩かないと辿りつかないのよ。娘からは踏み外したら危ないって言われてるけど、「私は平均台が得意だったから大丈夫」といって笑ってね。でもそのうち落ちたりするかもしれない。(70代・女性)
・今は家の中を扇風機とかで乾燥させてるから、やれることはあんまりないんだよ。そうすると、急に元気が出なくなっちゃって。1か月、目の前の泥だけを見て片づけてたからその反動なのかな。急に悲しくなっちゃってさ(涙ぐむ)。でもこうしてあたたかい食事をつくってもらえて嬉しいよ。その気持ちが嬉しい。(70代・男性)
・体調が悪くて2~3日寝ていたけど、このままじゃだめだと思って自分を奮い立たせて、玄関周りの草でも抜こうと思って出てきたの。(看護ボラより、炊き出しや足湯を案内)私よりも被害が大きい人がいるから、私は行かない。行けないわ。だからここで頑張るって決めているの。体重が3か月で6キロぐらいへっちゃった。1年前に夫が亡くなってから気持ちが落ち込んでいて、さらにこの水害。本当に怖かった。あんなことは今までなかった。物は何もいらない、こうやって誰かが気にかけて、声をかけてくれるのが何よりも嬉しいの。それだけでいいの。(血圧上昇のため看護師ボラより受診を促し。翌日再訪問すると、医師からしっかりと寝ることが大事と助言され、薬をもらい眠れたとのこと。血圧安定、表情が良く、昨日より元気に見えた。)
(80代・女性)
・家が大きいから掃除が大変で。とにかく毎日気を張ってるの。私なりにがんばろうとするんだけど、時々家族と意見が合わない時もあって。ほら、足少しむくんでるでしょ?足湯・・・お願いしようかしら。あ~気持ちいい。(涙ぐむ)家族の前ではこんな顔できないでしょ。愚痴も言えないし。(足湯を終えて)足まで拭いてもらって、こんなにしてもらってもったいない。でも、なんだかすっきりしたわ。よかった。ありがとうね。(80代・女性)
・水害後、町を歩いた時、あまりの被害のひどさに苦しくて悲しくて、どうしようもない気持ちで家に帰った。その時から、力仕事はできないけど、自分にできることがあればと公民館のお手伝いをほぼ毎日させてもらっているんで
す。(40代・女性)
・水害で台所も使えていないし、疲れて手の込んだ料理もできないだろうから、煮物とか、魚系のものが喜ばれるように思う。普段家で食べていたようなメニューが恋しいって思っているんじゃないかしら。大根の煮つけとか、あたたかくて素朴なもので十分なのよね。(40代・女性)
・家族の不幸や自分の病気が続いて、追い打ちをかけて今回の水害。本当に気持ちが滅入る。自分が何をしたか、と思ってしまう。でもあったかいご飯を食べたら元気になれるかな。。ありがとうね。(50代・女性)
(中ノ峠町)
・ここは山の奥で、20日の大雨で土砂崩れもあって本当に大変だった。なかなか人も来れなくて、昼食がもらえるのはとても嬉しい。うちは少し高い場所にあるから、被災しなかったけど、周りの方々のお宅が被災してとても大変そうで。。これまで見てきた風景と全然違うので戸惑っている。小さな子どももいるけど、みんなの大変さから比べたら私なんか・・(涙ぐむ)
(30代・女性)
・とにかく疲れた。もう足が動かないよ。濁流が道を通って、うちの納屋も一部壊れた。足がむくんできたから、長い靴下は圧迫されて辛いから短いの履いてるんだよ。いててて、腰も足もガタガタだ。(80代・男性)
・山の奥のこんなところにまで、あったかいうどんをわざわざ届けてくれたなんて、本当に嬉しいよ。中海の公民館みたいなところがここにもあるといいんだけれどね。ありがとう。ありがとう。(80代・男性)
・納屋が全壊。トラクターに車、3台中に入ってるけどつぶれてるね。奥の間にも水が入ったみたいだけど、床下がどうなってるか見てないの。だからボランティアさんに来て欲しい。うちの家族もこの場所が好きだから、これからもここに住みたいって言っているのよね。だから修理してとどまりたいと考えています。でも家族みんな現役で働いているからなかなか作業も進まないの
(70代・女性)
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RSY活動支援募金にご協力ください!
(随時受付中)
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この支援金は、スタッフの現地派遣や情報発信、被災者への生活支援プログラ
ムのために活用致します。<銀行振込>
三菱UFJ銀行 本山支店 普通3505681
特定非営利活動法人レスキューストックヤード
※「カツドウキフ 寄付者のお名前(カタカナ)」とご入力ください。
<郵便振替>
00800-3-126026
特定非営利活動法人レスキューストックヤード

RSY・8月3日からの大雨への対応について(第3報)

みなさま
RSYは、8月3日から各地で発生している災害に対し、これまで石川県小松市、福井県南越前町、青森県外ヶ浜町、中泊町にボランティア活動資器材や、災害ボランティア活動支援プロジェクト会議(支援P)生活応援パック「うるうるパック」、衛生用品等のお届けなどの後方支援を行ってまいりました。
活動を通じてつながった地元支援団体や社会福祉協議会からの情報によると、
・水害発生からもなく1か月を迎え、山間部の一部の地域を除き、現地のニーズは泥かき・土砂撤去から、家屋の細かな清掃・消毒・乾燥に移り変わりつつある。
・本格的な生活再建に向けて、さらに長い道のりが待ち受けているが、約1か月間頑張り続けてきた心と身体は既に限界を超えている方もいる。
というお話を聞きました。これから、様々な公的制度の申請もスタートし、季節の移り変わりに応じた衣食住のサポートや、各種申請手続き、今後の生活再建に向けた不安や疑問を少しでも軽減していけるような心的、専門家サポートが長期的に必要と考え、RSYは現地に向けて以下の支援を開始しています。
私たちの活動は、日本財団「令和4年8月大雨被害に関わる支援活動」助成金により実施しています。
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足湯ボランティアオンライン講習会の開催
(青森県)8月26日(金)19:30~21:30
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外ヶ浜町と中泊町への支援の仲介を担って頂た、『(一社)男女共同参画地域みらいねっと』より、「町営住宅転居者や在宅避難者への心のケアに役立つ活動について学びたい」というご相談を頂き、足湯ボランティアの取り組みをご紹介。みらいねっと関係者、被災地域の女性消防団ら7名が参加しました。
ゲストに、佐賀県で足湯ボランティアに取り組む『被災地支援チームOKBASE』をお招きし、活動への想いやコロナ禍での工夫、活動を通じて生まれた被災者との交流や変化などについてお話頂きました。後半の意見交換では、積極的な質問や、足湯+αの活動メニューのアイデアなども飛び交い、「これなら私たちにも取り組めそう!」「学生さんの話からとてもよい刺激を頂いた」「何より被災者の声を聴くことの意義や大切さが分かった」などの感想が寄せられています。
今後も継続的に情報交換や相談の機会を重ね、地元の方々の活動をバックアップしていきたいと思います。
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あったかごはん食堂in中海・中ノ峠町
(石川県小松市)
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小松市社会福祉協議会、中海町の自治会長さんから要請を頂き、8月29日からRSYスタッフ・ボランティアを派遣しています。
現地で既に活動されている、震つなメンバーのコミサポひろしま、被災地NGO恊働センター、支援Pの皆さん、中海町・中野峠町自治会の方々とも連携し、温かく、栄養価の高い食事でホッと一息ついて頂きながら、サロンや足湯ボランティア、個別訪問を行います。これらの活動を通じて、被災された方々の生活状況や心の状態に触れながら、今後必要な支援につなげられるよう、地元の方々と共に取り組んでいきます。
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小松行き・ボランティア募集
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現在、第1陣5名が現地で活動中ですが、当面9月一杯は下記の日程でボランティア派遣を継続します。お時間のある方はぜひご協力ください。
・第2陣:9月5日(月)~7日(水)
・第3陣:9月12日(月)~14日(水)
・第4陣:9月20日(火)~22日(木)
・第5陣:9月26日(月)~28日(水)
※いずれも7:30RSY事務所発、21:00RSY事務所着を予定
★全て平日で1クール2泊3日の活動となります。
★活動内容は、炊き出し、サロン、足湯ボランティア、個別訪問のサポートが中心です。初めての方でも参加可能です。
★現地までの交通費、宿泊費、ボランティア保険の加入(コロナ・天災特約付き)、事前の抗原検査については、RSYが負担します。
★今回の派遣は現地からの要請のもとに行っています。感染症拡大防止のため、ワクチン接種(3回以上)を受けた方、事前の抗原検査に同意する方、現地での健康チェック・行動履歴作成にご協力頂ける方のみお申込み下さい。
【参加申し込み】
各陣出発の3日前までに必ずお申し込み下さい。
お申込みは下記フォームにご記入下さい。
【お問い合わせ】
認定NPO法人レスキューストックヤード(浦野)
メール:info@rsy-nagoya.com
でんわ:090-8731-0014
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RSY活動支援募金にご協力ください!
(随時受付中)
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